Week4 レポート

JMOOC講座「オープンエデュケーションと未来の学び」

 佐伯さんは新卒としてパソコンメーカの技術的なサポート部門で働いていたものの、その就労環境や業務量に無理があり日常的な作業もままならないことも増え、ある朝突然の吐き気に見舞われ家族の勧めもあり精神科を受診し、適応障害と抑うつ状態と診断され数ヶ月の自宅療養と服薬を指示され、事実上の戦力離脱となりやむなく退職した。
 自宅療養となったものの、憂鬱や気力がないことも多く、自身が存在しているかも曖昧で人と接することも減り徐々に引きこもりがちになったものの、スマホの各種操作などは可能でSNSを通じての友人も増えてきてある程度の活力が戻ってきた中、ネットの情報サイトでMOOCであるOpenLearningJapan(以後OLJと表記)の存在を知った。
 分野を問わず「学ぶ」ことが佐伯さんは昔から好きで、OLJのオンライン講義により他人と直接接触せずに済み、修了までの費用は一切無料というのは経済的に厳しい自分には敷居が低く、修了という目標も設定されているという様々な点に興味を持ち、継続できるかという不安を抱きつつも受講を始めた。
 電子掲示板がOLJ内に設けられていることも知り、講義に対する他の受講者の意見ややりとりを見ていく中で、自身も発言をして持っている考えを知ってもらいたいという積極性が生まれディスカッションに参加し、講義内のレポートの相互採点では他の受講者からの辛辣な採点やコメントを通じて自身の持っている考えの正否を指摘してもらうと同時に、それは自身の存在を他人に認識してもらっていることとなり、抱いていた自身が存在しているかという疑問も払拭できた。
 OLJを通して様々な知識も増え自信も持てたため、主治医と相談のうえアルバイトをしようと決め履歴書にこれまでの経緯を素直に書きOLJでの修了などのことも書いたところ、それらが採用担当者の目に留まりその意欲を買われ採用となり社会復帰の一歩へと繋がった。

※以上でスペースと改行を含め、注釈を除き795文字となります

近藤明人さん(60歳)は会社で、金属の塑性加工の技術者として働いてきた。定年を迎え、今後は悠々自適の生活を行うつもりであったが、会社から近藤さんが身に着けてきたノウハウの伝達を目的として後進の指導に当たってほしい、と再雇用の要請があった。しかし近藤さんは工業高校卒であり、就職後は先輩から怒鳴られながら経験を積み、また独学で身に着けた知識であって、とても大卒者である後進の指導などできないと断っていた。
そんな中、人事部長よりGACCOの存在を教えられた。部長の話では、履歴書にGACCOのMOOCを受講した人の履歴書を見ることがあるということだった。何気なくGACCOを見てみたところ、塑性加工に関連するMOOCがあり、技術者として興味のままに受講した。無料だったので軽い気持ちだった。
MOOCでは、自分が独学で勉強してきたことが体系立てて説明され、自分の理解が正しかったことに安堵し、一方で自分のテキストを持ち出し、どうしても理解できなかった箇所を改めてマークした。MOOCには反転学習の機会があり、これに参加することによって長年の疑問を講師に問うことができ、経験と知識が一致した。これが近藤さんの自信となった。
また反転学習の際に知り合った若者は、塑性加工技術について熱く語り、自分の会社にもこのような若者がいてほしいと思った。
近藤さんは、人事部長にGACCOで刺激を受けたことを報告し、後進の指導役を引き受けることを承知したが、一つだけ条件を付けた。それは、週に何度か大学の講座を受けるのでそのときは休みたいということだった。人事部長も、最先端の情報を持ち帰ってくれるのは大歓迎だと言ってくれた。
反転学習で知り合った若者たちとは年に数回懇親会を開き、近藤さんには最新の情報を得たり、若者の考え方を学んだりする機会となっている。
またこの会社では、GACCOを従業員教育の一端として利用するようになり、修了証があればいくつかの社内研修が免除されるようになった。

斎藤知子さんは高校三年生の春、突然交通事故に遭い、その年の卒業が不可能となってしまった。翌年高校卒業資格は満たし、けがもリハビリを行ったことで完治したものの、自分がドロップアウターであるという意識から自信を喪失し、自宅に引きこもってしまった。本来なら志望する文系の大学の受験勉強を続けているはずだった。
気晴らしにネットをしていた知子さんは、偶然見つけたサイトからgaccoの情報を得、試しに受講してみることにした。ちょうど開講していた「オープンエデュケーションと未来の学び」を選択したが、予備知識はまったくなかった。しかし、学習を進めるにつれてこの講義は自分のような人のためにあるのではないかと驚いた。一度学習のレールから降りてしまった自分。ディスカッションで交流を深めた人たちは優しく、課題を通じて修了書も取得し、評価される喜びを取り戻した。
今知子さんは、大学に入学するための勉強を再開した。学ぶことの意義を再確認し、キャリアを築いていくことの意味を知ったからだ。ネット、そして講義を通じて知った世界の広さ。ゆくゆくは英語を専門として勉強し、海外の大学に留学したいと希望している。

鈴木知代さんは山形県に住む理系の高校3年生である。首都圏の大学への進学を検討しており、受験勉強を行っているが、住んでいる場所が田舎なため、近くに予備校などは無い。通っている高校で大学に進学する人のほとんどは地元の大学で、首都圏の大学に進学する生徒はほとんどいない。3年生になり数学の授業が特に難しくなってきており、進学のために何とかしたいと考えていた。そんな時にmanaveeというサイトを見つけた。このサイトでは大学入試向けの動画がなんと無料で公開されていた。知代さんは苦手な数学の動画を探してみると、単元ごとに複数の講師の動画が用意されていた。講師のほとんどは難関大学の大学生で、自分の受験の体験などを織り交ぜながら行われる授業は知代さんにとって分かりやすく、おじさんがダラダラと行う学校の授業よりも学習の意欲がわくものだった。
このサイトでは講師に質問をすることも可能で、学習内容に関することはもちろんだが、それ以外の質問も受け付けていた。知代さんは首都圏の大学を受験するか地元の大学を受験するかで迷っていたのだが、ちょうど講師の中に首都圏の大学に通っている女性の講師がいたので、大学の様子を聞いたり、進路相談をした。講師も地方出身者であり、首都圏の大学に通うメリット、デメリットを教えてくれた。また、同じ大学を志望しているほかの受講者とも知り合うことができた。それまで一人で頑張っていたが、同じ大学を目指す友人もでき、学習意欲も高まった。

田島 勉さんは、都内に住む大学1年生だ。親の仕送りと少しのバイトで生活し、勉強することに充実を感じている。もともと彼は勉強が好きなのだ。研究者になることが夢だった。
そんな彼に、突然の不幸が訪れた。父親が病に倒れたのだ。長期の入院を余儀なくされ、彼への仕送りは断たれてしまった。苦渋の思いで、彼は大学を中退することになった。
— 10年後 —
田島さんは営業マンとして働いていた。仕事は順調で、やり甲斐も感じていた。それなりに充実した生活を送っていたが、ふとした時に昔のことを思い出すのだった。学問の道への憧れだった。しかし忙しい日常に、その思いはかき消されてしまうのだった。
そんな折、たまたま営業先でeラーニングというインターネット上のサービスを知った。調べてみると様々なサービスがあり、大学の講義までもがインターネットで無償で公開されていることを知った。今はこんなに手軽に大学の講義が受けられるのか。大学生の頃の熱い思いを、彼は心に感じていた。
しかし日本語の講義はまだ少なく、多くは海外の大学の英語による講義だった。そこで、英語を勉強することから始めた。もともと勉強が好きな彼は、英語の勉強は苦にならなかった。大学の講義を受けたいという思いも後押ししていた。
1年後、英語が上達した彼は、edXで講義を受け始めた。edXはビデオやスライドはもちろん、オーディオ、字幕、日本語訳まで備わっていて、まだ十分とは言えない彼の英語力を補うことを可能にしてくれた。最初は見るだけだったディスカッションにも徐々に参加し、英語でコミュニケーションしたり議論を深めることに喜びを感じるようになった。
昔の夢は叶わなかったが、今でもこうして学問に携わることができる。そしてこれからも、技術の進化や工夫で今まで以上により良い形で学問に関わっていけるのではないか。過去の夢が、また違う形で新しく生まれ変わろうとしているのを、清々しく感じた。

注釈:ーーーーー↓
【 】内がMOOC的なもので書いてあります。
若干文章が荒いので読みづらくなってます。
たぶんラノベっぽい仕上がりになってます。
ストーリを要約すると、「 どん底に突き落とされた主人公がもがきながらも天命を受け他主人公が自信を再獲得して這い上がっていくプロセスを【JMOOC】とともに描き、やがて勝利に【JMOOC】と共に到達するする」で書いてみました。


課題:ーーーーー↓
NEETの山田敦28歳(仮名)は絶望の日々を送ってた。 

昔、彼は最終学歴こそは2流私大で悪くもなく良くもなく、とある湿気がむっとする独特の気象感のある地方のとある信用金庫に数年間入社していた。

 それもサークルの酒飲み酒臭い先輩のコネだったのだし、別に特別になにかスキルを買われて入社したわけでは無い。 

 そして日々の彼の仕事は順調とはいえず、中途半端に和洋折衷でまたコレが中途半端に古いので隙間風がドン入りする事務所。 
 セコくて1円たりとも間違いを許さない信用金庫なので、あたりが真っ暗になり街頭の明かりのみ宇宙空間の恒星のようにキラキラひかってる状態になるまでの深夜残業も多い。 
 そして其の状況下で、オアシズ大久保似の女上司の唾液飛び散る勢いのパワハラや陰湿なセクハラ等々、また、得意先での不具合を責められて中小企業の脂ぎったオヤジ社長と息子専務に土下座をしたりという顛末。
 やっとのもいで仕事外でこそこそと、合コン仲間のコネで得た女にはフラレて「とほほな性愛生活」になったりと、つくづく不幸の連撃をいやというほどに冷水シャワーのように浴びた。
 これは自分の劣後性をいやというほどに、それはスタバのエスプレッソのように苦い思いを味わい尽くした。

当然にかれは絶望の闇に取り込まれ軽い躁鬱病になったのである。赤ら顔の赤鬼のようなオアシズ大久保に似た女上司の怒号「1円が足りないぞ!お前だろ、またかよ!?かんべんしてくれよ~」同僚の覚めた視線がチクリとプライドを刺す。 そして程なくして円満に退職を促された・・・。

 悲喜劇も幾年か過ぎ、閉じたカーテンの隙間から部屋に差し込む僅かな光。スーツを着ることのない彼はもうすっかりプロNEETである。

 薄暗く狭い、古びた和室の部屋でいつものWebサービス、2Ch・NETを舐めるように閲覧してて、ディスる(獲物)相手を物色していたのだが、たまたま付けぱなしで何年も見てはいないため埃が2~3㎜くらい堆積してるが多少の風量では微動だにしない。 その照明器具化したあるいはジュークボックス化したテレビがコーヒーの飛沫が塊ついたLCD画面が突然放つ「 新しい大学! 【 JMOOC 】 で変える未来!! あなたもチャレンジ 」と言う言葉に棒で殴られたかのようにクラクラと意識を取られた。

 早速【Gacco】にアクセスして登録した。 

その日から彼は【東大の中世の歴史】、【慶応大のインターネット】、【早稲田の國際安全保障】という講座をやり続けた。 無我夢中だった。

 なにか失ったものを取り返せるのではないか?。
俺はもう一度やり直せるのではないか?という根拠の無い期待を胸に秘め頑張った。

 そしてなんとか歴史だけは【 修了証 】を発行出来たが、インターネットはさっぱり原理的なことすら知らず、タダの2chプロであることを勘違いして、「俺にはPCのスキルがある」と思い込んでいただけにショックなほどに惨敗し、【 早稲田の國際安全保障 】においては【 バーゲニングモデル 】がどうたらことたらとか、「日頃スーパーのバーゲンセールで安いものしか食わない俺にはさっぱり何を言ってるかすらわからない」という惨敗ぶりだった・・・。

 いつもの習慣でディスる相手をもとめて【 JMOOCの掲示板 】を舐めるように見てた。【掲示板】にはどなたか知らないが、やれ「 3件連続で【 修了書 】を余裕こいて獲得した 」とか、自慢してた輩たちがいて、ウソかマジかわからないけど、憎らしく腹立たしかった。ついついキーボドを叩く力が大きくなる。壊れてしまいそう(笑)。

 その他、【 掲示板 】でのやりとりは彼にとっては面白くないことが多かった。 どう見てもインテリ層の書き込みらしいやたらとIQが高そうな、Sランク大学的な、なんかの学問の専門家のような書き込みに対して一発カマしてやろうと挑んでも、たいてい軽くあしらわれて阿保扱いされるだけだった。 レスを考えすぎて鼻血が出てしまうこともあった(笑)

 掲示板閲覧でメンタルダメージを受けてしまい、めげそうになってたが、とあるユーザーの書き込みによってはたと気がついた、「 お前は何を求めている? お前もアナと雪の女王の歌のように、ありのままの自分であればいいのだ 」とそいつは偉そうに書いていた。其の文字列だけが、異様に自己主張してた、色が違うように見えた。

 それからイラッとしたが、しばらくして悶々とし、そしてはたと気がついた。ピカピカと脳内に稲妻が走り、東京からすべての世界が見える、世界から宇宙が見える、そういう感覚になったのだ。 「 僕は無い物ねだりばかりしていたと、今までくだらないことで自分を自分で苦しめているのだと気がついた」 と口角泡を3mほど飛ばし叫んだのだ!!(キタナイ)。

 それが彼の人生への反転攻撃ならぬ【 反転授業 】への参加を決意させた。さらに【 MEET UP 】という会員同士の勉強会にも参加するようになった。
 さすがにリアルの空間他人の体臭や視線、刹那に見せる意味深な表情。などなど久しぶりだ。 2ch掲示板上の屁理屈ではない人間のリアリティを感じて、就労中や学生中のころなら当たり前的になにも思わなかったが、NEET生活のマイナス効果でそんなつまんないことでも感動してた。

 そして彼は人が変わった、他人と自分を比べずに、自己卑下せず、ひたむきに、遅い歩みだけど、確実に、ちっぽけな存在だけど、誰も見向きもしないけど、しかしそれでも、それだからこそ・・・。 そう、匍匐前進していく。
 
その進撃は後光すら見えるほどだ。紫金色に輝いていた。誰も止められない、彼は確かに・・・そう人はそれを奇跡と言う。

 さて、常に彼の傍らには【 修了証 】を小さく印刷したステッカーがたくさんはられた傷だらけの自慢のノートPCがある。それはまるでギャルがプリクラを貼りまくってたギャル手帳のようだ。そしてところどころ割れや凹みが有る。ボディが擦り切れてもいる。でも誇らしく力強い。

 あれから1年、彼は劇的に変わった【JMOOC】を継続し、【反転授業】や【MEET UP】をできるだけ出席した。其の結果、知性も向上し、モチベーションも【モチベーションマネジメント講座】から学んだことを日々是々で実践しているため前向きだ!。

 ほどなくして、びっくりするくらい、他人が羨むようなアイドルぽい女もできた。コレはもしかして【 明治大学のアニメ、ゲーム、漫画講座 】が幸いしたか、どうやらその女はコテコテのサブカル系だ!。だがメンヘラではない。

 さて、彼は今、中小企業だけど再就職もできて主任。 

かれはそう人生を自分で変えたのだ【JMOOC】と言う友と本当の自分を得たために。
  
彼の脳裏に今 「アナと雪の女王」の 「ありのままの~」がエンドレス脳内再生されている。【JMOOC】とともに永遠に。人はいずれ死ぬ、だが思いは永遠だ!。悲喜劇を繰り返し永遠は形成される。

ーーー終劇。ーーー

  Aさん(57歳)は長年、老人向け食べ物の企画販売を行っていたが、会社の業績が思わしくなく、早期退職を選ばざるを得なかった。 退職後特に何も興味がなく、新たな生きがいを求めていた。 
  ある時Facebookで知りあいがMOOCサイトの「gacco」の情報をシェアしていたので興味を覚え、栄養学の講座を受けてみた。今まで自分が学んだ栄養学が最新の研究でどう進化したか興味があったからだ。 
  受講すると新しい情報に嬉々とし、これを生涯学習にしようと考えた。さらにミートアップにも参加してみた。そこで老人向けの商品宅配をめざし勉強している若者と意気投合し、二人で新しい会社を立ち上げることになった。
  失った生きがいはもっと大きくなってAさんに戻ってきた。
  経営学、経済学、gaccoのほかの講義も受けながらAさんは会社立ち上げに奔走している。

 エリコさんは東北地方のある街に住む主婦です。夫の定年退職を機に、かねてから夢見ていた夫婦での旅行を実現したいと思っています。それは松尾芭蕉の「おくの細道」の跡をたどる旅です。
 エリコさんは、旅行を充実させるため芭蕉の俳句について勉強したいと考えました。俳句については中学校の国語で学んだくらいで、それもほとんど忘れていました。
 学習できる場が無いか探したところ、「gacco」というサイトで俳句の講義があることが分かりました。「gacco」は大学レベルの講義を聴ける、それも無料ということです。しかも、自分の都合の良い時間にネットで講義動画を視聴できるのです。
課題がこなせるか心配でしたが、講義動画を視聴するだけでも可と書かれていたので、受講を決めました。

 講義は初心者にも分かりやすく、俳句とはどんなものかや俳句を鑑賞するポイントがよく分かりました。自分でも作ってみたいとも思うようになりました。「ディスカッション」という受講生同士で意見交換する場があり、見知らぬ人との会話というエキサイティングな経験ができました。エリコさんは課題もこなし、修了証を手に入れたのでした。
 エリコさんは、改めて「おくの細道」を読んでみました。簡潔かつ的確な名文、その中にちりばめられた俳句の意味深さに感動しました。

 夫婦で芭蕉の旅した道をできる限り忠実にたどり、東北地方各地にある芭蕉句碑を訪れる旅を始めました。一泊旅行でたいていの場所は行けますので、近くの温泉地での宿泊を組み合わせ、何回にも分けての旅行になります。行き先では、夫に俳句の意味や「おくの細道」の記述を解説してあげました。なにより夫婦の愛情を深めることができました。

 今では夫も俳句に興味を持ち出しました。夫は「gacco」で俳句の講義の再配信があればよいと待ち望んでいます。

村上真理さんは中学1年と3年の子供を持つ主婦だ。
子供が成長したら自分の時間を持ちたいと思っていたが、夫の母の介護が必要となり同居することになった。このため昼間の事務パートの仕事も辞めざるを得なくなり、彼女の日常はすっかり内向きに変化した。
逆に、デイサービスに通うようになった母は元気になり生き生きとしていく。
が、彼女は何を目標にすればよいのか、これでは自分の人生が見えてこないと閉塞感に沈みがちだった時、テレビで、gaccoというサイトで日本中世史の勉強ができると伝えているのを見、自分に必要なのはこれだと思った。
もともと歴史は好きであり、在宅で時間のある時に勉強できて、社会とのつながりが持てるのではと期待した。始めてみると講師の本郷先生は軽妙な語り口で、大学教授とは思えないほど話が上手く引き込まれた。
母がデイサービスに行っている間に講義を聴き課題を解く。ディスカッションでの活発な議論に勇気を出して一言発言してみると、他の受講者からの反応がありさらに学習意欲が湧く。
図書館で参考資料を借り読んでいると、夫や子供が「何読んでるの?」と聞くので学んだばかりの中世史について熱く語る。ちょうど放送中の大河ドラマ・軍師官兵衛を見て、並行して本やネットで調べ、これは史実、これはフィクションなどと分析するのが楽しい。母親が勉強しているので子供たちも刺激され「慶応や早稲田の講義が聞ける」「こんな研究ってあるのか」と、自分たちの将来を考えるのにも役立ったようだ。
中世史は見事修了証を手にし達成感とともに自信が持てた。その後次々と受講していく中でネット上のハングアウトにも参加し、視野が広がり意欲が保てた。そして彼女は、教養的な講座だけでなく簿記や情報処理など実学的な講座も受講して資格を取り、三年後母が介護施設に入所する頃には、それらを生かしてフルタイムの仕事に就くことができたのだった。

荻原時江さん(58歳)は、神戸市にあるシニア層向けサービスを提供する企業に勤めている。荻原さんの最終学歴は高校卒。定年を控え、長年の夢で、憧れだった、大学での学びに挑戦したいと考えていた。これまでの職業経験や興味を元に、近隣大学の公開講座に参加しながら、自分に合った大学、学部を探していたが、その中で、MOOCの存在を知った。
MOOCは、世界中の大学の、本物の講義が無料で受けられ、未知の分野の講義が沢山行われていることに驚いた。しかし、外国語が出来ない荻原さんにとって、日本語での講義が必要で、gaccoはとても有難かった。また、遠くて通う事ができない大学の講義が、自分の好きな場所で受けられることが嬉しかった。gaccoはスマートフォンでも受講出来る。毎日、スマートフォンを持ってカフェに行き、コーヒーを飲みながら講義を受けるのが楽しみとなった。
まずは、「実際の大学の講義とはどのようなものか?」と思い、幼い頃から好きだった歴史のコースを選び、確認してみた。教材を印刷し、よく読み、講義の動画を視聴した。字幕で読むことも出来たが、音声で聞きとる方が理解し易いことを実感した。重要ポイントを印刷した教材に書き込むことで集中力が増すことも分かった。40年近く前に学んだ中学や高校の歴史の授業とは全く違い、大学の講義は内容が濃く、自分の中に新しい興味が次々に湧いてくる感覚と刺激が心地良かった。
これまで、ぼんやりと憧れていた「大学での学び」は、gaccoを通じて現実味を帯び、自信が持てるようになった。大学には、自分がこれまで取り組んできた職業経験を重ね合わせながら学び、これからのシニア世代の生きがいや社会的役割を研究する機会があると確信した。同時に、シニア世代の代表として、同じ大学に通う若い世代に考えを伝えることで、また新しい興味を生み出していけるとも考えるようになった。

松田恵美子さんは、千葉県の鴨川市に住む68歳の主婦である。
75歳の夫が軽い脳梗塞の後遺症のために歩行がやや不自由なので、その介護もあって、日々雑事に追われていて、なかなか寛ぐ余裕もない。
唯一の楽しみと言えば、大河ドラマを見ることぐらいで、これは随分昔からの習慣になっている。そんな事もあってか武士の世界には大いに興味と関心をもっている。
ある日新聞で、オンライン講座gaccoの存在を知り、「日本中世の自由と平等」の文字に心を引かれた。これなら自分も参加できそうだと直感して早速申し込んだ。
学習が進むに連れて、いろいろな疑問点にぶつかりデイスカッションサイトを覗いて見ると
現代の若者たちの頭の中を垣間見ることができて、彼我の差を種々実感した。
終了証を貰い講座内要を顧みれば、所有権の成熟に伴う平和への実現過程が人口の増加に反映されていく戦国時代背景が明確化して、今までの歴史認識の甘さを痛感させられた。ともあれ好きな時間に大学教授の講義を無料で受けられるこの良き時代に生き残っていた幸せを、神仏に感謝している。せいぜい長生きをして、今後も興味あるテーマを見つけたら、是非受講して見聞を広めようと思っている。

 安達佑輔さん(23歳)は、今年の4月に、社員30人のソフトウェア開発会社に就職した新入社員だ。大学ではプログラミングの授業を受講しており、簡単なプログラミングの知識はあった。
 この会社では、毎年、新入社員教育としてプログラミングの研修を行うことになっている。昨年までは、先輩社員が選定した課題図書を元に、一定の期間で自己学習をするスタイルがとられていた。進捗については個人の裁量にまかされており、終了後の各人のレベルは一定していなかった。
 今年の新入社員は3名。今年から初の試みとして、新入社員研修にMOOCを採用することになった。Courseraで開講されていたヴァンダービルト大学のパターン志向ソフトウェアアーキテクチャの講座が選ばれた。関連した4週間の講座を3つ終了することで、モバイルアプリケーションの基礎知識が身につく。全体を終了するまでに3カ月の期間を要する。
 講座では、指定された期日までに実際のプログラムを書き、提出する必要がある。締め切りに間に合うように、また同期の新入社員に負けたくない気持ちからも、時には休日も学習に時間を費やした。ピアアセスメントでは、他人が書いたプログラムコードを評価する。自分とは違う発想の回答に触れることで、新たな知見を得ることができた。
 安達さんをはじめ、同期の新入社員全員が、この講座で認定証を取ることができた。そのことが仕事をする上で自信につながっている。苦手だった英語も苦にならなくなった。
 会社にとっては、少ないコストで、新入社員全員が一定の水準のスキル身につけることができた。そのスキルが認定証という形で現れているため、安心して実際の仕事を任せられる。
 安達さんは、会社から支持された研修の期間は終わったが、もう少し高度な別な講座を自発的に受講するつもりだ。これまで自発的に勉強をすることは少なかったが、MOOCという学習スタイルに刺激を受け、学ぶことに面白さを感じるようになった。

私は、札幌に住む高校一年生の蘭です。まだ、今後の進路はまだ決まっていません。「あなたは日本人だけれど、地球人であり、宇宙人なのよ。」と言う、少し変なママの子供です。
gaccoのことを知ったのもそんなママからでした。オープンエデュケーションの講座。先生の講義を受講後、さっそく、講座内で紹介されているホームページを閲覧しました。UDCITYのアート・美術の「北欧の映像文化・・・」について、興味はありましたが、日本語での受講は無理でした。やっぱり、最低でも英語は勉強しないと、あらためて感じました。やっぱりママの言う通りかもしれない。まずは、地球人にならなくては。海外のものでも日本語で受講できるものもあるらしいし、パパもソフトで日本語訳に出来るかもしれないと言ってたし。この夏休み中、諦めないで探して勉強してみようかな。自分がやってみたいことが見つかるかもしれない。
ママからぜひ一度見てみたらと言われていたgaccoの国際安全保障論を開いてみた。少し前から、日本でも話題になっている問題だ。難しいが、こんな機会でもなければ知りえなかったことかもしれない。今まで興味がなかったのも、知らなかった、知ろうとしなかっただけかもしれない。現在も中東をはじめいろいろな地域で惨禍がつづいている。自分は何て幸せなんだろう。学ぼうと思えば、環境は揃っている。世界には、学ぼうとしても学べない人も沢山いる。
自分も何か地球人として出来ることはないのか。自分も国を超えて学び、同時に学びたい人の役に立つ、オープンエデュケーションの世界に関わるというのは、どうだろうか。少し夢が見えてきたのかな。そのためにも、今は英語をしっかり勉強して、幅広い視野を持っていなくては。将来はアメリカへの留学なんてね。ママは何て言うだろうか。

利井田 玄春は,北見市に住む高校の英語教師である。社会のグローバル化の中で,目の前の生徒達が社会で活躍するために何を伝えるべきか悩んでいた。グローバルリーダーを育てると言っても,地方では講演会や研究会も少ない。そこで,彼は,円策エンジンで「リーダー」や"Leader"という用語で検索し,ハーバードのエディックスの講座に出会う。彼は,「先ず,自分が『リーダー』とは何かを知るべき」と考え,無償の視聴だけの講義に登録した。
その講座は,様々なコミュニティや組織におけるリーダーシップについて図解ビデオやインタビューなどを交えながら,彼にとって,わかりやすく解説されていた。この講義に感銘を受け,同僚に勧めるが,英語という言語が障壁となり,学校内で共有が進まない。そこで,彼は日本語で学んだことを仲間に語り掛ける。その語り掛けが校内の研究会に発展し,さらに地区の研究会へと広がっていった。研究会で知り合った教員達が,利井田の情報源を知り,MOOCに関心を持ち,エディックスだけでなくコーセラやガッコで学び始める。その教員達が,学んだことを話し,議論し,知を共有するという研究会が定着した。マスメディアが,この取り組みを取材し,全国的に教員の「学びあう」環境と「知識を得る」環境としてMOOCの可能性について報じられる。
これらが展開されているとき,利井田は,次の行動に出る。英語の教員である得意分野を活かし,教材を翻訳。動画や教材を日本語に訳し,キャプションをつけた。これを,講座を担当している教授に送付。教授やエディックスの担当者と何度か遣り取りをして,日本語教材ができあがる。これを機に,MOOCSで自らの知見を世界に向けて共有しようという活動を始め,現在では講座も担当している。

小林(46歳)は、東京を中心として事業を展開している中堅の外食産業で営業の仕事に就いています。2020年の東京オリンピックを控え、会社の方針として海外からのツアー客の取り込みを最重点目標として示されました。小林は、学生時代から英語に対して苦手意識を持ってきましたが、会社の方針転換により、海外で新規開拓をすることに危機感を抱きました。
小林は、今の英語能力のままでは到底やっていけないことから、英語を使って仕事ができるようになることを目指すとしているschooのグローバルビジネスパーソン学部を見つけ、これを受講することとしました。ここでは、ネイティブな先生が、基礎からビジネスの現場で使える英会話まで丁寧に教えてくれます。授業は録画と生放送で実施されており、興味をもって受講することができ、実践的な英語を身に付けるまでそれほど多くの時間を要しませんでした。特に、「メール」「会議」「プレゼンテーション」という3つのシチュエーションを想定したシナリオを先生と一緒に読みながら実施するロールプレイングやシャドーイングは英語のスキルアップに非常に役立ちました。更に、「海外勤務科目」では、より実際のビジネスの現場に近い専門的な内容になり、多国籍なメンバーで構成されたチームの中での振る舞いや、仕事の進め方について、複数のシチュエーションを学ぶとともに、日本とは異なる文化や慣習を理解して関係性を築いていくことにも配慮されており、小林が海外で営業活動を実施する上で非常に役に立ちました。
小林は、食事客の取り込みのみに止まらず、日本の食文化の世界への発信をスローガンに様々な顧客の取り込みに成功し、会社の発展はもとより、日本の食文化の世界への発信の面でも大きく貢献することができました。

高橋良介さん(25歳)は福井市の公立高校で数学を教えている。教員になって3年経つがまだ教えるコツを掴んでおらず、生徒から分かりにくいと言われている。教える力を向上させるため、数学の教員どうしで行う学習会に積極的に参加したいと思っているが、学校が忙しくて出れないことも多い。
そんな時、ニュースでKhan Academyというサイトのことを知った。高橋さんは何かヒントを得られるのではないかと思い、講義を受けてみた。画面の上で、どのように教えたらいいのか悩んでいた部分が、とてもうまく説明されていた。それから、高橋さんは教え方のヒントをKhan Academyに求めるようになった。学習会と違い、空いた時間を利用して研鑽に励むことができた。
しばらくすると、徐々に教える力が向上してきたらしく、生徒の反応が良くなり、クラスの成績も上がってきた。高橋さんはKhan Academyなどインターネット上の学習サイトを思い切って生徒に紹介してみた。自分の仕事を取られるような感覚もあったが、生徒のためになると思って紹介した。学校以外の学び方を紹介する教師に生徒の反応は良く、生徒の多くが日本語の学習サイトを利用し始めた。少数ながら英語の学習サイトで学び始める生徒もいた。海外の学習サイトから刺激を受けて海外の大学に興味を持った生徒や、英語の重要性を感じた生徒もいたようだった。高橋さんは、教員の仕事をとても豊かで、楽しいものだと思うようになった。

星飛雄馬さんは、川越市に住む英語が得意な高校1年生です。未だ一度も海外に行った事はありませんが、アメリカの大学を受験しようと考えています。しかし、アメリカの大学の様子がどの様なものか検討もつかなかった星さんは、丁度出会ったアメリカ人の宣教師に相談しました。
以前から自分の姓と同じ星に興味を持っていた星さんは、宇宙工学が学べる大学を幾つか探してみる事にしました。宇宙工学 aeronautics と超新星 supernovaをキーワードに関係のありそうな大学を幾つか知り、更にそこで見つけたDavid Newton教授の名前を検索をしてみると、MITオープンコースウェア” Introduction to Aerospace Engineering and supernova”のコンテンツがありました。教材は難解でしたが、宣教師に助けて貰い乍公開されている授業資料を読んで、基礎知識を身につけていきました。又、更に探してみると Newton教授の映像がMITや様々なサイトで見つかりました。Newton教授が取り組んでいる超新星の研究について熱っぽくユーモアを交えて語っていました。MITオープンコースウェアのその他の授業では、MITで実際に行われている講義の様子がそのままウェブで公開されており、講師の口調や授業内容、研究に対する思いが星さんには感じられて、「是非ここで学びたい」という気持ちが強く成りました。その後星さんはMITを受験する事を決め、自分の進むべき進路について確信をもって選ぶ事が出来ました。

三田さんは、大学を出て全国に支店を持つ小売業に就職して一年がたった。いろいろな支店の発注する情報にアクセスし、どう効率化して売り上げをあげていくかを考えている。
最近流行のビッグデータやデータサイエンスが利用できないかと思うが、統計の知識を勉強していくと、Rプログラミングという言葉をよく見かけるようになった。しかし、Rプログラミングをきちんと勉強しようと思っても、たいてい、統計などにからめた本ばかりで、R自体についての本がない。
そこで、ネットで調べたところ、CouseraでR Programmingのコースをみつけた。英語がそれほど得意ではないが、日本語の字幕もあり、挑戦してみようと決意した。四週間のコースは、週末に集中して勉強することでこなしていった。純粋にプログラミング言語としてのRのコースであり、Rに何ができるのかがよくわかった。QuizやProgramming Assignmentsにも挑戦し、全部できたわけではないが言語に慣れるのには役に立った。ぎりぎりの点数だったが合格することができた。
その後、このコースで得たRの知識をベースに、いろいろな統計の本を読みこなす事ができ、それを応用して少しは会社の売り上げに貢献できたようだ。次は、データサイエンスのコースに挑戦しようと考えている。

Kさん(25歳)はソウルのランゲージスクールで日本語を教えている日本人先生だ。将来は韓国の大学で日本語を教えたい。来年大学院に進学して、対照言語と言語教育を研究するつもりだ。韓国語は勉強してきたが、母国語ではない講義と基礎知識がないことが少し心配だ。韓国のKOCWで言語教育と関連がある講座や論文作成法を受講することが出来た。日本語講座もあったので先生らの教授法が参考になった。しかし、疑問がある時、質問する掲示板がないので、自分から調べて解決するしかなかった。色々調べながらKOCWにリンクされているRISSというサイトが見つけられて、論文を検索して読む事が出来た。無料で閲覧出来る論文も多いが、有料化されている論文はもっと専門性があるのかなぁと思った。

日本語を教えるためには言語だけじゃなく日本に関わる知識も必要だ。いい先生になるのは大変だなぁ。ランゲージスクールの受講者は10代の学生から50代のサラリーマンまで多様。最近、日本留学の相談をした学生がいた。彼は美術に興味があった。大学の情報や専攻なども紹介したが、日本の大学をあらかじめ体験してみることも良いと思ってJMOOCを紹介した。JMOOCでは学習者らがお互いディスカッションも出来るし、反転学習が出来る。彼に役に立つと思うんだ。60代を迎えている女性の受講者は日本文学に興味を持っている。俳句の講座が良いだろう。勿論、Kさんも受講する予定だ。Kさんはランゲージスクールの受講者だけじゃなく、同僚の韓国人先生達にもキャリアアップのためにJMOOCを紹介している。Kさんは学びの楽しさを分かち合うことが出来て喜んでいる。

G経済大学の大学職員である堀江仁さん(41歳)は、所持する簿記の資格を生かしつつ経理課で長く教員の経理に関する業務を行っていたところである。昨今、大学の課題となっている少子化に伴う入学受験者数(入学希望者)の減少に歯止めをかける方策について、大学職員全員が強制参加で提案書を出すコンペティションが事務局長主催で開催されることとなった。
長年経理畑を歩んできた堀江氏は企画運営に関する業務は経験が少なく、提案書募集期間は三ヶ月とはいえ大いに戸惑ったところである。同僚の企画案は「留学生のさらなる受け入れ」をテーマにする様子であったが、堀江氏は企画書を書き始めるにあたり大学の魅力を高める方法を探ることにした。そこで、新聞にたまに取り上げられ読んでいた「大学ネット講座」について調べることとし、その中でMOOCの存在を知った。特に今年度は、JMOOCで行われているgaccoの講座の中で重田勝介准教授の「オープンエデュケーションと未来の学び」を見つけ、受講することとした。
堀江氏は業務時間中は学部から提出される膨大な領収書や払い出し書類の処理を行うため、ゆっくり講座を受ける時間はなかなか持てなかったが、MOOCの持つ何時でもどこでも受講可能な特性を活かし、通勤中の電車の中でスマホにて講座を閲覧し、テストもこなして行った。
この講座の中で、MOOCは大学運営にとって教員の就業機会を奪うものではなく、研究結果の社会への還元と言った効果があり、広報やイメージアップといった副次的効果も期待できることを知った。そこで、自分の勤務する大学が経済大学であることから、その専門性を活かした公開講座をJMOOCで行い、その実績を学生募集のPRにつなげる提案書を作成することができた。
現在、その提案書は他のものと審査中であるが、経理畑の職員が書いた提案書としてはよく出来ているとして好評な様子である。

奈良有一さん(57歳)は大阪市内にある製造業の企業の研究開発部門で働いている技術者である。定年退職後は今までの勤務経験を活かし、コンサルタントとして中小企業の新製品開発や生産性向上に助言し、日本のものづくりの底上げに貢献したいと考えている。技術士の資格はすでに取得しているが、中小企業診断士の資格も取得すると技術と経営の両面からコンサルができると考えて、中小企業診断士の資格を取得中である。中小企業診断士の1次試験は、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策の7科目の合格が必要である。フリーラーニング Free-Learning For Your Extensionは、「自由な人生を送るために、自由に、無料で学ぶことができる大人の学びの場」を目指したウェブスクールなので、オープン教材(OER)を提供しているオープンエデュケーションのWebサイトである。このサイトを知り、経済学で合格点を取るために、経済学講義「速習!マクロ経済学」と「速習!ミクロ経済学」の受講を開始した。大学は工学部卒で技術系の勉強主体で過ごしてきたので、経済学は学んだことがなく理解するのに苦労していたが、担当の石川秀樹先生の工夫された分かりやすい講義を聴き、勉強できたおかげで興味を持って理解を深めることができ、経済学で合格点を取れるレベルの実力を付けることができた。苦手な科目を克服し、他の科目も勉強を進めて、中小企業診断士の1次試験合格を勝ち取った。2次試験は事例企業の説明文を読み、診断・助言の問題に答える論文テストであり、中々合格できずに苦慮しているが、知り合った中小企業診断士の受験を志す仲間と定期的に勉強会を行って合格を目指している。中小企業診断士の2次試験に合格し、資格を活かして中小企業に貢献できるコンサルタントとして活躍する日も近いと思われる。

