この講義ではオープンエデュケーションの特徴の中でも オープン教材を公開するウェブサイト について さらに事例を紹介していきます この講義の学習目標は以下の2つです オープンエデュケーションの特徴のうち オープン教材を配布するウェブサイトの特徴について 説明できること もう1つが オープン教材を配布するウェブサイトの事例の名称と 特徴について説明できることです オープン教材を公開するウェブサイトの事例として Open Learning Initiativeを紹介したい と思います これはカーネギーメロン大学が開設している教育 プラットフォームで 2001年に開設されました Open Learning Initiativeでは オープン教材を公開するだけでなく この教材をカーネギーメロン大学や その周囲のいくつかの大学の大学講義でも利用しています またOpen Learning Initiativeの活動は ヒューレット財団などいくつかの寄付団体からの支援を 受けています Open Learning Initiativeには、これまでのオープンコースウェアや オープンラーンには無いような いくつかの非常に特徴的な部分があります 1つがですね オープン教材を作られた 学習コースを作っているということです つまり大学の教材をウェブサイトに掲載する というだけではなくてですね それを 1つのまとまった学習コースとして構造化している ということです つまりその教材を使うことで ある内容について自学自習で学ぶことができるような 仕組みになっています それだけではなくてそのような学習コースの中に 個別指導システムが組み込まれてるんですね その中で例えば学習内容について 質問するクイズ が組込まれていたり 何かの演習のようなものがあるという そういう風なもの Cognitive Tutorや Mini Tutorと呼んでるんですが これは1980年代くらいが非常に盛んでありました コンピュータを用いた学習 知的CAI(Computer Assisted Insturuction)などの技術を より成熟させて学習者と インタラクティブに共に学んでいくことで 学習内容について理解を深めるということが 狙われているわけです このような仕組みを取り入れて 学習者に適切なフィードバックを与えて さらに学習者の回答データを蓄積して収集すると このことによって 教材の改善にも役立てている ということです この学習コースの制作にはですね チームで取り組んでいるということが特徴です こういうものをOpen Learning Initiativeでは チームベースド・アプローチと 呼んでいるんですが 例えばその講義を担当する教員 または オンライン学習を成功させるための教材設計にアドバイス を与える 学習科学の研究者 または教材を制作していく制作チーム こういうふうなものが チームを形成してより良い教材を作っていくということが 継続的に行われているわけです また、このような学習コースを 一般に公開するだけではなくて カーネギーメロン大学の学生や この周囲のいくつかの大学において実際に授業で使うと そのことによって 大学教育の改善を目指しているということも あります 実際にOpen Learning Initiativeでは 彼らの作った学習コースの評価研究もされていまして 例えばこの学習コースを授業の中で使うことで 講義の期間をこれまで1年かっていたものが 半年に短縮できる ですとか 学習者の学習効果が向上する もしくは学習者の修了率が上がる つまりドロップアウトしてしまう学生が減る ということですね こういう風な効果が 実証されています 次の事例がMERLOT(注:スライドが誤記)です カリフォルニア州立大学によるオープン教材を公開 するウェブサイトで これもMIT オープンコースウェアより 早い 1997年に開設されています これは米国のNSFが支援をしたことから 始まったという経緯もあります MERLOTは現在に至るまで3万6000を超える教材を公開 しています また特徴としまして教材のピアレビューを導入しているということ なんですね つまり MERLOTに掲載される教材というのを 教材を掲載するプロセスの中で 何人かの専門家が さまざまな評価をして質を高めていくと こういうことで 掲載される教材の品質を高めることを 目指しています またその品質を判断するにあたっても教材の 使いやすさですとか 教育ツール 様々な観点からそれを評価することで学習したい人にとって 非常に適切な教材を提供しようということが 目指されているわけです 次の事例が、iTunes U(アイチューンズ・ユー)です ここまでご紹介してきた事例は 大学などがですね 自校の教材を オンラインに公開していくということだったのですが このような ウェブサイトを作ることは大学だけでなくて、様々な企業も 取り組んでいるということなんですね その代表的な事例が、iTunes Uです iTunes Uは Apple社が2007年に開設したサイトで 自社アプリケーション「iTunes」の なかの教育チャンネルとして位置づけられます 皆さんの中にもiTunesを使っていらっしゃる、もしくはiPhoneや iPadを使っていらっしゃる方もいらっしゃると思うんですが それを管理するためのアプリケーションのiTunes その中に チャンネルをいくつか探っていくとこういう風な 教育専用チャンネルというのがあるんですね この中で 大学などの講義ビデオや教育コースを配信していると いうものです Google社もこのような取り組みをやっています これが、YouTube EDUです これは皆さんもおそらくご存知の方も多いかと 思いますが動画配信サービスのYouTubeの中に教育 チャンネルがあります この中で大学などの講義ビデオや 教育コースが配信されているという ことです 次の事例は、Khan Academyです Khan Academyはですね 2004年に当時投資アナリストであった、サルマン・カーンさんという 方が 個人的に始めた取り組みが 元々の経緯になります このサルマン・カーンさんはですね 自分の親戚の子供に対して 数学や算数を教えるという ときに 問題の解き方を解説したビデオを作ってYouTubeであげたと これが経緯になってるんですけども このサルマン・カーンさんが作るビデオというのが非常に わかりやすいというふうにネット上で評判になりまして この活動が広がっていったという経緯があります サルマン・カーンさんはこの後投資アナリストになりまして Khan Academyという非営利団体を立ち上げまして その中で組織的に教材ビデオを公開するという活動を 現在に至るまで続けています 現在Khan Academyではですね。数学や物理また美術など含む様々な 教材を講義ビデオとして公開し その数は4000を超えているというふうに言われています またKhan Academyの特徴として単にビデオを公開するという だけではなく それぞれの学習者がどのビデオを見たかという 視聴履歴からですね、またそのクイズの解答なども使い ながら 学習者に適切な教材を推薦していく、またはその学習の 進捗を管理するような 学習管理システムを用意しているということが特徴です このような仕組みを使うことで自学自習をする際にその 効果を高める というふうなことも狙われています