この講義ではMOOCの 特徴について解説をしたいと思います ここの学習目標は こちらです MOOCの特徴について 説明できるということです MOOCには いくつかの特徴があります 順を追って説明していきたいと思います 1つが学習コースの無償提供と いうことです これまでもOpen Course Wareのように 教材を無償で公開する もしくはオープンスタディのように学習コミュニティが提供 されているというものはありましたが ある決まった 学習目標を持った 学習コースというものをですね 無償提供するというものはこれまでありませんでした しかもこのような学習コースを 特別なソフトウエアなどを必要とせずにですね インターネットに接続する環境があれば ブラウザを使って閲覧できる教材になっていると その中には例えば配布資料ですとか講義ビデオ クイズやシミュレーション教材などが含まれるということです ここの下にある図は私が受講していたCourseraの Introduction to Sustainabilityという講義なんですけど 例えばこちらにある通りスライドですとかビデオ またCourseraのサイトの中に その何週間分のスケジュールや 学習目標やクイズ 補助教材、学習に必要な様々なものがパッケージで 提供されているんですね かつ、 それをこういうふうに順序立てて それ通り学んでいけば ある特定の専門内容について 包括的に学べるという仕組みになっています 2つ目の特徴は 修了証の交付です 用意された学習コースを順を追って全て受講し 到達目標に達したと思われた 受講者に対して 修了証を与えます この修了証は 講師もしくは その講師が所属する大学などから 与えられます 修了証というのは 以前の講義でご紹介した オープンバッジのようにですね ある人がある知識や技術を身につけたということを 証明するものであります それに対して 大学の単位というのは大学がある種、機関として 認証を受けた上で与えるものですけども MOOCの修了証というのは確かに大学レベルの 講座について認定を与えるものかもしれませんが 大学の単位ではないんですね ここは大きな違いです なんですが、実は若干例外があったり という場合もありますので これは後の講義で追ってご紹介したいと思います また修了証については 交付をするときに有料になるという場合もありますので そこの違いにも注意が必要です 3つ目は 自主的なコース受講 ということです 例えばCoursera、edXのようWebサイトで何かの講座を 受講したいと思った時には 自分のメールアドレスなどを使ってですね アカウントを作るという そのWebサイトに登録をして受講を始める そういう受講登録をすれば 誰でも学び始めることができます これは先ほどもご紹介したとおりインターネットに 接続できる環境があれば 特に特別なソフトなども必要ありません このように非常に手軽に始められるところが MOOCの特徴なんですが 一方でこのコースを完了する 義務もないわけですね つまり 自分が興味のあるコースをいくつか取ってみて その中から本当にこれは最後まで受講したいと思われるものを選ぶと そういう使い方もできるわけです つまり途中で離脱する、やめてしまうということも 仕組み上は許されているわけで 自分の興味に応じて適切な教材を探したりですとか 場合によっては全部を受講したりなど、受講者の希望によって 使い分けることもできます このような仕組みということもありまして 受講者全体で見ると コースの修了率 つまり、1つのコースの中で 最初に受講登録をした人が どれぐらい最後の修了書の交付にたどり着いたか というとこなんですけど これは10%程度と非常に低いというデータが出ています これは、そのMOOC自体の学習を継続することに問題があるという こともあるのかもしれませんが それに加えてですね、MOOCを受講する人が 先ほども申しましたように ちょっとこの教材みたいとか 少し受けてみたことで ある意味学習を止める事に決めるというような 自由な参加方法があると、そういうことも 理由の一つなのかもしれません 4つ目の特徴が 学習コミュニティへの参加です MOOCはある学習コースが与えられて そこで学んでいくわけなんですけども 決して一人で自学自習するわけだけではないですね MOOCには各コースに電子掲示板がもうけられていて そこで講師やTA(ティーチングアシスタント)の方と 質疑応答ができる、またその学習者同士で コミュニケーションをとることができます 私が受けたMOOCでも結構おもしろかったのが そのある講座が立ち上がると、例えばどこどこの地域の人 ここに書き込んでくださいみたいな、地域ごとのスレッドが 立ってそこで自己紹介するみたいなことから始まるんですね そういう人同士がある意味自分達の言語で質問しあったり みたいなことが起こって、非常にグローバルな プラットホームなのですけど、そういうローカル性があって 面白いなとも思いました こういうふうな繋がりっていうのがオンライン だけに留まっていないっていうのも面白いと思いますね 例えばCourseraは ミートアップというのを提唱していて 受講者がオフラインで実際に出会うと いうふうなことを推奨しているわけです 例えばCourseraの場合ですと世界中に3000を超えるような オフラインでのミートアップ、いわゆる オフ会みたいなのがあって そこへ受講者が集まってお互いの 分からないとこを質問したりですとか どういう講座をとっているかをお互い情報交換をすると こういう事によって 学習に対する意欲を高めると いうことも 期待されている 訳なんです このようにMOOCを見てきた時に じゃあ、このMOOCいうのは、いわゆるeラーニングと 何が違うんだと 疑問に思われる方も 大勢いらっしゃるのかなと思います 私の考えではいくつか違いを上げることが できるかなと思います 1つは誰でも受講できるということです 例えば大学が開講するeラーニングですと そこで学生であるということが大前提になるわけ ですけど そういう必要はないわけですね またMOOCの受講は基本的に無料です つまり大学が 授業の一環として有料でやる eラーニングと比べると 学費が全くかからないというところも違い また単位は与えられないですね これは先ほど申し上げましたが 一部例外があるんですけども 基本的に単位は与えられません またコース完了は必須ではないですね 何かの資格を取る、何かの単位を取るために あるコースを受講することは基本的に求められているのが 多くのeラーニングだと思うんですが ある意味コースのつまみぐいであるですとか ある教材を見たいがためにコースを受講するみたいなことも 取り組み方としてありなわけです 結果として修了率が10%程度と 比較的低いということも特徴でしょう また、このような受講をする 学生の学習コミュニティは世界中に広がっているというのが 非常に面白いところで 例えばこのMOOCのこの掲示板の一つのメリットとしては 世界中から受講者が受けているので ある質問を投げた時にかえってくるスピードが非常に早い ということが言われているんですね つまり、例えば日本の中だけで、あるeラーニングを 開講していると、日本の中でほとんどの人が寝ている時間は 掲示板はほぼ死んでいるという状況になってしまうんですが これがedXやCourseraなどの世界中から 学習者が参加しているとどんな時間に質問を投稿しても 誰かが見てるから誰かが返してくれると、そういうとこで 非常にインタラクション性が最終的に上がると いうことも非常に面白いところのようです というわけでこれまでMOOCの特徴を見てきましたが 私はですねMOOCというのはある意味 このオンライン講座による 教育サービスと言えるのかなと思います 以前の授業でもご紹介しましたがこのような図で 比較して考えてみたいと思いますけど これまでのOERを使った学習コミュニティというのは インターネット上に様々な教材があってそれを使って コミュニティの中で学べるという特徴がありました これに対して MOOCの大きな違いはそこに 講師がいるんですね つまり教材から学ぶだけではなくて 講師が数週間もしくは数ヶ月の学習コースを 運営していますよと、それに同時にみんなが受講すると また、そのコースの中には 電子掲示板などお互いに ディスカッションするような場も設けられていて OERによる学習コミュニティと同じような効果をもっていると それに加えて あるレベルに達したと思われる受講者には この様に認定証が与えられると このことによって、この受講者が 学んだ内容ですとか その人が身につけた 知識や技術に に対しての 認定が与えられるという これが大きな違いかと思います