それでは最初の講義を始めたいと思います この講義のテーマはオープンエデュケーションとは何かです この講義の学習目標は 以下の3つです 1つ目はオープンエデュケーションの概念について説明できる 2つ目は オープンエデュケーション誕生の歴史について説明できる 3つ目は オープンエデュケーション誕生の前提となる状況 について説明できる ということです オープンエデュケーションとは何なのでしょうか これはさまざまな定義が 言われておりますが ここではですね 教育を「オープン」にし学習機会を促進する「活動」と定義したい と思います つまり教育を受ける上でのさまざまな障壁を取り払う ことによって より多くの人が教育の機会を持つ これを目指す活動ということです オープンエデュケーションの活動には様々なものが含まれます 例えば 教育に用いるツールやビデオなど教材の共有 開かれた学習グループの運営 学習を評価するツールの共同利用など 様々なものがあります 現在こういうものはですね 社会から広い支持を集めて インターネット上で広がっているというふうな 現状です そもそもこのオープンエデュケーションという単語なんですが もともとは違う形で使われていたという経緯があります 1960年代ごろにですね。イギリスを発祥として始まった 日本でいういわゆるオープンスクールというものが このオープンエデュケーションが当初、指していた概念でした これはですね例えば小学校にある教室の壁を取り払って より開かれたスペースを作ると 生徒は自分が決めた学習目標に従ってそれぞれは 個別に学習していくという こういうふうなオープンスクール というふうなものが一時施行された時期があったんですが こういうふうなものをオープンエデュケーションというふうに 特に欧米においては指していた ということがあります これはですね2000年以降テクノロジーを活用して 教育機会を増やす活動を差す概念に変わってきたと いうふうな経緯があるということは覚えておいてください このオープンエデュケーションの活動が広まる前に、いくつかの 歴史といいますか経緯があったということも 押さえておきましょう これは大学による教材販売サイトというものが ある意味失敗してしまったということです 1990年代ですね。インターネットが社会 インフラとして普及するにしたがって eラーニングが普及しました この中で米国のいくつかの大学が 自校の、大学の教材を販売すると いわゆるeコマースのビジネスを立ち上げたことが あったんですね この中にはコロンビア大学などが手がけた Fathomであるとか コーネル大学が手がけたAllLearnなどがありました このような サービスは学生に限らず一般向けに 大学は教材を販売すると いうことをやりました このサービスがですね実は立ち上がったんですが 結果としては 期待されたほど利用者が集まらずビジネスとしては なかなか成立しなかった ということなんです このサービスが開設されてしばらく経つと ですね やはり普通の大学の教材では そのまま販売が難しい ということで 例えばビジネススキルですとか 専門職の開発向けの教材みたいなものも 増やしていったりしたんですが 結局2000年前半にサービスが終了したという 経緯があります つまりこのような教材を有料で販売するということが ビジネスとして成り立ちにくい このことから、これから述べていくような 教材の無償公開という活動につながっていったわけです