村上奈美子さん(45歳)は豊中市に住み、長らく日本に在住の外国人に日本語を教えるボランティアサークルの代表をしてきた。昨年からあるNPOを通じて、これから日本で難民申請をするアフリカからやってきた人々の日本語教育を依頼され、現在教室を開いている。彼らは国で内乱や紛争が起き、日本に逃れてきた人たちで、いろんな傷を持っていることが多い。そのため、教材では通常身近な日常生活や家族の話題で練習することがよく行われるが、注意深く例文を考えなければならない。
日本から遠くあまり知らなかったアフリカが急に身近なものになり、村上さんはアフリカの国々の現状や歴史、またどの辺でどのような紛争が起きているのか知りたいと思い、近隣の大学の講座やインターネットで情報を探した。そこで、京都大学がOCWを開講していて、その中に「アフリカの紛争と共生の問題に出会う」という太田至教授(アフリカ地域研究資料センター)の公開講座があるのを見つけた。まさにこれが今知りたいことだったと村上さんはこれを受講することにした。アフリカはもともと豊かな森林資源や鉱物資源を持ち、自立した生活をしていたのが、西欧による植民地化で従来の価値観や規範が変わっていったのが現在のアフリカの貧困や紛争のもとになっていることがわかった。日頃目にするマスコミには出てこないような実情を映像や講義で知ることによって、今の黒人が置かれている立場、差別されることが多い実態に気付き、今はあまり知らなかった自分自身をも反省することしきりである。
アフリカの人達だけでなく、やはり内紛で帰国できないアジア地域の生徒もいる。単に言葉を教えるにとどまらず、授業で接する時に少しでも心を通わせ合いながら勉強したいと村上さんはいつも思う。それで人間同士の信頼関係が築かれる。この講座は受講してとてもよかったと村上さんは思っている。

夏目かずはさんは小田原市に住むおしゃれが大好きな高校2年生。ファッション部に所属していている。今度の文化祭のファッションショーではメイクの担当になった。いつもは雑誌を見てメイクの研究をしているのだが、部員の作った洋服を引き立たせるにはどのようなメイクが良いのか悩んでいたのだった。
ある日顧問の先生に相談してみるとMOOCのschooを教えてくれた。先生はここでこっそり色々な勉強しているらしい。
オンラインの"授業"と知り、勉強が苦手なので少し不安になった。schooのサイトを開くと“キレイ女子学部”を発見。学校っぽさのない名前に興味をひかれ、さっそく受講してみることにした。
すると授業は実演形式で、先生のテクニックを動画で見られることに感動。また生放送で、分からないことはすぐに質問できるのも役に立った。不安をよそに高校の授業より眠くならずにメイクの基礎の授業を受けられたのだ。慣れてくると自分より年上の人たちともチャットやグループを通じて仲良くなれたり、部活の友達を誘って仲間内だけで授業中にチャットができたりと、普通ならおしゃべりをすると怒られてしまうのにと思いながらも、いつもの授業よりも楽しく勉強できた。
授業後はさっそく復習をしてコンシーラーの使い方や、アイシャドウやアイラインのひき方などを試してみた。友達同士で何度も練習するうちにコツが分かるようになった。そのかいあって、文化祭のショーは大成功。 
その後も、schooで勉強しながら友達や家族にメイクをしては喜ばれて、そのうちに将来のやりたいことが自分のなかでみえてきた。schooで学んだことを自分のメイクに活かして喜ばれたことが本当に嬉しくて、いつしか自分のメイクで人を喜ばせる仕事がしたいと思うようになっていた。最近では、かずはさんは目標も決まり日々の高校の勉強にも力が入るようになった。

山中さん(27歳)は、大手金融機関で働いています。就職をしてから5年が経った頃、新たに電子マネービジネスの事業を立ち上げるプロジェクトに配属されました。配属された数名のメンバーで、連日終電近くまでどのように新規事業を立ち上げればよいかを議論しましたが、誰もが初心者で、知識も知恵も少ない状況にありました。
山中さんは、電子マネービジネスに関するセミナーを受講しようとインターネットで調べましたが、日中に開講されている講座が多く、仕事を休んでまで受講するのは難しく、また、受講料も3万円程度と非常に高く、悩んでいました。そうした中、JMOOCというサービスを知り、gaccoにおいて、有名私立大学のM教授による電子マネービジネスの講義があることを知りました。
山中さんにとってのこのサービスの良さは、仕事を終え、夜遅い時間でも自宅で1時間程度、インターネットを視聴しながら学べるところにありました。無料で学ぶこともできましたが、反転学習という形で受講生が交流できる機会を活用すべく、5千円の反転学習コースを選びました。
学んだ内容は大変満足するもので、最新の電子マネービジネスの成功事例が多く紹介され、EdyやSuicaなどの仕組みについて知見を得ました。毎週配信される講義の内容は、すぐに実務にも活かすことができ、gaccoで学ぶ必要性を実感しました。
山中さんが驚いたことは、反転学習で受講生と交流した際、同じように電子マネービジネスの事業を立ち上げようとしている数名の学習仲間がいたことです。勤める会社が異なる学習仲間と友人になり、学習仲間とともに企業間連携をして電子マネービジネスを立ち上げる話がまとまりました。山中さんは若干27歳で、プロジェクトリーダーに抜擢され、さらに企業間連携をするコンソーシアムの代表幹事となり、メディアでも取り上げられ、山中さんのキャリアアップに大きな変化が訪れました。

J. Asakuraさん(62歳)は、ロサンゼルスの土曜日本語補習校に勤務しながらロンドンとブラジルの駐在員子女などにインターネットで日本語を教えている。近年、アメリカで生まれ育つ児童生徒の増加(駐在員子女の減少)傾向が著しく、Japanese as a second language の指導法に興味を覚えてOnline Collegesのサイトで第二言語としての日本語指導法のコースを検索した。結果はBased on your age, we are unable to find a school that will fit your needs.というものだった。それでもgaccoで触発された向学心を断ち難く、edXで『映像教材を駆使した1850年代から1930年代の日本史』の受講を開始した。
『MITxとHarvardXによる最初のコラボ』という文言に尻込みしそうになるたびに『時間はタップリある』を呪文のように唱え、再生を繰り返している。何よりありがたいのは、豊富なデジタル画像だ。
Asakuraさんは、高画質なデジタル画像をスクリーンショットで二次加工してハイスクール生の教材(AP Japanese Language and Cultureの補習)に活用している。例えば、日本の教科書にも掲載されている【ペリー提督の肖像画】と【鬼のように描かれた瓦版のペリー像】の比較からは、開国前夜の日本人が異人に抱いた感情を推し測ることができる。このサービスがAsakuraさんの背中を押したのは間違いない。『教えることと学ぶことは同次元』と、11月からのVisualizing Postwar Tokyoの受講も楽しみにしている。

長谷川さんは産業銀行に勤務して10年、入行以来支店で営業や融資業務に従事してきた。近年特に取引先の技術に関する理解の必要性を感じている。銀行は金融業務に関する研修は充実しているが、技術に関する教育体系は相対的に弱い。産業技術に関する知識は習得したいが、通学してまで理系の講座を受講するのは困難であり、その意味でMOOKは非常に有難い。手始めに「機械力学の基礎」を受講した。もちろん講座を修了したからといって取引先の技術を全て把握できる訳ではないが、技術畑の社長と話が合うようになって営業がスムーズにいくケースが増えた。周囲もその点を強みとして評価してくれるようになった。自分自身この強みをキャリアに生かしたいと考え、他の講座の受講も続けた。そんな折、産業銀行を幹事とする新会社設立のプロジェクトが立ち上がる。この会社は画期的な新技術を応用し、成功すれば我国のエネルギー事情を大きく変化させる可能性を秘めていると言われ、行運を賭けた事業と認識されていた。同時にこの技術は本邦の産学協同研究による今世紀最大の成果として発表され、JMOOKの講座も開講された。長谷川さんは迷わず上司にプロジェクトへの参加希望を伝え許可される。プロジェクトチームが果たすべき役割は各方面の調整であり、核心技術の理解なしには不可能である。そのためプロジェクトメンバーはまずこの講座「触媒化学の現状と応用」を受講した。母国語なので取組み易い。さらに長谷川さんが講師役になって知識を深める作業を行った。これまでの反転学習の体験が活かされ好評であった。講座の効果もあって、一般にも技術の認知は進んでおり、関係先との調整も予想以上に円滑であった。これを期に行内研修にMOOKを取り入れることになり、産業銀行はJMOOKに対する寄付を決めた。

伊藤藍さんは数年前から主婦と子育ての傍らedXで自分の興味のある分野の勉強をしている。出産を期に働いていた化学系の会社を辞めてしまってから、家で鬱々としていたが子どもが小学生に上がる機会に何か自分のスキルアップに繋がることをしたいと思い、MOOCを始めたのだった。英語は大学を卒業して以来勉強していなかったが、海外ドラマを吹き替えなしで見たいとの思いもあり英語の勉強を兼ねて英語MOOCを選んだ。
始めたばかりのころはついていくのが難しく脱落を繰り返したが、どの講義も字幕つきで先生の発音も外国人の生徒向けに比較的ゆっくりしたものだったため、そのうちに英語にも慣れ、修了証を獲得することができた。これに気をよくした彼女はedXでデータ分析の講座を取り始め、これも修了証を取得した。このころには英語字幕で海外ドラマを観られるようになっており贔屓の海外俳優が来日すると聞けば成田までかけつけることもあった。
edXでは、ウェブカメラを使って本人認証をするシステムがあり、これを使って90ドル(9000円ほど)でIDつきの修了証を発行することができる。彼女はこれを使い、IDつき修了証を獲得した。
さらに派遣会社で外資系化学会社の職を見つけ、数年来学んできたことを猛アピールして仕事を得た。
子供が中学校に上がるころには子供の夏休みに一緒に海外旅行にいくようになった。子供にカーンアカデミーを勧めたところ、バッジやポイントを得られるのが気に入って自分で勉強を進めるようになった。カーンアカデミーにはコーチとして進捗を管理できる機能があるが、これを大学生の従兄弟にお願いした。子供は最近アメリカの高校に留学したいと言い出している。
藍さんは今でもedXやCourseraなどのMOOCで勉強を続けており、機会があれば海外支社で勤務してみたいと思っている。MOOCの講師に会うのはもちろん、ドラマ俳優のおっかけも目的のひとつである。

黒木さんは大学で学ぶ学生だ。主に言語文化や地域について学んでいる。もともと病気持ちで、今年から学校を休学して、病気の手術・治療に専念する予定だ。しかし、入院中、学びから離れてしまうと、これまでの知識を忘れてしまうかもしれない。不安になった黒木さんは、病院内でも学べる場所はないだろうかと考えていた。病院内の学級ではレベルが違いすぎる。その時、黒木さんはオープンエデュケーションであるJ-MOOCのgaccoのサービスを発見した。パソコンがあればいつでも受講ができるため、自分の治療日程の都合に合わせられるうえ、自分の興味・関心のあることについての講義が開講されていたため、黒木さんはこのサービスを利用してみようと考えた。実際に受講してみると、自分の大学では学んだことのない情報・知識に数多く出会い、とても刺激的だった。反転学習には参加できなかったが、掲示板を通して、ほかの受講者のさまざまな意見を聞き、自分の考えを深くすることができた。無事に退院し、学校に復帰した黒木さん。MOOCの講義を受講したことで、これまで以上に自分の学びの目的が明確化し、また、個人で学ぶという習慣もついた。自分の目標をはっきりと定めた黒木さんは、大学の教授の意見も聞きたいと考え、積極的に教授を訪ねるようになった。そのことで、教授だけではなく、大学院生や先輩ともつながりができ、より多くの意見を聞くことができる環境を形成することができた。卒業した黒木さんは、専門で学んでいた世界のあらゆる地域の言語文化をいかせると考え、国際関係の業務のある企業に就職した。

兼渡さん(64歳)は胃がんを疾患し、定年を過ぎている事もあって仕事を辞め自宅療養をしている。このところ健康面も優れず、生き甲斐となりそうなものも無いまま悶々としていた。そんなとき、新聞紙上でJMOOCの講座gaccoを紹介した記事を見つけ受講してみる事にした。
 gaccoの講座にはいろいろと教養を高める内容もありそうで、新たな目標が出来るような気がしたのだ。なんといっても受講料が無料で気分的、経済的な負担とならない。受講してみると教材もしっかり検討されていて講義を聴いていても面白い。反転学習コースもある。残念ながら参加するのは難しそうだったが、その代わり電子掲示板でのディスカッションに参加する事が出来た。インターネット空間に慣れないため、最初は書き込む事に勇気が必要だった。全く思いも拠らない異なった角度の意見もあり引いてしまう事や、目から鱗と感じる事もあった。何度か書き込むうち次第に面白みも出てきて、続けて学習する事が出来そうである。課題の提出や、掲示板に書き込んだ質問に対する返信を見るのも楽しみになった。そしてついに兼渡さんは修了証を受け取る事が出来た。少し自信がついてきてこの講座を友人にも勧めようと紹介する。友人も面白そうだと講座を受ける事に。スキルアップにどうだと、大学を卒業し仕事に就いている長男にも講座を受けるように勧めた。
 今まで出来なかったメールやネット上のやり取りで新たな人間関係も生まれた。内向きになりがちだった日常が、家に居ながら気持は外に向いてきたようである。今更勉強もないだろうとは思うが、政治、経済、文化、教育それぞれに問題は乱立している。教養とは他を思いやる力であると兼渡さんは近頃明るく元気になってきた。

小笠原卓さん(78歳)は機械部品工場の経営者として日本の高度成長時代を支えてきた一人である。モーレツ社員という言葉がはやった時期もあるが、彼の場合も現職中は接待ゴルフ以外に特に趣味も持たずに過ごしてきた。5年前に会長職を辞してから、ゴルフは多少続いたが、体力も落ち、ゴルフ場への往復が億劫になった。いざ、家で過ごすとなるとあまり、楽しみも見つからず、田舎の弟に勧められが俳句をはじめた。
俳句雑誌を読んだりして学ぶが、中々、上達がなく、雑誌に投稿しても入賞することがない。
ある時、大学生になった孫からgaccoの俳句をテーマとしたコースがあることを教えられた。年齢の割にはパソコンには強いと自負していることもあり、インターネットで勉強ができると聞いて、早速申し込んだ。
年甲斐もなく胸をときめかせて、開講を待ったが、いざ、始まってみると教材のダウンロードなど、操作に手間取る有様で、年甲斐も無く申し込んだことを後悔したが、そこは戦時中を生き抜いたしぶとさで、孫に小遣いを与えて操作を覚え、何とか教材も入手した。
パソコン画面から講師の解説を聞き、ノートを取るが、スピードに追いつかず、何度も聞き返し、耳慣れない言葉はインターネットで調べて確認しながら受講した。(後で孫から停止の方法を教わり、動画の扱いを習得した)
前半は基礎的な話が多かったが、いざ、習ってみると自己流では欠落していた知識、また、誤解していた解釈もあって新しい知識を吸収し、久々に学習を楽しんだ。
後半になると興味深い話題が多くなり、最後には英語の俳句や高校生の新しいセンスの俳句まで出現し、汗が止まらず久々にねじり鉢巻という状態だった。
反転コースに出席した折に同世代(少し自分を若く見る傾向があるが)の仲間もでき、また、高校生とも同じ目線で話をすることができた。反転コースのお陰で、講義で得た知識が身についたように感じている。
その後、反転コースが縁で知り合った友人とメール交換をする中で、同じ地区に居住していることを知り、コーヒーショップであって話すようになった。意気投合した二人は地区センターで俳句の会(勉強会)を開催することを思い立ち、役所に相談したところ、比較的スムーズに地区センターでの勉強会が開催できる運びとなった。
二人で手分けして簡単な規約をつくり、参加者を募集したところ、子育てが終わった主婦やリタイヤした男性からの申し込みがあり、俳句の会は順調なスタートを切った。
現在、俳句の会ではお互いの句を投稿し、互いの感想・批評を重ねながら、進めている。毎月、数ページの句集をメンバーに配布することもできるようになり、メンバーも毎週の句会をたのしみにしている。
小笠原さんはgaccoの受講で新しい世界を経験し、俳句の世界を生きがいとして今の生活を、楽しんでいる。

上田俊介(38歳)さんは、私立中学高等学校の英語教師である。いじめや不登校など生徒指導で行き詰まることが多く、思春期の心理臨床を学ぶ必要性を感じていた。大学院への入学を検討したものの、仕事との両立が難しいと予想され、臨床心理士の資格取得に向けて動き出す覚悟は固まっていない。まず、この分野の概要を知る必要があると考えた。そんな折、gacco開設をニュースで知り、インターネットでgaccoサイトにアクセスし、MOOCの存在を知り、Courseraサイトに出合った。psychologyというキーワードを入力すると関連の講座名が複数出現し、個別の講座案内には、何語で講義がなされるか、字幕、修了証発行の有無などが、一目で分かるので講座選択が容易であった。エジンバラ大学の講座「The Clinical Psychology of Children and Young People」の受講を決め、写真入り修了証であるSignature Truckの取得手数料49米ドルを支払い申し込みをした。講義の内容は、昔、大学で学んだ教育心理学等とは異なり、現場の臨床心理士のインタビュー視聴なども盛り込まれた構成で刺激的だった。また、与えられた課題は、自分で考えた後、ディスカッション・フォーラムで他の受講生と議論を発展させる形式で、当初は、戸惑いがあったものの、思春期の子を持つ親たち、特に母親たちと交流し、自身の子育てについても気付きがあった。仕事に支障の出ない空き時間に講義ビデオを視聴、ディスカッションに参加できることに満足した。彼は、親やコミュニティの複合的な関わりが子どもの成長過程のどの時期にどのような深刻な影響を与えるかを妻に話した。これまで妻任せの子育て状況から、子どもの教育について夫婦で話し合う機会が生まれた。今回の受講で、臨床心理士を目指すかどうかを決定するまでには至っていないが、父親としての役割の重要性を知り、子どもへの関わり方を見直すことができた。このことが、副次的に教師としても何かしら役立つであろうと予感し、以前より意欲的に仕事に取り組んでいる。

定年を間近に控えた北道さん。農業資材を扱う会社に勤務し農業技術の普及に従事していた関係で作物の栽培や農機具の操作の知識はあります。若い頃北海道に転勤し、その雄大さに惹かれ、定年後は北海道に移住し農業をしたいと道内在住の友人と何度か話しをした事がありました。
今回、友人より、離農家の家と畑、それに中古の農具などが安く借用できるとの誘いがあり、農業を目指す計画を立てています。農業の実務は家に5a程度の菜園があり子供の頃手伝った程度ですが、やるからには経営の成り立つ、採算の合う農業を目指したく考えています。
この度の講座をきっかけに最近の農業を学ぼうとJOCWコンテンツ横断検索システムで検索。北大の”大学院経済学研究科セミナー 農業再生 ~ビジネスの新しいデザイン~“ 、”土曜市民セミナー TPPと北海道農業などを受講。この中で農業経営とは、また、いま話題のTTPなどについても学ぶことができました。
国内の農業大国北海道です、講義の内容は濃く充実していました。講義で得た事は、道内畑作4作物といえば・豆・麦・甜菜。馬鈴薯ですが、今回の受講からTPPと関係の少ない、また、全国的に見て独立経営者の多い野菜を中心に企画をしています。
ほかに、種子代が高価な事も問題ですが、これは品種改良(品種改良、固定の知識もあります)を手がけ、自家採種を考えています。
なお、その土地にあった、現在の具体的な栽培については道、在住農家の友人たちに指導を仰ぐ事になっています。
しかし、例えば多量生産した野菜を新鮮なまま、内地(北海道では都府県の事を内地と呼びます)に安いコストで如何に運び、販売するか、その外に資金の問題もあります。この様に課題も多く残っていますが、JOCW経由で入ったiTunesやYou Tubeで多くの皆様のお話を聞くことにより農業経営が成り立つ目処も立ちつつあります。定年まで少し時間がありますので順次解決してゆきたく思っています。

大谷正さん(46歳)は地方の大学で准教授として働いている。大学当局より改革を指示されており、そのために研究室でなにかできないかを模索していた。その折にgaccoを見つけ、そのなかで「オープンエデュケーション」という言葉を知り、まずは講座を受講することにしてみた。
その講座は受講資格は特になく、誰でも受講できるというのが特徴である。大学の教授陣をはじめ、様々な講師が大学で教えているものと同等な内容を講義している。また、忙しい社会人むけに短い時間で受講できるように一つのコースの中でも動画を視聴する時間も10分程度とある程度短く設定されている。講座では志を同じくした仲間とのディスカッションを通じて理解を深めるとともに、レポートを相互採点することで新たな「気付き」を得ることができた。これは独学では得られないことである。さらには反転授業を通じて様々な議論を通じ、発展的な内容まで理解することができた。
まずは自分の担当している科目で反転授業を試験的に導入することにしてみた。自習用コンテンツとして従来のテキストを使い、補助用に短い映像コンテンツを解りにくい所を中心に数カ所作成した。参考資料としてOERも活用することにした。その結果、従来の学生にくらべ理解率は向上するとともに落伍率は低下した。良い結果が出たので、ゆくゆくは反転授業を採用する科目を増やしていきたいと思っている。
さらには他の大学とも連携しOERやMOOCを共有するようにしていくため、本学の教授陣にも薦めていく予定である。また、iTunesU等を通じて本学の講義を公開していくことも検討している。

地方に住む山田太郎さんは、家庭の事情で大学に進学できず、高校を出るとすぐ地元の小さな建設会社に就職した。忙しく残業も多い割に給与は少ないが、山田さんは生活に不満があるわけではなく、やりがいをもって働いている。ただ、進んで大学をあきらめたのではない山田さんは、専門知識がないことに引け目を感じ、もっと学びたいという思いを強く持ち続けた。近所にカルチャーセンターもなく、また不規則な勤務で時間もとりにくいため、ネットで学習できるe-ラーニングを探したが、まだ若くて広く知識を得たい山田さんにとって、多くの講座をe-ラーニングで受講するには金銭的負担が大きく、またe-ラーニング事業者の講座に対する不安もあり、なかなかふみきれずにいた。そこで、友人の紹介でCourseraを知り早速講座を探してみた。費用がかからないのはもちろん、世界の権威ある大学が公開しているMoocが数多くあるので、山田さんは不安をもつことなく受講してみることができた。いろいろな講座を、途中で辞めたりもしながら受講し、そのうちに自分の得意な分野や好きな分野がわかってきた。やがて自分の仕事で役立つ実務的な専門性を伸ばしたいと考えるようになり、Courseraの中で建築工学や材料工学についての講座を集中的に受講していくうちに、現在会社で持っていない新しい知識や、効率的な技術を身につけ、会社に提案できるようになった。下請け企業として淡々と仕事をしてきた会社の社長は、山田さんのアイデアを取り入れ、先進の技術とコスト力で業績を伸ばし、親会社からも注目されるようになった。社長は山田さんの話を聞いて、地方にいても世界の先端の知識が手軽に得られることを理解し、他の従業員にも紹介するとともに、教育の機会を意義あるものとして重視するようになった。このことが地元でも評価され、若くて才能のある人材が集まる優良企業に発展しつつある。

小林幸子さんは、京都の大学で教員を目指して勉強していた時に、日本語指導実習プログラムに参加したことで、外国人に対する日本語指導に興味をいだいた。そして、実家のある長野市で外国から日本に来た小中学生を対象とした日本語指導員になった。
 卒業後3年目となった年に、日本語教室にパキスタンから来た、イーシャンくんとサーマちゃんが入級してきた。二人とも日本語が全く話せず、英語も理解できない様子だった。二人が理解できる言語はウルドゥー語で、それまで英語や中国語を使いながら指導をしてきた小林さんは、はじめの言語に戸惑ってしまった。二人のためにも少しでもウルドゥー語を理解できればと考えたが、住んでいる地域では、ウルドゥー語が学べないので困ってしまった。 そんな時に、大学在学中に先輩から教えてもらった「東京外国語大学言語モジュール」(http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/)を思い出した。検索してみたところウルドゥー語の講座があった。さっそく日本語教室で子どもたちと一緒にパソコンで講座を見ながら、コミュニケーションを広げていった。自分も相手の言語を学びながら、日本語を教えていく双方向の授業が、この大学のサービスによって実現したのである。日常的な会話が動画を使って見ることができると共に、その言語の文字も出てくるので、わかりやすく学べることができた。小林さんは、話し言葉レベルでのウルドゥー語を理解できる人口は、中国語や英語についで世界第3位とされることは聞いたことがあったが、あまり身近な言葉ではなかったので関心が薄かった。しかし、このことを契機に、日本語指導員としてのスキルアップのためにも、ウルドゥー語の勉強を本格的に始めようと決意した。また、このネットによる講座は、言葉の不安を抱えて日本にやってきた子どもたちにとっても、これから日本で生活することへの大きな力となった。

「いまから帰る」というメッセージとともに画面に表示された22:03のデジタル表示を見ながら、「今日は早いな」と読んでいた本を閉じながら美春はつぶやいた。結婚して3年、夫の直也に結婚したら家庭に入ってほしいと頼まれ今は専業主婦をしている。もともとの几帳面な性格からか家事は完璧にこなしているし、そのことは直也も喜んでくれている。今の生活に不満があるわけではないが、美春は物足りなさを感じていた、そんなときだった「gacco」を知ったのは。とりあえずアカウントだけ作っておいておもしろくなければやめればいい、そんな軽いつもりで始めたのだが今では更新が待ち遠しいくらいだ。資料から読み解かれていく歴史や今では普通に使っているインターネットの構造と社会的インパクトを学び、今まで関心のなかった国際安全保障の講義を受けニュースの見方も変わってきた。最近「学び」とは何だろうかと、ときどき考える。何ものでもなかった10代、学校のテストで良い点を取れば確かにうれしかった。でもそれ以上に新しい知識を得て、世界を見る新たな枠を手に入れる、そうすることで新しい自分に成れるそんな気がしていた、そんな予感があった。あれは、あの頃だけのものだと思っていたが、まだ遅くない、今からでも新しい自分に成れるんだ、そんな予感をまた感じ始めている。はじめは嫌厭していたディスカッションも自分の書き込みから話題が広がり、議論が深まっていくなかで自分の理解も形作られていく、そんなオンラインならではの経験が楽しく、書き込みをするようになった。この間、自分の不注意な書き込みから炎上しかけたことがあったのだが、そのとき助けてくれたのが彼だった。学生だという彼は議論をうまく逸らし、その場もうまくまとめてくれた。その彼が今度の反転学習に来るらしい。「学びとは恋である」そんなことを思いながら美春はIHのスイッチを入れた。

山本さん整体師、67歳、男性、東京都板橋区在住は、先天性の視覚障害者であり、8年前から脳卒中により、左半身麻痺の状態です。テレビの案内で「gacco」の存在を知り、挑戦したところ素晴らしさを実感しました。
目が不自由であってもPCの場合は、文字を大きくできる。ビデオの講義は、読む作業が少なく集中できる。何回でも理解できるまで講義を受けられる。視覚障碍者にとって、読書は負担が大きいので、おおいに助かる。TVなど健康の番組も人気でたくさんありますが、秩序が立ってないようだ。これから、医学の講座をもっと勉強したいと思っているようです。
「gacco」の国際安全保障論の講義を受けて、「戦争は政治の失敗である」身体が不自由になってから、夫婦喧嘩が多かったが、的確なコミットメント、バーゲニングが不適切であった事に気が付いた。夫婦喧嘩であっても、だれも得しないのだから、学んだ事は生活に活かしたい

O老人は戦後生まれの団塊の世代、企業戦士の1人として大半の時間を過ごした。定年後、人間関係のわずわらしさから離れるため、南の孤島へ移住した。当初は刺激の無い生活に満足していたが、物足りなく感じるようになった。即ち、外部の情報が全くないのである。こんな時、gaccoと称するMOOCを知り、時間潰しに受講することにした。講義内容はここでの生活に全く関係がない。しかし、最後まで受講した時、その達成感を感じた。何故だろう?
現役時代に米国友人よりMITの講義CDを送られ、日本でもMITの授業が聴けると感激したが、これは実務的な知識習得であった。次に関心を持ったのはJusticeと題するハーバード大のSander教授のTV放映であった。カントの哲学が非常に分かり易かった。反面,このような番組がTVでヒットするなど思いも付かなかった。今になるとこれらがMOOC普及の過程であったと思う。

南の孤島で哲学を憶い、現社会の動向・情報を得れることに至福を感じる。人は情報の中に生き、常に情報に飢えているのではないかと思う。若い人とは違い、O老人にとって新しい概念・知識を理解するのは難儀である。が、それでも良いのでは、修了書もバッチも不要である。教育とは成果だけが問題ではない、新しいことに関心を持つことと感じる。この機会にO老人はCourseraの新しい教育コースを物色を始めている。反面、教育とは金のかかる事業とも思う。幸い、現在は受講生は無料であるが、その背景では膨大な費用を要しているのであろう。ボランティア・熱意では限界が来よう。質の高い良民を育てるため政府・教育界はその育成・維持に関心を持って貰いたいとO老人は願う。

マユは今日も起きるとmanavee(http://manavee.com/)のサイトにアクセスした。学校に行けなくなってから3年あまり。まだまだ昼夜逆転に近い毎日だ。manaveeは大学受験を支援するサイトで様々な教科の動画を見ることができる。2014年頃までは大学生が講師を務める動画が多くレベルが低いという批判もあったが(これは事実)日本でもオープンエデュケーションが広がるにつれ動画を提供する教育者が増え充実していった(これはフィクション)。
マユはまずアキモト先生の数学の動画を見た。アキモト先生は退職した先生で教え方はうまい。動画を何度も見ると付属した問題が解けるようになった。次にマユはサシハラ先生の動画を出した。サシハラ先生はまだ大学生。当然教え方も下手で、掲示板では「かわいいだけ」などと叩かれたりもしていた。
しかしマユがサシハラ先生の動画を見たのは別の理由があった。サシハラ先生が自己紹介の中で、自分も不登校だったがmanaveeで学習し大学に行けたと書いていたからだ。サシハラ先生の掲示板に書き込んでいるうちにマユは同じように不登校で苦しんでいるユキと知り合い、励まし合う仲となった。
勉強は始めた物の、どの大学に行ったらよいか、何を学びたいのか悩んでいる2人にサシハラ先生がgaccoを紹介してくれた。興味のある講座をいくつか聞いたが、2人ともやはり難しすぎて挫折してしまった。
自己嫌悪に陥るマユ。しかしサシハラ先生は「大学レベルの講義だから難しくてあたりまえ。本当に理解したい講座があったら、その大学を受験したら」とアドバイス。
マユはgaccoの心理学の講座を思い出した。修了証はもらえなかったが、カウンセラーの仕事に興味がわいた。カウンセラーになったら同じように不登校に苦しむ子供を助けることができるかもしれない。
今、マユとユキは明確な目標を持って勉強している。gaccoで聞いたX大学のマツダ先生の元で心理学を学んでカウンセラーになることだ。思い切ってメールを書くとマツダ先生から返事があった。「あなたがカウンセラーになれるかどうか、またカウンセラーが合っているかどうかはわかりません。でも勉強すれば必ず自分がやりたいことが明確になりますよ。」マユは勉強がいやになるといつもこのメールを読み返す。manaveeのおかげで人生変わったな、と思う今日この頃だ。

鈴木純子は37歳、専業主婦。大学を卒業してすぐに5歳上の夫と結婚し早15年、この春、娘と息子が入学入園。ようやく自分の時間が少し増えた。これまで子育てに必死でママ友との会話が唯一の社会だったが、ふと思う。
「子供の学校や習い事に関する知識はママ友との会話の中から得たもの。これらは本当に正しい情報なのだろうか」
「大学時代に学んだ教職課程の知識ももう古いのではないだろうか」
閉鎖的な環境にいる自分に不安を抱き、インターネットにダイブ。そしてgaccoに出会った。無償で受講できることは専業主婦にとって大きな後押しとなりすぐに登録し、教育についての講義を見つけ、もう一度学びなおすことを決めた。
自分が学生の頃とは経済も社会も変化している、それに伴って教育の環境や方法、考え方なども変化があるだろうという予想をもとに受講。予想を上回る様変わりぶりに大変驚いた。反転学習へ参加して、普段接する機会のない年齢や生活環境の違う方とのふれあえたのはまた新鮮だった。オンライン学習で得た知識の再確認できるだけでなく、様々な意見を聞き議論することで新しい気づき、そして新しい課題を見つけることができた。これからも課題について取組み、意見交換しよう、と何人かと意気投合した。
会社の人事部長である夫と、子供たちの教育環境の現状や様々な方法について話す。「うちの子にとって良いものが、よその子にとって良いとは限らない。たくさんの情報から選択することは難しいことだけれど、選択肢があるということは個々の能力を伸ばしやすいということにも繋がるね。会社の人財育成も子育てと同じだ、参考になるよ」と夫は言った。
新しい知識にふれることが楽しくて、純子はそれからも興味のあることに取り組み続けている。
食卓を囲み、中高生になった子どもたちが純子に話す。
「お母さん、次、何を受講するか決めた?」
「俺はもう決めたよ。前から興味あったんだよ、あの講義」

名古屋に住む遠藤翔くん(9歳)は、小遣い不足に悩んでいた。友達が、電子マネーで好きなだけ買い物をしたり、ゲームのアイテムをオンラインゲーム機から買ったりするのが羨ましくて仕方がなかった。叱られるのを覚悟で、母親に訴えた。
母親は、お金教育の時期だと思い、叱らず、翔くんにお金のスキルを身につけられる、金融広報中央委員会のウエブサイト「知るぽると」を見つけてくれた。
パソコンを使ってみたかった翔くんは、母親と一緒に勉強を開始した。ホームを開くと、翔くんは、キッズをクリックした。
次に、おかねのねで、おかね師匠に色々教えて貰えるコーナーにいった。
翔くんは、クリック操作も得意そうに、どんどん進んでいった。
4つの道場のうち使い方道場で学びハンコを貰った。
成績ボードに記録されクリアすれば表彰状壁紙が、全道場クリアでスクリーンセーバーが貰えるので、『ゲームみたいで楽しい!明日も挑戦する。他の道場も行く。』と翔くんは、張り切った。
すると、母親が、画面に小遣い帖作りができるコーナーがあると教えてくれ、夏休みの自由研究の題材にどうかと提案した。宿題に出せると分かり翔くんは、喜んだ。
夏休みが終り、小遣いの額に不満を言わなくなった翔くんは、お金のについて学んだ事と使いこなした小遣い帖を、提出した。
それが、自由研究の学年代表作品になり保護者会の日に公開された。
翔くんは、「知るぽると」は、大人までずっと使えるから続けていくと、得意げに宣言した。
友達とクイズコーナーで対戦してあそんだ。
欲しいカードは、何カ月かお金を貯めれば買えると分かり待つことにした。
欲しい物は限りないのに、お金には限りがあるのだと実感したようだ。
最近、学校の総合学習でお金についての勉強が始った。問題にも答えられて、気分は上々。
家庭でもお金について話合うようになり、小遣いの値上げを望む時は、議題にして貰える約束を両親とした。

IT関連会社の事務職を定年退職し3ヶ月が経過しようとする日、友人からボランティアで「生涯教育のパソコン教室」スタッフ(サポーター)をやらないかとの誘いを受けました。
会社勤務期間中にマイクロソフトのExcelとWordのMOS資格を取得していたことと時間も余っていましたのでパソコン教室のスタッフを引き受けました。
生涯教育のパソコン教室は毎月1回2時間開催されます。
勉強形態は参加者が教室にパソコンを持参して勝手に勉強し、勉強中に操作方法やIT関連の質問があればスタッフに問い合わせるスタイルをとっています。
参加者は常時10人から15人でこの方たちを3から5名のスタッフでサポートしています。私はMSOfficeの質問には答えられるのですがインターネットの仕組みやハードウェアの質問には即答できず持ち帰りIT関連の本などを読み自習し回答しています。しかし体系的に捉えるのが難しく悩んでいました。
そんな折りインターネットのブラウジング中にMoocs-JMooc-gaccoの存在をしり、そこでインターネット講座を見つけ受講登録を行いました。
講義内容はとても分かり易く、内容が充実していて大変楽しく授業を受けることが出来ました。そして体系的に物事を見られなかった自身の悩みが解決出来、これからのサポートにも張り合いが出そうです。また、何より無料で講義が受けられたことにも感謝し、そこで修了証までいただけたのですから言うことはありません。
もう一つ、講座を受講している人たちにはディスカッションボードが提供されそこに自由に投稿できる仕組みとなっています。スタッフ、受講生とのコミュニケーションがありそこには様々な内容が投稿され、人間模様?の勉強もさせてもらいました。
受講後のパソコン教室ではちょっと自身を持って即答できるようになり私も楽しくスタッフを続けています。ボランティアを行っている「生涯教育パソコン教室」のサポーターが実は私の生涯教育の場であったとは面白いことです。
次回また、IT関連の講座があった時には即、受講申し込みを行いたいと思っています。
オープンエデュケーションgaccoに要望することはやはり受講修了の個人認定とそれが社会でも認められ教わったことを社会に還元できるようになれば良いと考えます。

加藤夢実さんは、中学生である。
しかし、いじめによって不登校になってしまっている。
不登校になる前までは、ある程度学校でならったことについては、理解が出来ていたと思っているが、不登校の間に自学自習の必要性を感じてはいるものの、参考書や教科書をつかった学習が進まないことに悩みを持っていた。
そこで、自宅でもインターネットとパソコンさえあれば、学ぶことのできる 「無料学習サイト eboard」 http://www.eboard.jp/ というサービスを見つけた。
このサービスは、小学校や中学校で学ぶような基本的なことがらの解説ビデオが200以上あり、それぞれ5分から10分の長さにまとめられている。また、「学習マップ」といって、どのような順番で動画を見て学習をすすめていけばよいかも示してあるのでそれを使って学習を進めていった。例えば、「アルファベット」の次は「英語の発音」というように示されているので、順を追って学んでいくことができ、中学生の英文法の学習マップを一通り最後まで進めることができた。また、学習を進めていくとeboardではアイテムがゲットできるのが楽しくて無理なく続けることができた。
まだまだ、学校に行くことは難しいけれども、この動画を家族と一緒にみたりして、勉強を進めることで自信ができ、これからの進路について前向きに考えることができるようになった。

常磐恵子は札幌の私立大学で英文学を専攻している2年生である。英語が好きなので英文学科に入ったものの、他の分野にも関心があるのでいろいろ本を読んだり公開講座に参加したりしている。あるとき、MOOCのことを知りgaccoでインターネットや日本史などの講義を聴講し、結構面白そうだと思った。得意の英語を使ってもっといろいろなことを学びたいという気持ちになり、edXにアクセスしてみると実に多くの講座が開講されているのに驚いた。Leaders of Learning という講義を登録した。人間のタイプによって学び方が異なることや、パーソナリティや学習についていままで知らなかったようなことにふれることができた。英語には自信があったものの、講師の話を即座に理解するのは困難だった。しかし、edXでは字幕を見ることが出来、さらに講師の話す速度もゆっくりしたり速めたり調整することが可能であり、分からないところは何度も繰り返して聞くことが出来るので、何とか理解することが出来た。さらに時には字幕を見えなくしたり、まるで実際に留学して講義を聞いているかのような雰囲気を味わうことも出来るようになった。ディスカッションにも積極的に投稿するように努めている。まだMOOCでの勉強を初めて、日は浅いが、英語の講義を聞くことに自信を持つようになった。今は、大学卒業後にアメリカの大学院に留学して、心理学をもっと深く学ぼうかと考えている。

