この講義ではオープンエデュケーションの特徴 について扱います その中でも 「オープン教材の制作」こちらについて 解説をしたいと思います 学習目標は以下の3つです オープンエデュケーションの特徴のうち 教材をオープンにする活動の概要について説明できること オープン教材 (OER)の 概要と特徴について説明できること オープン教材を制作共有する事例をあげることができること 以上の3つです オープンエデュケーションの活動の特徴の1つが教材をオープンに する活動です こちらの図をご覧頂きたいのですが この右と左を比べるとですね これまでは 何かを学びたいという時には 教材や 教科書を買うために お金を払う必要があった つまり学ぶことにはどうしてもお金がかかると いう状況があったわけですね それと比較して 例えばインターネット上に無料の教材・教科書がある となれば それを自分で取得して無料で学べるようになるわけです このように オープンに教材が インターネット上で提供されて これを使うことができるという こういうふうなものは オープンエデュケーションの活動の特徴の 1つ目だと言えます このようなオープンな教材のことを OER Open Educational Resources と呼びます OERはインターネットで公開された教育用素材 のことを指しまして その種類は 文書資料 画像 動画 電子教科書など さまざまな形態のものをまとめて指します またこういうものですね 普及させようという活動が国際的なムーブメントに進んで いるという いうことも特徴としてあるわけです 2012年には ユネスコにおきまして世界OER議会が開かれ こちらで各国の代表者に対してですね 国レベル地域レベルで OERの政策や普及に取り組むように というふうな宣言がなされたということもありました またOERの特徴としては 誰でも作れる ということなんですね つまり、これまで何か教科書や教材を出版するとなりますと 大学の教員ですとか その学術出版社が出すということが、まずは考えられたわけですが そういうことには限らず 例えば何かの専門性を持つ個人が自分の専門の内容を 教材にするですとか、企業が自社の人材育成についての 内容を 教材にして公開する そういうふうな組織に限らず、個人や企業様々な非営利 組織 そして大学を含んで そういう 多様な主体がですね教材の制作に参加して それをインターネット上で公開していくと こういうふうなことがオープン教材 OERの特徴と言えます オープン教材のもう1つの特徴として 再利用が推奨されている ということがあります これはどういう意味かと言いますと 例えば 高校生向けの物理の教材がありましたと これを大学生が復習のために使いたいもしくは 中学生が少し先にいってその内容を学びたいというときに 同じ教材をそのまま 大学生や中学生に 使わせるということは難しい場合があるわけです 例えば漢字が読めないなどの 既有知識が違う場合にはですね その教材をそのまま使えないので 例えば中学生向け 大学生向けに作り変えるということが必要になります この時に 新しい教材を一から作るというのは非常に手間がかかるので その代わりにですね 今ある教材を少し作り変えて中学生向け 大学生向けに提供するということが 効率的なわけです このような 二次利用を None 二次利用をすすめるということがオープン教材の 1つの特徴になってます この時に問題となるのは著作権です つまり元々の教材を作った方がそういうふうな改編を許すか ということについてなんですが ここで クリエイティブ・コモンズ・ライセンスと言われるような 二次利用の利用制限を教材の中に示しておくような 意思表示を つけておく このような意思表示システムを使うということが有効な わけです と言いますのも、ある教材に例えばこのクリエイティブ・ コモンズ・ライセンスで本人の著作者の名前を載せていれば 自由に改編していいですよと元々書いてあるとすれば それを二次利用したい人は、いちいち著作者に問い合わせる必要は なく それを改編することができるわけです もちろんですね。このようなクリエイティブ・コモンズ・ ライセンスがついていたとしても その元々の教材の著作権は、その作り手にあるわけです つまりこのように コンテンツの作り手の権利を守りながら受け手にも作品を 自由に使う余地を残すと こういうことが 可能になるということですね このような例えばクリエイティブ・コモンズ・ ライセンスのようなものを付与することでコンテンツの流通ですとか 再利用を促すということが期待されています クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示方法は かなりいろんな種類がありまして こちらの 赤い方は いわゆる All rights reserved といいますか すべてのライセンスが 本人にあるという それに加えてこちらの緑側の方は いわゆるパブリックドメイン あらゆる二次利用に関する 権利が 二次利用者にあるということなんですが、この間を取っていくのが クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの特徴で 例えば 本人の 著作者の名前を載せれば再利用してもいいですよ もしくは非営利用途なら教育用途ならいいですよ などのように 様々な条件を追加して表示すると そういうふうなある種、こういうものをSome Rights Reserved と言うのですが クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの特徴 になっています このようなOER、オープン教材を提供している 代表的なWEBサイトが OER Commonsです このサイトではオープン教材を、検索・閲覧・共有できる ような機能がついています ここにはですね、現在5万を超えるような教材が掲載 されています OER Commonsの活動は、ヒューレット財団などの寄付財団の 支援を受けながら進められていて 現在も継続的にOERが、このWEBサイトで増えている という状況です