この講義ではMOOCの事例について 紹介したいと思います 学習目標は以下の2つです 1つ目がMOOCプロバイダと 呼ばれるものの代表的な事例について説明できること もう1つが MOOCコンソーシアムと 呼ばれるものの代表的な事例について 説明できる事です ここではまずMOOCプロバイダの事例を 紹介したいと思います MOOCプロバイダとして代表的な事例が Courseraです Courseraは教育ベンチャー企業で これまでベンチャーキャピタルなどから 8000万ドルを超える資金を調達して MOOCを 運営しています Courseraはですね 世界の102の大学から 400以上の講義を集めてMOOCで公開していると また、そのCourseraに集まる学習者の数は 600万人を超えていると つまり非常に大きい学習コミュニティを持った サービスプロバイダになっていると いうことですね またCourseraで提供されているMOOCは 英語に限らず多言語になっています その中には 日本語の字幕が付いたビデオなども含まれています 日本からは2013年に東京大学が加入しまして 2013年の夏に2つのMOOCを開講しました Courseraの特徴は先ほど申し上げたように 大学の講義をMOOCとして公開する プロバイダという役目を持っているということです つまり、ある大学が このようなMOOCに対応したこういうコンテンツを作り それを提供するWebサイトを作りサービスをするというのは 非常に大変なので、そういうものを大学に 成り代わってやると 大学から講義のコンテンツを 受け取りそれをMOOCとして作り それを公開して実際講座を運営すると そういうふうなサービスを提供していると そういうふうな教育ベンチャー企業だと いうことです Courseraは2012年にスタンフォード大の教授らによって 設立されました これは先ほど講義でご紹介した 機械学習という講座を スタンフォード大学に居ながら立ち上げた方なのですが この方のお名前をアンドリュー・ングさんといいます またこの方がですねダフニー・コラーさんという これもスタンフォード大の教授ですが この二人が一緒になって 新しい教育ベンチャー企業を立ち上げたと これがCourseraです もう一つのMOOCプロバイダの事例が Udacity(ウダシティ)です UdacityはCourseraと同じく 大学レベルのMOOCを公開するプロバイダです Udacityは2012年にスタンフォード大の教授である セバスチャン・スランと ピーター・ノーウィグらによって立ち上げられました セバスチャン・スランという方は 例えば Google Carですとか Google GlassなどGoogleの非常に先進的な 製品やサービスを手がけるGoogle Xという グループに属していまして 彼は人工知能の研究の専門家です 彼はスタンフォード大学にいながら 人工知能の講座を運営したんですがこれが 非常に多数の受講者を集めたと これについては先程ご紹介したアンドリュー・ングも一緒で 二人の講座はそれぞれ10万人を超えるような 受講者を集めたんですね こういうことがありまして 彼らは教育ベンチャー企業を立ち上げた というふうな経緯があります Udacityは Courseraと同じような教育ベンチャー企業で これは大学単位ではなく個人の教員が MOOCを開講するということが特徴なんですね Courseraの場合は大学の名前のもとに 講義をやるわけですが Udacityは個人で参加するという形です また例えば人工知能によるロボットカーを製作するような 普通の大学にはなかなかない珍しい講義を 開講していることも 特徴だと思います 現在までにCourseraは28のコースを公開していて 203ヶ国から受講者が集まっているといわれています またUdacityは 2013年の終わりにですね 学習支援の機能を強化するということを発表しまして 有料で受講者一人一人にチューターをつけるということを 発表しました つまり MOOCの中でより学習成果が上がるように 手厚いサポートをつけながら、それに対して課金をする ということも検討しているという ふうなことなんですね そのほかにもこのようなMOOCプロバイダ いくつか事例があります 例えばドイツのベンチャー企業による Iversity(アイバーシティ) ですとか 米国にはですね 2U(ツーユー)という教育ベンチャー企業による Semester Onlineというものがあり ここでは中堅の大学がMOOCを開講しています またのNovoEDという米国のサービスがありまして こちらも教育ベンチャー企業によるサービスです 次にMOOCコンソーシアムと呼ばれるものの事例を 紹介したいと思います コンソーシアムと呼ばれるゆえんはですね 大学がいくつか集まって共同でMOOCを公開しようと いうふうな大学連携の取り組みなんですね この代表的な事例が edX(エデックス)です edXは2012年に MITとハーバード大学によって設立されました 両方の大学が合計6000万ドルという多額の資金を お互いに出資しまして MOOCを共同で開講すると というサービスを立ち上げたんですね 現在edXには世界27カ国から大学が参加していて 100万人を超える受講者がいるといわれています 日本からは 2013年に京都大学が参加し 2014年には 東京大学と大阪大学も加入しました 京都大学は2014年の春以降に MOOCを開講する予定になっています またedXが特徴的なのは自分たちがMOOCを 開講するのに必要なソフトウエア これをオープンソースで 公開しているですね これをOpen edXと呼びますが現在世界中で様々な組織が このOpen edXを使って自らMOOCを 公開するという取り組みを 進めています もう一つのMOOCコンソーシアムの事例が こちらのFutureLearnです これはイギリスのオープンユニバーシティが所有している企業が 開設したもので edXと同じように様々な大学が参加して MOOCを開講しています FutureLearnにはですね 現在140ヶ国の学生が 受講登録をしていると言われていて イギリスだけではなくてオーストラリアやアイルランドの 大学が参加していると 現時点での20のMOOCが開講されています これ以外にも様々なMOOCコンソーシアムが 世界中に立ちあがっていまして 例えばフランス 例えば中国 またサウジアラビアなど様々な国で 政府が支援をしたり、もしくはその大学連合よるものだったり 教育ベンチャー企業によるものだったりという コンソーシアムができています 非常に興味深いのが これらのコンソーシアムはすべてOpen edXを プラットフォームに利用しているということですね つまりこのように 既にオープンソースとして開発されて 提供されたプラットフォームを使いながら できるだけ効果的に速いスピードで MOOCを公開すると いうふうなことを目指しているという事です そのほかの事例として JMOOC(ジェイムーク)があります 皆さんはご存知の通りこの講座自体もですね JMOOCがある意味で バックアップをしている NTTドコモらによるgacco(ガッコ)という プラットフォームの上で 開講されている講座なのですが JMOOCと言いますのは わが国において産学連携のもとで MOOCの利用普及を図る協議会です この協議会のもとで複数のMOOCプラットフォームが 提供されていて そのうちの1つが いま皆さんが、まさに受講している このgaccoなわけです 2014年の春以降に MOOCが順次公開されるという というふうな予定になっています