春山加奈さん(17歳)は、昨年長男を出産した専業主婦だ。高校を中退して、自動車修理工場を家族経営している夫の実家に嫁いだ。義理の両親が元気で、出産後間もないことから、来客時のお茶出しや事務所や敷地内の掃除ぐらいしか手伝いはしていない。最近テレビを見ていると、「集団的自衛権」のことが話題になっているが、子供を持ったことで、日本が戦争に巻き込まれないか不安になった。ところが、高校時代真面目に勉強していなかったので、憲法の何条のどのようなことが議論されているのかよく分からない。ネットで調べても、閣議決定に賛成、反対それぞれの意見は出て来るが、その前段階(安全保障の問題)が理解出来ていないようだと感じた。安全保障について、短期間で、しかも要約された「学び」の機会はないかと探したところ、JMOOC(gacco)の「安全保障」の講座を見つけた。憧れだった大学(早稲田)の最先端の授業が学歴に関係なく誰でも受けられるということに魅力を感じた。また、子供が寝た時を見計らい、自分のペースでビデオを見たり、課題に取り組んだりすることが出来るのもいいと思った。内容は難しく、課題にも苦労したが、ディスカッションで質問すると、「この用語は、こういう意味で使われているのではないか」、などヒントを沢山貰った。自主的にミートアップを呼びかけ、TAさんの参加の了解を貰い、熱心に学んでいる人たちもいたが、加奈さんは、近くであるなら、いつか参加してみたいと思った。ディスカッションでは、参考文献なども紹介されていて、加奈さんもゲーム論に関する本を図書館で借りて理解を深めた。加奈さんは、集団的自衛権は抑制にはならず、戦争への危険が増すと考えていたが、ディスカッションで、抑制になると考えている人がいることも分かった。結局、答えは出なかったものの、日本の現状やもっと広い意味での世界情勢の中での日本の立場、アメリカとの関係、基地問題など、今まで無関心でいたことどもへの関心が広がった。学びは、目の前のあらゆること全てがなりうると気づいた。加奈さんは大学には行けなかったが、こういう学びの機会があるなら、今後もぜひ利用したいと強く思った。

中堅の商社に40年、その後関連会社で数年働き、さあこれからは自由の身と、少し気負った淡い希望と、いささかの寂しさの中で神田聡平さんはリタイアの時を迎えた。しかし現実にその状況になってみると、急に何かをやろうという意欲は湧いてこないもので、しばしの休息と健康維持を名目にした散歩で、寂しさを紛らわせていた。そんなとき、散歩の途中でふと立ち寄った書店で、ある雑誌が特集している「オープンエデュケーション」という記事が妙に気になった。家に帰ってネットで調べていくうちに、大学での多くの講座や教材をウェブサイトで公開し、学びたい人は誰でも、無料でアクセスできるようにする、というMOOKの活動が、今世界中で急速に広がっていることを知った。実際に幾つかのプロバイダにアクセスし、公開されているコースをあれこれ見ていくうちに、聡平さん、すっかり時のたつのを忘れてしまった。久々に経験する胸躍る瞬間であった。よし、もう一度勉強をやり直してみよう、いささか直情径行型の聡平さんはそう意気込んではみたが、いきなり英語で講義を聞いて、英語でレポート提出したりすることについて行けるかなと、少し不安になった。しかし「意志あれば、道あり」である。英国の大学を中心に40の大学や機関が参加したコンソーシアムによる「FutureLearn」の中に、「A beginners' guide to writing in English for university study」と題するコースがまもなく開講することになっているのを見つけた。英語圏の大学などでこれから勉強しようという、英語圏以外の国の人を対象とした講座である。コースの紹介ビデオをクリックしてみると、あの独特のイギリス英語が聞こえてきた。40年程前、初めての海外駐在として英国で過ごした生活が急によみがえり、たまらない懐かしさを覚えた。早速簡単な登録手続きをして講座聴講を申し込むと、すぐに聴講を歓迎する旨の親切なメールが届いた。すっかり高揚した気分になっていた聡平さんは、久しぶりに訪ねて来た高校1年の孫を相手に、MOOCの講釈を垂れた。ところが孫はすっかりそれに興味を持ったらしく、今度の日曜に友達と一緒にもっと具体的な話を聞きに来ると言って帰っていった。これはいい加減な気持ちで聴講をはじめて、すぐに挫折した、なんてわけにはいかないな。かなりのプレッシャを感じた聡平さんであったが、すっかり成長して大分疎遠になっていた孫と、もしかすると同じ話題を共有して勉強できるかもしれない、などと勝手に想像し、わき上がってくるような喜びと元気をそって噛みしめた。

山下卓也さんは現役の高校3年生である。進学することは以前よりきめており、受験を控え、部活も引退したが、勉強の遅れが気になっている。しかし、経済的な問題によって塾に通うことは出来ない。地方に住んでおり、様々な教育サービスも利用できそうにない。そんな中、先輩からmanaveeというサービスを紹介されて、使用してみた。manaveeとは大学生や社会人が無償で大学受験対策の動画をアップロードしているサイトである。現状6000本以上の動画があり、あらゆる教科、様々な受験校に対策することが出来る。その中で、苦手意識を持っていた日本史を扱う授業を一通り視聴した。そのなかで、直接先生にメールで質問したりすることも出来た。継続して勉強をした結果、無事目標校の国公立に合格することが出来た。

札幌市の女性、加藤華陽さん(28)は、看護学会の全国大会で、
自身の実践に基づく研究論文を発表することになったのだ。
彼女は札幌の看護専門学校を卒業後、札幌市内の総合病院の心理学科で働いていた。
学会で論文を発表することが決定し、心理学の高度な内容を学びたいと考えた。
何か良い方法はないか。彼女はインターネットの検索を始めた。
courseraのOCWヘブラスカ大学の
”医療従事者のための健康リテラシーとコミュニケーション”を見つけた。
1)健康リテラシーを記述し、それがすべての健康の分野にどのように適用されるか;
2)健康リテラシーに影響を与える様々な要因/社会的決定要因を説明する。
4)グループ、組織、コミュニティ、ポリシーレベルでの健康リテラシーを向上させる。
彼女は生命尊厳の哲学を胸に、「健康の世紀」を開く偉大な先駆者になろう。
と決意した。研究論文のための勉強がはじまった。
第1章は、”医療機関におけるその役割”
コースは、"インタープロチームのメンバー"を組むことになっていた。
”ヘルスケア労働力の準備”
”私たちは誰にサービスを提供していますか?”
”高リスクとケアの遷移を伝える”
実践の看護では、心を閉ざす相手に対し、デニスH. Britigan講師が提言した、
まず、「あなたの力になりたい」という思いを伝えることを積極的に行った。
時間を見つけては、courseraで学び、患者の話を聴き続ける日々。
たくさんの時間を共有しながら、粘り強く耳を傾けながら、勉強した。
ある時、彼女は気づいた。
「この患者さんは、心底、話を聴いてもらう経験が少なかったんだ」。と。
彼女は今月6日、全国大会で研究論文を発表した。
"人から関心を寄せられ尊重される体験は大きな自信となり、人生の追い風となる。"
こと。Courseraでの学んだこと。
この発表後、彼女は看護婦長に抜擢された。
また活発的に心理学倫理をeラーニングが推奨した。
彼女の次の人生の目標はネブラスカ大学への、渡米留学だ。

A子さんは、高校を卒業したが、就活がうまくいかず現在大手飲食店チェーンで非正規社員として働いている。A子さんは常々語学を向上させ外国人へのスムーズな接客をすることを希望している。しかしながら、語学教室は費用が高く,eラーニングができるPC購入もできないでいた。ある日上司より、このチェーンではAFPラーニングの提供によるGoocu proを利用しており、非正規社員でも無料で利用できることを知らされた。このシステムはモバイル学習を基本としており、今持っているスマートホンで学習できるのである。
また業務の合間、通勤時間でも利用できるのが嬉しい。一人で学習するとえてして途中で終わってしまうが、本システムには、ソーシャル機能やゲーミフィケーション機能があり
仲間と競い合いながらの学習もあって継続して学習が続けられた。語学の向上に目覚ましいものが見られ、羽田空港支店への移動が決まった。外国人への接客は評判となり正規社員への昇格も認められた。さらに他のスタッフへの教育も任されるようになった。A子さんは語学だけでなくgoocus proが提供する様々なコンテンツを活用してさらに知識を高め、支店長になることを夢見ている。

佐藤太郎さん(30歳)は名古屋のIT企業でシステムエンジニアとして働いている。ここ最近、勤めている会社のジョブローテーションで、システム受託開発部門からクラウドサービス開発部門へ部署が変わったばかりである。これまでの受託開発の経験から、データ分析業務のシステム開発が自分の強みだとは感じていたが、関連する技術に対して体系的に学んだことがなかったため、本やインターネットで調べていた。そんな中、クラウドやデータ分析について教えるCourseraのMOOCを見つけ受講を始めた。
その講座ではクラウドやデータ分析に関する体系的な知識だけでなく、最新のデータ分析プログラミングについてもプログラムの実装面など踏まえて突っ込んだ議論が電子掲示板でなされていたのは佐藤さんにとって驚きだった。そのMOOCでは、佐藤さんと同じように最新の技術を身に付け、実務にすぐに活かしたいと考えている人たちが受講しており、講師から出された課題を提出するだけではなく、電子掲示板で互いに自己紹介をした上で活発に議論をおこなっていた。佐藤さんは名古屋で初めて開催されたミートアップにも参加した。他の受講者の意見はとても創造的で佐藤さんが持っていなかったような発想があり、佐藤さんは大いに刺激を受けた。
佐藤さんはその講座で認定証を取ることができた。新規サービス開発に向けて自信を持つことができたが、それにも増して得たものが、仕事のつながり以外で技術的な面で語り合える人たちとのつながりであった。ミートアップで出会った受講者と連絡先を交換することができ、受講後も交流を続けている。

神奈川県に住む佐々木彩夏さん(17歳)は受験を控えた高校2年生である。最近、進路に悩み、勉強に身が入らないでいる。受験する大学や学部について自分の偏差値に合う合格可能な大学を見つけることに疲れていた。
そんな中、JMOOCで東京大学本郷教授の「日本中世の自由と平等」の講座が開講されるのをニュースで見つけ、なんとなく登録し受講を始めた。元々、戦国武将の歴史小説が好きで受験勉強が忙しくなるまでは多くの小説を読み耽っていた。夜中に受験勉強が手に付かず集中できないとき、ビデオを1~2本づつでも見れば気晴らしになるし、日本史の勉強の助けになるかも、と考えての受講だった。
本郷教授の話を聞いてわかったことは、歴史の勉強とは、受験勉強のように年号や出来事を覚えることではなく、古文書の文字や行間からその時代を生きた人の姿を取り出すことだった。それら文書とともに生きたその時代の役人や庶民がなにを考え、どう行動したか、まるで目の前にいるかのように感じられることは彼女にとって、とても興味深かった。
受験勉強の自由にならない日々の中で、ディスカッションに加わることはなかったが、かなり年配と思える受講者たちが熱く議論されている様子をみて、一生を通じてなにかに知的興味・関心を持ち続けることに憧れを感じることができた。
結果、佐藤さんはビデオを視聴するだけだったが、なんとか時間を見つけレポートを書き、認定証を得ることができた。そしてこの中世の日本についてもっと勉強したいという思いが強くなり、進学の目標をそこに定めた。受験する大学、学部、学科をも決めて、受験勉強にも集中して励むことが出来るようになった。将来もこの分野の勉強を続けるか、また違うものに興味を持つことになるかはわからないが、人生を通じての学問への関わり方を身に付けることができたし、今後も一生、学問への興味・関心を持ち続けることができると感じている。

林修くん(18)は大学1年生。郡部の漁業の町の出身である。

高校生の頃、将来は父親の跡を継いで漁業に従事することを希望していたが、これからの漁業は環境の変化への対応や資源保護なども考えていかなければならないと考えていた。そのためにも大学に進学して知見を深めたい。そのことについては父親も賛成してくれた。

しかし、在学していた高校では進学希望者はほとんどいないため、いわゆる受験対策のような授業はなく、町には予備校や塾もない。高校の先生は相談に乗ってくれるし、わからないところも教えてくれるが、部活動や会議で忙しく、毎日自分だけのために時間を割いてもらうのは気が引ける。大学受験を諦めようかと担任の先生に相談してみたところ、manaveeというサイトを紹介してくれた。主に大学生が講師となり、受験対策の授業の動画を無料公開しているサイトだとのことだった。林くんは早速manaveeにアクセスしてみた。

たくさんの講義の動画があったが、面白かったのは、「さわやか」「イケメンキャラ」「ユーモラス」などのキーワードで講師の検索ができることだった。林くんは理系であるにもかかわらず数学が苦手だったので、数学の「ユーモラス」な講師を検索してみることにした。動画をいくつか見てみたところ、「ケン」先生の授業が自分に合っているように思い、「ケン」先生の授業をすべて見てみることにした。わからないところもあったが、コメント欄で質問に答えてくれるので、何とかついていくことができた。他の受講者のコメントに励まされたり、大学受験に関する様々な情報を得ることができたのも、林くんにとってはありがたかった。

英語や生物などの他の科目も受講していくうちに自信もつき、何とか志望校に合格することができた。進学希望者の少ない高校出身で、地元に予備校や塾がなくても、manaveeのおかげで都市部の高校生と対等に受験に臨めたと思っている。

富士三太郎氏は、私立の中高一貫校で英語の教員として教壇に立っている。英語教育も時代の変化に伴い、取り扱う内容、授業で使う教材も大きく変化している。英語教育には、音声指導が大切であり、速攻活用できる場面設定や興味関心が高いものが求められる。そこで、教科書から離れ実験的にオープン教材を取り入れる試みを行うことにした。英国放送局が作成している教材である、BBC Learning English から動かない教科書にはない、映像と音声を取り入れることで、英語に触れる機会を増やし興味関心度を上げていくこととした。また受け身型の授業から参加型の授業に切り替えることで、いままでの英語指導法を見直す機会にもなった。
製作されている教材は、ビデオ教材から学ぶニュース、英語の語彙、文法、英語クイズなどが盛り込まれていて、授業に取り込むには最適であり、学ぶことが多い。このようなOERが身近な所にあり活用できることに英語教育の新しい方向性も見出すことが出来るのではないかと期待感をもっている。更に、富士氏は、自分自らが学ぶ側に立ち、授業を見直すために、近頃のMOOCsの講座をネット上から見出し、学習の機会を取り入れ、教員としての教えの業を向上させようと決心し始めている。

2040年、幼稚園に就職したばかりのさゆりは悩んでいた。資格取得のためにしっかりと学んできたはずだが、子どもの自由な遊びと、集団としての育ちをどう結びつけたらいいか、どんな教材をどの時期に出せば効果的か、特別支援の子どもたちと気持ちを通わせたい。先輩のクラスを見ていると子どもたちは自由で楽しそうに見えるのに、学びの機会が遊びの中に位置付いてて…自分が教員と言えるのか子どもたちに申し訳ない気持ちで一杯でこのまま働いていていいのか、向いていないのではないか。
園内でも相談にのってはもらえるが好奇心は、より多くの知を求めている。
昔は、教育公務員として研修権が保障されていたが今や地方財政にそんな余裕はなく、教育センターには小中学校の担当者しか居ない。保育時間も長くなり、昔は毎週していた全員での園内研修も月に1回あればいいいほうだ。
そんなある日大学の恩師に、ネットでMOOCの会員制のプラットフォームに誘ってもらえた。「全国幼児教育研究会」といいのぞいてみると分科会形式で意見交流、教材研究、実践ビデオ報告、講義の4種ありさゆりの知りたかったことがそこにあった。自分の保育は自分で子どもと共に構築しなければならないが沢山のヒントを得ることができた。5年後、そこで知り合った仲間とミーティングを持ち、時間を工面して実践力のある方の保育を見せて頂いた。ネットでは得られない素材の手触り、匂い、雰囲気を実感できた。子どもにも大人にも遊びは学びで学びは遊びである。知への枯渇が満たされ、水のように染み込み、形を変えながら膨らみ成長していく。この研究会で学んだことを今度は後輩に伝えて行きたいと思っている。

Aさんは高校中退で、学歴にコンプレックスがあった。震災で被災したころには建築関係で仕事をしていたが、2児の親となってからは専業となった。しかし、周囲の保護者の話題についていけず、引きこもりがちになり、子どもの教育に頭を悩ませていた。理由は、学歴が収入に結び付き、親の学歴と子供の学歴が同じになる傾向があることを知ったからである。Aさんはインターネットを使える環境にあるが、検索する言葉をあまり知らない。わずかな手がかり「大学、学力、中退」などから通信制大学で学ぶことを選んだ。英語を話せることに価値観を持っていたAさんは、言語関係の講座を積極的に受講、そして長い年月が立ち、後数年で卒業できるところまで来たころには、疑問が生じていた。「通信教育で学んだことは、現実の社会で認められるのか?」Aさんはネットに疑問を入力する。そこでOCWの存在を知る。憧れの最高学府の講義をネットから無料で聞けることに感動を覚えたがしかし、自分の興味が英語から別の物に移行していたAさんはその物足りなさも感じていた。日本ではまだ講座の数は少なく、一講座も長い上、その認知と評価から資格に至るまで成熟していないからである。いまさら英語圏の大学を受講していては卒業が遠のく。Aさんは検索を繰り返すうちGaccoにたどり着いた。ここでは講義をただ録画して垂れ流しているだけで「公開した」と満足している講義と違って、不特定多数が参加すること、様々な条件の人が存在していることを念頭に置いた講座づくりが行なわれていた。Aさんは自分の学歴や卒業に関係ないとは思ったが、そこに参加している人たちの話し合いを見て、自分と同じような考えを持った人がいることを知り、勇気がわき受講を決めた。今は通常の受講を受けながら、淡い夢を描いて過ごすことができている。いつか自分のような学力がなさ過ぎて学べない、理解できない側から発信できるようになればいいのにと。

NPO法人SNK(シニアネット久留米)に所属する松本卓さん(79歳)は、現役の頃よりIT関連に非常に興味深く、パソコン同好会的存在のSNKに入会した。ここでは単に退職者の集まりであまり深い知識のない人達の集合体だったので、もっと深い知識をオンラインで受講できるところがないかネットで検索したところ、JMOOC公認配信プラットフォームとして「gacco」「OpenLearning, Japan」等が見つかり、既に開講して「インターネット」という講座もあり「gacco」に早速登録した。
「インターネット」に受講してみて目からうろこで、あの有名なインターネットの権威村井純先生の歴史的考察から現代の最新技術までわかり易く解説してくれた。特に「インターネットの礎 無線」はWi Fi等現在日常的に利用している者にとってかってない為になる講義で修了証も取ることができた。これら有意義な講義を自分ひとりで留めておくのは勿体無くて、SNKの会員に広くわかり易く解説する講座を開くことにした。この講座の範囲はインターネットだけでなく、広くIT関連としてwordやexcel等パソコン関連も含めて講義をした。そのため、講義の事前知識として本を読み自分としても大いに勉強せざるを得なかった。
実は、「gacco」に登録する前に、eラーニングとしてのソフトバンクのオンライン講座「サイバー大学」を受講していたので、テスト、レポートには慣れていた。これらの経験を生かして地域の会員に伝授し、その後益々会員間のコミュニケーションが深まり、「オフ会」等が頻繁に行われるようになった。
「gacco」での講義が、社会生活の視野を広げ、「生涯学習」として「学び直し」を痛切に感じた。また人に教えるという講座を持つことにより感謝の気持ちを受け、交際範囲が広がり、これまたオープンエデュケーションの強いアクションの賜物と思っている。

友子さんは、地方に住む40歳の主婦。機械メーカー勤務の夫、大学生と高校生の息子2人との4人暮らし。子どもたちの学費や自分たちの老後のためにもと、週5日のパートに出ています。
そんな友子さんの唯一の楽しみは、夜に新聞を読むひととき。
ある日、友子さんは、「gacco」というオンライン講座の記事を目にしました。友子さんは高校を卒業してすぐに就職をしました。家庭の経済事情で、進学が叶わなかったのです。
もともと勉強が大好きだった友子さん。いつか学ぶ機会を持とうと思いながらも、地方経済は「厳しい」がいくつついても足りない状態。現在も、自分のために使えるお金などありません。
しかし、このgaccoは無料で、しかもネット環境さえ整っていれば時間と場所を選ばずに日本のトップ大学の講義が受けられるというではありませんか。
友子さんは、一も二もなく登録します。講座は、「日本中世の自由と平等」「インターネット」「国際安全保障論」…俳句や経営マネジメントもありました。
分野が多岐に渡っていて、専門的に深く学ぶことは無理かもしれませんが、入口としては十分。また、苦手意識を持つ理系分野も、本ではなく「授業形式」なら少しは理解が進むような気がしました。
受講を始めた友子さんは、自分の知識が増えていくことを感じています。
今まで「中世」がどの時代を指すのかも知りませんでしたが、「刀とちょんまげの古臭い歴史」と思っていた時代に、がぜん興味がわいてきました。
「インターネット」では、自分が日常使っているものだけに、その仕組みがわかって非常におもしろく、ネットへの苦手意識も少し消えたような気がしました。なにより、機械に弱いと家庭内でバカにされていた友子さんが、家族から一目置かれるようになったのです。パソコンの疑問について、以前より優しく説明してくれるようになったし、友子さん自身もその内容が理解できるようになって、ますます学びに力が入るのでした。

瀬戸内海の「しまなみ海道」に近い、小さな島に住んでいる因島ミサさん(28歳)は地元の高校卒業後、尾道市の観光施設で働き地元観光業のエキスパートとしてキャリアを積み重ねていた。しかし、25歳のとき身体を悪くした祖母の看病のため島に帰らざるを得なかった。
祖母は小康状態を保つようになったがケアはなお必要で、ミサさんは島から出る事ができない。島では漁業以外に目ぼしい産業がないため、ミサさんは今後の生活に危惧をいだいていた。
数年間の観光施設での業務経験と、風光明媚な島の環境や豊富な海の幸を生かして、何とか島で起業できないか模索していたところ、インターネットでOES(open education of sightseeing)というオープンエデュケーションのサービスを見つけた。このサービスはネット上で観光事業に関する基礎知識が学べ、更には起業に必要な経営に関する基礎知識も習得でき、島から外に出られないミサさんにとっては格好な学習の場であった。
また、OESは観光業界からも様々な支援を受けており、教育も観光事業の実践に即した内容であった。受講者の中には、ミサさんと同じような志しを持つ人や、観光業務の実務経験者が自身のスキルを整理するために受講する人も多く、ディスカッションでは必然的に観光起業に関する熱い議論が交わされていた。
ミサさんはOESの課題レポートで「しまなみ海道・小さなおもてなしの宿」と題して、自転車でしまなみ海道をツーリングする、旅行者向けの宿泊所を経営する企画書を書いた。これを見たOESを支援する企業から資金的な支援も受け、旅館事業を立ち上げた。これは漁業一辺倒だった地元の活性化にもつながった。そして、現在はOESで培った全国的なコミュニティーの輪で「小さなおもてなしの宿」プロジェクトを全国的に推進している。

山田太郎さん(66歳)は今まで勤めていた会社を退職し年金生活を送っている。
このままではボケてしまうかと心配していた時、gaccoの案内が目に飛び込んできました。
もう何も学ぶ必要性が無いだろうと考えていた事と、仕事に活かす訳ではないのでジャンルは特に決めず募集中の講座をすべて申込みました。なにより無料で受講が出来るので入りやすいのが一番でした。最初の講座はgaccoの「日本中世の自由と平等」です。
何十年も前の学生時代は歴史には全く興味が無く苦痛な授業でした。この講座では歴史そのものだけでなく、歴史とはウラをとる学問であると認識させられる。なにより楽しく学習出来ました。MOOCの特長の一つであるディスカッション(掲示板)を覗くと皆様方が色々な意見をアップされている、まだまだ書き込む自信が無いので読むだけでしたが
真摯に勉強されている方々が多いのに感心させられました。幾つかの講座を受講したら
自分も書き込める様に出来ればと期待しています。
gaccoの様なMOOCサービスを利用させて頂く事で時間潰しをするだけでなく学習意欲が
出てきました。人生を変える程大げさではありませんがボケ防止は間違いなく効果があると考えています。今後の色々なジャンルの講座を受講して頭の中をリフレッシュしていければと考えています。

 高橋一郎さん(65歳)は,高校卒業後に電機メーカーの技術職として働き,数年前に定年を迎えた。日本史が好きで,定年後は近所の図書館で読書をしていたが,いつか大学で専門的に学びたいと考えていた。定年を機に大学への入学も考えていたが,一方で大学の講義についていけるかという不安もあった。そんな折,テレビのニュースでJMOOCのgaccoを知った。gaccoは,「無料で学べる大学講座」をキャッチコピーにしていたため,まずは,試してみようと考えた。
 日本史の中でも江戸時代の庶民の生活文化に興味があったので,「江戸の文化とその歴史」というgaccoの講義を取ることにした。難しい専門用語に四苦八苦しながらも,インターネット上のディスカッションで質問したり,図書館で自ら調べるなどし,なんとか締切までに講義の視聴とレポートを提出することができた。また,反転授業にも参加した。反転授業では,現役の大学生や社会人学生も参加しており,講義内容以外にも大学生活や入試のことなど,様々な情報を交換することができた。
 高橋さんは,gacco「江戸の文化とその歴史」での学びを通して,興味のあった日本史に関することだけではなく,文献の調べ方,レポートの記述の仕方,ディベートの方法についても身に付けることができた。その後も,gaccoでの学びを継続し,日本史に関する講義の修了証を5つ取得するまでになり,現在は,「江戸の生活文様」というgaccoの講義のボランティアスタッフとして,積極的に受講生のディスカッションの活性化に関わっている。また,gaccoでの学びによって,大学の講義の難易度や,講義の進め方,議論の仕方などを身に付けたことが自信となり,来年からは,あるインターネット大学の人文学部へ入学し,長年の夢であった日本史を研究する予定である。

木村俊夫は大手食品メーカーA社の商品開発部門の課長である。今年40歳を迎えた。家族は専業主婦の妻と二人の娘である。
木村のチームに、山本明子が配属されたのはこの春のこと。山本は美大のデザイン学科出身で、これまでにいくつものヒット商品の開発に関わってきた、A社のエース的存在である。昨年、学生時代から交際していた男性とめでたく結婚し、夫婦それぞれの道で働いている。木村が、そんな山本から相談を受けたのは2週間前のことである。
「課長、私、妊娠していることがわかりました。出産の予定は来年夏です。正直いって、このまま仕事を続けるか悩んでいるんです」突然の相談に木村は狼狽し、おめでとうとは言ったものの、その場ではアドバイスができず、改めて面談をする約束をして取り繕った。帰宅した木村は妻にこの話をした。専業主婦の妻から参考になる意見はあまり期待していなかったが。すると、妻はパソコンに向かい、画面を指差した。「これ、お友達から紹介されたの。見てみれば?」
それは、日本女子大学生涯教育センター(目白)のHPだった。一般教養を中心に、数十本の講座が、VODで視聴できるようになっている。分野は幅広いが、女性の社会進出とそこでの役割、ワークライフバランス等に関する講座が充実している。全て無料である。分野別のカリキュラムが組まれていたり、修了証が発行されることはないが、自分が必要とする知識を得たり、考えをまとめるうえでの参考にするには十分な内容と思われた。木村は、男性ということに少々引け目を感じながらも会員登録をし、その日のうちに受講を開始した。女性の働き方について、木村の考えはだんだんに固まっていく。娘たちの将来も真剣に考えるようになった。
そして今朝、木村は山本を呼んで面談を行ったのである。「会社としても、組織としても、君の出産・育児をサポートしていくので、安心して仕事を続けてほしい。ちなみに、こんなオープンエデュケーションの講座があるので、受講してみたらどうだい」山本は上司の言葉にいたく感動していた。
その後も木村は週末に、同大学の講座を受講し続けている。仕事のなかやマスコミからの情報では得られないものがそこにはあると感じている。最近の木村の口癖は「生涯学習」で、それを聞くたびに妻はクスクスと笑っている。

 佐藤一郎さん(20歳)は大学生。将来は父親と同じく映画のカメラマンになることを夢見ている。しかし、父を尊敬しているが、まったく同じ道を歩むことに疑問を抱いている。昔ながらの映画技法だけではなく、新しい何かを身につけないとこれからの映画業界で生きていくことができないのではないかと常々感じていたからだ。ある日、洋画を観た佐藤さんはそのカメラワークに衝撃を受ける。佐藤さんは海外で1からカメラ手法を学び、父親とは違う技術を修得しようと思い海外の大学に留学することに決めた。
 しかし、留学前の語学学校に通いながら専門性の高い授業についていけるのか不安になった。そんなある日、自分が通おうと思っていた南カルフォルニア大学の映画技法(Cinematic Arts)の授業がiTunes Uで一部公開されていることを知る。佐藤さんは留学前に予習として毎日授業を視聴した。最初は何を話しているのかわからなかったが、何度も視聴していくうちに聞き取れるようになった。佐藤さんは南カルフォルニア大学の授業だけではなく、映画監督や、脚本家のスピーチも探して視聴した。
 大学では当然専門性の高い授業が行われていたが、事前に行っていた視聴の成果もあって入学後も大学の授業についていくことができた。しかし、日本からの留学生は佐藤さん以外にはいなかった。
 大学を卒業した後、帰国し、無事映画のカメラマンとして就職できた佐藤さんは、修得した技術を遺憾なく発揮する。就職して数年後佐藤さんと同じように留学したいと考えている学生たちと話す機会を得た。彼らは当時の佐藤さんと同じように授業についていけるかと不安に感じていた。佐藤さんは日本からの留学生が自分しかいないことを思い出し、オープンエデュケーションの重要性について話した。その話を聞いた学生たちは早速視聴することにした。数年前とは違い、今では多種多様なコースが増えていた。学生たちは何度も視聴し、佐藤さんと同じように留学することができた。

宮本徹さん(28歳)は工業高校を卒業し、工場で生産ラインの保守管理をしていた。扱う設備は日本国産のものがほとんどだが、機種によっては欧州製の設備もあり、その洗練されたデザインや、設計思想が日本より進んでいることもあり、宮本さんはいつか海外に行き、欧州製の設備の関係業務に携わりたいという憧れがあった。
去年、営業規模拡大のため、会社がドイツの会社と提携し、工場にドイツ製の設備が導入された。高性能ではあるものの、パソコンで設備状態を監視できるソフトに不具合があり、日本の担当部署を通じてドイツに問い合わせる日々が続いた。言葉の問題等もあり対応が遅れがちの為、自分たちで監視ソフトの不具合を対応出来ないか検討はしてみたものの、専門知識を持つ者が日本国内にはいなかった。
ある日、プログラムの勉強が無料で出来るcodecademyというサイトを雑誌で知り、勤務後に毎日、自宅で独学を始めた。学習内容はWebサイトの構築であったが、設備監視画面の設定は同様の方式で構築されていたため、その仕組みを理解出来ないかと、数か月間、学習を続けていたところ、ドイツから届けられたソフトの不具合を自分で解決することが出来た。 これによりドイツの対応を必要としなくなり、改善されたプログラムをドイツへ送ったところ、ドイツの技術本部から評価され、インターナショナルの設備エンジニアリングチームに転籍となり、設備が導入される各国に設備の立ち上げ試運転の一員として行くことになる。転籍にあたりビジネス英会話教室も会社が提供してくれた為、今では、保守管理もでき、プログラミングの専門知識を持つ貴重な人材として、各国にドイツ製の設備を導入する試運転要員として活躍をしており、宮本さんは転籍できたことに喜び、今の仕事にやりがいを感じている。

エドワード・ホセはフィリピンのスラム街トンドに住む看護師だ。3年前に専門学校を卒業し、念願の看護師になった。今は決して裕福ではない8人家族を大きく支えている。
ある日、職場の先輩看護師が日本へ看護師候補者として派遣されることになった。それからエドワードは自分も外国、日本で働けるのか考えるようになったが、日常の忙しさにその考えは薄れていった。しかし、先輩看護師が日本に行ってから1年、日本での生活をfacebookに投稿しているのを見たとき、自分も行く決心がついた。
エドワードはそのプログラムについて、調べた。調べた結果、外国で働くなら、その国の言葉と文化を学ばなければならないと思った。そして、「日本語でケアナビ」という自主学習サイトにたどり着いた。
「日本語でケアナビ」で、まずは一番興味があった漢字を勉強した。漢字の読み方や意味をしるだけではなく、どんな単語に使われるか、現場でよく使われる例文などを覚えていった。それから日本人特有の言い回しや、表現による文化の違いを学んでいった。次第にフィリピンの職場でも「これは日本語で何というんだろう?」と自然と考えるようになり、休憩中に調べるという学習スタイルが身に付いていった。家にパソコンはなかったが、スマートフォンでも十分対応できたため、ホセの地道な自主学習は進んでいった。
自主学習から1年。ホセに日本で働くプログラムに応募するチャンスがきた。面接や試験では日本語を使うことはなかったが、ホセの1年に及ぶ自主学習を評価した面接官はホセを採用した。なぜなら、日本に行ってからも仕事をしながら自主学習をしなければ、国家試験に合格することは難しく、既に学習習慣を身に付けているホセは理想の候補者だったからだ。
こうしてホセは日本で働くチャンスを掴み、翌年の来日に向け、今はマニラ市の研修所で事前研修に参加している。

斎藤孝さんは、42歳の公務員で、防災の知識や情報を提供することが業務である。斎藤さんは、これまでインターネットや教育学について学んだことがなかった。東日本大震災では、たくさんの方が亡くなり、心を痛めている。たくさんの方々に防災の知識を深めていただきたいと思っている。斎藤さんは、gaccoというMOOCで、インターネットについて学ぶことができることを知り、受講を始めた。斎藤さんは英語が苦手なので、英語のMOOCを利用するのは難しいが、日本語なので受講できた。インターネットのしくみは、初めて聞く用語の連続で、課題の問題もとても難しく、途中でくじけそうになったこともあった。しかし、インターネットについてホームページなどで勉強をしながら、何とか講義についていくうちに、インターネットのしくみがだんだん理解できるようになり、インターネットがとても速いスピードで進化していることや、生活や経済のいろいろな局面にとても大きなインパクトを与えつつあることを知ることができ、社会を観る目が少し変わったような気がした。また、斎藤さんは、オープンエデュケーションについてもgaccoで学習できることを知り、受講することにした。斎藤さんは、c MOOCがたくさんの人たちで作り上げていくものだということに興味を引かれた。斎藤さんは、地域の災害や安全に関する情報は、行政だけではなく、地域のいろいろな方々がそれぞれ別々に持っていることを知っている。斎藤さんは、インターネットを利用して、いろいろな方々の災害に関する情報を集約し、住民が共有し、地域の安全を高めていくためのホームページを作ろうと考えている。そこでは、住民の方々は、情報の受け手であるだけではなく、地域の安全を高める主体でもあるのだ。斎藤さんは、職務で知り合った大学の先生にMOOCで防災についての教育を実施してもらえるよう依頼したいとも考えている。

高校生の美由さんは英語が好きなので語学力の向上を目的に大学進学を目指していました。しかし経済的な理由から自宅から通えない大学は受験できないし何校も受験する費用もないため受験できる大学はとても限られていました。しかし目指すこともできない大学のHPを見てみるなかで大学の講義をedXで受ける事ができることを知り
英語力を試すつもりでその時公開されていた「発展途上国での教育問題」について学びました。その中でも自分が通うことのできない大学の授業を受講しているように発展途上国の子供たちがオープンエディケーションにより大きな教育の場を与えられている事に感動し自分も英語をただ単に学ぶだけではなく英語を使って経済的に学ぶ事が困難な人たちが学べるようになれる事に貢献するような仕事をしたいと思うようになり国際政策学科やグローバル政策学科等の受験を決めました。
美由さんは英語を学ぶ目的をしっかりと持つことができた事によって今までやる気になれなかった他の教科の重要性も感じ受験勉強に前向きに取り組めるようになりました。


 青山あゆみさん(62歳)は、子育ても一段落したので、パートでヘルパーをしていたが、頼まれて民生委員も引き受け、地域で活発に活動している。ヘルパーも民生委員もお年寄りと接する機会が多く、中には認知症を発症している方もいて、その対応に悩むことが多い。目の前のことに振り回される毎日で、そのお年寄りが何を考え、なぜそんな事を言うのか、なぜそんな行動をとるのか、もっと良い関係を築くことはできないのかと悩み、何か良い方法はないのかと思っていた。自分なりに心理学の本を読んだりしていたが、もっと詳しく人間心理について勉強はできないかと青山さんは考えるようになったという。そんな時、インターネットでいろいろ調べていて、放送大学のオープンコースウェアの中に、「人格心理学」の講義を見つけ、受講を始めた。いまは時間があまりとれず、学校に通うのは難しいが、インターネットを使っての講義なら、自分の都合の良い時間に少しずつ勉強できるので、やれるのではないかと思ったそうだ。
 講義では、人格という概念など基本的な事柄から、人格の理解、人格と関係性、人格はどうやってつくられるのか、どうやって閉じるのか、病み傷つくのか、変容するのかなど大変興味深い内容を勉強することができた。人格について系統だてて学ぶことで、物事を客観的に見る目が少しはできたように思うと青山さんは語っている。自分の仕事のやり方についても、これからはもっと良いものに変えていけるのではないかと思うとのこと。そして、これからもインターネットでいろいろな大学のオーブンコースウェアの講義を探し、心理学の勉強を続けたいそうだ。
 放送大学では有料になるが「認定心理士」や「臨床心理士」の資格を取る道も開かれているので、将来もっとこの方面を専門的に勉強し、資格をとって仕事にもつなげていきたと思ったら、検討したいと語っていた。

吉原は電機会社の宇宙システムエンジニア部門で衛星開発を新卒入社以来7年間担当していたが、この春から防衛部門で衛星と航空機と地上レーダ網による警戒監視システムの開発を担当することになった。
しかし、宇宙の平和利用を目的に入社した吉原は軍事利用にはどうしても馴染めず転属から3か月しても自分の信条と業務とのギャップで苦悩していた。自己申告面談で上司の小林課長に相談したところ、MOOCの一つで gaccoの国際安全保障論を受講してみてはとのアドバイスをもらった。
これならば残業があっても自分の都合で受講できるので取り組めた。動画と講義字幕を繰り返し読むこと、理解度チェックによる未理解点整理、レポートによる自己の考えの再構築などして勉強するうちに、安全保障論によると防衛装備品の開発は手段でありむしろ戦争抑止に目的や意義があるのかと思えるようになってきた。それでもまだ半信半疑であり、理解を深めるため積極的に掲示板ディスカッションやミートアップに参加し自己の悩みをぶつけた。そこでは立場こそ違え、自分と同じ悩みを抱えている人が多くいて、種々の意見が交あわされていたので考えを整理するのに有効であった。
結果、政府が多大な出費、世論攻勢、基地周辺の住民苦悩等という負担にあえぎながらも真剣に取り組む防衛施策はまさに真の抑止を狙うもので外交努力と併せて平和維持への道の一つであることが確信できた。また、理工学部出身の彼は文科系のレポートの書き方、考え方にも触れることができ、社会学的な物の見方や友人の輪も広がった。今、彼は迷うことなく与えられた防衛の業務に自ら積極的に取り組むようになった。
なお余談ではあるが、上司の小林課長は業務、業務の毎日で趣味を広げるゆとりが無かったが、gaccoの俳句講座に参加してMOOCの利便性を実感し吉原に勧めることができた。二人とも今ではMOOCを公私にわたって活用している。

瑞穂高志(25歳)は、大阪のIT企業でプログラマとして働いている。スマートフォンのプログラミングに関心をもち、専門書などを集め学習していた。また、将来の転職を考えてゲーム制作にも関心があった。しかし、書籍による学習では、実践的な知識が得られないでいた。そんな中、iTunes Uで、スタンフォード大学が公開しているDeveloging iOS7 Apps for iPhone and iPadという講座を同僚から紹介されて受講することとした。その講座では、基礎的なiPhoneプログラミングの基礎だけではなく、ゲーム作成のベースとなるゲームエンジンの作成方法から説明があった。彼の会社は、ゲームを制作する企業ではなかったが、瑞穂さんと瑞穂さんにiTunes Uを紹介してくれた同僚が主導して、社内勉強会を行った。英語によって公開されている授業を翻訳し、よりよい勉強会を行っていくために、オリジナリティを加えて勉強会を開催した。勉強会内でのディスカッションを繰り返すうちに、社内でもアプリケーションを作ってみようということになった。チームで協力しながら1つのゲームアプリケーションを作り上げることに成功した。社内でも評判だったので、一般公開し、販売することになった。そして、売り上げも好調であったので、専門チームを作ることになり、瑞穂さんは、リーダーとして、ゲーム開発に取り組んでいる。

岡山桃太は造船所の一般商船部門に勤務するサラリーマンだが、数年前の配置転換で艦船建造部、即ち海上保安庁や自衛隊をお客様とする部署にシフトされた。折しも尖閣諸島における中国漁船の振る舞いや日本の国有化宣言、その後の中国海警船舶による領海侵犯のニュースに接し、こうした事態を正しく理解して自分なりの考えをまとめる基礎知識が無いことに気付いた。
そんなとき新聞でJMOOCの存在を知り、プロバイダーのgaccoから提供されるオンライン講座の中に「国際安全保障論」を見つけて早速受講した。動画による講師指導とテキストがよくマッチングし、学習自体に新鮮味があってしかも無料、オープンエデュケーションの良さを実感した次第である。また自分で都合をつけた時間に、しかも分割受講ができたことが学習の負担を軽くしてくれた。
この学習を通して、これまで表面的にしか捉えていなかった言葉やその意味するところを正しく理解し、整理することができた。さらに大事なことは、国家は何故そのような行動に出るのか、その時点の背景と認識の変化が国家の決定にどう影響するのか、という分析の道筋らしきものも見えてきた。ただ、事の本質を正しく把握する力をつけるには、さらなる学習努力が欠かせないことも分かった。
業務上の必要に迫られて受けた講座ではないので、今回の学習成果がキャリアに直接的影響を及ぼすことは無い。しかし自分なりに整理した考え方ができるので、同僚や家族との会話でも、報道される事象に対して我ながら落ち着いた受け取り方をして発言していると思う。そのとき自分は、わずかに高い視点から俯瞰した発言をしているような錯覚に陥るので、何となく何の根拠もなく内心では喜んでいる。大いに自省が必要なのだが・・・ 。

横田律子(22)は小学校の時に父を亡くし、以降母と子の二人きりの生活であった。母は父の残した少しの遺産と慣れないお好み焼き屋をして律子を大学に進ませてくれた。律子は母を一人置いて寮や下宿に入ることは心情的にも経済的にも困難であったので、自宅から通える地元の大学に進学した。しかし、何ということか、母は律子が大学四年になった時、突然再婚すると言い出したのである。相手の男性は悪い人ではないが、その男性と三人で狭い家で一緒に生活をするというわけにはいかない。かと言って今更下宿というのも何なので思い切って中国に語学留学をすることにした。
その大学には日本語学科があり、そこに学ぶ中国人学生から中国語を習う代わりに日本語を教えるという相互学習をしている内に、日本語の魅力、教えることの楽しさが芽生えてきた。日本語の先生になりたい! でも日本人だというだけで大学で日本語が教えられるというものでは勿論ない。何とかならないかとインターネットでいろいろ探したが、英語ならともかく日本語教師養成のオープンエデュケーション、OER、MOOCは見つけることが出来なかった。420時間の養成講座を受ければ資格が取れるが、日本に帰って新婚の母・義父と同居するわけにはいかない。そこで通信教育(律子の場合はアルクのNAFL日本語教師養成プログラム http://shop.alc.co.jp/course/n1/)を選択、中国にいながら送られてきた教材で徹底的に勉強した。この場合、紙の教材は大いに役だった。半年あまりで全課程を修了、修了証も受け取ったがこれには公的な証明能力はない。ここで学んだ知識をもとに日本語教育能力検定試験(http://www.jees.or.jp/jltct/)を受け、一発で合格。公的資格の獲得に成功、学歴の方も大学教育3年を修了しているということでクリア。今年の9月から留学先の大学で正規に給料を貰う大学教員(日本語教師)として仕事を始めることとなった。

A(71歳)さんは毎週、卓球のゲーム練習やウォーキングをやり体調は順調であった。知識面では日経新聞で経済や政治の動向を把握することをベースに、かつて読んで、興味関心のある本の再読を繰り返すくらいで、何かぼやっとうかないものを感じていた。
ある時、大学と同じくらいのレベルの講座を無料で受けることができる記事を見た。これは有り難いことだと思い、MOOCのgaccoにアクセスしてみた。すると開講したところで、今後の講座テーマが案内されていた。
Aさんは現役の頃は能力開発のマネジメントをしていたので、「ビジネススクール」講座に興味があったが、今の年になって学び直しても活かすところが少なそうなのでパスしました。「インターネット」講座がありました。インターネットは20年以上使っているが、仕組みについて学んだことがなかった。また、「オープンエデュケーションと未来の学び」講座。オープンエデュケーション、変わった言葉だなという感じであったが、未来の学びという言葉があったので、これは一体どういうことなのかと思って受講した。
「インターネット」は難しかったが、一応修了証をいただいた。本では理解しにくかったことが、ビデオを通じて動的に分かりやすく学ぶことができた。以前は画面が中断したりすると“なんで”と不安に思ったりしたが、インターネットの仕組みを学んでからは“平気”になった。また、新聞でインタネットの記事を見ても素通りしていたのが、一時停止して読むようになった。
「オープンエデュケーションと未来の学び」は受講中。OCWで知識を探索できるようになり、自分で気づかなかった知りたいことに気づかされるようになった。
京都大学の講義が聴けるとは夢にもおもはなかったが、京都大学のOCWを利用して、1.iPS細胞の研究、臨床応用および医薬品開発への進展状況 2.中国文字文化論を学ぼうと思う。
このように、Aさんはオープンエデュケーションを学んだおかげで、生涯学習ツールの選択の幅が広がり、時代に応じた知識を得、メリハリのある生活ができそうだと考えている。今年の年賀状では、“gaccoおすすめ”と紹介したい。

北条美冬さんは 大学卒業後 英語をいかして世界を見たいと アメリカの航空会社に入社し、13年の間に多くの国の人々から 数え切れないほどの親切や好意を受けた 大切な思い出がある。 2020年東京オリンピックに訪れるお客様には 日本の良さを存分に楽しんでもらえるように、「勝手にボランティア通訳」として “お.も.て.な.し” をしたいと考えていた。 

そのために、日本のあらゆる事柄~歴史 伝統 しきたり 春夏秋冬と俳句 ロボット工学 マンガ等の知識を身につけたいと思い、 4月開設の無償で大学講義を学べるJMOOC公認サイト「gacco」を受講することにした。 「gacco」の講座は 短時間の積み重ねで学べ、 聞き取れない言葉はビデオを止め字幕で確認ができ、ディスカッションでは受講者同士の活発な意見交換があり、新しい知識を学べると同時に 仲間の存在が励みになった。

『国際安全保障論』では、栗崎先生の目指す「戦争と平和を理解し 世界平和のための知識の構築」を学ぶことができ、 昨今の日本周辺の状況や集団的自衛権について自分の考えをまとめる助けになった。 
講義には専門用語が多かったが、参考教科書 の出版社ノートンが [ World Politics, 2nd] を教材として学ぶ学生のために開設したウエブサイト : スチューデント.スタディスペイス.フォア[ World Politics, 2nd ]
http://wwnorton.com/college/polisci/worldpolitics2/welcom.aspx で予習していたので 戸惑うことなく理解できた。 

北条さんは「門のない大学」 「gacco」の講座を受講して 「知の開放」の恩恵を受け、「学びの楽しさ」を味わい 気持ちの高揚する充実した日々が過ごせたので、6年後のオリンピックでは自信を持って 「勝手にボランティア通訳」ができるように、今後もできる限り「gacco」の講座を受講し、時には『国際安全保障論』の予習に使った様なサービスも利用しながら, 日本についての知識を学んでゆこうと思った。
       …6年後…
東京オリンピック開会式の朝、 喜寿を祝う美しい花の傍らで 北条さんは「gacco」の講座で得た 様々な分野の修了証を 一枚一枚感謝の思いで眺めながら、 ボランティア通訳として参加した 大学3年の東京オリンピックを懐かしく思い出していた。 

木村幹雄は68才の元中学教師。担当は主に日本史。退職して数年たち、最近物忘れが多くなり、認知症への恐怖に駆られた。今年3月、手持のiPADで何時もの様にニュースを拾っていて、この4月からMOOCが無料で、第一回目が本郷和人東大教授による「日本中世の自由と平等」から始まることを知った。早速申し込んで受講を開始した。講義の進展に伴い、自分が中学で教えていた内容が如何に表面的なことばかりであったかを思い知らされた。真剣に学習し修了証も手に入れた。然しそれ以上に、彼は物忘れが減少し、将来の認知症に対する不安が払拭されていることに気が付いた。友人や年配の教え子達に連絡しjMOOC の受講を勧めた。
現在日本に約250万人の認知症患者がいる。20年後には団塊世代が高齢期に達すれば、400万人を超える患者数になる。各地域に高齢者のグループを造り、各個人にあったMOOCの教材で学習すれば、確実に効果がある。認知症治療薬が無い現在、 認知症の発生予防並びに進展阻止に必ず寄与するだろうと彼は考えている。そのためには、MOOCの教材が中学、高校及び大学卒などのレベル毎でなければならず、問題が山積している。
彼は友人達とともに各レベルに合ったOERの具体的な研究と製作に意欲的に活動している。

公開学徒さんは、会社を退職した65才の男性ですが、毎日が日曜日となる生活に、これまで仕事一筋に過ごしてきた生活とのギャップに、戸惑いを感じておりました。そこで、毎日自由になる時間を利用し、これまでとは違う新たな分野で、幅広い知識を身につけようと考えておりました。その折、ちょうど良いタイミングで、JMOOC認定によるGACCOプロジェクトが開講されるようになりました。GACCOは、大学教授陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウエブサービスです。ひとつの講座は4週間で構成されており、各週講義動画を視聴し、クイズやレポート提出で理解度が確認されます。課題レポートでは、相互採点のシステムも採用されており、他の受講者のレポートを採点することにより、より深く講義の内容を理解する事が出来ます。また、掲示板によるディスカッションが用意されており、不明な点を質問でき、受講者どうしで意見を交換する事もできます。なお、講座によっては反転学習コースも用意されており、担当教授等による講義を直接受講する事も可能です。最終的には、所定の基準を満たせば修了証が授与され、頑張ろうと言う学習意欲の向上にも寄与しています。
多種多様な講座が順次用意されており、様々なジャンルの知識を習得する事が可能です。これまでは仕事関連ジャンルの事ばかりを考えておりましたが、新たな発見として異なるジャンルの知識を習得する事は、人生の幅を広げる意味でも、大変魅力的な事だと考えています。また、目的を持ちそれを実践することで、ボケ防止にもつながり、一石二鳥だと思います。
6月の講座「国際安全保障論」では、今まさに話題となっている内容であり、集団的自衛権の問題、沖縄米軍基地の問題等々、国民全体がもっと真剣に考えなければならない事だと、とても深く考えさせられました。
今後もGACCOの講座には、様々なジャンルが用意されますが、果敢に挑戦してゆきたいと思います。

松本孝さん(35歳)は東京の大手家電メーカーの家電開発部門に所属し、家電制御システムの開発を担当している技術者である。しかし、中国や韓国の躍進による日本での家電事業の衰退により、会社の事業方針として、数年後には家電事業からロボット事業へ会社経営の主軸を移すことが社内で発表された。松本さんも現在担当している家電制御システムの知識を生かしてロボット開発、とりわけ人工知能の開発へ自分の専門を転換したいと思っている。そのためにロボット工学の本を買いあさり手当たり次第に読んでいるが、仕事の合間をぬっての勉強はなかなか身が入らず遅々として進まなかった。また、勉強の進め方もわからずに困っていた。そんな折、インターネットでの検索中にオープンエデュケーションの存在を知りいろいろ調査した結果、MOOCプロバイダの中のUdacityに興味をひかれた。Udacityは人工知能を研究していたスタンフォード大学のセバスチャン・スラン教授らが設立したもので人工知能関連の講座も豊富にあることが大きな特徴である。また特徴的なサービスとして、学習支援の強化のために有料ではあるがチューターをつける制度もある。ロボットの人工知能開発への専門転換を目指している松本さんにはピッタリであるし、また勉強に身が入らなかったり、勉強の進め方にも悩んでいた松本さんにとって、チューター制度は願ってもないことであった。実際にUdacityで勉強を始めた松本さんはチューターと相談しながらロボット工学全体を知る概要講座から初めて、ロボット制御理論講座、人工知能講座、ロボット事例講座など、ロボット工学における多岐にわたる勉強ができた。数年後、会社がロボット事業に転換する際には、松本さんが当初思っていたよりも幅広く、かつ人工知能の専門にも深い技術を習得できていた。その結果、家電事業からロボット事業への事業転換の会社内で、専門技術者としてだけでなく事業の中心的存在として活躍できるようになった。

鈴木次郎さん(61歳)は昨年まで神奈川県の半導体メーカーで働いていた。今までは海外に行くことにも英語を学ぶことにも全く興味が無かったのだが、最近、友人から海外旅行がとても良かったことを語られ、海外旅行と英語を学ぶことに興味がわいたのであった。また、その友人からedXというMOOCサービスを教えてもらった。しかしながら、鈴木さんは英語がそこまで得意ではなく、何から何まで英語で行われる授業についていける自信はなかった。そんなとき、日本のMOOCサービスであるgaccoで、分かりやすそうな英語の発音講座を見つけたのであった。「日本語で英語について教えてくれる」「私にもできそうだ」と思い、早速、鈴木さんは登録したのであった。いざ講座を受けたところ、とても面白く、そして今までカタカナ英語しか知らなかったのだが、発音記号を元にしたネイティブに通じる英語について学ぶことができた。さらに、その講座の中で、活動的な同世代の方が、神奈川県でミートアップをするというディスカッションを見つけ、行ってみることにした。その結果、同じように英語を身につけたいと思っている同世代の友人を作ることができ、さらには一緒にアメリカの西海岸に旅行に行かないかという話まであがったのであった。鈴木さんは、ミートアップで出会った友人5人とアメリカ旅行に行った。その結果、グランドキャニオンで今まで見たことも無いような景色に感動し、また、現地の人たちと英語でコミュニケーションを取ることに、この上ない楽しさを覚えたのであった。これが鈴木さんにとっての初めての海外経験であったが、5年後、鈴木さんは20ヶ国以上を巡る海外経験豊富な人に変わっていた。また今では、英語を仕事として活用し、日本に来た外国人のガイドとして活躍している。

大阪に住む50代の西田ヒトミさんは、夫と娘、80代の実母の4人家族。
一年前の転倒で、股関節骨折をした実母の初期認知症の症状に心を痛めていた。
母親を自宅介護したいという思いで、介護、認知症の本を読んでみたが、もっと多面的なアプローチでの知識も欲しいと思っていた。
そんな時、外大時代の友人からmoocの存在を教えてもらい、ヒトミさんは、ネットでcourseraを見つけ、その中のJohns Hopkins Universityの「アルツハイマーや認知機能障害のある高齢者の介護」という講座を見つけた。Johns Hopkins Universityはアメリカ東部を代表する医学校のひとつで、講師のNancy Hodgson準教授は、特別養護老人ホームの終末期ケアのモデルプログラム開発、またLaura Gitlin博士も認知症ケア、家族の介護、機能障害等を非薬理学的にアプローチしているという。
これからの母親との生活の上で、新たな知識、役立ちがないかと思い受講した。
アルツハイマー病の歴史と関連する認知症、認知症の病態生理のweek1は、医療用語でかなり苦戦したが、week2のアセスメントとケアのプランでは、客観視することの重要性にも気付かされ、なにより認知症ケアが人間的アプローチに基づいて取り組まれていることが新鮮だった。両先生の笑顔の講義に癒され、毎週のディスカッション掲示板の質問では、看護学の学生さんに、実技面のことで丁寧に教えてもらったり、国事情は違えども実際に介護する仲間の悩みや励ましのコメントにも、勇気づけられた。ここでの学びを、ヒトミさんは夫や娘にも伝えて、家族みんなで介護していくことの重要性を知った。
最近、母親の笑顔が増えたように感じるヒトミさん、彼女はいま最終レポートに向かって取り組んでいる。

私、木林夏子は44歳、夫と2人の子供と暮らす主婦。短大の文学部を卒業し、すぐ結婚、家事・育児の毎日でした。子供たちももうすぐ成人、時間的余裕もできたので、残りの人生と自分のキャリアを磨きたく、好きな文学の世界を追求したく、またキャリアの違う人たちとの交流もしたく、eラーニングの司書資格講座を受講しました。八洲学園大学の図書館司書資格が、15科目29単位、スクリーニング6科目12単位という半年のカリキュラム。短大時代の教授が名誉教授とし名を連ねていたのも、選んだ理由でした。学習システムeLyが、教材・レポートなどを補佐し、質問などはレポート提出時に合わせてできるので、助かりました。また大学図書館の資料も一部制限がありましたが、結構自由に閲覧できました。地方都市に住んでいるので、スクーリングに少し不安でしたが、車で1時間ほどの大学で実施され、これも助かりました。半年前に無事卒業、まだ正式な仕事としては何もしていませんが、子供たちの学校の図書館ボランティアで、若い人たちと接しています。子供たちが就職した後は、図書館司書として、働きたいと、学校の就職支援にも登録済みです。キャリアのなかった自分にも新しい生き方の道が広がったというのが、実感です。もう少し余裕ができれば、キャリアアップを狙っています。専業主婦にも可能な、オープンエデュケーションは魅力です。ただ現在の不満は、教授や学生たちとの生のコミュニケーションが少ないことです。ネットでの共通のテーマで学習会を開いていますが、短大時代の学園生活の楽しさ・未知への期待が十分に得られませんでした。でも知的好奇心を満たすことはできました。さらに、障碍を持つ人や、不登校児など、新しい教育環境を開く可能性のある、まだまだ発展途上の教育システムとして、魅力あふれる試みと考えています。

山田愛さん(38歳)は、東京で食品関係の貿易会社で事務職として働いています。仕事は忙しく残業も多いです。毎日にマンネリ感を感じています。が、変化することができずにいます。
ある日、愛さんの部署に、マレーシアからの研修生(25歳、男性)が配属になりました。意思疎通がはかれず、愛さんはイライラすることもあります。ふと、先日、友人に聞いた六本木ヒルズにある「academyhills」の事を思い出しました。「文化都市」をコンセプトに様々な講師を呼んで勉強会をしたり、価値ある最新情報を発信していこうとしている場所だそうです。検索してみると、無料で、ロシェル・カップさんの講演を、オピニオン・記事として読むことができました。『日本型ビジネス文化の特徴とグローバルコミュニケーションスキル』という講演の内容です。世界を相手にビジネスを行うためには、語学力だけでなく、多様な背景や価値観を持つ人々と協働するためのスキルが求められます。異文化コミュニケーション。直接交渉を好む国の人たち、その反対の人たちなど、グラフなども使って、わかりやすく書かれてありました。愛さんは、日本人の自分は、研修生を理解し的確な言葉で、指示をだしていたか? 遠慮して説明する言葉が足りなくはなかったか? 結果について、お互いに、今後に向かって話し合いをすること。など、記事を読むことで、具体的にこれからどうすれば良いかという事を学ぶ事ができました。これから日本にはたくさんの外国人の人が働くようになるでしょう。他にも検索してみると、勉強し、努力している人たちがうかんできます。自分ももっと勉強しよう。そして、自分も、教えてもらったように、オープンエデュケーションを知らない人たちにどんどん話をして広めていこう。愛さんが頑張っている姿は、愚痴をこぼしている友人も変えていくでしょう。

 山下亮介さん(21歳)は早稲田大学工学部の学生である。大学では、通信ネットワークのゼミに参加しており、将来は海外の通信システム会社であるC社への就職を希望している。C社の公用語は英語であり、応募条件の一つに英語力がある。山下さんの英語力はTOEIC500点レベルであるが、C社の応募条件はTOEIC700点であり、英語力を伸ばす必要がある。そこで山下さんは早稲田大学オープンエデュケーションセンターのTutorial English講座を受講することで、英語力を補強することにした。

 Tutorial Englishは、予習/授業/復習の三段階構成になっており、自分で予習をした後、授業に臨み、またチューターからWebを通じてアドバイスが来るため、苦手なフレーズを何度も繰り返して着実に覚えていくことができる仕組みになっていた。最初は外国人の先生を見ただけで緊張していた山下さんだったが、卒業時には日常会話レベルのことだったら、言葉が反射的に出るまでに上達してきた。TOEICの点数も750点と、C社の応募条件をクリアすることが出来、無事C社の入社試験に臨むことが出来た。

 昨日、C社からの内定通知が山下さんの元に届いた。卒業までの数ヶ月、山下さんは大学のオープンコースを続け、更なるスキルアップを予定である。

A君は、将来、モバイルのアプリ開発の仕事に携わりたいと思っている高校1年生である。
プログラミングには興味があるが、プログラミングをしたことは全くなく、教わったこともなかった。
以前に本を買って学んでみたものの、なかなかプログラミングに対するイメージが湧かず、どのように学べば良いか途方に暮れていた。そのような悶々としていたなかで、A君はインターネット上で「CODEPREP」というオンラインでプログラミングを学べるサービスを見つけた。
A君は早速、アカウント登録をして、CODEPREPでプログラミングを学び始めた。CODEPREPはオンライン上で書きながらプログラミングを学習できるのと、プログラミングの基礎から学べるサービスを活用して、A君はプログラミングを覚えてどんどん上達させていった。
A君はプログラミングが上達していく過程が楽しくなり、CODEPREPでどんどん学習を進めていった。CODEPREPは応用レベルの学習コンテンツも充実しているので、A君のプログラミングスキルの向上も非常に早かった。A君はプログラミングの学習を通じて、モバイルのアプリ開発の仕事に就くイメージをさらに明確にした。
その後、A君は情報工学系の大学に進学し、プログラミングコンテストに出るなどして、継続してプログラミングを学んでいる。超一流のプログラマーになって、社会に役立つアプリを開発することを夢見て、A君は日々自己研鑽に努めている。

山本 一郎さん(72歳)は和歌山県の紀伊山脈につらなる片田舎に住み、65歳で退職(終生肉体労働職)し、その後地域の自治会活動、地蔵尊の役員等経験しました。この時点で、パソコンの使用の必要性を肌で感じ、遅まきながら70歳でパソコンの勉強を始めました。
いまだにWord、Excel 等も十分に使いこなせませんが、そんなときに2014年2月新聞でJmoocの「gacco」の開講を知り、おりしも安倍内閣による「集団的自衛権」の議論が沸騰している真っ最中で「gacco」の講座に「インターネット」、「国際安全保障論」が含まれていましたので山本さんは、さっそく受講登録しました。
オンライン教育を、こんな片田舎でも受講できることは、しかも無料とは今現在受講途中ですが本当にありがたいと山本さんは感謝しきりです。G-2「インターネット」はカタカナ用語の多さにてこずりましたが「ディスカッション」での受講生皆様の手助けのおかげでパソコン初心者の山本さんもあこがれの修了書を見事手にしました。g-3「国際安全保障論」も最後まで受講でき、日本で現在直面している「竹島」、「尖閣諸島」、「北方4島」問題等の自分の考え方に大いに参考になりました。
また「gacco」の講座では「ディスカッション」のコーナーが設けられ受講生の間で驚くほど活発な議論が交換され多くの方々の様々な考え方を知りました。ウクライナーロシア、イスラエルーガザ地区の紛争等悲惨な状況が勃発している現在、山本さんは、今までの人生でこれほど深く世界平和の必要性、重要さを認識したことはありませんでした。
今年も「お盆」を迎えますが、山本家も独立している息子家族2世帯が帰省の予定です。この機会に今年は息子夫婦、中学1年生、小学5年生の孫たちと、日本の平和憲法と、世界平和について話し合う予定を立てて山本 一郎さん夫妻は毎日張り切って生活しています。

村田リサさんは米国出身、日本人の夫の都合で2年前から2人の子供と共に日本に住んでいる。下の子が最近幼稚園に通い始め自分の時間が持てるようになったが、日本語ができないため友人があまりおらず昼間は家でこもりがちだった。このままでは精神的に塞ぎ込んでしまうのではと不安にさいなまれ、故郷へのホームシックも募るばかり。一方でこの状況を何とかしたかった。
子供ができる前は米国でカウンセラーとして3年働いたことがあり、日本でも同じように働きたかったが今の日本語のレベルでは自信がない。また6年間は子育てに追われて何もできず、カウンセリングの再学習が必要だと感じていた。
いろいろ調べているうちに、World Mentoring Academyというオープンコースウエアのサイトにて、心理学に関する世界の主要な大学が公開している講義コンテンツが英語かつ無料で視聴できることを知った。当サイトでは、コース別に講義コンテンツが分類されており、村田さんはFoundation of CounsellingとCultural Psychologyというコースを受講することを決める。
チューターやメンター制度の助けを借りながら、忘れかけていたカウンセリングについて再学習ができ、新たに移民の心理や異文化の問題について学ぶことができた。また受講者同士のネットワークの場もあり、自分と似た状況でカウンセリングの仕事を考えている人達と知り合いになれ、日本にいる外国人にカウンセリングを通して何かサポートができるのではという仕事のイメージがより具体的にわいてきたのである。
その後村田さんは、ボランティアで日本に滞在している外国人向けに英語でカウンセリングを始め、彼等の精神面での支援を通して自分への自信が持てるようになる。日本人の同僚とも知り合いになり、日本語でカウンセリングができるようになりたいという意欲もでてきて、かつての不安はいつの間にか消えているのだった。

土屋晴美さん(33歳)はあるお菓子メーカーの事務職として働いている。先日、顧客を対象に実施したアンケートの集計と分析を「Excelが使えるから」という理由だけで担当する事になったのだ。データの入力はできても、アンケート結果の分析なんてやったことがない。土屋さんは途方に暮れた。
そんな中、土屋さんは普段使っている「iTunes」をいじっているうちに「iTunes U」というコンテンツ群を発見した。その中に「入門統計学」というタイトルを見つけた土屋さんは、藁にもすがる思いで受講を始めた。
土屋さんはiTunes Uの講義を自分のiPhoneに入れ、通勤時間を使って勉強をした。iTunesのプラットフォーム上で動作するiTunes Uは、新しいものを覚えるのが苦手な土屋さんにうってつけだった。さらに、視聴履歴をもとに「統計学1」「統計学2」がレコメンドされている事に気づいた土屋さんは、それらも学ぶ事にした。「平均・分散」といった統計学の基礎の基礎からスタートし、Excelを使って重回帰分析を実施する所までこぎつけたのだ。
合計3コースを受講し終えた土屋さんは、見事な分析レポートを作り上げた。土屋さんの持つ確かな知識は社内でも評価された。この夏の人事異動で、土屋さんは事務職を離れ、開発部でマーケティング・リサーチを担当することになった。昔から憧れながらも一生関わる事はないだろうと思っていたメーカーの花形、「開発部」。「大きくなったらお菓子屋さんになりたい」卒業文集にそう書いた土屋さんの夢が、オープンエデュケーションを通じて実現したのだ。

私は小さな乳飲み子のいる母です。子供を寝かしつけてからのインターネットが楽しみの一つです。そういえば、新聞で「オープンエデュケーション」の記事を読んで面白そうだと思いました。ネット検索で調べてみますが、英語のサイトが多くて、英語が苦手な私にはなんだか取っ付きにくいです。日本語のMOOCないかな?と探していたら見つかりました。JMOOCのgaccoというサイトを。ひとまず、「オープンエデュケーション」という講座を登録してみました。(私がアクセスしたときはこの講座だけが募集されていたのです)子供が起きてはいけないので、動画は字幕で見ました。また、教材を印刷してちょっとしたすき間時間に目を通しました。家事と子供の世話でほとんど家にいる私にとって、目の前に世界が開かれた気分になりました。ディスカッションが繰り広げられていて、老若男女の皆さんが書き込まれていて、本人にその気があれば学べるんだ!と、わくわくしてきました。日々の育児で正直疲れているのですが、子供と向き合うことでも学びはあるのではないのか?と気づきました。他にも開講予定の講座を見ると「経営(マネジメント)入門」や「ビジネススクール(入門)」があることを知りました。子供が生まれる前は会社勤めしていて、あの頃は上司に言われるがまま仕事をしてたなぁ。やっていたことにはどんな意味があったんだろうと、ふと思ったのです。とりあえず、二つとも申し込みました。残念ながら反転学習コースには申し込めないけど、通常コースだけでも十分です。私に一つ目標ができました。子供が大きくなったら、仕事を探してまた社会に出ることです。その日に向けて、今は知識吸収していこう。もちろん、今しかできない子育ても目一杯取り組みます。

 浪人中の田中一郎さん(19歳)は、ソフトバンク販売店でアルバイトをしている。そんなある日、父親の会社が倒産。一郎君は、大学受験を諦めかけていたところ、職場の先輩から、ソフトバンクグループの通信大学のサイバー大学があることを教えてくれた。その先輩もアルバイトをしながらサイバー大学で学び、今の職場に就職した一人だった。
 早速、パソコンでサイバー大学を調べると、完全なインターネット制で通学の必要がなく、大卒資格も取得できることが解った。また入学金や学費など、経済面で親を負担をかけられない一郎君は、サイバー大学が普通の大学よりも学費も安く、入学金の免除や奨学金制度などもあり充実していること、さらに、将来はIT関係に就職を希望する一郎君は、即戦力となれる高度なIT技術を学べることは、願ってもないことだった。
 一度は、大学受験を諦めかけた一郎君だったが、アルバイトをし、入学金や学費を稼ぎながら、インターネットで授業を受けて大学資格とるという目標ができ、早速サイバー大学にインターネットで申し込みをした。

纐纈遼さんは 甲府市在住 21歳の男性。現在はいわゆるフリーターである。
高校途中から不登校になり大検により大学に入学するも、1年で退学。自分でなにか目標をもちたいと考えているが一方でもう無理とも思っている。コンピュータは好きで、子供のころから利用し、現在も空き時間はネットゲームで見知らぬ友人たちとチャットしながらゲームをしている。Web上ではいつも自由である。ある日、何げなくテレビのニュースで「MOOC」を知る。自宅で大学の授業が無料で学習できるという話で興味を持ち、検索をしてみた。通常の通信学習のようなことには何度もトライしていたが、一人で学習することに飽きてしまい、ついついゲームなどに向かってしまっていた。難しい話は聞いてもわからないと思いながらも好きなゲームがどのように作られているかにも興味があった。英語ばかりなのかと思っていたらUDACITY on Edmapsに到達し、日本語字幕で学習できる講座があることを知った。そしてその中の講座の一つ、「インタラクティブ3Dグラフィック」の受講を決めた。昔JavaScriptでゲームを作った達成感を思い出しながら小テストを繰り返すことで、小さなステップを積み重ね、あっという間に6週間が終わった。動画はわからないところでも繰り返し再生でき、大学の時に味わった「わからない」という時間を自分の努力で解消できた。一つの講座の達成感から、次の講座への意欲も出てきている。ゲーム上のチャットでこのことを書いたら、ゲーム仲間の何人かが参加をし、現在別サイトでのコミュニティで学習のための有効なサイトや、ほかのMOOC情報を共有している。次の講座では今度東京で集まり「オフ会」ではなく「ミートアップ」を実施する計画を立てている。実際のプログラマの人も参加し、いろいろな情報を得ることもできそうである。いずれは専門の知識を向上させてゲームを作る側になりたいと思うようになっている。勉強を楽しいと初めて思い始めている。

彼は、建築家のエキスパートとして、70才を過ぎ人並みに人生の大半を終え定年退職をしました。落ち着いて人生をふり返っていた時、今年の始めでしたかテレビでgacooの日本初のMOOCとして大規模オープンオンライン講座が無料公開される情報を見ていました。有名大学の講座もあり、人生の学び直しと言う意味も含めて挑戦してみることにしました。講座内容を開いてみると彼の専門とする仕事と直接関連性のないようなものでしたが、まずは、「日本中世の自由と平等」という表題の東京大学の講座でした。不得手だった日本史の勉強も講座のように根拠立ててやれば面白かったんだというのが反省と新たな勉強でした。一応修了証書をもらえました。二つ目は「インターネット」、慶應義塾大学の講義で、数点足らずで不合格でした。三つ目は「国際安全保障論」、早稲田大学の講義で結果、合格で修了書がもらえそうです。四つ目が「オープンエデュケーションと未来の学び」、北海道大学(重田勝介先生)です。ここで "オープンエデュケーション、MOOC等"、新しい言葉を初めて学びました。MOOCsはまだ5年ほど前に始まったとこでMOOC化が進んできたもののまだ悩んでいる状況もある。それにしても日本にいながら無料で、ハーバード大学を卒業できるかも知れないなんて便利な時代になって、大学もますますグローバル的に考えられるようなり、大学教育も世界観が普通に感じられる時代になっているのですね。いつの間にか講座に取り込まれ面白く夢中になって勉強をしていました。Coursera、edX、JMOOC等で展開されているMOOCsを探してみたら何かまた新たな講座があるかも知れないなと期待しながらオープンエデュケーション、MOOCsについて、もう少し深く勉強してみたいなと考えています。相互採点制度は他の受講者との考え方の違いも見られディスカッションしながら勉強している様な気持になります。とにかく、無料で新しい知識や勉学姿勢を得られたことに彼は感動し、さらに新たな展開を期待しています。

福井県在住の田中さんは、自営業にてフランチャイズのパソコンスクールを20年間経営すると共に、大学の非常勤講師として14年間コンピュータ工学を教えている。指導スキルはベテラン領域に達したあるとき、JMOOCについて知り、実際にオープンエデュケーションに関する講義を受講した。経営を担う立場上、なかなか仕事を休むことができない田中さんにとって、JMOOCは仕事の隙間や移動時間で学習ができる最適な方法だった。気になる点は何度も反復学習できる点が特によかった。世界に開けた新しい教育概念について、体系的に基礎知識を得る事で、大学での講義や自身の経営するパソコンスクールにおいて、これまでの講師主導型の教育法から、既存のオープンエデュケーションを活用した教育法への転換を図ることとした。指導スキルはベテラン領域に達するまでの期間が経ち、新たな挑戦を試みたいと思っていた最良のタイミングだった。
実際にはまずOCWを自身の教育ビジネスに融合する試みから始めたが、これまでの教育手法や教育効果について改めて考え、再構築する必要性を実感することとなった。教育カリキュラムを再構築し、自身のスクール及び大学講義において反転授業を取り入れた新カリキュラムの教育を始めた。学習者にも好評だったのと同時に教育の再構築により品質の向上にもつながり、自身のキャリアの発展させるきっかけとなった。パソコンスクールにおいても、同等規模では反転教育を採用する事業者はまだまだ少なく、業界優位性をもった新たな経営戦略の基盤を固め、ビジネスの見直しを図った。地域的に評判を集める結果となり、スクールの発展にもつながった。

早乙女果林さんは千葉県に住む高校2年生、オーケストラ部でバイオリンを弾いている。いろいろなことに興味がある意欲的な生徒である。帰国子女ではないが、英語が好きで、海外大学進学に憧れていた。学校の先生に勧められて、MOOCを夏休みに始めてみた。CourseraのUniversity of Pennsylvania, ”Applying to U.S. University”である。非常にきれいな英語で、しかも英語字幕もあるので理解が深まり、日本の大学選びとは異なるアメリカの大学選びがよく分かった。偏差値等ではなく、自分にとっての”best fit”(一番適した)の大学を選ぶための道筋が印象的だった。いろいろな大学のAdmission Officerのインタビューが豊富で、さらにRequired Reading, Suggested Readingが山のようにあり、アメリカの大学で講義を受けるとはどういうことかを実感でき、自分が本当にやっていけるかどうかを考えることができる内容だった。日本の高校では学べない内容豊かなMOOCにはまった早乙女さんは、9月は、edXでHarvard/MITの”Visualizing Japan”を履修した。学校が始まり文化祭もある中で忙しかったが、電車通学中にスマホで聞くことで時間をやりくりした。この講座は東大が協力し、ハーバード、MITが共同で一つの講座を創るというMOOC史上でも初の試みだよ、という歴史の先生のアドバイスで選んだものだった。ペリーの黒船来航や日比谷焼打事件という高校日本史でも出てくる内容だったので、早乙女さんにも分かりやすく、かつ新しい視点で日本の歴史を考えられた。10月からはFutureLearnでUniversity of Warwick, ”Shakespeare and his World”を学んだ。学校の先生でMOOCに詳しい方が居て、希望者を集めて放課後にMOOCの学習会をしてくれたので、同級生と「こんな面白い講座があるよ」と情報交換でき、選んだ講座だった。このように英語で学び続けたので、<読む、聞く、書く、話す>の4技能とも格段に力をつけ、TOEFLで高い点数を取れるようになっていった。夢であったアメリカ留学に大きく近づいたといえる。あとは、MOOCでなじみが出てきた大学のHP等を見て、行きたい大学を絞っていく作業が残っている。

 田中大樹さん(58歳)は広島の介護福祉機器製造会社で管理職として働いている。60歳の定年退職を迎えるに当たり退職後の就労を模索していたところ、行政における「高齢者の雇用に繋がる起業への補助金制度」が創設されていることを知り、事業計画立案や会社経営、起業手順等は行政が主催する「起業講座(無料・10回)」を受講した。起業に向けての「ビジネスプラン」は、退職後の就労と地域の社会参加・健康維持に繋げようと「介護予防や健康維持のためのフィットネス企業」の起業を目指す事とした。そして、自身も「健康福祉の運動実践を促す指導者」を目指すため、書籍やインターネットで調べてみた。
 そんな中、「健康福祉運動指導者」として学べる「放送大学のオープンコースウェア」のMOOC「健康福祉指導プラン」を見つけ受講を始めた。運動指導にかかわる国家資格として「介護福祉士」があるが、その講座は、介護を必要とする者への運動指導だけでなく「介護を予防するために、健常者に対して運動実践を促す指導者を養成する」ものだった。
 その講座では、田中さんと同じように「健康福祉運動指導者」を考えている人たちが受講しており、講座から出された課題を提出するだけではなく、電子掲示板を通じて互いに活発に議論をおこなっていた。田中さんは放送大学で定期的に開催された面接授業にも参加した。講師との意見交換はとても有意義で更なる起業意欲を掻き立てた。
 その後田中さんはその講座で認定証を取得し、自身も「健康福祉運動指導者」として「介護予防や健康維持のためのフィットネス企業」を行政からの補助金支援を受けて無事起業する事が出来た。起業家として地域の社会参加を果たした現在も、電子掲示板でやりとりをした他の受講者との健康福祉指導に関するディスカッションは自分の指導方法へのヒントになっているし、また、面接授業で出会った講師とは現在でも深い交流を続けている。

震災復興、東京五輪等の要因から労働力確保が困難な中、超高層マンション建築事務所新任所長坂本(一級建築士)は、様々な職種の数百人の職人(外注先、派遣社員、パート社員等)を、まとめるのに苦労中。工期2年に亘る大工事を、初めて最高責任者として進めるプロジェクトがかなりの高い壁に阻まれそうな不安である。 上司の勝事業本部長に相談すると、職場のモチベーションを醸成しチームワークを強化することに注力することが一つの解決策でないかとのアドバイスを受けた。様々の人材を活用し、大きな目標に向け纏めていくのに「モチベーション醸成・意欲向上」が有効と。  しかし、現場責任者として学習時間が取れないので通信教育を調べたが、半年も受講が続くこと、一人だけが受講しても改善の力になるかと不安が募った。その晩、同期の武市人事部長と久し振りに飲む機会を持ち相談したら、オープンエデュケーションというシステムが普及しはじめたこと、彼が受講を希望するgacco「モチベーションマネジメント」の講座が開講することを知った。「仕事の負荷が重い中でも生涯学習の方法がある」ことから、翌週、坂本は、設計管理会社小南氏、主要設備企業の責任者等合計5名を説得し、一緒にgaccoを受講することとなった。  2014年10月、gaccoの講義を受講開始、6週間の受講期間内には、職場内の幅広いメンバーにも参加してもらった職場内自主ミートアップを開き、モチベーションマネジメントの大切さと具体的方法論を共有化でき、様々な働き手のニーズを汲み取り戦力化、自由闊達なチーム運営を実現、所定の工期・予算を守り2016年3月無事完工した。マンションオーナー松平は、坂本が指揮した現場の仕事ぶりに感銘、次の新規マンションを、坂本が勤務するゼネコンに指名発注することとなった。

2年後に定年を迎える佐藤さんは、定年後に農業を始めようと考えた。現在、派遣社員で生活が安定しない息子とも一緒に仕事が出来るし、農家の高齢化やTPPなどで予想される食のグローバル化などで、閉鎖的だった日本の農業も変化を余儀なくされ、そこに就農のチャンスがあると予想したからだ。
 しかし、農業の経験も無く、何の知識も無い佐藤さんは、定年までの2年間、JOCWで農業に関する大学の講義がを探して視聴し、また、Courseraで植物学を受講することにした。

佐藤さんにとって、Courseraでの英語での講義を理解するのは困難であったが、電子掲示板で知り合った日本人の仲間と共に懸命にがんばり、課題をこなしていった。また、日本で行われたミートアップにも参加し、佐藤さんと同様に定年後の就農を考えている、掲示板仲間の松尾さんとも会った。定年後に不安を抱えていた佐藤さんと松尾さんは、お互い打ち解けあい、自治体などが実施している就農支援の情報や、TPPによる日本農業の変化についてなど、意見を交換しあった。
このように、少しずつ定年後の生活に夢を持つようになった佐藤さんの変化に、派遣社員の立場に疲れていた息子も触発され、以後は2人一緒に必要な講義を受講するようになった。

そして定年を迎え、さらに1年間自治体の就農支援を受けながら実践経験を積み、農家として独立した。
独立後もOCWやCourseraで学んだ知識で困難にも対応し、生涯引退することなく有意義な人生を送った。

湯浅俊彦さん(37歳)は、中堅出版社で企画・編集を担当して15年になる。出版業界では、2010年頃から「電子書籍元年」と言われて、多くの電子書店がインターネット上に「開店」し、2012年には通販業界の巨人、アマズン社なども参入をしてきた。
湯浅さんの勤務先では、現時点で電子書籍事業に乗り出す計画はないが、業界セミナーなどでは徐々に電子書籍がテーマに取り上げられることが多くなっており、電子出版について体系的に学びたいと考えていた。湯浅さんは「gacco : The Japan MOOC」で「電子出版学」のコースを見つけ、早速に受講登録をした。「電子出版学」は、4週を単位として講師陣によるビデオ、講義資料、課題提出が組み合わされ、最終レポート課題も示されていた。講義は大学教師がファシリテーターとして、出版社、IT企業、通信会社、ネット通販会社などの電子書籍関係の実務経験者をゲスト講師に招き、白熱した論議が繰り広げられ、電子書籍をめぐる多様な視点が刺激的であった。
また、受講生からディスカッションの「場」で、「オフライン・ミーティング」の呼びかけがいくつも行われており、湯浅さんは自宅のある大阪での会合に参加した。オフM.は18:30-20:00の予定であったが、活況で予定時間を20分もオーバーした。さらに、参加者の自然発生的な呼びかけで、会場の近くで有志の二次会も開かれた。湯浅さんは、二次会で隣席になった大手書店勤務の山野さんから、出版学会関西支部の月例研究会を紹介され、来週開催のテーマが「電子書籍の著作権」と聞いたので、早速に参加を申し込んだ。湯浅さんの「学習ネットワーク」は、コース受講、オフM.、研究会と広がりを見せ、電子書籍の基礎知識と共に、現状の課題などを語り合う「輪」が確かな手ごたえとなっている。湯浅さんはいつかこの知識が仕事に役立つと確信している。

電気機器メーカーに勤める山中太郎さんはアメリカの大学でエネルギー関連の勉強をしたいと思っていた。しかし、仕事やお金のことを考えると留学は中々実現できない…。そんな時に会社の先輩からMOOCの話を聴き、新しい分野の社内プロジェクト募集の話もありキャリアアップのためハーバード大学とマサチューセッツ工科大学によって共同設立された edXの「太陽エネルギー」のコースに参加することにした。講義は英語が主体あるが、ビデオ講義だから何度でも繰り返し再生でき、自宅から会社まで片道1時間の通勤電車内で没頭している。いわゆるスマホ留学である。これに自宅での学習を加えると、かなりの時間を学習に費やせる。また「ビデオによる講義」のほかに、「理解度をチェックするクイズ」、「生徒同士が質問や意見を交換するためのフォーラム(掲示板)」などがあり、さらに、クイズの他に筆記式のレポートの提出を要求される場合が有る。それは単純な選択式では無く英語で説明する形式なのでそれなりに時間がかかるが、もう一度講義ビデオを見直し復習するきっかけにもなり、しっかり学習できる方法である思っている。
また近い地域の受講生同士がオフラインで集まる「ミートアップ」という仕組みもあり、お互いの分からないとこを質問したり、それぞれの講座について情報交換することができ大いに刺激を受けている。
さらに東京大学でも今年2月にedXへの参加を発表し、「反転授業」も実施する計画という。反転授業に参加できるのも新たな魅力である。新しいコースを探すのが今から楽しみである。
もう一つ気に入っているのは、水準に達すれば修了証をもらえることだ。大学と違って単位や学位の認定はないものの、達成度を客観的に測れることの意味は大きい。山中さんの会社では修了証をキャリアの証明などに活用できる仕組みを検討しており、修了証を獲得できれば、自学自習の成果として社内で示したいと思っている。

A子は、地方の公立進学校に通う英語と美術が得意な高校2年生である。2年生になって進路の選択で悩んでいた。友人たちの多くは東京の有名大学を目指しており、夏休みには予備校の夏期講習に参加すると言っている。しかし、A子の家は母子家庭であり、夏期講習に通うお金を母に頼むことはためらわれた。また、できれば自分も東京の大学に進学して美術史を学び留学もしたいが、学費や生活費を考えるととても無理ではないかと暗澹たる気持ちになった。そんな時ネットで、ネット予備校というものを知り、早速検索して、「エブリデイゼミナール」という無料オンライン授業を利用して勉強するようになった。そのうちそこに「Coursera」というリンクがあることに気がついた。リンクをたどると英語での様々な講義があり、興味のある美術の講義を視聴してみた。英語の内容は半分も理解できなかったが、知っている絵の画像などでなんとなく内容はわかり、美術史を学ぼうという気持ちが強くなった。何より海外の一流の講師の講義を受講できることに大変興奮した。日本語でのMOOCはないのか調べてみると、JMOOCというものがあることを知り、早速gaccoに登録して、「オープンエデュケーションと未来の学び」という講義を受講した。そこで学んだことはA子にとって衝撃であった。「オープンエデュケーション」による教育では、空間的な距離や経済的な制約に縛られることなく、高いレベルの教育を受けることができる。これはA子の未来に明るい希望を生んだ。現在、A子は自宅から通える国立大学を目指して勉強しながら、英語の勉強を一層頑張っている。大学に入学したら、同時に「Coursera」で学んで修了証明書も取ろうと思う。大学は教育学部に進み、「Coursera」では西洋美術史や美学を中心に学ぼうと考えている。そんなA子の成績は、予備校に通う友人たちより、はるかに伸びている。

藤田飛鳥君は岐阜市に住む高校二年生だ。授業課題を解答するために、インターネットでgoogle検索をしていたところ「gacco The Japan MOOC 無料オンライン大学講座」という文字が目に飛び込んできた。すぐに「無料」「大学」という言葉に強く興味を持ちHPを見てみた。日々学校では担任の東先生から『高校二年は大学進学する者にとっては、たくさんの情報を手に入れ、進路選択の準備をする時期だ。』と何度もホームルームで説明されていたことも頭の中にあった。
まずはgaccoの仕組みを知り、無料でどのような講義が聴講できるか調べてみた。gaccoは日本初のMOOCであることもこの時点で初めて知った。飛鳥君は理系大学への進学を考えている。講義リストには一万円札の福沢諭吉が創設した慶応義塾の先生が担当する理系科目の講義があった。迷うことなく「インターネット」の勉強を試してみた。飛鳥君にとって大学講義の聴講は初めてである。難易度は高く、毎週の課題はネット検索だけでは対応できない状況であった。ここで学習フォローのために利用できる「ディスカッション」という電子掲示板を使ってみた。様々な年齢層の方が講義に対する質問や意見を投げかける場所である。
飛鳥君も恐る恐る質問を投げかけたところ、いろいろな方からのアドバイスと激励をもらった。そのお蔭もあり課題をすべて仕上げることができた。修了の基準にも到達でき、立派な修了証をいただいた。
現在は、「オープンエデュケーションと未来の学び」の履修を開始した。ここでは世界で展開されるMOOCが紹介され、MIT OCWやOpen Yale Coursesなどトップユニバーシティが提供するものの存在を知った。飛鳥君はJMOOCの講義後、実際にMIT OCWなどのHPを見て、多くのコンテンツが無料提供されていることに驚いた。同時に、英語力の向上が必須だということにも気がついた。
飛鳥君はこれまで進学は、日本国内の大学という考えしかなかったが、JMOOCの受講をきっかけに国内だけでなく、もっと視野を広げるためにもMITなどの海外の大学に進学することも夢ではないと考える気持ちも湧いてきた。これからもMOOCを活用し自分にないものをたくさん身につけていきたいと考えている。

 イム・ミンブさん(26歳)は韓国の大学院博士課程で国際政治学を学んでいる。大学のときに日本語を第二外国語として学び、昨年、日本で2か月の語学研修を受けたが、これまで研究テーマとして日本の問題を取り上げることがなかった。日本滞在中に日本の安全保障政策に非常に興味を抱いたが、残念ながら専門家に面談する機会は得られなかった。帰国後、日本語教師から国際安全保障論を教えるJMOOCが開始されることを聞き、早速受講を始めた。
 その講座は、最先端のゲーム理論が紹介されるばかりでなく、関心を持ち始めていた日米同盟について詳しく検討される内容であった。帰国後はどうしても日本語に触れる機会が少なくなり、特に自分の専門について日本語で講義を受け、日本語で課題に取り組む機会がまったくなかったのであるが、この講座は留学して講義を受けるのと同じように、音声で講義を聴き、教授の顔とPPTの画面を見ながら勉強できる。大教室で受ける講義は、一言も発することなくテストを受けて終わり、というパターンが多いが、この講義では毎週課題に取り組み、日本語で解答を書き込んだうえ、その答案をルーブリックに基づいて相互に採点するというシステムを取り入れていた。日本語がそれほど得意でないイムさんも、内容に惹かれて必死で勉強し、79%の得点率で修了証を受けることができた。また、ディスカッションの機能を通じて、議論を戦わせることができたおかげで、講座修了後もしばらくは彼らとのやりとりを継続させ、Facebookで新たにグループをつくり、国を越えた知の交流を始めている。
 イムさんは、これまで日本の大学への留学は考えていなかったが、このコースを終えることで、留学に対する自信が持てるようになった。また、栗崎准教授のスリリングな議論に感銘を受けると同時に、それを支える大学院生たちの献身的な努力にも心が惹かれ、留学先の具体的な候補として早稲田大学を考え始めている。

 弱電メーカーに勤務し、海外経験も豊富な伊藤雅史さんが定年を迎え、第2の人生をどう送るか考えていた。ある時、JICA(国際協力機構)のシニア海外ボランティアの事をインターネットで知り、何度か行った事のある中東へ行く決心をした。只、イスラム社会に関する知識が乏しく、不安に感じていた。そんな時、カーネギ-メロン大学のOpen Learning Initiative(OLI)の事を知り、ここに登録し、中東に関するコースに参加した。英語の得意な彼は英語の授業にも十分ついて行けた。イスラム世界誕生とその後の歴史、イスラム教、教育、風土、気候、食事など豊富な教材と講師陣の分かり易い説明に加え、Cognitive Tutorと呼ばれる個別指導システムにより、理解出来なかった事や疑問に思っていた事を確認したり、他の学習者とインタラクティブに学ぶ事が出来た。自信を持ってJICAの試験に臨み、希望するヨルダンへ派遣される事になった。ヨルダンでは大学で弱電についての指導を行う事になった。ヨルダンの大学では女性が多く、電気工学科でも女性が過半数を占めていた。男女が公衆の面前で、デートをしたり、手を繋いで歩く事はご法度のイスラム社会でも大学のキャンパス内は別、男女仲良く手を繋いでベンチで語りあったりしていた。こんな事例は講義では出て来なかったが、イスラム社会の若者も自由世界の若者と違いは無く、女性の大学進学率の高さが理解出来た。事前にイスラム社会についての勉強を行っていた為、女性に対する対応、現地の人々との付き合い方、イスラム教に対する崇拝の念、ラマダン時の対応、食事制限等々問題なく生活する事が出来た。2年間の任期終了後帰国し、その後、大学、高校、中学、高齢者大学等で幅広い層の人達にヨルダンで彼が体験した事について講演を行っている。OLIの学習をきっかけにしたシニア海外ボランティア経験は彼の第2の人生をバラ色の素晴らしいものにした。

 齋藤道夫さん(65歳)は定年退社後仙台博物館のボランテアとして館内の案内をしている。
かねてから美術の鑑賞に興味を抱いており、最近自分の教養を高めるため美術の授業を受けたいと「Coursera」のNYにある有名美術館MOMA(The Museum of Modem Art)が提供しているアートの授業を受けることにした。
 その授業は、一般的な大学の授業と同じように開始日と終了日が設定しており、コースによっては課題の提出や試験などもあります。
 授業内容の理解を促すために、オンライン上のクイズや、受講者同士で授業内容に関してデスカッションできるフォーラム、また近い地域の受講生同士が実際にオフラインで会うことを可能にするミートアップなど、様々な仕組みが用意されていた。
 齋藤さんは、プロフィールを公開して、他の受講生とも交流を深めていった。
 コースの修了時には証明書を受け取り、現在の案内ボランテアとしての職務に一層自信を持つことが出来た。
 その後齋藤さんは自分の教養を更に高めるため、進むべき進路について確信をもって選ぶこともできた。また、受講後もミートアップで出会った受講者と連絡先を交換し交流を続けている。

山本義一さん(55歳)は大手建築設計会社で、長年商業ビルの設計の業務に従事している。ある日、週末に自宅でぼうっとTVを観ていたら、放送大学で村上東大名誉教授による宇宙像の変遷の特別講義を偶然目にし、見入ってしまった。
それは、自分が小学生の時、アポロ宇宙船の月着陸の映像をTVで観て以来、宇宙に非常に興味を持ち、高校時代には天体物理学の研究者になる夢を持っていたことを、この歳になってふと思い出したからであった。
その後、最近の天文学では何がトピックになっているのだろうか気になり、ネットを検索してみると、京都大学 大学院理学研究科グローバルCOEプログラムによる、市民講座「宇宙と物質の謎に迫る」の講演映像を5編YouTube上で見つけた。
各1時間程度の長い講座であったが、第一線の研究者による説明の故に最新の天文学、物理学の状況が身近に感じられ、結局週末を数回利用して全編を見てしまった。
これを機に体系的に最近の天文学を学びたいという知的好奇心が高まり、
放送大学大学院の自然環境科学プログラムで、「宇宙・自然システムと人類」という講座を発見し、受講した。第2の人生に向けて、自分の生きがいを発見したような気がした。
その後、会社の早期退職優遇制度を利用し、57歳を期に退職し、
現在NPO法人惑星ネットワーク(仮称)を主催し、星の観測教室や、天文分野の専門家を招いての講演会を実施し、現在は充実した人生を送っている。

団塊介さん(66歳)は、大手メーカーでエンジニアとして働いて来たが退職を機に故郷の九州に地方都市に戻った。大学卒業以来40年ぶりの故郷の町の変貌ぶりに驚いた。恵まれた自然はあるものの、これといった産業がない町から近年は若者、特に女性の転出が相次ぎ、年々人口は減少、高齢者ばかりが目立つ人口構成となっている。昔は活気あったJR駅周辺もシャッターを閉じた商店が多く活気がない。団さんは、この悪循環をなんとか改善したいと思い、町議会を傍聴したり図書館通いで下調べしたが小さな地方都市のために情報が少なく相談する相手も見つからず困っていた。そんななかでMOOCの存在を知り、Keio SFC Global Campusなどで『都市計画とまちづくり』の講義が一般公開されているのを見つけた。団さんにとって都市計画やまちづくりなどは未経験の分野だが、これらの専門家の講義に加えて受講を通して知り合った講師や受講生とも交流できて、この分野についての知識や方法論に理解を深めつつある。団さんは、地域に住む社会経験豊富な高齢者がMOOCを活用した若者の学習支援によって地域の教育レベル向上や進学率向上を実現して、この町のブランド力を高めることで若い家族の転入を増やせないかと考えている。実現までには時間がかかり多くの賛同者を得なければならないが、ますは一緒にMOOCを受講する友人を募って一緒に考えていきたいと思っている。あなたもお力を貸して戴けませんか?

中村信也君は、両親が共働きの家庭で育つ一人っ子の小学生です。
学校では、ようやく算数の掛け算、割り算の授業が始まったばかりですが、なかなか理解できないでいるようす。しかしながらいまは遊ぶのに夢中で予習や復習をすることはなく、両親が帰宅するまでの間、家で一人でパソコンに向かってインターネットを使ったゲームをして留守番をしていることが多いようです。
が、ある日、父親が設定してくれた遊びと勉強のホームページから、Khan Academyウェブサイトの掛け算の学習ビデオをみることに。学校の授業とはちょっと違う話の進め方に興味が湧いたこともあり、わからなかったことが理解できるようになったようです。また、理解できた喜びからか、信也君は割り算の学習ビデオも見るようになり算数への興味も湧いてきたようです。帰宅した母親からも褒められた信也君は、ますます学習ビデオに興味を示すようになりました。
父親は、そんな信也君の明るい顔をみて学習ビデオの項目を増やしてあげることにしました。残念ながら今の日本では、国語や理科や社会など、いまの信也君のような小学生に必要と思われる教材が少ないのが残念との思いがありますが、あと数年すればきっともっと多くの学習教材が提供されることと信じて、信也君の成長とともにMOOCの発展を見守ろうと考えています。

 山川太郎さん(35歳)は地方の外食産業で管理職として勤務している。世の中を取り巻く環境が大きく変わっているにもかかわらず、変化に合わせたスキル・能力を身につけられていないとの思いが強く、40歳前後でいままでの人生にひとつの区切りをつけたいと思っていた。
 24時間・365日が看板でアルバイトさんを中心にした企業運営をしている。仕事への満足感は感じられるが、アルバイトさんの勤務時間に緊急に出勤することも多く、自分としての自由な時間の確保が難しく、年齢の経過と共に体力的に仕事の遂行が不安になっている。仕事の合間に役所、公民館などでパンフレットの入手、本屋での購入、図書館に行き関連図書の貸出、インターネット検索を利用した調査を実施した。これらを通じて六次産業の存在を知った。農畜産物、水産物の生産(第一次)だけでなく、食品加工(第二次)、流通、販売(第三次)にも総合的に関わり、付加価値を得ることによって農業を活性化させようというものである。そんな中、放送大学と東京大学の講座を見つけた。
 放送大学では生活と福祉コースで食安全性学を中心に、社会と産業コースではアグリビジネスと日本農業を中心に受講した。また東京大学では、「知の開放」事業の一環として、UT OCW (OpenCourseWare)を開設しており、正規講義の講義資料や講義映像の中から、リスクと社会(学術俯瞰講義)を中心に勉強した。仕事と講義(オンライン)のあいまに開催される交換会等(オフライン)にも積極的に参加して、級友、自分と同じ環境をもつひとたちとのつながりも構築できた。
 放送大学講座では食品・農業に関する基本的な知識を、東京大学講座ではより専門知識・今後の方向性を体系的知識として習得でき、おかげで東京から近い農園にスムーズな転職に成功し、自然サイクルの中で生活することができ、これからの人生に夢ある希望がもてた。

 佐藤一誠(36歳)は、横浜の金属加工会社で品質管理を担当している。この会社は中小企業で、佐藤は正式に品質管理について学んだことが無い。ただ先輩の指示のままに、今まで業務をこなしてきた。
 最近、佐藤が入会している異業種交流会の勉強会で、統計学が品質管理において、とても重要であることを学んだ。そして、その時にMOOCの話も聞いたのである。
 そこで、佐藤は「自分にはあまり縁がないだろうな」と思いつつ、MOOCについて調べて見た。その結果、UdacityのIntro to Statistics (統計学入門)を見つけたのである。
 この講座は日本語字幕があり、「ひょっとして、これなら受講できるかもしれない」と思いつつ、不安を抱えながら思い切って受講手続きを行った。また、一人で受講するのは心許無いので、異業種交流会で知り合った親しい仲間3人も誘ったのである。
 この講座では、正しい方法で、数字データを様々なグラフ・チャートに描く描き方や、読み方を学んだのである。それと、統計学で重要な確率論の基礎も学び、検査の精度(成功確率)がどれ程なのかを割り出す方法なども学んだ。
 また、この講座では、課題やレポートを提出するだけでなく、電子掲示板で疑問点などを積極的に議論したのである。電子掲示板は英語対応であったため、役に立ったのがミニミートアップであった。これは異業種交流会の仲間3人で週1回開催したミートアップで、日本語と英語の翻訳にも役立ったのである。
 佐藤ら3人は、努力の甲斐があって、この講座の認定証を取得した。佐藤は、これに自信を得て、この認定証を会社に示し、統計学に基づいた自社独自の品質管理体制を構築した。そして、製品の品質とコストをビジュアル化し、取引先との商談に臨んだ結果、売り上げが上昇したのである。
 このことにより、会社も他の社員もMOOCの存在を認識した。また、向学心のある社員は、MOOCを活用して、再度学び始めたのである。

池沢 駿君の場合

池沢駿君(16歳)は対人関係が苦手で、14歳の頃から学校に通っていない。もっぱら自宅で自作のアプリケーション作りに熱中している。しかし将来への不安もある。自分自身としては趣味でもあるプログラミングのスキルを大学で磨き、職業につなげたいという思いを漠然と持っている。両親に相談したところMOOCの存在を教えもらい、自分でも調べてみる。するとMITxの公開授業では初歩から上級まで多様なプログラミング関連の講義があることを知る。もちろん無料である。英語力に不安があったが、翻訳機能もあり受講が終われば修了書(大学単位に充当できる)がもらえる。さらに成績上位者には一般企業からリクルートされる可能性もあると知り、受講することにした。
二年後、18歳になった池沢君は羽田空港へ向かっていた。日本の高校を卒業していないにも関わらず、成績上位となりMITから奨学金付きでの入学が認められたのだ。最初の1年こそ、翻訳機能を利用し学習していたが、より多くの講義を受講する中で必然的に英語力も向上した。今では日常レベルの英会話には困らない。また学習コミュニティの存在も、自主学習のモチベーション維持につながった。ネットを介して、世界中の講義仲間と情報交換や会話をすることで孤独感もあまり感じることはなかった。

中山大輔(28)は、アパレルメーカーに勤務していた。父は、社員30名程度の自動車関連の部品を製造する会社を経営しており、大輔の兄が家業を継ぐべく、父とともに会社の経営にあたっていた。ところが、その兄が、交通事故で急死するという事態に見舞われ、父は自分の後継者を大輔とすることを決意し、急遽、大輔を自分の経営する会社に引き戻すことにした。大輔も、この事態に直面し、高齢の父を助けながら会社を継いでゆくことの覚悟を決め、早急に父の経営する会社のこと(事業内容、取引先、資金状況、生産状況など)をr理解しようとした。
日常のことは、日々の仕事の中で覚えてゆくしかなかったが、生前、兄が「いくら小さな会社といえども戦略がなければ大企業につぶされる」と、ことあるごとに話していたことを思い出し、経営戦略や経営管理について学ぶ機会を探した。文学部出身の大輔は経営戦略や経営管理という学問には無縁であった。書店には分厚い書籍が並んでいるが、どうもなじめず、そこでインターネットで偶然見つけたのが、JOCWという日本の著名大学の講義を映像や講義録にしたサイトである。調べてみると欧米、特に米国の大学も積極的に講義を公開しているが、英語が得意でない大輔は、日本語が中心のJOCWのサイトを選択し、「経営戦略」「経営管理」「経営情報」などをキーワードに検索すると、東京大学、慶応大学、東京工業大学などのトップレベルの大学の講義録や映像資料が見ることができることを発見した。そこで、大輔は、昼間は、仕事に専念するとともに、時間の取れる夜や休日にそれらの大学の講義を受講して、経営戦略、経営管理の考え方の基礎を身につけていった。そうするうちに、父親の経営に対して、自分なりの意見が出せるようになり、将来経営者して、自分が意思決定するときには、何を考えなければならないかを常に考え、行動するようになったのであった。

鈴木恵子さん(32歳)は服飾企業の広報課に勤めている。2ヶ月前に新製品が発売されたが、この製品の売れ筋は伸び悩んでいる。そこで、今後の広報活動を見直すようにと鈴木さんは指示を受けた。
鈴木さんが現在の広報活動のあり方を検証した結果、顧客の年齢層に見合った広報がされていないことが分かった。今までは雑誌に宣伝を織り込むことを重点的に行ってきたが、それを今後は、インターネットで閲覧できるような宣伝を行っていくべきだと考えた。
鈴木さんはインターネットについての参考図書を買って自学することや通信教材を用いることを考えたが、学習効果が期待できるのかということや仕事を続けながら学ぶことで長続きするのかなどの自信が持てないでいた。
そんなある日、MOOCについて書かれた新聞記事を見つけた。鈴木さんはMOOCについてもっと詳しいことが知りたいと思い、インターネットで調べてみることにした。しかし、調べてみるとどのサイトも英語表記で戸惑ってしまった。そこで、日本語で登録の仕方などが詳しく表記されていたUdacityを使うことにした。
Udacityには数々の講義があったが、鈴木さんはWeb開発という講義に興味をもった。大学は理系だったこともあり、Webの初歩的な知識や概念については学んだことがあった。しかし、このWeb開発の講義は、ただ概念を教えるだけではなく、実際にWebサイトを作ることを目標としていたので、鈴木さんが認定証をとる頃にはWebサイトを作れるようになっていた。
鈴木さんはWeb開発の講義で学んだ技術を活用して、閲覧者が快適に使用できるWebサイトを立ち上げることができた。
鈴木さんはUdacityを使うことで実社会に役に立つ知識を得られることができた。Udacityには、他にもモバイルWeb開発や心理学入門など広報の仕事をより向上させるような講義も多い。今後は、他の講義も受講することでキャリアアップに繋げていきたいと考えている。

 髙橋有志16歳、千葉の片田舎の高校生である。彼は、地場産業を支える地元商店の一人息子だった。両親は大学へいけというが、自分が何をやりたいのか分からずにいた。
 そんなとき、祖父にパソコンやスマホの使い方を時々教えていた彼は、祖父が頭の体操に、とやっていたgaccoの存在を知った。興味を持った彼は、とりあえず、登録し面白そうな講座をかたはしから受講した。当然、高校に通いながらなので、大学の講義は理解も難しく、課題をこなす時間もとれず、修了証もなかなかとれなかった。しかし、受講した講座から、自分が経営学に興味を持っていることに気付く。そして、惹かれた大学のOCWを見て、特に魅力に感じた大学を目指した。目標の定まった彼は、モチベーションもあがり、果たして、志望校に合格した。そして、大学の講義にはなれていたので、入学後にギャップを感じることもなく、無事卒業した。
 卒業後、彼は地元に帰り、家業を手伝ううち、自分の専門外のことを全く知らないことを思い知らされた。新たに学びたいと願ったが、少子高齢化が進み、人口減少していこの地域に、高等教育を受けられる場はない。時間もなかなかとれない。そこで、かつて学んだgaccoを再度受講を始めた。経済学、心理学、教育学、観光学、ありとあらゆるものを片端から学んだ。ディスカッションでも積極的に発言し、ディベート力も鍛えられ、反転学習にも時間を見つけては積極的に参加した。その知識は、雑学も含め、営業に役立った。専門外の話題でも顧客と話が続くようになった。また、ともに学びあう仲間とコミュニケーションをとるうちに、人脈もできた。店の経営は安定していった。
 経済的に余裕のできた彼は、その資金をもとに、地元を含めた教育格差のある地域の人材育成を志し、自治体に協力を求めるため、自分の能力を認めてもらおうと、認定証を着実に取得しつつある。次の世代へのバトンのために。

ga004  最終レポート  2014.8.1

Kさんの場合:
 私(K)は、大学で海洋生物学を教えている。今度、日本で新しく始まるMOOCで海洋学の講座を公開しないかという誘いを受けた。海外MOOCの話は聞いたことがあったし、大学の海洋学部について一般の人に知ってもらいたいという気持を前から持っていたため、ぜひ、参加させてほしいと返事をした。
 オンライン講座の開講の準備をするには、何が必要だろうか?講義の内容には自信がある。技術的な側面については、MOOCスタッフに任せればいいだろう。教材の作成などはTAたちが手伝ってくれる。まずは、実際のMOOCを見てみようと思い、ちょうどJMOOC gaccoにおいて「オープンエデュケーション」に関する講座があったので、のぞいてみることにした。
 受講してみて分かったのは、受講生の多彩さだ。年齢も学歴も千差万別。「大学の授業」という触れ込みではあるが、大学の授業そのままではムリだろう。少し、一般化した内容にして、専門用語の定義は明確に。一回の講座は10分程度で収めたほうが集中してもらえそうだ。講師とその場でやり取りできる訳ではないから、スライドには、写真や図解を多用し、出典のあるものは所在を明記。そのほうが、受講生自身が調べたりするのに役立つだろう。講座内容そのままのクイズは、だんだんつまらなくなってくるので、調べてみよう形式の練習問題も入れて、受講生には少し苦労してもらうことにしよう。内容を詰め込み過ぎず、自分のフィールドワークの経験談なんかも入れて、とにかく海洋学に興味をもってもらいたい。陸上に比べて、海の中の問題は見えにくい。この講座で、その見えにくい問題を感じてもらえたらと思う。
 自分の講座を受講修了したところで、大学の単位になるわけでも、就職に有利になるわけでもないからこそ、とにかく楽しく学習してもらいたい。方針は決まった。講座の開講が楽しみだ。

 高橋政道さんは海外取引業務で パートナーになった スウェーデンの知人から『世界で最短の詩が日本にあると云う情報を得たが、外国人の自分にも判るように説明して欲しい』 との依頼を受けた。
 即答は難しいので、今しばらく時間を貰うことにしていたところ、JMOOC『俳句十七字の世界』に巡り会い早速受講した。
 通常コースの他に 反転学習コースや反転学習コース高校生特別枠があり、幅広い年代の受講生がディスカッション出来るサービスが目を引いた。
 学んだ内容は 1)俳句とは何か。
           2)俳句の構造:基底部と干渉部。
           3)芭蕉の名句を読む:誇張と矛盾。
           4)俳句の英訳と英語ハイク。
との講義内容で 英語を話す外国の知人への回答にぴったりの内容だった。
 小中高の学校教育を通して 有名俳句に触れる機会はそれなりに有ったし、大学・社会人となってからも日常的に俳句・川柳・和歌など短い詩については 殆ど無意識に受け入れていた。
 日本では俳人ゆかりの各地に句碑が有り、他人に説明出来ないまでも 自分自身で理解を深める機会は
多かった。
 今回の JMOOC受講で 高橋さんは 今まで おぼろげだった俳句に対する考えを纏めることが出来、英訳した芭蕉の句を始め、知人の質問に対する回答を Eメールにて送信し、感謝された。
 今後も折にふれ、知人には俳句に関する情報提供に努めたいと考えている。
 これを機会に高橋さんは自分自身が句作に挑戦し、趣味の幅を広げる事になった。

山田太郎(18歳)は離島に住む現役の高校生である。離島に住んでいても将来は国家公務員一種を目指して勉強し日本の役に立ちたいと考えている。しかし、地方の猛勉強、都会の昼寝と言われるほど、地方と都会の教育に違いがあると聞かされ、何とか努力したいと頑張っている。得意科目は英語、国語、日本史、生物でそこそこの得点力を持っているが、残念ながら数学が不得手で足を引っ張っている。高校では数学さえ伸ばせば、と言われ先生に君はインターネットが出来るのだからアクセスしてみたらとのアドバイスを受けた、早速検索しているとオープンエデュケーションと言うのがあり、カーン・アカデミーの存在を知った。数学の指導用ビデオに感動し、これなら自分も数学を得意に出来ると思った。そして、数学が伸びてきて、これなら離島に住む自分でも大都市の大学への合格も不可能ではないと自信を持つにいたった。彼はこんな時代だったからこそ、夢を現実に換える世の中になると思い、インターネットエデュケーションに感謝をしている。

玉川泰子さんは、市役所の職員として中途採用された。公務員の仕事は、それまでの派遣社員と比べて安定しており、将来に対する不安もなくなって、それなりに忙しいながらも、穏やかな生活が始まった。
それから三年、泰子さんは親戚の子供の宿題を目にして驚いた。学生時代は勉強が得意だったはずなのに、今では小学校の計算問題にも手こずる始末。普段の役所の仕事には慣れたのに、それ以外の能力がすっかり落ちてしまっていたのだ。
これではいけない、何か勉強でもしなければと思った泰子さんは、日本で開設された無料オンライン大学講座gaccoに登録した。
特定分野の勉強よりも、まずは学習することに対する意欲を取り戻したいと考えた泰子さんは、まずは開設されている講座を片っ端から受講することに決めた。インターネットで配信される講座は、時間と場所を選ばないため、通勤や昼休みのちょっとした空き時間を活用でき、また無料であることの気楽さも手伝って、毎回余裕をもって学習することができた。
なかでも、国際安全保障論の講座は、国と国を扱うスケールの大きな問題を、ゲーム理論のシンプルな数式で視覚化していることに興奮した。
毎週のレポートにおいて、論点を掴みきれず、残念ながら修了証を得ることはかなわなかったが、国際安全保障論の講座において、「理論的には、全ての戦争において妥協点を見出し平和的な解決が可能である」と明示されたことは、泰子さんにとって大きな精神的支えになった。
戦争という大きなスケールではないが、市役所という場においても、ちょっとしたいさかいは日常茶飯事である。市民との話し合いや、上司との対立など、解決の難しいことは多々あるが、それでも、どんな場合でも、「理論的には」平和解決が見込めることを知った泰子さんは、以前と比べて積極的に、窓口業務やクレーム対応にあたれるようになっていた。

IT技術者のAさん35歳には小学生の男の子がおり教育に感心が高い。ビッグデータ関連の仕事についたころから、広い視野と知識を求めてサイエンスカフェや大学の市民講座に参加してきた。gaccoによるMOOCが始まると、知識を広げて仕事に活かす機会になることに加え、カリスマ研究者の村井先生の魅力もあり、参加することにした。
gaccoでは様々な分野の個性豊かな先生の講義を受け熱心に学習に取り組むことができた。ビデオ講義を受け幅広く知識を学び、修了証書をもらうことで満足感を得たが、知識の一方的な伝達に留まることに物足りなさを感じるようになった。更に深い知識を得るために受講者同士でデスカッションをしたかったが、オンライン掲示板ではリアルタイム性や臨場感に乏しく、互いに高め合い仲間意識を持ち話し合う気持ちにはなれなかった。
オープンエデュケーションの講義が始まると、世界の教育界の動向を知ることができた。インターネットで調査すると、日本の学校ではIT技術の導入は遅々として進んでおらずインターネット社会の進展とはかけ離れていること、先行する大学の OCWやMOOCも課題が多く活用されていないことが判って来た。一方、アメリカではIT研究者やIT企業によるデジタルラーニングへの取り組みが注目を集めていることを知った。
IT技術者であるAさんはIT技術を使って教育へのイノベイションに自分も参画できる可能性を感じた。早速、gaccoの掲示板を通じて同志を募ることにした。数名の教育者とIT技術者が集まりデジタルラーニングを研究しあうコミュニティーを立ち上げた。その成果として、受講者個々の特性に合わせた進捗そ可能とするMOOC作成技術や、ITにより自動ファシリテーション技術で受講者同士のリアルタイム性のあるオンラインミーティングを運営する技術の可能性を見出した。現在、この技術を実用化しビジネスを立ち上げることを計画中である。

(佐々木さんの場合)
佐々木智美さんは普通の高校2年生。
まだ、自分がどの大学や何の学部に興味があるのかわからないが、そろそろ目標を決めていきたいと思っていた。
そんなある春の日、JMOOCのgacooという大学の講義をネットで学べるものがあることをTVのニュースで知った。
ネットで検索してみると無料だというので、すぐに登録した。
試しに「日本中世の自由と平等」を受講してみたら、大学の講義は高校の授業と全然違うことを知った。
あまり知ることのなかった大人の人の考えをディスカッションで見てすごく刺激を受けた。
今までは、自分が詳しく調べることはめったになく、教科書を読み、問題集を解くだけの学習だったのに。
課題をしていく中で、このままでは、勉強量も知識量もたりないと気が付いた。
それから、前より何にでも詳しく調べる学び方を身に着けた智美さん。
最近、自主的に高校の授業の下調べをネットでしたり、色んな大学の情報をチェックするようになった。
また、ちょっと難しい本にも挑戦するようになった。
そして高校の前期の成績も前より向上した。
まだ始まったばかりのgaccoなので好き嫌いせず、そのまま視聴しているだけだけれど、
自分でもできそうな内容だった時だけはチャレンジしてみたりして、新しい知識や学び方をもっと知り、
将来自分にはどんな大学がいいか今年度の2学期までにだいたい決めようと思っている。
最近は、以前の受け身な自分から積極的な自分に変化している成長を自分自身でも感じている。

【背景】
毎日のようにビッグデータに関するニュースが報道されている昨今、ITコンサルタント会社A社では、企業のビックデータを活用した顧客情報分析を支援する組織としてビッグデータビジネス準備室を新設した。社内公募や中途採用で社員を募集中である。入社10年目のB社員はこの新設組織に興味を持ち、社内公募に応募する準備を開始した。日経ストラテジーなどで1年程前からビックデータに関する特集を目にしたが、その詳細をよく理解できないでいた。今年に入り、MOOC教育サービスの日本語版講義サイトgaccoが良い講座を順次開講することを知った。
【講座の概要】
講座一覧や日経産業新聞(6/16付)によると、次のような講座が予定されている。
a:「デジタルアーカイブのつくり方~ビッグデータ・オープンデータを紡いで社会につなぐ~」…10/10開講。データはどのように社会に活用されるべきか、東日本大震災アーカイブ他、多数の事例をもとにデータと社会の関わりを考察する。
b:「統計学Ⅰ:データ分析の基礎」…11月開講。ビッグデータ時代に必要とされる統計的な考え方やデータの要約と分析の基礎的な手法を学ぶ。反転学習あり。
c:「マーケティング用途におけるビックデータ解析」…12月開講。ビックデータ解析について基礎から応用まで学べる。
【受講で期待できること】
B社員は大学時代に教養課程で統計の入門レベルを学んだが、講座bで改めて統計学の基礎を学びたい。もちろん反転学習にも出席する。講座aとcで具体的にビッグデータ活用方法を理解したい。各講座を修了すれば社内公募に向けた準備としては十分である。週末に自宅での受講となるが、将来データサイエンティストとして活躍したいという夢に向けて頑張ろうと考えている。
データサイエンティストは国内では将来約25万人不足すると予想されている。これらの講座が大いに活用されることを期待したい。

   以上、800文字

30年前、東北の田舎を出て東京のIT企業に就職をした佐藤博(50歳)は3年前、地元で起きた地震のため、休職してボランティア活動を行った。たまたま活動拠点のある村に石碑があって「ここから下に家を建ててはいけない」と記されていた。この時、その石碑の下には未曾有の地震が作った瓦礫の山しか残っていなかったが、多くの家屋が立っていた様子がうかがうことができた。なぜ、このような悲惨な事態が起きたのかを考えながら過ごしていたが、理由を知りたくなり、ボランティアを終えて家に戻り見たことを家族に話したところ息子から「ググってみたら?」と言われ、「震災」「防災」「教育」「大学公開講座」などの文字で検索をしたところ、「復興大学 復興人材育成教育コース」というサイトに巡り合った。ボランティアを通して瓦礫の処理を手伝っていたが、生活に使用していたものが出てくるたびにどのような人が使っていたんだろう?と思いをはせながら過ごし、なぜ、こんな場所にすまなければいけなかったのか、なぜ逃げられなかったなどと、自問自答を繰り返していた。いろいろ、調べていくうちに、生まれて初めて「減災」という言葉に出会った。減災とは、災害時において発生し得る被害を最小化するための取り組みで、防災が被害を出さないことを目指す総合的な取り組みであるのに対して、減災とはあらかじめ被害の発生を想定した上で、その被害を低減させていこうとするものなのだということを知り、「復興大学 公開講座」のYouTubeを視聴し理解できたことは「防災には限界があること」「減災を心がけること」を知ることができた。また、私たちが今、なにをすべきかという新しい課題には「防災意識を高め、次なる災害や日常に潜むリスクに備えること。そして、震災を風化させず、後世に伝え、新しいことに取り組んでいくことが大切であるということを学んでいった。

加納良介さん(58歳)は名古屋の自動車関連企業で技術職として働いている。ここ最近、定年退職後の生活について漠然と不安を感じていた。技術一本で過ごしてきた過去を振り返ると、もっと幅広い分野のことを知っていれば別の人生もあったのではと考えながらインターネットを調べていると「gacco」は、大学教授陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウェブサービスですという言葉が目に飛び込んできた。
講座を調べてみるとインターネットや国際安全保障論、マネジメント、俳句など幅広い分野の講義が受けられることが分かった。今までの経験から自動車関係の技術には詳しいが通信の知識に疎いため手始めにインターネットの講座を受講してみた。
その講義はすばらしく、インターネットの草分けで今でも現役で活躍されている慶応の村井教授からインターネットの基礎技術を始めとして、インターネット上での現在話題のサービス、インターネットが創造したグローバル社会、インターネットの社会的インパクトや生活基盤への貢献など、未来への展望に関する幅広い知識が得られた。他の講義も受講してみたが、どの講座も講師から出された課題を提出するだけではなく、電子掲示板で互いに活発に議論をおこなっていた。
加納さんは名古屋で反転学習がある講座に参加して、他の受講者と交流を持ったが幅広い経験を持った参加者と多岐にわたった議論ができ非常に刺激を受けた。また、加納さんと同年代で定年後の生活について考えはじめている受講者とはその後も個人的に交流を続けている。
また、gaccoではさらに幅広い分野の講座の開講が予定されており、講座を通じて新たな知識の獲得と受講者との新たな出会いが期待がされ、気が付いてみると定年後の漠然とした不安も解消していた。

 斉藤君は中学時代に通っていた塾の先生から、「定年退職したらまた大学にもどって勉強がしたいと思ってきたけれど、日本でもJMOOCができたので、今の仕事をしながらでも大学の講義を受けて新しい分野の勉強ができる」という話を聞き、中学生でもやれるものか試してみようと早速gaccoにアクセスして「日本中世の自由と平等」という講座を受講してみた。

 もともと社会科が得意で文系の大学に進学して好きな歴史を勉強したいと考えていた斉藤君にとって、東京大学の本郷先生の講義はとても魅力的なものだった。これまでの暗記中心の社会科が、とても科学的な学問であるということを実感し、自分もぜひ東京大学に進学して本郷先生の講義を直接受け、歴史をもっと深く研究したいと考えるようになった。

 それから、斉藤君は猛勉強して公立高校に入学し、高校生になってからも東京大学進学を目標に勉学にいそしんだ。

 また東京大学のサイトにも頻繁にアクセスし、サイト内のuTokyoOCWで無償公開されている講義映像で三谷博先生の「歴史とは何か」について学んだり、東京大学がエデックスのプラットォームを利用したMOOCでハーバード大学、マサチューセッツ工科大学と連携したVisualizing Japanという英語の講義にも挑戦したりして、ますます東京大学をめざすモチベーションを高めていった。

 それと同時に自分も歴史の研究を続け、将来は大学教授としてコーセラやエデックスを通じて世界中の人々に向けて自分の研究成果を発表できるになりたいという夢を持つようになった。それからというもの、斉藤君は大学受験勉強のかたわら、英語や英会話の勉強も始め、TOEFLを定期的に受験して、自分の勉強の成果をたしかめながら英語力をのばしていった。

 浦安太三郎さん(28歳)は、都内にあるコンサルタント企業で国際事業部に所属し、ジュニア・スタッフとして勤務している。入社6年目に入り、外資系企業担当や政府関係者との事業交渉やワークショップに参加する中で、今後「環境ビジネス」の知識の醸成が自らの将来性を左右するツールであることを感じている。
今後この分野の専門家として活躍することを夢見ながら、インターネット上のMOOCの検索サイトにアクセスし、「青空大学」の無料公開授業を見つけた。現在7606講義の内、「Keio University SEC Global Campus環境ビジネスサイトの「生活環境論」(http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2009_25164)の受講を開始した。

 この講義は、前半で大気汚染、水質汚濁、騒音・振動、悪臭、土壌汚染について、現状、発生メカニズム、対策等について概説しており、後半では廃棄物及び化学物質について概説するプログラム構成と成っている。また、中学や高校レベルの科学知識で、リスク論の観点からも論じており解りやすく大変有意義であり、基礎的な知識を広げるに当たって概要説明が大変取り付き易く継続的に学習に参加できると判断して受講した。

 また、MOOCの受講者は、一般学生だけではなく勤労青年やスキルアップを図るために参加する人、知識のブラッシュアップ等で参加していた。担当講師から出された課題は、提出するだけではなく積極的に電子掲示板上で、互いに自己紹介や専門科目に関して議論を展開して具体性があり内容が深い特徴があった。残念ながら浦安さんは、反転授業やミートアップには必ずしも参加ができない。ただ、電子掲示板上における意見交換では、本人が意識していなかった専門的発想やアイデアが発信され、実務上でも反映できることを肌で感じている。

 現在は、まず認定書を取得のために勉学中で、今後もジュニア・スタッフとして勤務との両立の中でコスト面、勉学環境面、講座レベルと内容などで効果的で有効なため、継続的に環境ビジネスに関連する他講座を受け認定証を取るべく人生設計を立てている。

都内に住む田中隆さん(29歳)は、IT企業に勤めるサラリーマンだ。最近、テレビやネットで中韓との安全保障の問題が取り上げられており、興味を持っていた。しかし、仕事と家庭の狭間でなかなか、勉強に時間をとることができない。そんな中で安全保障をキーワードに記事を検索していたところ、JMOOCが提供しているgaccoというサービスを見つけた。空いている時間に勉強ができ、さらに受講が無料ということで会員登録を行い、勉強をはじめることにした。ひとコマずつにテーマが分かれており、一回の受講が数十分ということもあり、無理なく受講をすることができた。安全保障におけるゲーム理論などを学び、平和というものがどういうメカニズムで維持されるのかを理解することができた。これは本、新聞やテレビではなかなか触れることの無いテーマであり、貴重な経験をすることができた。またこのサービスの中で、レポートの相互チェックやディスカッションの場などコミュニケーションができる機能があり、他のユーザの意見や考え方を知ることができた。gacc7oの講義を受けたあと、テレビや新聞などに取り上げられる安全保障の記事に対して理解が深まり、視点が広まったことで今まで以上に考えを深めることができるようになった。この経験からオープンエデュケーションに興味を持ち、他の講義を定期的に受けるようになり、さらにミートアップに参加することで、同じテーマに興味がある人と交流ができるようになり、さらにアンテナが高くなったと感じた。facebookでの交流もはじまり、またセミナーや交流会などの情報も入るようになり活動の幅が広がり、さらに広げて行きたいと考えている。

中野恵子さんは50歳のシングルマザーである。今の会社に入社した時には、コンピューターという便利で凄いものがあるようだという程度の知識だった。離婚して2人の子供を育てて来られたのは、専門学校で学んだ簿記経理の腕が買われたからである。しかし職場のIT化は容赦なく進み、まさかと思う間もなくいよいよ退路が断たれた。今の給与を維持するためには、どうしてもこの椅子を守らなくてはならない。経理も解り、パソコンもお手の物の若者が次次と入社してくる。かと言って夜学に通うには費用、時間ともに無理がある。迷う暇もなく、職場で読んだ日経新聞に載っていた〝日経パソコンEdu"の記事に飛びついた。年間6000円ほどの料金とテキスト代も1500円と高くはない、藁をも掴む思いで学ぶことにした。同僚には今更恥ずかしくて聞けないパソコンの基礎的知識、専門用語も学ぶことができた。知識、技術を身に着けるにつれて、同僚たちの話題にもついて行けるのでコミュニケーションがスムーズになった実感がある。内心パソコンは苦手と思いながらも必死で挑戦している重役がいたことも分かり、意を強くした。会計をパソコン処理し、各種資料を作成できることが目前の目標だったが、それをクリアした頃には、次の目標は資格試験合格と決めた。Web上でテストを受けスキルの確認も出来るのが良かった。就職活動に役立つ知識も得たが、今はここでじっくりスキルアップを目指すつもりだ。夜遅くまで学ぶ母親の姿を見て、子供たちも変わった。勉強に欲が出て、いつしか将来の希望を固めたようだった。

 田中涼介くんは、英文学専攻の大学3年生である。英語の教員になりたくて入学したが、2年生の時、教養課程を終えて3年生から始まる専門科目をどう選択するか迷った。カリキュラムの説明を読んだり、教員になった先輩の話を聞いたりしていたが、教員免許取得に不可欠な単位ははっきりしているものの、自分らしい専門分野が分からなかった。
 また、英会話クラブにも入っていて、ディスカッション、スピーチ、ディベイトも経験しながら、英語で考える事の必要性も感じていた。
 そんな中、インターネット検索で、無料で学べるサイトがあることを知った。大学では授業科目の申請をしたら、取りこぼさず、出来れば「優」で単位取得せねば、と必死だったが、大学の単位にはならないものの自由に選べて、ドロップアウトも自由と知り、Edmapsから6科目、それぞれ4~8週の科目を選んで受講した。
 選び方は、講座検索で、文学、教育学から各2科目、記事カテゴリーの文化から2科目だった。文学は、アメリカの詩しか見つからず、興味が続かなかった。教育学は、スピーチ入門と英作文で、主にクラブ活動に役立ったが、試験勉強が重なると、一時中断し、そのまま中止。文化で見つけた英語の文章の書き方も同様だった。もう一つの、「図書館と司書の未来ついて考える」は気分転換になり、元々読書好きだったこともあり、最後まで続いた。
 その後は、所属する大学では、イギリス文学、言語学を主に学び、Edmapsで興味ある科目を選び、気分転換をしながら学び、司書資格も取るべく他大学の通信教育を検討中である。
 就職については、一本に絞るべきだと思い込んでいたが、今年、gaccoの「オープンエデュケーション」の講座を受けてみて、働きながら学べる方法も、それを生かした転職の可能性もあると知り、今学びたいこと、自分の可能性を広げることを積極的に実行していこうと思った。と同時に、自分の大学の今後のあり方にも関心を持った。

山田太郎さんは 60歳で定年退職して2年
専門は材料工学で、ゴム会社の研究室で実験開発に携わってきた。
現在は自治会長をしたり、テニスクラブで汗をかいたりしているが、
まだまだ働きたいと思っている。

そう思って職安に足を運ぶものの、なかなか今までの経験を生かせる仕事はない。妻には「過去の経歴にこだわっているとその歳で仕事はないと思うわ」
と、言われている。

そんな時 gaccoに『科学生命工学が作る未来』という講座を見つけた。
特にこの講座の

第一週
安心できる未来の鍵を握る金属材料・無機材料

に興味を持ち受講した。

講座は、既存の工学の枠を超えて、産業の発展に寄与する新しい材料と新しい工学の創出について語られ、材料工学の専門を基盤として社会に貢献する内容だった。
続く第2週から第4週までの講座も関連する内容で興味深く受講できた。

この2年自治会仲間やテニスクラブ仲間との付き合いがほとんどだった生活がこの受講を通じ異年齢、さまざまな経験の持ち主と学びあい視野も広がって良かったと思えた。
講座受講中に専門的な内容についてディスカッションするのも楽しかったし、反転講座で久しぶりにキャンパスに足を運んで最先端の材料について知ることがもでき 人生これからだとも思えてきた。

今はオープン教材OER(Open Educational Resources)を検索してさらに知識を深める方法も知りインターネットを介し公開された教育用素材• 教育用テキスト、画像、ビデオ、電子教科書から無料で知識を得ている。
Open Learnという英国Open Universityが開設し大学が作ったオンライン学習コミュニティ「LearningSpace」の「Learning Club」にも参加してみようかとも思っている。

これが、再就職に結びつけば言うことはない。履歴書には修了証を添付してみよう。少なくとも脳の活性化老化防止には十分効果があるなぁと思っている。

子供達の科学技術への関心を増大させるような取組の開発や教授方法に、会社のメセナの一つとして取り組んでおり、36歳です。自身の子供時代を思い返しても、単なる座学だけでは退屈するし、単なる工作だけでは作って終わりであり、さらなる興味が増大しそうもない。飛行機は何故飛べるのかが面白くて、子供たちのノリが良さそうだと考えているが、何故飛ぶのかが自分自身も本当の理屈が判り切っていない。勿論その教授方法も判らない。まず自分で勉強しなくてはならない。
edXでMITx,の「飛行機の空気力学」を見出した。講師が教授のMarkDrelaとAjejandra Urangaさんである。豊富なイラストと実写、素晴らしい講座だった。やはり、ポイントは渦だった。クッタ・ジューコフスキーの定理で説明できることが分かった。単なる、ベルヌーイの定理だけではなかった。これらの映像を活用させてもらうこととし、子供たちに判り易くレクチャーする方法や模型も研究して、開発した。揚力は、Navier-Stokes equationで記述されるが、これは非線形であり、解析的には解けない。地方の子供たちの場合、どうしても地場産業に関連した知識は豊富であるが、それ以外について知りたくても、知っている先生も大人も周りにはいない。そこで、会社のHPで公募したら、いろんな地方から実験教室の依頼があった。その地域の技術館の人たちの協力も得られたので、「何故、飛行機は浮くのか、飛ぶのか」というテーマで、動画や資料を活用してレクチャーを行った。地場企業の協力も得られたので、地元の人たちと相談の上、レクチャー終了後は、模型飛行機を作って、今度は滞空時間や飛行距離の競争ゲームを行って、愉快に遊んで無事終わった。流石に勉強だけではつまらないという子供もいるだろうから、よかったと関係者皆で自画自賛している。

京都に住む姫雪は19歳。高校の同級生の優と、この夏結婚した。デキ婚だった。
優の実家は老舗の和菓子屋で現在、和菓子職人の父の下で修業中である。
経済的な理由から二人は優の両親と同居している。姑の額子は京女を絵に書いたような美女でそつがない。「だんだんに経理とかお店のことも覚えてもらわんと」と簿記やら経営の本を貸してくれる。「うちがいろいろまとめたノートも読んでや」ととても親切だ。ところが本を読んでもさっぱりわからない。簿記なんで最近初めて存在を知ったのだから。ならばノートをと思い開いてみるとなんと縦書きのくずし字で書いてある!流石京女。雪姫は高校の頃好きな現国以外は授業中は小説ばかり読んでいてまともに勉強をした覚えがなかった。後悔すでに遅し・・・。新聞で最近は大学が無料の公開講座をネットで開いていることを知った姫雪は大好きな角田光代さんの出た早稲田大学を調べてみた。ICT(Information and Communication Technology)を利用したWASEDA COURSE CHANNELというのがちゃんとあった!学部別に分かれていて探しやすそうだ。
そしていきなりトップページのよく見られている動画・資料に文学部の「くずし字を学ぶ」と商学部の「基礎会計学」の案内が目に飛び込んできた。くずし字の方は第三章の「明治の教科書を読む」から、基会計学は最初から時間を見つけては学んでいった。何回も見返すうちにだんだん理解できるようになってきた。額子にも質問できるようになってきた。「しっかりしたお嫁さんでよかったわ」と褒められますますやる気が出てきて簿記三級も取得できた。あんなに勉強が嫌いだったのに学び初めて見ると面白くてたまらない。学ぶことは世界が広がることなのだと思った。経営、マネージメント学びたいものが次々と出てくる。優は和菓子職人の私は経営の腕を磨くつもりだ。

 吉田克己さん(63)は、高校を卒業して大手電機メーカーに勤める団塊の世代のサラリーマンだ。中間管理職時代にパソコン操作を覚え、いまも積極的なネットユーザーである。退職後の生活設計を考えるうちに、社会に貢献できることはないかと思った。休日にGoogle検索をしていたら、JMOOCが発足したことを知った。  
行動派の吉田さんは、gaccoに登録し東京大学本郷先生の「日本中世の自由と平等」を受講。本邦初の反転授業やmeetupにも参加した。講座を通して、中世に対する新しい視点を得ることができ、歴史の楽しさを再認識した。吉田さんには赤門をくぐる最初の機会となり、大学生や高校生とも議論ができたことに感激した。 

 歴史が好きな吉田さんは、質の高い教育が無料で受けられることに感動し、退職後は教育面で活躍したいと考えた。同級生の妻・幸江に話をすると、大いに賛同して地元の生涯学習センターで講師を募集していると教えてくれた。
人一倍がんばる吉田さんは、会社から帰ると学習の時間をとり「日本中世の自由と平等」の反転授業と講座において修了証を獲得した。最近では、孫が生まれたことの次にうれしい出来事となった。

 しばらく修了証を写真立てにいれて眺めていたが、退職まで待たずに人に役に立ちたいとの思いが募った。そこで、生涯学習センターの講師に応募した。その際に、修了証を書類に添付して熱意をアピール。これが功を奏して、晴れて講師になった。得意な歴史を教えるのだが、相手は子どもから老人までと幅が広い。この戸惑いを解決するため、反転授業やmeetupで知り合った年の離れた仲間とネットでやりとりをした。
学校が夏休みに入った7月下旬、初めての講座が開講した。タイトルは「江戸時代の娯楽」だ。次の夢は、自分の講義をビデオに撮ってYouTubeにのせ、反転授業を実現することである。会社人間だった吉田さんは、地元の人とのコミュニティーに関わることがこんなに楽しいことだと初めて実感した。

大和魂さん(30歳)は入学定員確保が大きな課題となっている、どこにでもある中流あるいはそれ以下にランクづけられている私立大学で講師を務めている。ここ何年か入学試験のハードルを下げてきた結果として、一つのクラスを構成する学生の能力・知識の格差がだんだん大きくなっており、そうした中でできるだけ教育効果を上げるために授業の運営をどのようにしていけば良いかを日々模索する毎日だった。
 先輩教員と雑談している時に偶々、JMOOCの話を聞き、興味を持った大和さんは、「gacco」の講座を体験してみることにした。教員というフルタイムの仕事を持つ身で、講座の進捗についていけるかどうか最初は不安だった。しかし、一つの授業(動画教材)で集中的に拘束される時間は10分程度と短く、インターネットが受信できる環境さえあれば、1日の中の「隙間の時間」で、どこででも学べることまた、理解しにくいところは自分のスケジュールで繰り返し学べること等を体験し、90分という長帳場の大学の授業に集中力を保てない学生への対策も含めて、何かをつかんだような気がした。
即ち、オンラインエデュケーションと大学でのリアルな授業を相互補完的にうまく組み合わせることで、学生一人一人の力に応じて各人が大学の学びの中で最大の「伸びしろ」を確保できるような教育を実現できそうな予感を持った。
学ぶ側にとってコストパフォーマンスの良い、このオープンエデュケーションの仕組みは、自分が長い将来にかけて身を置く教育の現場に必ず根を張り、そこで求められる教員像も大きく変わっていくだろうことをこの講座を通じて大和さんは学び、そのことを確認するためにも、自分自身の授業をこの講座に挙げることを目標に掲げ、チャレンジしてみることにした。

高橋さんは25歳男性独身。大学卒業後、中堅の商社に入社。3年目を迎え仕事にも慣れてきたある日、社運を賭けた事業拡大を行う会社方針と新設部署へ異動を命じられた。事業拡大内容は、海外A社製の電子部品を全世界に販売する事業である。今後の展開に期待しつつも、文科系出身の高橋さんにとっては基礎知識がない分野であり不安であった。
何か事前にできることがないものかとインターネットで検索したところ、科学技術振興機構が提供している「技術者Web学習システム」を見つけた。180以上の技術系講座が設定されており、11の電気系講座がある。電気系講座は、高橋さんが望むものであったので直ぐに学習に取り組んだ。理系の学習は、何年ぶりであろうか。戸惑うことも多かったが、高校レベルの基礎学力はあったので、何とか理解できた高橋さんは、自信を持つことができた。
異動の送別会の席で、Web学習システムの話をしたら、ほとんどの方は、この様な講座がインターネットで公開されていることをご存じではない。しかし、一部の方から、MOOCというオンライン講座があることを教えて頂いた。高橋さんは、さっそくMOOC.ORGのオンライン講座を検索し、興味のあったビジネスに関連する講座を受講した。
新しい部署に配属後3か月、海外赴任することになった高橋さん。MOOCの講座も継続して学習している。赴任地で、オフラインのミートアップがあることを知ったので出席してみることにした。ミートアップに出席したことをきっかけに、ビジネスに関する知見が深まったことはもちろんであるが、赴任地で仕事関係以外の多くの人々と知り合うことができた。結果、知り合いの少ない赴任地で、公私ともに楽しい海外赴任生活を送ることができた。
赴任から3年、こんな話を帰任の送別会の席で話しました。JMOOCも発展するといいなぁと思います。

神奈川県に住む、本田恵子さんは大学では民法を専攻し、今年の春希望していた総合電機メーカーに入社した。
希望していた知財部門には配属できなかったが、第二希望であった人事部門に配属され、新人採用の窓口として社会人のスタートを切った。
総合電機メーカーでは、最近インターネットを活用したビジネスが主流となっており、採用活動をするにも総合的なインターネットの知識が必要となっていた。
法学部出身の本田さんは、インターネットの利用者ではあったが、その歴史や機能、社会的な役割については、知識は持っていなかった。
インターネットの知識が必要ではあったが、通常採用業務とは別に知識取得を行うことは困難な状況であった。
そんな時、会社の上司から、今年の5月にJMOOCのgaccoにて開講された慶應義塾大学村井教授の「インターネット」の講義を受講したらどうかと勧められた。
文系出身の本田さんにとって、インターネットの技術的な講義は難解であったが、インターネットの歴史やその運営を適切に学ぶことができ、修了書をとることができた。その後、入社志望者からのインターネットを活用した自社のサービスに対する質問や自社の立場を明確に説明することができるようになった。
また、6月以降の入社志望者のエントリーシート(入社志望書)に変化が表れてきた。エントリーシートに、村井教授の「インターネット」講義の修了したこと記入した学生が増えてきたのだ。
そこで、本田さんは、「JMOOCの修了書の有無と得点を採用のポイントとして活用したらどうか。」と、上司に提言した。
採用部門では、その提言をもとに採用活動にMOOCを活用する以下2点を決定した。
1.大学時代の成績に加えて、自社に必要な知識を有していることをMOOCの修了書として証明できるのであれば、英語力をはかるTOEICの得点と同様にポイントとする。
2.入社志望者に対して受講を推薦するMOOC講義をリクルートページに掲載することとした。

野嶋幸夫さん(26歳)は、陸上自衛隊において部下隊員約30名を指揮する幹部自衛官(小隊長)として勤務しています。彼は、大学進学の希望を有していましたが実家の経済的理由により進学を断念して高校卒業と同時に地元の町工場に就職しました。2年間真面目に勤務しましたが、仕事は厳しく低賃金で将来への希望を見いだせないでいました。
そんなときにネットで「放送大学」の存在を知りました。調べてみると、学費は卒業までに約70万円程度と安く、卒業時には学士の資格取得ができ、授業の時間に拘束されることがないので仕事をしながら学ぶことができる等々、彼にとってメリットが大きいことが分かり早速入学手続きをしました。2年間のブランクがあり入学試験に合格できるか不安でしたが、入学のための学力テストは無く、無事に入学できました。
仕事を続けながら(スクーリングの時だけは休暇をとって)懸命に勉強して、最短の4年間で見事に卒業し「学士(教養)」の資格を取得しました。そこで大学卒業の資格をもって公務員試験に挑戦しようと官庁のHPを検索してみると、防衛省のHPで幹部候補生の採用試験の案内を見つけました。かねて興味のあった分野でもあり早速受験したところ見事に合格、幹部候補生としての教育訓練課程も無事に終了して幹部自衛官に任命されました。
 今は、放送大学で学ぶ前には予想だにしなかった分野で活躍している自分に不思議な感覚を持つ時もあるそうですが、30名の部下を指揮する小隊長として身心ともに充実した日々を過ごしています。

万里小路宣房さんはメーカーで働く38歳.業務の中で必要なスキルを身につけながら第一線のエンジニアとして活躍してきましたが,閉じた世界でのスキル習得に広がりのなさを感じていました.また,最近はマネジメント業務が増えてきたため,エンジニアリングスキルに加え,マネジメント,リーダーシップの勉強も必要だと感じていました.
そんな万里小路さんが最近始めたのがCourseraです.Courseraはスタンフォード大学の教授が始めたオンライン教育サービスです.Courseraでは大学のコースがオンラインで無償で提供されているもので,世界で190万人以上の受講生が受講しています.
Courseraではコンピュータサイエンス,数学,物理から経営学,ビジネス,マネジメントなど非常に幅広い講座が提供されています.万里小路さんは自身の専門分野であるコンピュータサイエンスで最新の講義を勉強しつつ,最近必要になったマネジメントの基礎を勉強しています.勉強を続ける上で,Courseraから発行される修了証の取得がモチベーションの維持につながっています.
万里小路さんは,15年ぶりに大学の授業を受け直して,とても新鮮な気持ちになりました.また,キャリアの変化に伴い新たに必要になる知識を学ぶことができ,非常に役だっています.万里小路さんは,先端技術の分かるマネージメントとして部下からとても信頼されるようになりました.

武田京子さんは(48)は大阪市内の中学校の英語の教師であった。結婚して2年後に夫が名古屋市内に転勤になり、その後 京子さんも教師を辞め名古屋市内に住むようになった。
20年ほどが経ち子ども達も巣立ったので、何か地域に貢献できることをしたいと思うようになってきた。そんな折、知人を通して地域の子どもセンターでボランティアで英会話を教えてくれる人を募集していると知った。やりたかったことと一致していたが、長らく教育現場から離れていたのと、小学生を相手に教えるということに自信がなく躊躇していた。
そこでいろいろな情報をネットで調べることにした。小学生に教えるに当たり「児童英語教育」をキーワードで検索したところ、児童英語教育ボランティア上智短期大学サービスラーニングのホームページが目に入った。そこには児童英語教育ボランティア活動を含む取組「サービスラーニングによる学生支援の総合化-ライフデザインと社会人基礎力の養成」と記載されていた。社会人基礎力の養成に興味がわき上智大学で検索してみると Open Course Ware で「児童英語教育入門」コースを見つけたので受講することにした。
狩野晶子教授による「2012年度オープンキャンパス」として子ども達の興味をそそる入り方、発音するときの口の形の教え方、音楽に合わせた身振り手振りで自然に覚えるような授業の仕方等を実際に映像で見ることができた。そして勇気をだしてその子どもセンターにボランティアスタッフとして応募し採用された。
子ども達と遊びながら手さぐりで始めた授業も今では子ども達の笑顔に勇気づけられ念願の地域に貢献することができていると実感している。さらに英語だけでなく子どもの発達や心理学についても専門書を読むようになった。
今では仲間を募ってボランティアで英語の読み聞かせ等をやってみようと積極的に取り組むようになった。

神田英人さん(45歳)は長野県に住む会社員だ。妻と高校2年生の息子、中学3年生の娘の4人暮らしをしている。

現在は営業の仕事をしているが、商品を売るための活動に別の角度から関わりたいと思い、社内のマーケティングに関するプロジェクトへの参加を希望している。

しかし、マーケティングは今まで本を数冊読んだことがある程度で経験はなく、プロジェクト参加のためにアピールできる要素があまりない。

ビジネススクールに通って勉強することも考えたが、近くに学校がなく遠くまで通うのが大変で、また子どもの教育費もあるため費用的にも厳しくなかなか行動に移せない。

そんな時、友人からオンラインで大学の授業を受けられるcourseraを紹介された。

提供されているコースの中にはマーケティングに関するものがあり、しかも修了証には本人確認をした上で発行される「verified certificate」を受け取れる「signature track」というオプションもある。このコースの修了証なら学びの成果を示す証として使えるのではないかと思い、さっそく受講を開始した。

コースでは顧客を維持する手段としてのブランディングの方法や実際の企業を使ったケーススタディーなどを学ぶことができ、さらに世界中の受講生たちと意見交換してマーケティングに対する理解を深めることができた。

そして無事に修了証を得ることができそれを上司に見せたところ、その成果を評価され希望のプロジェクトに配属されることが決まった。

さらに受講中は遠くまで通学する必要がなかったため、家族と過ごす時間を確保できた。また父親が家で勉強している姿を子どもたちに見せることで、子どもたちに学び続けることの大切さを行動によって伝えられるという思わぬ効果もあった。

自分の子どもたちにも、この素晴らしい学びのチャンスを生かして学び続けてもらいたいと思っている。

木村さんは工学系の大学を卒業して民間会社に就職したが、営業部門に配属された。営業先でお客さんとする会話には、文科系の用語が多く出てくるため、いささか気おくれがした。しかし文科系の科目をまとめて勉強する暇がないので、放送大学大学院の社会経営科学プログラムをインターネットで受講した。単独の科目の受講で、大学院の修了認定は目的としなかった。講義の内容はかなりレベルが高く、講義に付随した用語の勉強も余分にせざるを得なかった。しかし、このことが、お客さんとの会話の内容を深めることに役立ち、その後の営業活動に自信をもって取り組むことができるようになった。

主婦の佐々木ひな子さん(45歳)は、週3回近所のスーパーで働いている主婦です。最近は、子供にも手がかからなくなったので、正社員になって近くの企業で働きたいと思うようになって来た。そのためには、インターネットをもっと自由に使いこなせるようになりたいと思い、JOCW日本オープンコースウェアを検索してみた。
JOCWのHPの中に「Netlearninng(http://www.netlearning.co.jp/)」というサイトが掲載されていたので興味をもち検索してみたら、eランニングを専門に提供している会社だと書いてあった。提供されている幾つかの学習講座の中を閲覧してビジネススキルシリースを選んで疑似体験をしてみた。疑似体験は、得意先に出す封書の書き方で沢山文字の中から文章にして貼り付けて行く形式になっていたので楽しみながら出来た。このシリーズでは、「ビジネス文書」「電話対応マニュアル」などがダウンロード方式で提供されているので終了後も使えると思った。また、トータルアウトソイングによる学習の進歩管理やサポートとして学習の個別管理もしてくれる事も気に入った一つである。そして何よりも信頼できる学習サイトであって、学習する仲間とのコミュニケーションが出来るので孤立することなく学習できるのではないかと思い、自分のスキルアップに役立てたいと早速申し込んだ。

神山里香さん(33歳)は、2歳の女の子を育てている主婦である。幼少期は父親の仕事のため海外で過ごし、妊娠前までは外資系服飾販売会社のPRとして働いていた。
妊娠中、日本のマタニティウェアやグッズのバラエティ、美しさのなさに愕然とした。そこで、神山さんは、自身でマタニティウェアを海外のサイトから購入していた。
女児を出産後、母親の集まりなどで、マタニティウェアについて同じように不満をもっている母親が多いことがわかり、海外の美しくまた機能的なマタニティウェアやグッズを紹介・販売できないかと思案し始めた。英語力に長けている神山さんは、海外のサイトから商品を購入することはできても、それを日本で紹介し、販売していくことについての知識は皆無であった。しかし日本の妊娠している女性にもっと美しいウェアを着てほしいという夢を持つようになった。そして起業について勉強がしたいと考えていたところ、JMOOCの経営(マネジメント)入門を見つけ、受講をすることにした。
講座では、ビジネスで必要とされる基本的な考え方を学び、経営戦略を実行するためのポイントを家にいて子育てをしながら知ることができた。また、反転学習にてマーケティング入門講座を受講し、そこで集まったメンバーの志の高さに驚いた。皆、起業をしたい、リーダーシップを持ちたいというような高い向上心をもっているメンバーであった。また都合が付く限り、自主反転学習(ミートアップ)に参加し、知識を身につけ、議論する場をもつようにした。さらにこの講座はMBAを取得できることで有名なビジネススクールが主催であったため、単科コースで起業にあたり必要な科目のみを受講するきっかけとなり、夫の協力のものと、土日のみの通学コースにて、半年間、同じ志をもつ仲間と経営やマーケティングについて学ぶことができた。また通学により、受講者同志のコミュニケーションが深まり、起業にあたっての課題を皆で議論することができ、輸入・ネット販売というビジネスモデルを仲間たちと構築していった。
今、神山さんはネット上でのマタニティウェア・グッズを紹介・販売をするサイトの立ち上げの準備中である。子育て中でも受講することができ、起業の知識を得ることができJMOOCをきっかけとして、神山さんの夢は現実へと近づいている。

大竹輝明(40歳)は東京で働く聴覚障碍者。
一般事務で入社して働いているけれど、高卒なため、難しい話についていくことができない。自分に自信をつけたい、また、大学レベルの勉強をしてみたいと報道で知った日本初のMOOCに挑戦してみることにした。
大学進学を諦めたのは、自分の聴覚障害についてであった。
アメリカなどと違い、ノートテイカーなどは当時なかなかつくことはなかったからだ。
高卒後、働いてきたけれど、勉強はしたかった。
「オープンエデュケーション」という言葉は初耳だったこともあり、「勉強してみよう。」と登録してみた。
字幕があり、講師が何を話しているかどんなポイントがあるか等理解しやすいこと、
またディスカッションでは解らないところについての他の学生の書き込みを読み込み「これはこういう意味なんだ」と理解できること、、ミニクイズなどを通して理解していることが自分で実感できるため、「学ぶって楽しいな」と思えるようになり、自分に対して自信がついた。
ぎりぎりの成績ではあったけれど認定証を取ることができた。次はオリンピック・パラリンピックを見据え、ピクトグラムを勉強してみたい、と今から楽しみにしている。そして将来、障害の有無にかかわらず、このような勉強方法がさらに進んで、職能開発に繋がるようになればいいと思っている。

 山田さん(18歳)は父子家庭で育ち、生活は楽ではなかった。父親は、高校は卒業してほしいと望んでいたが、勉強が苦手で勉強する意味も見いだせず、アルバイトでもした方がましだと思うようになっていた山田さんは高校を中退した。
しかし高校中退の経歴のため、思っていたようにはアルバイトが見つからず、どうしたら良いか分からない中で日々を過ごしていた。
 そんな中、山田さんの家庭事情も理解してくれていた高校時代の恩師が、オープンエデュケーションの事を教えてくれた。
そもそもオープンエデュケーションは何なのか分からなかった山田さんは、スマホで調べたところ、gaccoでオープンエデュケーションについての講義が無料でできる事が分かったので、試しに受講を申し込んでみた。
 直ぐに飽きてしまうかもと思っていたが、短いビデオを一つずつ見ることを積み重ねる事で最後まで続けることができた。又、達成感も得られた事から、勉強にも少し興味がわいてきた。
 受講する中で、インターネット上に様々な無料学習ツールがある事を知った山田さんは、大学レベルの講義は敷居が高いと思ったものの、自身の親戚の為に作ったビデオから発展したというKhan Academyはどうだろうと調べたところ、日本語版のサイトがあるのを見つけた。未だ翻訳されているビデオは少ないようだが、試しに一番最初の基本の足し算のビデオを見てみると、こちらも短い時間で作られていて、勉強をやり直すには良さそうだった。リンクをクリックして英語版のビデオも見てみると、英語は良く分からないものの同じ内容で、こちらには練習問題もあった事から、日本語版と翻訳サイトを利用しながら勉強を始めた。
 問題を解いていく内に勉強が面白くなってきた山田さんは、定時制高校を受けてみようと思っている。

岡山県岡山市に生まれ長年地元で暮らしてきた、山田孝雄さんは、中堅ゼネコンを定年退職
して、3年程のんびりと暮らしていた。しかし、このまま過ごしていると脳も衰えていくと考え、
若い時から英語を自由に使えるように成りたかったので、カーンアカデミーを受講し、好きな
科学とか数学を改めて勉強しようと考えた。好きな分野の勉強なので、ほんの少ししか出来ない英語を上達しようと頑張れると思った。
実際にカーンアカデミーへのアクセスは、Gmailのアカウントで簡単に可能だった。
カーンアカデミーにアクセスし講義内容を見てみると、算数、数学、科学、歴史、生物、アート、ファイナンス、経済等、初等教育から大学レベルの講義まで、素晴らしい講義が多岐に渡り存在していた。
大学系のMOOCでは、大学の講義形式のため、開始時期や受講期間が決まっているが、
カーンアカデミーでは、いつでも好きな時に何回でも学ぶことが出来るので、繰り返し繰り返し
見聞きしたい山田さんに向いていた。
英魏の勉強が第一の目的なので、自分のペースで見聞き出来るのは有りがたかった。
どの講義も非常に丁寧かつ洗練された内容と成っていて、飽きることが無かった。
はじめのほうでよく見たのは、科学分野のRobots内のSpiderBotとか、アート分野の
モナリザの絵の説明などに引き付けられた。
あまりにおもしろいので、毎日1時間以上、ビデオに見入っていたので2年程過ぎると、
英語の映画の鑑賞時字幕にたよらず原語で理解でき、大変人生が楽しくなった。

上村冬樹(32歳)は、大手流通業の店長を勤めている。仕事がら転勤が多く大学卒業後すでに8回の転勤を経験している。大学では法学部に在籍していたため経営に関する知識は会社の研修で得たものがすべてである。ある日会社から自己啓発の勧めとして「GACCO」の紹介があった。転勤が多いため自己啓発は、ビジネス書で補うことが主であった。会社からの案内で「GACCO」がWEB講義で、いつでも、どこでも専門性の高い講義をうけることができることを知り、早速かねてから興味のあったビジネススクールの講義へ登録を行い毎日仕事の終わりや休憩時間に学習を行った。キャリア目標として将来は経営に携わることを目標にしているためMBA講義に近い内容を学習したことは有意義であった。多くの講義内容を仕事に関連づけて考えるのは楽しかった。受講後、単元のなかで学習したマーケティング知識を活用し店の商品構成改善を会社へ提案し受入られたことで更なる学習意欲が高まってきた。次はビッグデータや統計学に関する講座に登録しPOSデータ解析による売れ筋追及と死に筋退治の提案を会社へ行い自らキャリアを切り開こうと考えている。

 田中晃さんは工業高校で機械工学を学んだ後に地元の工場に就職し機械加工を中心とした仕事に携わって来た。高い品質で加工を行う技能に磨きをかけて後輩の育成にも力を注いで来たが、それだけでは競争力のある商品は作れないという状況を悔しく感じていた。 高い品質で機械加工を行うことについては、常に自らの工夫を怠らず、最新のニーズにも応えられる自信があるのだが、商品としての競争力と言われても体系的な知識を持っておらず、どうしてよいかわからない気持ちになっていたのである。
 そこでCourseraの提供しているCompetitive Strategyを受講した。これらを通して市場でお客様の心を掴む理論から、多様な強みを持つ仲間との協調の重要性、自らの強みをさらに磨いていくR&Dの重要性を学び、それらを統合して設計に活かす術を学ぶことが出来た。
 この講義はLudwig-Maximilians-Universität München (LMU)のTobias Kretschmer先生の講義で、全て英語であったが、これまで高校卒業以降、自らの機械加工の技術だけは常に最先端を学んで来たと自負するだけあって、田中さんは海外の工作機械の仕様書も海外の取引先との納品契約も全て英語で行って来ており、英語で学ぶハードルは全く無かったため自らに最も適するこの講座をみつけて学ぶことが出来たのである。今では受講を通じて知り合った仲間と力を合わせて、自らの機械加工を競争力のある商品に活かせるように取り組んでいるところである。

伊藤達也さん(45歳)は大手複写機メーカーに勤め20年、今年社内で新たなビジネスモデルを創出する為のプロジェクトが立ち上がりその部署のチームリーダとして配属された.

これまで技術職として現場に従事し、その後マネージャとしてキャリアを積んできたが専門色が強く、プロジェクトに必要とされる経営に関する知識は十分とは言えなかった
そこで、書籍や外部セミナー参加などで習得に勉めていたが時間や費用、物理的要因でなかなか捗らなかった。

そんな折、オンライン授業を配信しているSchoo( スクー)を見つけ受講を始めた。
そのMOOCではマーケティング、戦略論、組織論など多岐にわたる分野の授業がありそこから配信される動画とスライド資料を使って無料で受講出来るだけでなく、大学教授や専門学校の講師以外に各業界の第一線で活躍する方々も登壇し、理論と併せて現場に即した講義内容も盛り込まれ大変参考になるものであった。
また、授業中に直接講師に質問したり、受講者同士で論じたり、ワークショップがあったり、オンラインラーニングによる双方向型授業によるサービスは一歩踏み込んだ深い学びを得られるのもとても良かった。

更に受講後、講師からの課題に対してレポートを提出しその内容に皆で意見を述べたり、
グループのWeb掲示板に参加する事で他の受講者と情報共有や意見交換を通してコミュニケーションを図り、現在直面している課題への解決ヒントを得たりと、知識の向上とモチベーションの維持継続をする事が可能である。

伊藤さんはこのMOOCを活用した学びにより、チームリーダとして必要な経営に関する
様々な知識が得られ、それによりビジネスモデルイノベーションを理解しフレームワークを描くことができ、社内プロジェクトへ系統的に取り組めるようになった。
また副次的効果として組織の改善、改革について見直す機会も得られこれまでより
多角的視点で業務などの物事を捕らえ考察できるようになった。

参考 Schoo: https://schoo.jp/

TSさんは、地方の中小企業で働く会社員だ。あと1年半で定年を迎える。まだまだ気力、体力ともに元気で、リタイアする気はさらさら無く、定年後もバリバリ働きたいと思っている。だが、どういう仕事が出来るのか、したら良いのか見当がつかないで悩んでいる。もちろんOB再雇用制度などもあり、今の会社で働かせてもらうこともできるが、全く違う仕事をしたみたいとの気持もある。
そんな時、NHKの朝のニュース番組でGaccoのことを知った。「最高の教授陣による本気の授業」というキャッチフレーズに強く惹かれた。36・7年ぶりに大学の講義を受けてみたいと思ったし、取り組んでみたいと思った。
もともと歴史が大好きだったので、001日本中世史の授業は楽しくて、この年になっても「学ぶ」面白さを知った。勢いで、002インターネット、004オープンエデュケーションの講義を受講している。
Gaccoの講義の良いところは、講義がおおむね10分前後と短いことだ。これなら社会人でも十分に聴講出来る。もちろん資料PDFで予習をしてから聴講するのだが…。またディスカッションで様々な人の意見を聞けるのが良い。自分の意見をあげてみたりもしている。
今年、大学に入った息子にもGaccoのことを話した。今は自分の大学の講義でいっぱい、いっぱいのようだが、近いうちに聴講したいと言っている。
TSさんは、Gaccoが自分にどういう影響を与えるか今はよく分からないが、とにかく学ぶことが楽しいし、きっと自分の人生にプラスになると言っている。日本における本格的なMOOCは始まったばかりで、どういう方向に進むか未知数だが、きっと日本における教育の在り方を変えるに違いないといっている。

日高一代さんは2年前に大学を卒業した。英語に興味があり、外資系の企業で職を得たいと願っていた。英語の語彙力はあり、英文を読むことには苦労しなかったが、リスニングが若干苦手であった。そのため、志望の企業に就職できなかった。ある英語のセミナーに出席した折、隣の席の参加者と話している中で、TED-Edという、日本では中上級向けの優れた、動画中心のオンライン・レッスンが提供されていることを聞いた。内容は広範囲で、興味を引く科学的な項目が多く、説明は米国の高校生向きだが、本質は大学並みの知的なものであるとのこと。さっそくインターネットで検索した。すぐれた教育者たちによる、さまざまな分野の素晴らしい教育動画を提供するサービスであった。
TEDのコンテンツだけでなく、YouTube上のあらゆる動画を利用できた。留学や英語の仕事に就く人にとっては、このうえとないサービスであった。セミナーで知り合ったTEDの紹介者とは、連絡を取り合い、あるトピックを視聴した後で、内容理解の確認をするようにした。こうして、お互いに励ましあいながら、リスニングのスキルアップに務めた。約半年間視聴した後、リスニング力は飛躍的に向上し、念願の企業に職を得ることができた。
このように優れたサービスを、無料で、いつでも利用できることは、彼女にとっては全くの驚きであった。今後も、このサービスを活用して、さらに英語の力を高め、海外での勤務を考えている。その紹介者とは、いまでも交流があり、ネット上の、さまざまなサービスについて情報交換を続けている。








 北海道出身で千葉県在住の佐倉舞(54歳)は、聴覚障害である。小学校6年生の時に高熱を出し、聴覚を失った中途失聴者である。勉強が好きだったので中学の成績はよく、高校は寄宿して聾学校へ通ったが、諸事情から2年で中退した。
 その後結婚し子供にも恵まれ、子育ても一段落してから、障害者枠で大手企業IT関連の事務職に就職した。PCによるコミュニケーション手段は早くから独学で学んでいたので、仕事は順調で今では主任の役職についている。
 また、子育て中から始めていた地域での手話サークル活動のほか、会社でも手話サークルを開催したりと、持ち前の明るい性格で交友関係も活発である。
 しかし、子供たちや周囲の人と日本の歴史が話題になると、苦手な歴史全般に弱いというもどかしさがあり、いつか勉強してみたいと思っていた。
 そんな中今年4月、舞さんは友人の勧めでgaccoによる「日本中世の自由と平等」が高校生から学べる講座ということを聞き、しかも字幕がついているのでサポートを得られなくても自力で学べることを知った。
 思いきって受講したところ、字幕による内容で講座を完了することができた。ディスカッションでは学ぶ楽しさを積極的に発言した。各単元毎の確認テストで理解が深まり、久しぶりの小さな達成感の積み重ねで最後まで終えられたということだった。
 特にディスカッションが活発だったことにより、小さな疑問に受講生が答えてくれてタイムロスなく受講を終えることができたとのことだった。
 この経験により、漠然と高校を卒業したいと思っていた気持が高まり、母校の高校に相談し高校卒業認定試験にチャレンジすることにした。
 また、これらが自信となり、まだ高校卒業認定試験は終わっていないが、大学における障害者教育や海外の障害者教育などにも関心を持ち始め、オープンエデュケーションの可能性を感じているとのことだった。

群馬県北部のある小さな町出身の西田優作は、雑誌やドラマでみる都会の生活にあこがれていて、東京の大学に入って一人暮らしをするのが夢だった。
高校時代はバスケットボール部で、3年の7月に引退するまではほぼ部活中心の生活だった。6月に受けた模擬試験の結果は目も当てられないものだった。何かしなければと思うが近所には高校生を対象にした進学塾なんてない。友達の中には電車で40分かかるところにある進学塾に行っている者もいるが、受験まで半年というこの時期に往復の時間が無駄に思えてならない。でもこのまま一人で勉強して合格することができるだろうか、そんな事を考えていたとき、父から「新聞に載ってたけど"manavee"って見てみたらどうだ。大学生が先生になった授業動画をネットで無料で見られるみたいだぞ」と言われた。さっそく見てみたが、何よりも好きな時間に好きな教科を自分のペースで自由に見ることができるのがいい。最近まで現役の受験生だった先生たちは押さえるべきポイントがわかっていて、それを的確に示してくれるのでわかりやすかった。お気に入りの先生も何人か見つかり、やる気がでない時にはお気に入りの先生の授業をみて元気をもらったりもした。
優作は、以前から続けていた進研ゼミの教材をベースにして、苦手なところはmanaveeの授業動画で補強するという方法で受験勉強を進めることにした。特に苦手だった英語の長文読解はmanaveeの授業動画で集中的に攻略していった。部活で身につけた根性をすべて受験勉強にぶつけて必死に取り組んだ結果、見事早稲田大学に合格し、夢だった一人暮らしを始めることができた。
かつてはただ単に東京で一人暮らしをしたいと考えていただけだったが、今はやりたいこと・自分でも人の役に立てそうなことがはっきり見えている。優作はmanaveeに先生として登録してみようと思っている。

田中宏樹さん(29歳)は首都圏の小さな人材派遣会社でIT技術者として働いている。
最近、田中さんは将来に不安を感じていた。現在の業務は単純なものが多く単価が安い。このままでは将来的な収入の伸びは期待できない。最悪、業務自体を若手にとってかわられる危機感も感じていた。年齢に応じた、より単価の高い業務に挑戦する必要性があった。しかし現在の単純業務では身につけられるスキルは限られている。自社の規模が小さいこともあり、研修制度など存在しない。自腹で教育を受ける余裕も、時間的余裕もなかった。
そんな折、Udacity on Edmapsでデータサイエンスの講義を見つけた。一流の講師の講義を無料で受けられることに加え、日本語字幕が用意されておりとっつきやすかった。近年のビッグデータブームの影響で、データサイエンスの技術者は引っ張りだこで単価が高い。さっそく田中さんは受講を開始した。
この講義ではApach Hadoopという大規模データの分散処理に適したオープンソースソフトウエアを使い、概念の理解から課題解決演習まで取り扱っており、実践的な知識が得られる。シラバスには基礎的なプログラミング知識が必要とあったが、この点はこれまでの業務経験でカバーできた。
MOOCは時間や場所を選ばず受講できる。わからない箇所は何度でも見直せる。さらにUdacityの講義には受講者が能動的に学習できるよう随所に小テストが用意されている。適宜確認しながら学習を進めることで、効果的に知識を習得できた。
一連の講義で身につけた知識が役立ち、田中さんは幸いにも大規模データ処理に関する業務につくことができた。これに満足することなく、MOOCを使って様々な知識を身につけていきたいと考えている。

 住田沙智子さんは大学卒業後IT企業に就職し、プログラマとして勤務する27歳である。住田さんは働きながらいつかはMBAを取得したいと考えており、その機会を模索していた。しかし、会社を辞めて米国へ渡るのはとても勇気のいることで、海外で一人暮らしをするには自分の英語力に自信がもてなかったし、そもそも資金の問題を何とかしなくてはならない。そんな時、自宅にいながらコンピュータで大学の授業が受けられるサービスがあることを知った。しかも無料だという。早速HarvardXのサイトを検索してみると、「コンピュータ科学入門(Introduction to Computer Science)」という講座があったので受講してみることにした。
 英語は難しく、ついて行くだけでたいへんだったが、個人学習のためわからないところは繰り返し学習できるのでむしろ自分に向いていると思った。平日は残業が多く時間がとれなかったが、通勤の合間に復習をしながら、毎週末に平均5時間ずつ学習することにした。講座の内容が自分の仕事に直結することだったので知っている用語がいくつもあり、興味をもって学習を進めることができた。
 受講終了後、修了証を取得した。そもそも自分がMBAを取得したいと考えた理由は何だったか改めて考えてみた。高校受験も大学受験も一生懸命に打ち込んできた。就職してからは一人前になるためにプログラミング技術の習得に力を注いだ。MBAを目指したのも常に自分を高めたいと思ったからだ。しかしオンライン学習を知ったことで、考え方が少し変わった。必ずしもMBAにこだわる必要はないかもしれない。HarvardXの他の講座を調べてみると、幕末から戦前くらいまでの日本の文化についてのコースを見つけた。海外からみる日本はどんなものか興味がわいた。他にも中国文化に関するものもある。しばらく受講を続けてみようと思うようになった。

川田孝雄さんは県立大学職員として会計を担当していたが、深夜に及ぶ激務の連続でうつ状態になり、しばらく休職していた。その後、運よく比較的暇な部署に転勤となり、少しずつ体調も回復していく中で、自宅で、ふと見つけたインターネット上のgaccoの講座の受講を決めた。それは自分が学生時代に学ぼうと思ったが、実社会で役に立たないとあきらめた哲学科の講義だった。現代社会の様々な問題について哲学的アプローチで各自の考えをより深めることを目的とする講座だった。生活のために現在の仕事をやめることはできないが、日々自分がすり減っていくような気がして、何か生きる意味を見出せることを学びたいと心から思っていたので受講することにした。無料であることや哲学の知識がなくても受講できることと、課題もそれほど負担なくできそうだと確認した上で登録した。好きな時に、自分のペースで学べる講座は内容も新鮮で、休みの日にはインターネット上で、講義を聴き、課題のクイズを解き、ディスカッションのコメントを見るのが楽しみになった。あるとき、思い切って、ディスカッションに講義の感想を投稿してみた。すると数日後、自分のコメントに対して共感するという返信が付いていた。川田さんは初めて自分の存在が肯定されたようで涙ぐんだ。その後、その講座を無事に修了した川田さんは意欲的になり、ディスカッションで知ったCouseraで、大学で専攻した経済学に関連する労働生産性や効率性について学べる講座を探して受講し、Signature Trackも取得した。職場は業務に関連のあるMOOCの講座の受講を奨励し修了証取得を人事評価のポイントの一つとしていた。川田さんは講義やインターネット上の学習コミュニティで様々な国の受講生たちから学んだことを活かして、時短と効率化のための業務改善を提案したところ、一部が取り入れられることになった。現在、残業が減り、川田さんも心のゆとりが持てるようになりつつある。

<<留学を決意した 野沢奈々さん>>
 東京の私立中高一貫、現在高校1年生の野沢奈々さんは、小学生から英語に興味があり、小6で英検3級、中学で準2級に合格し、今は2級を目指している。一方では、中学入学後、軽音部でギターやボーカルを担当し、今に至っている。
将来は、英語を生かした職業より、音楽の道に進みたいと思っている。中学で、オーデションをいくつも受け、大手レコード会社の三次審査まで行ったが、限界を感じて、プレイヤーはあくまで趣味、大学では音楽を学び卒業後は、レコード会社か音楽系出版社に勤めたいと思っている。
 奈々の高校には、指定校推薦で、多くの人が行く大学がある。どのような大学なのだろかうと思い、早速この夏休みオープンキャンパスに参加した。
すると、哲学科の教授が、ビートルズの模擬授業をやっていて、まさにこれだ!と思った。美学、芸術学といった分野で、ポップカルチャーも扱うらしい。
 ところで、中3の昨年9月17日、NHKクローズアップ現代で「あなたもハーバード大へ 名門大ネット講座」の放送を見たのをふと思い出した。軽い気持ちで、MOOCのCourseraにアクセスしたみた。するとどうだろう、ロチェスター大学のJohn Covach 教授のThe Music of the Beatlesという講座があった。
簡単に登録でき無料なので、早速ビデオレクチャーを見て、クイズもこなした。アメリカの大学に興味が沸いてきた。この先生に教わりたい。東京でMeetupが、9月3日に開催されるので参加し、留学希望の人と情報交換をするつもりだ。英語と音楽の融合した世界に身を置き、世界で仕事をするのが自分の道だと思うようになった。
 ロチェスター大学を調べてみたところ、入学難易度では最も難しく、音楽学部(Eastman School of Music)は世界的に知られているということなので、挑戦したくなった。
そのために、この夏休みは英語に更なる磨きをかけ、大学や留学について詳しく調べることにした。 9月のMeetupで、聞いてみたいこともまとめているところである。

村岡花子さん(16歳)は、英語の勉強と本を読むことが大好きな都内の高校二年生。大学受験も気になり始めているが、特に行きたい大学も無く、将来は漠然と語学を活かした仕事に就けたらいいなあ、と考えながら毎日を過ごしていた。

 ある日、シリアで宗教がからんだ紛争の様子を伝えたニュースを観た彼女は、その紛争の行方がとても気になった。というのも、彼女はシリアのアレッポ原産の石鹸を愛用しており、紛争が長引くと、お気に入りの石鹸もそのうち日本に入ってこなくなるのではないか、と心配になったからだ。

 そんな折、担任の安東先生が、ホームルームの時間にオープンエデュケーションについての話をしてくれた。興味を持った花子は、iTunesUで、彼女が気になっていた、シリアの紛争の原因になっている宗教関連の講義がないか調べてみた。慶応大学の奥田敦先生の「宗教と現代社会」という講義が目に止まったので、全14回と長い講義内容だったが、がんばって視聴してみた。

 講義の内容は、イスラム教の教えを軸に、宗教と現代社会に関わる問題を考えていく内容であった。9.11以来、彼女自身、怖い宗教ととらえていたイスラム教に対する見方が大きく変わった。講義の中でアレッポ石鹸の事も取り上げられており、俄然彼女はイスラム世界について勉強したい気持ちが大きくなってきた。また、アラブ・イスラーム圏との学術文化交流の発表会の様子も観る事が出来た。アラブ人学生を日本に招聘して、日本語を教えたり、慶応の学生がアラビア語現地研修という形でアラブ世界へ出かけ、交流しているらしい。アレッポ石鹸にも刻まれているアラビア語への興味も沸いてきた。

 その講義に深く感銘を受けた花子は、慶応大学総合政策学部を第一志望校に決め、それからというもの、家族も驚くほど真剣に受験勉強に取り組むようになり、見事、慶応大学合格の栄冠を勝ち取った。現在彼女は、奥田研究会に属し、アラビア語現地研修に向けて、アラビア語の猛特訓を受けている。忙しいながらも、とても充実した学生生活を送っている。

鈴木新さんは都内の高校に進学するも、ささいなことが原因でいじめを受け不登校となり、高校を中退する。ネットやゲーム、アニメに没頭し、日々を暮していた。将来に不安を感じながら過ごしていた頃、ニュースでイプシロン打ち上げの映像を見て、元々宇宙に興味があったこともあり、自身でロケットを作りたいと思うようになった。
宇宙工学を学ぶために様々な大学のHPを閲覧していたところ、東京工業大学のOCWにて、人工衛星を設計、製作を行い、実際にアメリカの打ち上げイベントに参加する授業があることを知った。公開されていた講義資料はとても興味深いもので、この大学に入学したいと強く思うようになった。大検取得のための勉強を進めるとともに、OCWにはその他にも基礎知識となる物理学等の講義資料が多数公開されていたため、内容は難しいものではあったが、これまで無為に過ごしていた時間を取り戻すように勉強に没頭した。高校を中退し、将来に不安を抱いていた自分だったが、これからの未来に、強い目標と、希望を見出すことができた。

川村由紀子さん(29歳)は英文科を卒業し、一般企業の人事部で仕事をしている。大学進学の際、薬学部に行き将来は研究職に就きたいと思ったが、理系の受験科目が苦手で諦めた経緯がある。仕事は面白く、必要に迫られ人事や教育に関する本を読むうち、遅ればせながら「心理学」が理系と文系のどちらにも関心のある自分の強みを活かせる学問であると感じ、さらに深く学びたいと考えた。検索してみるとCourseraの中にトロント大学の心理学入門講座があった。忙しい自分には最適と考え受講してみることにした。英語力を活かし入門講座を英語で学んだことで、心理学の専門用語を日本語で読んだ時よりもはっきりと理解することができた。入門コースを修了した後も、複数の講座の受講登録をし、その中から自分の興味に合う講座を選択し修了することができた。3年間で5つの講座を修了することができたのも、職場というフィールドがあり、問題意識や研究テーマがはっきりしていたからだ。複数の講座で修了証を得たことが社内でも評価され、現在は採用の責任者を任されている。最新の心理学の知識を活かし、どういう基準で採用した人材がその後どのような活躍をしたか、しなかったかを追跡検証し、次の年の採用に反映することができるよう常に知識を更新している。仕事を続けながら日本の大学院に進学しようと思い立ち準備を進めたところ、無事入学試験にも合格し、来年度から社会人枠で通うことになっている。研究計画がはっきりしていたのがよかった。18歳で専攻を決める時には心理学は全く興味の外であったことを思うと、自分でも予測のつかない展開である。

私は、60歳台の主婦です。熊本県人吉市に住んでいます。娘二人は嫁ぎ、夫も定年退職し、今はのんびり暮らしています。家庭の事情で大学に行けなかった私は、ずっと大学で勉強したいと思っていました。時間も精神的にも多少余裕ができ、今からでも大学に行きたいと思いましたが、九州の田舎では、通える大学などありません。ある時、主人が「こんなのがあるよ」と教えてくれたのが、GACCOでした。早速、インターネットで調べてみると、誰でも、無料で自由な時間に勉強できる、と書いてあったので、恐る恐る申し込んでみました。最初の講義は「日本中世の自由と平等」でした。さすがに難しく、これが大学レベルの講義だと自分に言い聞かせて、分からない言葉を本やインターネットで調べながら、夢中で勉強しました。ディスカッションも覗かせてもらい、レベルの高い議論に感心したり、賛成意見を述べたり、時には自分の考えを投稿して賛成してくれる人がいると嬉しくなって、すぐその返事を書いたりして、教室で話をしているような感じがしました。なんとか4週分の講義と課題をこなし、なんと「修了証」まで頂きました。早速、額縁に入れて部屋に飾りました。難しい講義を仲間とお話しながらやり終えたことが、嬉しく、また少し自信になりました。主人からは「すごい集中力だったね」とか「楽しそうだったね」とか言われ、夫婦の会話も増えました。娘たちも「私もやってみようかな」と言っています。
次の講座「インターネット」は私には手が出ずパスして、次の「オープンエデュケーションと未来の学び」を受講しています。これも海外の例などが出てきて、難しいのですが、海外ではそんなこともあるのかと視野が広がり、とても勉強になります。
今後も、いろんな講義を受けて、勉強することの楽しさを学びたいと思っています。
このレポートは、重田先生の課題に一部合っていませんが、自分の気持ちを伝えたくて書きました。

尾藤さんは、大手IT会社に長年SEとして勤務していましたが、定年を控えより社会に貢献できることがしたいとの思いに駆られ私立大学のITセンター職員へと転職しました。学習支援にもっとコンピュータを活用出来ないかと模索していたところ「オープンエデュケーション」を知りました。学内での反転授業目的などとは異なり、開かれた教育機会をインターネットを利用して多くの人に提供することは、社会に貢献することに直結することであり早速取り組むことにしました。
まずは、JMOOCプラットフォームの一つであるGaccoの「オープンエデュケーション」を受講し、様々な形態があることを理解しました。そして、CourseraやEDXを調べてみました。その発生経緯や位置づけから英語主体のクラスであり、日本の社会人が受講するには言語のバリアがあることを改めて認識しました。
尾藤さんは勤務先の先生とオープンエデュケーションの価値や意義などを話し合い、賛同してもらえる先生に日本語による社会人教育の機会を提供して頂ける様に働きかけました。スライドなどの資料作りや撮影などは尾藤さんのスキルを活かし先生の負担を減らすことが出来ました。この段階では試行的なものであり、広く公開し沢山の人に受講してもらえるにはコース数や講義メニューなどの工夫が要ります。
尾藤さんは、学長に働きかけ大学プロモーションの一チャネルとして認めてもらい全学的なバックアップを得ました。ただし、学校としては奉仕であることとし金銭的な支出はしないとの条件付きです。
プラットフォームは基本無償であること、何人かの先生が積極的に参加してくれたことから尾藤さんの日本の社会人教育としてオープンエデュケーションを活用すると言う狙いは少しづつ進んでいる様です。

村上さんは都内の中小企業で働く営業サラリーマンである。以前までは自社製品の良さも
あり、比較的営業は堅調であったが、最近は競合企業の新製品の方が良いこともあり、そ
の企業に押され気味だった。彼はすっかりやる気を無くしていた。それは自分の部下たち
も同じであった。
このままではいけないと考えた彼は、まず自分を奮起するにはどうすれば良いか、インタ
ーネットで調べてみた。「なるほど、モチベーションをコントロールするのか…」さらに
調べてみると、 gaccoという無料のインターネット大学で「モチベーション・マネージメ
ント」という講義が開講するらしいことを知った。彼は藁をもつかむ思いで受けてみた。
それは目からうろこの内容であった。特に「スランプとモチベーション」、「楽観的思考
の効用」が効果的であることを学んだ。また反転授業に出ることで、先生から直接教えを
受けることで、この効果への理解はより深まった。
また、国際情勢に興味のあった彼は「ついでに…」と思って受けた講義「国際安全保障論」
が渡りに船であった。この講義では自国・同盟国と敵国の関係をゲーム理論を用いて説明
していた。それを営業視点で考えたところ、自社製品に親会社の製品を組み合わせること
で、競合に勝てそうなことを思いついた。早速これを顧客に提案してみたところ、親会社
の知名度・製品同士の相乗効果もあり契約に至ることが出来た。
ここから快進撃は始まった。教材や反転授業で受けた講義、 gaccoの掲示板のやり取りを
参考に、部下のモチベーション管理の方法を教え、やる気を奮闘。会社のピンチを救った。
親会社との繋がりも強まり、今では部下のモチベーション指導および両会社の橋渡しをす
る重要なポストで忙しい日々を過ごす毎日である。
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※40文字x20行 = 800文字以内
※「モチベーション・マネージメント」はまだ未開講ですがシラバスと案内ビデオを参考にしています。
※「国際安全保障論」では早稲田大学の栗崎先生が「終わりに」にて考え方(モデル)の応用について語られています。

山崎雅子さん(60歳)は、地域活動のホームページを管理するボランティアをしている。CSSやjavascriptなどを学んで、もっと楽しいページを作り、イベントへの集客につなげたいと考えMOOCを検索 “Codecademy”を見つけて、「HTML & CSS」の基礎から無料で勉強を始めてみた。
このサービスでは画面構成が、説明・エディタ・プレビューが一画面になっていて、入力したコードが正解なら、すぐに結果が表示され、次に進むことができる。課題は小さな一歩ずつを積み重ねるように進み、間違いは正解が出るまで丁寧に教えてくれる。
“Codecademy”に用意されている科目は「プログラミング言語」「Websiteの作り方」「interactiveなwebpageを作る」「applicationを作る」などの他30分ぐらいでできる、楽しいプログラムもあり、自分のペースで初歩から学びたい山崎さんには最適なサービスである。
英語のヒアリングが苦手な山崎さんが何より有難いと思ったのは、このプログラムの全てが易しい英文の読み書きだけで学べることだった。“Great job!” “Nice work! ”などの励ましの言葉や1レッスンが 終わる毎にもらえるバッジも、コース終了時に届く“Congraturation!”のメールも嬉しく励みになる。
基礎編終了の後“Javascript”へ、その次は “ Making interactive webpage”を学習して、憧れだった「読者のマウス操作に反応する華やかで楽しい動き」の技法も知ることができた。
ここで学んだスクリプトを応用してイベント情報のアピール部分を強調、人目を惹く効果が出せた。次回イベントへの申込状況が好調なのは、ホームページの工夫も大いに貢献しているようだ。
一旦は華やかで楽しいページを目指した山崎さんだったが、学びと並行して、ホームページの構成と効果についてもう一度勉強しなおし、派手な効果が人の目を奪い却って情報伝達を邪魔することに気づき「使いすぎない」バランスも再確認できた。
学びは、山崎さんにとって活動とホームページについて考えるよいきっかけとなってくれた。続けて「他のプログラミング言語」や「application作成」も勉強するつもりだ。

 山本次郎、10歳、小学4年生です。長男なのに、なぜ次郎なのかは、わかりません。パパは市役所の職員ですが、いまは東北の震災復興の手助けに派遣されています。ママはピアノ教室の先生で、6歳の妹もいます。
 半年くらい前に、ブルース好きの本家のじいちゃんが交通事故に巻き込まれて亡くなりました。「もう少し大きくなったら、次郎にも教えてやるからな」といわれ、楽しみにしていたんです。お葬式の時にばあちゃんにそういったら、じいちゃんの思い出にといってギターを1本、もらえました。それでギターを習いに行かせてくれとママに頼んだら、「ギター、それもブルースなんて、お馬鹿さんがやるものよ」って。
 それで本家の由貴姉ちゃん(高校2年生)に相談したら、インターネットに教室があるというんです。「CourseraのMOOCに“Introduction to Guitar”というコースがあって、Berklee College Musicの先生が教えてくれる。講義は英語だけど、字幕つきだし、私の勉強にもなるから、手伝うよ」。ママに、バークリー音楽大学の先生に習う、しかも英語でといったら、ビックリ&にこにこ顔でした。
 パパが週末帰ってきたときに報告したら、「おおそうか。じゃ、オレもサックス始めよう」と大張り切り。
 ギターはまだまだ本体の構造やコードを習っているところですが、英語は文字と発音の違いというか、母音で始まる単語は前の語の子音とつながって発音されるといったことが、なんとなくわかってきました。それってすっごく重要……って由貴姉がいっています。
 ジャズ好きのパパのサックス、クラシックのママのピアノ、僕のギター、それにヘビメタ好きの由貴姉のヴォーカル……なんだかバラバラで、これではなにができるのか……不安&楽しみです。妹も「わたしもわたしも」といっていることですし、まあみんなでワイワイやれれば、それがサイコーなのかも……。

田中幸子さんは米国の大学に留学している大学2年生だ。日本の高校に通っていたが、夏休みに訪れた約3週間のホームステイで米国で生活してみたいと考え、ホストファミリーの協力も得て、米国の大学に進学した。
田中さんが学ぶ大学では、1~2年次に一般教養科目を履修することが定められており、日本の高校ではあまり深く学習したことがなかったヨーロッパの中世史を履修した。高校の世界史で触れた知識しかなく、歴史はもともと苦手だったこともあり、文献を読んだり、レポートを書くのが大変だったが、それ以上に、歴史好きのクラスメイトから日本の中世史について聞かれて答えられない自分に気付いた。
そんな時、米国で大きな話題となったMOOCが日本でもスタートし、最初の科目が「日本中世の自由と平等」だと知り早速登録した。高校時代は歴史は暗記科目だと思っていたが、この授業では様々な史料から科学的に事実を立証するプロセスが面白く、これまでの「歴史」のイメージを変えるものだった。「大学受験のための歴史」と違う「大学で歴史を学ぶ」ことの面白さを感じた。
日本の大学レベルの講義を受けることや、大学レベルのレポートを日本語で書くのも初めての経験だったが、自分よりも歴史に詳しい人や自分と同じような素朴な疑問を持つ人のディスカッションボードへの書き込みを参考にしながらレポートを書いた。米国のMOOCにはない反転学習コースにも参加し、幅広い年代の人たちと議論したかったが、まだ大学の授業がある時期だったため断念した。
米国に来て初めて日本人としての自分を強く意識するようになった。「日本中世の自由と平等」の他、俳句や京都の歴史についての授業も開講される予定のため、こういった講座を履修して、日本人としての教養を身につけたいと考えている。日本版MOOCができたことで、米国の大学に通いながら、日本の大学の講義を受講できるようになり、様々な国から来ている大学の友人たちとの会話の内容もより豊かなものになった。

山田太郎さん(62歳)は地方の会社を退職し年金生活者となったが、田畑を1haぐらい所有しているので、米や野菜などの農業をして、わずかであるが収入を得ている。家族は、妻と母の3人である。すぐ近くに息子夫婦と孫2人も生活しており、地元IT企業で忙しく働く息子に代わって孫の世話をしたり遊んだりすることは山田さんにとってはもっとも重要な仕事になっている。
最近は、このような生活にも慣れてきて、もの足りなさも感じてきたので、もともと勉強好きだった山田さんは生涯学習の機会を探していた。そんなときに、NHKのニュースでインターネットで学べるjmooc公認サービスであるgaccoの話題を聞いた。山田さんは、パソコンやインターネットにはちょっと自信を持っていた。しかも、自宅で無料で学べ、有名大学の講師に出会えるgaccoは山田さんの学習意欲に火をつけ、なんの迷いもなく4月から受講を開始した。
まず、4月は歴史関連であったが、中学、高校で学んだ知識としての歴史ではなく、著名な歴史学者が熱く語る中世歴史はこれまで経験したことのない新鮮なものであった。また、6月開講の国際安全保障論は、北朝鮮の瀬戸際外交、我が国の集団的自衛権など政治と外交の理解を深めたことで、新聞記事もより深く読み解けるようになった。
gaccoが無料であることは生涯学習にはピッタリである。講義ビデオが10分程度に区切られているため少しの時間でも有効に使うことができることも山田さんにとっては嬉しい。山田さんはディスカッションに積極的に参加して議論を楽しんでいる。また、他人のレポートを採点するというのは、これまでの学校生活にはなかったことで、より知識を確かなものとしてくれるように思われた。反転学習にも機会があれば参加したいと考えており、新たな人との出会いに期待している。
現在、山田さんは、余裕のある時間を有効に活用して、1月半ごと1講座のペースで受講することにしており、gaccoを生涯学習のベースにしたいと思っている。歴史、政治、IT、文学など、学習範囲は広い。そして、いずれも一流の講師の講義であることから、中身が濃く新鮮である。従って、moocの修了率が10%程度というのは、山田さんにとってはちょっと信じられないことで、gaccoの場合はもう少し修了率は高いのではと思ったりしている。
gaccoは、山田さんのともすれば単調になりがちな生活に新鮮な感動を与えている。また、家族との会話にも新鮮な話題づくりにもなっており、夫婦生活にも新鮮なものに感じるようになった。さらに、山田さんは、地域活動においても積極的に参加しており、地域のまとめ役として一役買うことについてもmooc受講者であることがその自信につながっているようである。そして、山田さんは、このようなオープンエデュケーションが日本でも充実し進化していくことを期待しているのである。

高橋和男さん(61歳)は、昨年、IT企業を定年退職した。若い頃から歴史に興味を持ち、通勤の車中で歴史小説を読むことを楽しみとしていた高橋さんは、退職後に持つことが可能となった自由時間で、改めて、歴史について学びたいと思っていた。そんな折、オープンエデュケーション gacco がテレビ番組で紹介された。gacco の提供するコースの一つに「日本中世の自由と平等」という歴史モノがあり、しかも、受講料無料、講師がテレビ番組「BS歴史館」に出演した時から注目していた本郷和人さんであることを知った高橋さんは早速、申し込んで受講を開始した。
講座では、まず、科学としての歴史においてはウラを取ることが重要で、フィクションとは峻別されねばならない、ということが語られ、歴史小説を読むことで歴史がわかったような気分になっていた高橋さんにとっては、歴史を学び楽しむための基本的なスタンスについて目から鱗が落ちる思いだった。また、その一方で、講座では、ウラを取ることを重視すればする程、裏付けとなる文書の残らないような人々の営みは歴史から抜け落ちてしまう危険性にも言及されていて、高橋さんは、そのような抜け落ちた部分を歴史の中で発掘する面白さにも思いを馳せるのだった。
4週間の講座を終えて、高橋さんは、今後は歴史小説を読むだけでなく、少しずつ、実際の歴史的文書に接してみようと思うようになった。今回は、反転学習にもオンライン上のディスカッションにも参加しなかったが、今後は、そのような機会があれば積極的に参加してみようという意欲も湧いてきた。退職後の生活がより楽しくなりそうな高橋さんは、そのように自分の視野を広げてくれたオープンエデュケーションの効果に瞠目すると同時に、改めて感謝したのだった。

54歳のケイヤさんは毎日の変化のない日常の仕事に退屈し、残された人生の時間の少なさに焦りを感じています。学生時代真面目に大学の講義を受けていなかったので、もう一度大学で勉強したいと以前から考えていました。一人で本を読んで自学を試みましたが、長続きしないため、今話題のMOOCで勉強しようとラーニングイニシアティブ(HTTP://OLI.CMU.EDU/)にアクセスしましたが、十分な時間がない中で、英語の教材では半分も理解できず挫折してしまいました。そこにgaccoが開設され、生涯学習の一環として喜んで受講しています。栗崎先生の国際安全保障論の講義は、軍事力による、国際政治バランスに違和感を感じましたが、今の安倍政権の目指している方向性と危険性の理解が深まったと感じています。しかしgaccoの講義コンテンツがまだまだ少なく、対象としているそうもあいまいで手探り状態のように感じています。今後英語教材の受講の橋渡しになるような解説講義や、外国人に日本で学ぶための講義などもあったらいいなと考えています。
今のところ、オンライン講義で、コミュニティーの広がりは既存の大学より困難かもしれませんが、グローバルに広がる可能性があり楽しみにしています。今後の人生もまだまだ捨てたものではないと思っているので、今後も活用していきたいと考えています。

位田学さんは昨年三月に、教員を退職しました。専門は生物ではありませんが、自然観察グループにも参加していました。退職でゆっくり時間が取れるようになったので、今まで興味があった遺伝学を深く学びたいと思い、edXで遺伝をキーワードに検索をしてみましたが、英語の講義には少々自信がないので、京都大学公開されているOCWに遠藤教授の「遺伝学」を見つけ登録し受講してみました。学んでみると遺伝学の進歩は著しく興味深いことばかりで、特に遺伝子の解析は自然観察にも役立ちそうで、遠藤ゼミの聴講をお願いしたところ、快く受け入れてくださいました。自然観察グループでは、カキツバタ群落の保全に取り組んでいます。カキツバタは地下茎を伸ばして芽を出すのと、実生での繁殖がありますが、クローン個体よりも、実生で増えた個体の方が遺伝的に多様なため、変化への適応力が高いと教わり、グループでカキツバタの遺伝子解析に取り組むことになりました。また、この池にはメダカも生育していますが、メダカの住むいくつかの池で遺伝子解析をして、相互の関連を調べれば絶滅が危惧されるメダカの保全にも役立ちそうで、edXで関連する英語の授業にも参加してみることにしました。

根賀真士(33歳)は、高校の教員になって10年、中堅どころで、各種の研究会の主任をまかされるようにもなっている。研究会や研修会では、パワーポイントを使用して、プレゼンをする機会が多いし、授業にも使用している。だが、せいぜいが板書の代わりや、レジメの代わりの用途として使用しているだけのような気がしていて、もっと見る人に訴求力のあるプレゼンテーションが作りたいと考えていた。そんな折、大きな研究会が開かれ、自分が発表者に指名されてしまった。この際、ちゃんとプレゼンテーションについて学びたいと、インターネットで探してみると、「kisobi.jp」という学習支援サイトがあった。これは、ビジネスマン向けのサイトのようだったが、プレゼンテーションに関しては、内容がしっかりしており、自分の発表にも生かせるのではないかと思えた。
 内容は「相手に伝わるプレゼンテーションの構成」ということで、「スライドの基本デザイン、図表の」基本デザイン、スライド説明の順序」を、動画を使っての説明もあり、プレゼンテーション本来の意味と、その基本的なテクニックが、自分なりにまとまったような気がした。
今までは、自分なりに大事だと思える個所を列記しただけのスライドであった。しかし、たとえビジネス分野でのプレゼンテーションのテクニックであっても、相手に分かりやすく訴えることは、教育の場でも同じではないかと思えた。近度の発表では、その学んだ知識を生かし、参加者に自分の研究発表を分かりやすくプレゼンできるのではないかと、少し自信がついてきている。

隆介(20歳)は懸念される世界的な食糧危機到来時代を見据え、大学は農業関係の学部を選び、現在、農産物の物流について学んでいる。

最近、就職活動を控え、自分が将来進むべき道を真剣に考え始めた。
そして就職先を色々調べて行くうちに、物流だけでなく、農産物の生産や“食”にも興味が湧いてきた。

そこで、友人が英語の勉強を兼ね、MOOCを利用して米国の大学の講義を聞いていることを思い出し、MOOCで食、農業生産に関わる講座について探してみると興味を引く講座を見つけた。
CourseraのMOOC、Stanford UniversityのChild Nutrition and Cookingである。

講義を聴いてみると各回の講義は短くまとめられていて聴きやすく、講義内容のポイントをグラフィック・ファシリテーションにより整理されたところは復習に大変役立った。
使用される資料映像も個性的な表現技術が駆使されていて、最後まで楽しんで受講することができた。
また、世界中で同じ講義を聞いている仲間とリアルタイムに疑問について遣り取りできたことは刺激的な体験であった。

講義を通し、人の健康に影響を与える要因が食にまつわるあらゆる場面に、潜在的に存在していることを再認識した。
今後、大学の単位取得とは別に、食の安全に焦点を絞り、MOOCを利用するなどして世界的な知見を深めるつもりである。
そして、卒業までに、生産から消費に至るあらゆる段階で、農産物が人の健康に影響を及ぼす要因を洗い出して整理したいと考えている。

迷っていた就職先については、生産から消費までを扱う総合商社を第一希望に決めた。
入社した暁には、いつか、生産(農薬・生産性等)から流通(保管・酸化防止技術等)、そして赤ちゃんの口(栄養・食育等)に至る、食の安全、人の健康を一貫して担保する新たなビジネスモデルを構築したいと思っている。
そして、それを通して社会貢献をすることが大学3年、20才の隆介が今思い描く夢である。

春田亮一さんは昨年高校を卒業して地元の農協に臨時職員として勤務しました。一年すぎて将来を考え、このままではいけないと思い 大学の農学部に入りたくて 大学受験を思い立ちました。参考書を買ったりしましたが、知人よりMANAVEEというインターネットでの学習講座があると聞き、MANAVEEを開いたところ、「地理的・経済的な教育格差の是正」を目標に、誰もが無料で大学受験勉強が可能なウェブ授業サービスであると解りました。いざ始めてみると田舎でも、レベルや教科に合わせて自由にカリキュラムを組むことができる講座で、ユーチューブでの映像なので時間に制約されず、解らない時は停止したり繰り返したりして学習ができる。また先生方が、この前まで 受験を経験した大学生であり、熱意が感じられ、授業が現実的であり実践的である。と春田さんは喜んでいます。
高校生の時の授業より解かりやすく、今、勉強中であるとのことです。やる気になっている春田さんを、応援します。合格されることを祈っています。

真田幸平(80)さんは、高卒後、製造関係の工場で技術者として働いた後、10年ほど前に引退し、今は妻と二人で年金生活を送っている。引退後にパソコンの使用を本格的に始め、インターネットを毎日利用しているものの、その仕組みがさっぱり分からず、かといって今さら「・・・教室」などに通う気にもなれず、もどかしい気持ちを持っていた。そんな折、かつての職場の後輩と飲んでいるときに、同席した若手工員が、JMOOCというネット上の無料公開講座が始まりその中の「インターネット」講座を自分も受けるつもりであると教えてくれた。そこで、早速gaccoというプラットフォームにある「インターネット」講座に受講を申し込んだ。講義を聴いてみると予備知識のない真田さんにはハードルが高かったが、何度か繰り返し視聴することで概略はつかめるようになり、インターネットの全体像が見えて来た。また、学習者のディスカッションのページに、不安を吐露する高齢者に対して別の受講者が励ましの言葉を送る場面があり、自分のような年寄りもここで学んで良いのだという安堵感を持つ事ができた。さらに、講義映像と共に字幕が出てくるサービスが有り難かった。耳は悪くないものの、英語が全く駄目な真田さんにとっては頻出する英語名の用語を文字で確認できることが、理解の上で大いに役立ったのである。こうして、何とか最後まで聴講し、課題にも取り組む事ができた。課題については所定の正答率に達せず修了証はもらえなかったものの、最後までやった達成感を久しぶりに味わった。何よりうれしかったことは、後日、講座を教えてくれた若手工員に「最後まで聴いたんですか?すごいですね。」と褒めてもらったことである。そして、次は統計学の講座を一緒に受けようと約束した。80に達して後は衰えるばかりと思っていたところ、孫のような若者と一緒に勉強できるとは嬉しい限りである。真田さんは新たな生きがいを見つけた。

鈴木流星さん(19歳)は仙台市に住む19歳の大学生だ。将来は、高校生活3年間一生懸命頑張ってきた“ケガの多い”ラグビーという競技で活躍した経験を活かし、リハビリやスポーツ医学の現場に就職したいと考え、日々大学の勉強にいそしむ毎日である。しかし、最近のICTやインターネットによる社会の変化、Iotの今後の普及にも興味があり、少しコンピューターに関する技術に関しても勉強したいと考えていた。
 そこで流星さんは少し年の離れた兄であるエンジニア経験を持つ鷹秋さん(29歳)に相談したところ『Udacity』の講座を紹介された。時間的拘束が少ないmoocでの学習は医療実習等に参加し、大学生でいながらも忙しい毎日を送る流星さんにとって効率良くコンピューターサイエンスを学ぶことができる方法、だということだ。早速、受講して「HTML5によるゲーム開発」や「ビックデータ」に関する授業を受講してみた。最初は英語で講義が行われているため複雑な内容を覚えるのに時間がかかったが日本語字幕のついた授業もあったので何とか授業についていくことができた。また、内容を理解するにつけ実際にHTML、CSS、JavaScriptのコードを書くことができるようになった成果は大きい。勿論、鷹秋さんの協力してもらう、という前提はあるが、日増しにプログラミング等のコンピューター技術を学ぶことを、楽しさも含めて理解できるようになっていった。
 講座を終えた今では、趣味として「やる側」だったゲームを「やる側」だけではなく「つくる側」として楽しむことができるようになった。また、本来の目標である「理学療法士」という職業に関しても、医療情報の中にある「ビックデータ」を用いて患者さんやリハビリで通院してくる人々の役に立ちたい、という強い気持ちが流星さんには芽生え始めている。

板橋角次さん(35)は地方のIT企業の事務職として働いているが、これまでやってきた事務職だけでなく自分の勤めている会社の主な業務であるIT関連の分野にも関わりたいと望むようになった。しかし板橋さんはこれまでその分野での学習経験がなく、会社にも「基礎知識をもっていない者にはIT関連業務には配置できない」と言われてしまった。
そんな中、板橋さんはNHKのニュースでgaccoの存在を知り、働きながらでも学習する機会があること、さらにgaccoには自分が希望していた分野の単元「インターネット」があることを調べ、さっそく受講した。
「インターネット」の講義ではインターネットの歴史から仕組みまで詳細な説明があり、板橋さんには時に難しすぎると感じることもあったが、ディスカッションで情報交換しながら分からない部分を補完しつつ、なんとかすすめていった。また、このgaccoのMOOKというシステムでは通常の大学とは違い実にさまざまな人が同時に受講しており、自分と同じような立場・思いを抱いて受講している人も案外多くいることを知って大いに勇気づけられ、学習することに前向きでいつづけることができた。
そのおかげもあってか、板橋さんは「インターネット」の講義で無事規定の評価を得、修了証を受けることができた。
板橋さんはその修了証を会社の人事担当者へ提出し、IT関連業務への配属を希望していること、そのための基礎的な学習を行って一定の成果があったを告げた。
人事担当者は「このようなオープンエデュケーションによる修了証を会社としてどのように評価するかは未だ明確に取り扱っていないが、君の熱意と努力は良く分かった。配属には前向きに検討する」と言ってもらった。板橋さんは現在、人事担当部署の検討結果を待ちながら、インターネットでのさらなる学習機会を探しているところだ。

田尾さん(61歳)は、オフィス機器メーカーの研究部門で35年技術者として働き昨年定年を迎えた。定年後の人生をあらためて考えることなく、再雇用制度により同じ部門で継続して働きはじめ一年が経った。
しかし、年下の上司の指示を受け、同じ仕事をこなすだけで毎日が過ぎ、心は満たされなかった。いつしか田尾さんは、高校の漢文の授業で「老子」や「荘子」を知り、自然の営みの中に人間としての生き方の本質を探る老荘思想に共感したことを思い出し、ライフワークにこの思想を勉強し直すことを思い立った。しかし、定年後収入は大幅に減り、大学に通う余裕もないので、無料でしかも好きな時間に受講できるMOOCの利用を検討した。日本語検索しても日本の大学にはこの分野の講座がないことがわかり、MOOCのカタログサイトの、www.class-central.comを調べた結果、香港大学のChad Hansen教授がedXでHumanity and Nature in Chinese Thoughtというの講義を行うことを知り受けることにした。講義は週2時間10週間の長丁場だった。英語の講義には悪戦苦闘したが、繰り返し聞くことで、少しずつ理解は深まった。講義の内容は、老荘思想にとどまらずに、人間性と倫理にかかわる孔子や孟子などの他の中国思想との比較や、西洋思想との違いについても言及し、一段高い視点で老荘思想の魅力を知ることができた。
この受講後、田尾さんは、余暇の時間に自然に触れる機会を作り、老荘思想の生まれた原点を体験する意欲がわいてきた。来週は鎌倉の禅寺で座禅の予定である。MOOCの授業で知り合った海外の仲間に、日本文化における老荘思想の展開を紹介し、来日の折は案内したいというメールも出そうと考えている。MOOCを始めて、色んな機会が拓けたことに田尾さんは驚いている。

高橋さん(59歳)は,メーカーで組み込みソフト設計を担当してきた,一方定年後を見据え,今後の日本には所謂STEM教育が大事であると痛感しており,理科実験や科学工作からロボットの制御まで,科学技術全般を子供に教えるボランティア活動に携わっている.
当活動において,ロボットの制御ソフトウェアーを小中学生並びに高校生に対して教えるには,一分野の技術に留まらず,機械,電気,ソフトウェアー含めた画像認識や画像処理等の情報処理技術およびそれらの境界領域の技術が必要で,特に本人の不得手な機械系動作の基本を理解した上でないと,プログラミングも教えられないと考えていた.
数学との境界領域も含み,習得には書籍等だけは無理だと諦めていたが,UdacityにおけるGoogle自走カーのニュースに遭遇し,より調べるとStanford大学のFeedback Control Designが公開されていることを知り,本人の欲している自動制御理論の講義であり直ぐに受講した.本講座は数式を追うものではなくロボット制御を念頭に置きツール等駆使した内容で理解しやすかった.
さらに社内の大学卒業後3年目ぐらいまでの制御技術を学んできたエンジニアーを捕まえ,本講座を聞かせ補助を受けていたところ,出身大学に理論がメインのコースがYouTubeにアップされていることを聞かされ,その講義を補完授業として両講義を終了することが出来た.
そしてロボット作成ボランティアでは,メカの応答時間を考慮したプログラミングを教えられるようになった.
今後も各種要素技術の習得にオープンエデュケーションを受講しようと考えている.そしてそこで得られた技術の広がりを,単に一分野の技術を教えるのではなく,その技術の繋がりやダイナミックスをも教えていけたら,まさにSTEM教育の普及につながっていくと考えている.

田中一郎さん(30歳)は北海道に住む地方公務員として働いています。田中さんは、高校時代から天気予報に興味が有り、何時もテレビの天気予報を見ていました。新聞で東大がコーセラのプラットフォームを利用して、大規模公開オンライン講座を始めたというニュースを読みました。大規模公開オンライン講座は大学の講義をインターネット上に無料で配布していることを知り、そこに気象学の講座が有り受講する事にしました。田中さん気象学を学ぶうちに天気予報の難しさ、面白さを実感するに従い、気象予報士になりたいと思うようになました。また講座を受講する中で、講座についての課題・質問・感想・意見などを記載する電子掲示板の中に、田中さんと同じように気象学に魅せられ気象予報士になりたいと思っている人が、九州、関西など各地に多くいることが分かりました。早速掲示板を通して仲間になり皆で気象予報士の試験を受けることを約束しました。仲間と気象予報士の試験勉強としてインターネット講座、問題集などに取り組み、解らない事をお互いに教え合って気象予報士の資格を取りました。田中さんは仲間の気象予報士といつも連絡を取り合い、各地の気象の変化をお互いに共有する事で、気象の変化を敏感に感じ取れる気象予報士となりました。現在は気象予報士として独立し充実した日々を過ごしています。

法野 公平さん(24歳)は、新卒で 東京の大手企業に就職した。2年が過ぎた今、世界の紛争の情勢をニュースで見るうち、もっと詳しく知りたいとインターネットで検索してみると、MOOCの英国Future Learnの中でバーミンガム大学 国際政治学、ロンドンキングスカレッジ Causes of warの講座が見つかった。概要を読んで講師のVTRを見ると興味深く感じ、これらの無料講座を受講することにした。
そうは言っても平日は仕事があるので、ダウンロードしたVTR講義を通勤時に聴き、土日に集中して学んだ。講義は有意義で、学生時代に戻ったように感じ、一人での地味な勉学もFuture Learnが推奨しているTwitterやSkypeで各国の受講者とつながりができた上で、わからないことの質問や参考文献を教え合う、志を語るなどは時間を気にせず、時差のメリットが有効に使えた。
法野さんは、そうするうちに学生時代学んだ国際刑事法が生かせる、オランダのハーグにある国際刑事裁判所(ICC)で戦争犯罪について、その抑止力になる仕事をしたいという大学生の頃の夢を思い出した。
意を決して、大学の恩師に相談すると、修士号以上の学歴が必要となるので、日本で習得可能な単位はバッジシステムを使い、専門的な分野はオックスフォード大学への留学を目指し、(ICC)のインターンシッププログラムに参加したらとのアドバイスをもらい、入学願書に必要な推薦状を提出していただけることになった。
目標が具体的になったことで、勉学にも一層力が入っている。

社会人の吉岡美穂さんは、2007年に日本の大学院で学びMBAを取得した。その後転職し、一企業の経営戦略室で能力を発揮している。
最近は、次々と新しいマーケティング理論や知見が発表されMBAで得た知識が陳腐化している、と吉岡さんは感じてきた。そこで、もう一度マーケティングの学びなおしをしたいと考え、最新情報が得られる最適な勉強の機会を探していた。
インターネットで検索したところ、マーケティングで有名な大学のウォートン・スクールがヒットした。しかもそこには、講座がMoocプロバイダのCourseraの中で提供されており、無料で学ぶことができるという。吉岡さんは早速Courseraに登録し、講座を受講した。その講座にはマーケティングの基礎から始まり、最新の動向まで習得することができた。
また、Courseraは同じ講座で受講者同士の意見交換ができる場があった。ここでの内容をレポート提出の参考にしたが、Courseraは世界中から受講者が集まっておりインターネット上で意見交換をすると、様々な意見があることに非常に驚いた。
そういえば、日本の大学院で学んだ時はほとんどが日本人だったため、ここまで意見の拡散がなかったことを吉岡さんは思い出した。今回のCourseraのようなグローバル環境だと、意見がここまで拡散するものなのだと痛感した。
1つの問題に対して多くの視点から物事を見る重要さを改めて感じ、吉岡さんにとって大きな収穫になった。
最終レポートを提出した後は非常に疲れを感じた。しかし、吉岡さんはMBAを取得した時とはまた違う新しい世界が開けた気がした。
受講後、マーケティング理論を活用することに加え多くの視点で物事を見るくせをつけ、今では経営戦略に必要な意見集約に非常に役立っている。

吉原純平君(15歳)中学3年生。彼は将来 開発途上国の発展に(地球環境の保全を考えた上での)寄与する
仕事につきたいと漠然とした夢をもっている。自分を自立した もっと強い人間にしたいという願いからアメリカへの高校留学を考えている。彼が選んだ高校はオレゴン州のCanyonville Christian Academy 生徒数140人
共立私立校。選んだ理由は3点。まず第1に学費、寮費が他に比べて軽く抑えられるので両親の負担が少しでも軽くなる点。 第2は Boarding school なので 精神的にも安心感がもてる点。Boarding school とは寮制で
教室は1クラス10人程度の少人数制なので生徒一人一人の個性を伸ばす教育を受けることができる。又日常のあらゆる局面で友達、先生との交流があり刺激しあい切磋琢磨して成長できる環境である。
第3はオレゴン州自体が 治安が良くリベラルな気風で自然が雄大 尚且つ環境保全意識が高い点が純平君は気に入った。この将来の夢を実現するために今一番しなければならないことが 英会話。彼は中学2年の終わりに英検3級を取得した。親戚の大学生のお兄ちゃんに勧められ www.coper.biz/hitokoto.html 一日一語英会話を
始めた。はやくも約500ほどのセンテンスは マスターした。あと約700ほどマスターしたいとがんばっている。
生きた英語、今使われている英語を発音だけでなく、説明付きなので頭に残りやすい。彼は留学で両親に金銭的負担がかかることを重々承知しているので英会話習得にはお金をかけずにがんばろうとしている。
彼の将来が楽しみである。




  勝田重子さん(30歳)は、地方都市の銀行員。同居家族は4人。66歳の父親と今年還暦を迎える母親、87歳になる父方の祖母。ほかに8歳年上の兄がいる。兄は、ほとんど実家には寄り付かないが、世界のどこにいても、重子さんとは連絡をとりあい、勉強や、家族の相談にのってくれる。MOOCの存在を教えてくれたのも兄である。兄は、中高生の時、毎日欠かさず、NHKの語学講座を見聞きして、日常英語の基礎をマスターした。OUJ.AC.JP放送大学の公開講座を参考に大学での専攻を決めていたようだ。今は、英語がある程度使えれば、世界のどこにいても、インターネットで先進的な学問に触れ、新領域の傾向を知ることが可能だと教えてくれた。
 重子さんは、母親と一緒に祖母の介護をしてきたし、次々変わる介護、医療制度の理解だけでも大変だった。母親は、祖母の介護で、気持ちの余裕がない。小さいころから、母親の期待に応えようと頑張ってきた重子さんだが、少し、寂しい。祖母が10年ほど前に大腿骨を骨折して以来、物忘れが激しくなってきたこと、両親ともに、最近、体力が急激に落ちてきていることに不安を抱き、重子さんは内心うつうつとしていたが、兄の言葉を思い出して、インターネット検索をしてみた。
 日本でも、東大、京大、阪大などの大学がOCWを無料公開している。また、Courseraが発信している世界の大学の講座も、翻訳機能を利用すれば、勉強できそうだ。YouTubeでも、講座が、公開されている。重子さんはまず、OCWで概要をつかみ、Courseraで、行動心理学、医療人類学、医療保険学、ストレス科学などの講座をみつけ、無理のない範囲で、勉強を始めた。同じ境遇の会員はいるもので、ディスカッションや自主学習会に、参加して、様々な対処の仕方があることを知った。本音で話せる仲間ができ、次第に、家族の問題もなんとかなるだろうと楽観的に考える余裕ができ、苛々した気持ちは、収まった。今後は、医療統計学など、ビッグデータを扱う統計学の勉強をしようと機会を待っている。

長女は大学を卒業して就職、長男も大学へ入学して、子育ても一段落し時間に余裕が出来た山中敦美さん、まだ48歳になったばかりの女盛り。これから何をしようかと考えているとき偶然NHKのクローズアップ現代「あなたもハーバード大へ-広がる無料オンライン講座-」や新聞紙上で無料大学講座のことを知り俄に興味を抱いた。
ネットの検索でJMOOCのGaccoが講座を開講したことを知って、迷うことなく登録・受講した。
OL時代歴女として、小説やテレビに登場する歴史的な名所・旧跡を訪ね歩いていた山中さんは、東京大学の本郷和人教授の「日本中世史の自由と平等」の講座で学び、改めてこれまでは単なる歴史好きに過ぎなかったことに気付かされた。
宮本武蔵や坂本龍馬は好きな人が多いが、歴史学的にはそんなに学ばなくても良い人物で、司馬遼太郎や吉川英治が創った物語りが有名になったことを知らされた。歴史研究には、その根拠となる証拠が重用で裏を取ることの大切さを学んだ。裏を取るには、歴史史料に基づく必要があり、歴史では資料ではなく史料と書くこと、古文書と古記録の違いなど知らないことだらけだった。
Week毎に課題が示されて解答していくが、“×”が出る度に繰り返しビデオや字幕をチェックし締め切りに追われる。ちょっと学生時代に戻った感覚も新鮮だった。
山中さんは、かつての歴女仲間にも呼びかけてGaccoの受講を薦めた。歴女仲間のオフ会も復活し、やがては、講座のディスカッションの呼びかに応じミートアップにも参加した。
 一人では躊躇したかも知れない集まりに参加して大いに刺激を受け、手当たり次第に歩き回っていた歴女の旅を再開しようと期待に胸ふくらませる。
現地に行って時代背景や地形を取材、ボランティアガイドさんや古老からの聞き取り、また歴史史料解読のために古文書の勉強もしなくては考えるようになった。
仲間とは、近い将来歴史小説でも書いてみようかと話している。

宮田悠真さん(21歳)は、大学受験で東京大学を目指しましたが失敗したので、第二志望校であるK大学に入学しました。K大学では経済学を学んでいましたが、元々個人的にパソコンやインターネットに大変興味があり、進むべき道を情報工学にするかどうか、悩んでおりました。そんなある時、東京大学が提供するUTokyo OCWの存在を知りました。それは、東京大学の正規講義の講義資料や講義映像を無償で公開するWebサイトであり、東京大学の「知の開放」プログラムの一つです。宮田さんはこの中に、目指す情報工学の講義があればそれを受講し、自分のその分野における素質や興味を確認したいと思うようになりました。早速そのサイトで「情報工学」をキーワードに検索してみると、何と60もの科目があり、まずは「情報工学概論A」や「ネットワーク工学概論」などの基礎的なものから、受講してみることにしました。特に「情報工学概論A」は講義映像も有り、とても学習効果が得られました。このUTokyo OCWの特徴の一つに「MIMAサーチ」があります。これは東京大学によって開発された各科目の抽出、可視化システムであり、例えば「情報工学概論A」からサーチすると、関連する講義名が検索され、かつそれらの相関を図にて示してくれます。宮田さんは、これを用いることにより、情報工学として学ぶべき科目を容易に知ることが出来ました。宮田さんはK大学で経済学を学びながら、夜間や休日にこのUTokyo OCWによって情報工学関連の講義を学ぶ生活が1年程度続きました。その結果、自分の進むべき道はやはり「情報工学」であるということに確信を持つに至りました。その後、思い切ってK大学を中退し、東京大学の工学部・電子情報工学科を再受験しようと、必要な受験科目の再勉強を行うとともに、引き続きUTokyo OCWにて学習を続けました。その後の1年半の猛勉強の成果が実り、見事東京大学・工学部に入学することが出来ました。宮田さんは将来はIT業界、通信産業界の会社に就職をしようと思っています。

 坂本孝明さんは大分県日田市に住む新規就農者である。東京に勤めに出ていたが、2年前に一念発起し、Iターンで大分に移住し、現在は夏場のレタスやトマトを栽培している。地元のベテラン農家や農協の普及指導員のアドバイスを受けているが、自分が悩んでいることについて基本的な知識が体系的に学べていないため、生産がうまくいかないことに問題を感じていた。特に、坂本さんが住んでいる中山間地域ではシカやイノシシなどの鳥獣被害が深刻であり、その対策をしっかり学びたいと感じていた。また、ビニールハウスでのトマト栽培では、資材や施肥のコストがかさんでいたので、もっと無駄のない営農手法がないか悩んでいた。
 そのような中、JMOOCの公認配信プラットフォームの一つであるgaccoの中に、熊本県立農業大学校が現役の農業者のスキルアップのために公開している「くまもと農業アカデミー」の講座シリーズが存在していることを知り、「鳥獣害対策講座」と「園芸農業コスト削減講座」を受講することにした。日々朝早くから夕方まで農作業が忙しく、また熊本県まで通うなど現実的には難しかったが、自分が壁にぶち当たっていた農業技術の基礎から応用までを、自宅に居ながらにして学ぶことができ、両講座とも修了証をもらうことができた。オープンエデュケーションから受ける恩恵は計り知れないと実感している。
 また、教材も動画を用いているのでわかりやすく、すぐに実践できる内容であった。さらに、掲示板を使い、受講者同士間でどのような工夫をしているのかや、わからない点についての質疑応答をすることによって、より理解も深まり、着実なスキルアップにつながった。
 坂本さんは、これらの講座でスキルアップして課題を解決できたことにより、これから自信を持って現在の経営を続け、近い将来は面積も増やして経営を拡大していくことができそうだと感じている。

 城島茂子さん(44歳)は、都内在住の専業主婦である。ようやく子育てから開放されたため、以前から希望していた通信制大学に入学し「学士」を取得しようと考えていた。しかし、茂子さんの希望する大学は知名度もあり、卒業率が日本一低いことでも知られている。そのため、高卒で、しかも専業主婦として長年社会から離れていた茂子さんは、自分が大学の講義に付いていけるかどうか不安を感じていた。そんな折、茂子さんはインターネットでJMOOC公認サイト「gacco」の存在を知る。無料で誰でも学べることや、有名大学の講師陣の名前がズラリと並んでいたことから、これらの講義を理解できれば、通信制大学の勉強にもついて行けるかもしれない、と茂子さんは考えた。それに、gaccoで「修了証」を取得できれば、通信制大学入学に渋い顔をしている夫の達也も説得できるかもしれない。茂子さんは早速いくつかの講義を登録し、一つ一つ丁寧に受講し、修了証を積み重ねていった。また、茂子さんは近くで開催されたミートアップにも積極的に参加し、同じ志を持つ専業主婦の仲間、松岡昌子さんにも出会うことができた。gaccoを始めた頃は、漠然と「学士」を取りたいとしか考えていなかった茂子さんだが、様々な講義を受講するうちに、自分が何を学びたいのか、興味の持てる分野が具体的に見えるようになっていた。茂子さんは、「ga001 日本中世の自由と平等」で学んだ「日本の歴史学」の楽しさから、ミートアップで知り合った昌子さんと一緒に、通信制大学の文学部に入学して歴史学を学ぶことになった。茂子さんは今、初めての女子大生ライフを満喫しながらgaccoでの学習も継続している。そして、学ぶことの楽しさを、同じ高卒の友達、国分太子さんや長瀬智子さんにも伝えようと考えているところである。

比嘉薫子さん(30歳)は入社8年目、中堅損害保険会社の経営企画部に在籍している。過去に会社の中期経営計画策定のプロジェクトにかかわった際、先輩たちに比べて自分の戦略立案の知識不足を痛切に感じ、書籍により自宅で学習を行っていたが思うように手ごたえを感じられずにいた。

経営(マネジメント)に関する用語をインターネットを使って調べていた際、gaccoが提供するマネジメントに関する講座を発見し、受講を決めた。その講座を受講する中で「成果を出すビジネスパーソンが知っておくべき思考法」や「ビジネスフレームワーク」等を学び、今足りない能力や今後必要な能力を明確することができた。あわせて比嘉さんは反転授業にも参加。講師や同じようにマネジメントに興味を持つ参加者と活発な議論を行い、終了後には連絡先を交換することで受講後も交流を続けた。

講習終了後しばらくして会社の公募型研修の中にアメリカのビジネススクールへのMBA取得プログラムがあることを比嘉さんは発見した。応募基準には①「TOEIC900点以上であること」と②「MBA取得することに対する意欲を述べる論文の提出」であった。比嘉さんは語学については大学時代に1年間カナダ留学した経験と就職後もビジネス英会話に通っていたこともあり基準を満たしていた。比嘉さんはもう一つの課題、論文作成の際にgaccoのマネジメント講座および反転講座の修了経験および他の修了生との研鑚状況をアピールした。

結果として比嘉さんはMBA研修への公募に合格し現在アメリカのビジネススクールにてマネジメントを学んでいる。MBA取得後は経営企画室に戻って次回の中期計画策定の際に生かすつもりだ。

大志大(たいし・だい)は10年前に大学を卒業し、ソフトウエア開発技術者として働く、中堅のサラリーマン
である。大志は、向上心が高く、独学でC言語を、ソフトウエア設計に携わっていたが、あるとき、上司からLinux系の
システム開発の担当に変わるように内示を受けた。
  Linuxに関する知識が全くなかった彼は、eDXで Introduction to Linuxの講座に登録し、挑戦を開始した。
開始に当たり、完全Freeではなく、有償のVerified Certificate of Achievement での登録を行った。
有償登録することでモチベーションを保つことができ、ディスカッションフォーラムにも積極的に
参加し、講義内容の深化に勤め、Chapter1~18を1ケ月で終了することができた。
この参加によりLinuxの基礎を短期間で学ぶことができ、Linuxの開発者としてスタートを
切ることができた。次は、Web系のアプリケーション開発者を目指し、受講講座を選定中である。

芦沢大助さん(45歳)は広島の半導体製造会社で研究開発部門に勤めている。携帯電話用汎用メモリーを開発してきたが、現在は高放射線環境下で使用するメモリーの研究開発の指揮をとっている。

日頃から核の平和利用に関心が有り、Coursera のMOOC で、ピッツバーグ大学の Larry Foulke 博士の "A Look at Nuclear Science and Technology" を受講し原子力工学の概論を学んでいる。

福島第一原子力発電所で使われるロボット用にサンプルを提供していることもあり、過酷な環境下で使用されるメモリーの挙動を把握するため、センサーとプロセッサを組み込んだデバイスに搭載して開発を進めている。

研究開発のヒントを求め、JMOOCのgaccoプロジェクトで提供された慶應義塾大学 村井 純 教授による「インターネット」を受講した。講義ではネットワーク機能をデバイスに組み込む最新技術が紹介されていたが、ネットワークを開発デバイスに組み込む環境デバイスの開発に思い至った。

会社の経営環境は厳しく、経済産業省が産業活力再生法を適用して生き残りを図っているが、メモリー開発・製造一辺倒の経営方針に疑問を感じていた。

MOOC では他の受講者とのディスカッションを通して、環境デバイスの開発は、低迷する中の国内の半導体産業を活性化する起爆剤となり、原発再稼働に対する地域住民の不安を払しょくするイノベーションと成り得ると確信した。

芦沢さんは、映画監督オリバー・ストーン氏の広島訪問講演を機に、Coursera で、東京大学の藤原帰一教授による "Conditions of War and Peace" を受講していたが、ミートアップで政府与党大物政治家の秘書と面識を得ていた。今後は、現政権の政務秘書官に環境デバイスの重要性を提言したいと考えている。

山本太郎さんの長男・一郎くんは、中学に進学してから数学がよくわからないと言います。もともと小学校の時、算数は嫌いではなかったはずなので、一緒に勉強をすればきっと大丈夫だと思った太郎さんは、友人からその存在を聞いていたKhan Academyを活用してみようと思いたちました。ところが、YouTubeを検索してみると、当たり前ですが、ビデオ教材が英語で作成されていることに気づきます。日本語翻訳ボランティアを募っているようなのですが、太郎さんにはボランティアにエントリーするだけの勇気も、英語力やコンピュータ操作についての自信もありません。
とはいえ、いくつかのビデオはすでに日本語吹き替えがなされていましたので、手始めに「入門の代数」の中のいくつかの講義を、一郎くんと一緒に見てみることにしました。説明は日本語で行われ、画面に書かれる英語の文字も日本語に置き換わります。比較的短いビデオで、しかも説明もわかりやすく、一郎くんはそのパソコン上に展開される講義にとても興味を示しました。隣で太郎さんが一緒に見ていることも功を奏してか、継続的にビデオを見ることになりました。何本かのビデオを見るうちに、太郎さんに質問-あるいはビデオの内容に関連した会話-をするようにもなり、ふと気がつけば、Khan Academyでの勉強を進めながら、学校の宿題にも積極的に取り組み、宿題についてもわからないところがあれば太郎さんに質問をするようになってきました。
こうして、山本家の当面の壁は越えることができましたが、太郎さんの気がかりは、Khan Academyにはまだ日本語に翻訳されているビデオが非常に少ないことでした。そこで、一郎くんの更なる勉強のためにも、そして一郎くんのような他の子供たちのためにも、今後は太郎さんが翻訳にエントリーして、一つの挑戦をしようかと思っています。

井上海斗君は大学卒業後IT企業に就職して3年目。そろそろ仕事にも慣れてきたところだ。井上海斗君はこれまでPC用ソフトウェア開発プロジェクトに参加していたが、最近、スマートフォン用プログラム開発プロジェクトに参加することになった。そこでAndroidについて学ぼうと思った。書籍での独学や社外講座を受けることも考えたが、参加のし易さとミートアップへの期待から、Courseraの「Programming Mobile Applications for Android Handheld Systems」を受講することにした。このコースは、基本的なプログラミング手法、ソフトウェア・アーキテクチャ、ハンドヘルド・コンピュータにおけるユーザインタフェース、ソフトウェア開発環境などAndroid上でプログラムを開発するのに必要な知識を網羅している。このコースを受講することにより井上海斗君はスマートフォンおよびスマートフォン用プログラム開発についての基本的な知識を得ることが出来、今後プロジェクトで仕事をしていくことについての自信を持つことも出来た。ミートアップを通じて色々な国々の色々な年齢層の人と話しをした。それまで井上海斗君が話をしたことの無いような人々と話をすることによって、これまでとは違った物の見方が出来るようになった。また海外にも友人が出来た。おかげで今までと違った視点で仕事に取り組むことができるようになった。また、このコースは「the Signature Track」であり、このコースを修了することにより「the Verified Certificate」を入手できた。井上海斗君の勤める会社では、最近オープン・エデュケーションの利用を積極的に進めており、彼の入手した「the Verified Certificate」は社内での彼の評価を向上させるものとなった。井上海斗君はさらに知識を広げるために関連講座である「Pattern-Oriented Software Architectures: Programming Mobile Services for Android Handheld Systems」、「Programming Cloud Services for Android Handheld Systems」も受講しようと思っている。

 山形県立A高校3年生の斎藤一郎さんは大学受験をあきらめかけていた。予備校に通いたいが、それには二つの壁があった。ひとつはお金の余裕がないことだ。2年前に父が病死し、一家の収入は派遣社員である母の給料だけだった。もうひとつは距離の遠さだ。予備校のある山形市までは、バスと電車を乗り継いで1時間半もかかる。
 家計の苦しさを考えると私立大学は無理で、国公立大学しか受験できない。将来の夢は弁護士。「もし受験できるなら、東北大法学部を受けたい」と考えていたが、東北大法学部は入試に数学がある。高校の授業はまじめに受けていたが、数学だけは苦手でなかなか成績が上がらなかった。
 悩んでいたところ、「マナビー」(manavee)という無料の大学受験応援サイトがあることを新聞記事で知った。サイトを見てみると各教科ともいろいろな単元の授業動画がアップされている。講師は大学生が多く、自分と年齢が近くて親しみが持てた。数学の中でも特に苦手な三角関数などの授業を集中的に選択した。わからないことがあればコメント欄で先生に質問できるため、わかるようになってきた。他の生徒の質問を読むと、自分と同じところでつまずいている子がいるとわかり、一緒に困難を乗り越える仲間ができたような気持ちになって、励まされた。
 無料でここまで学べるなんて。うれしくなった斎藤さんは、自分と同じように家が裕福でない級友や、部活動の忙しさや距離の遠さから塾通いをためらっている後輩にもマナビーを紹介した。A高校ではマナビーがちょっとしたブームになった。
 翌春、斎藤さんは東北大法学部に合格した。オープンエデュケーションが都会と地方の地理的な格差、家庭の経済力の格差の克服に役立つことを実感した斎藤さんは「今度は自分が同じ境遇の子の役に立ちたい」と考え、マナビーのボランティア講師になった。講座名は「どんなに苦手な子もぜったい分かる数学」だ。

 ある住宅設備機器会社で働く入社5年目の伊藤はるな(28歳)は、商品販売促進の展示会を担当しており、マネジメントは非常に重要だと日々実感していた。先日、国内の大学でMBAを取得するというという社内募集があったので応募してみた。この機会に、真剣に学びたいと思ったからだ。国内留学ではあるが、授業は全て英語で行われるので、高い英語能力が必要となる。選考に当たって、TOEFLのテストを受ける必要があったが、かなり難しく合格には至らなかった。

 ある日、新聞でGACCOというWEB無料大学講座を知った。日本語で受けられるので、自分に合ってるかもしれないと思った。 以前、ある大学の通信教育を受けたが、何回かは学校に通わなければならなかったので、時間も費用もかかった。 GACCOは大学の正式な単位ではないが、基準に達すれば学校に行かなくとも修了証を得られた。反転授業という対面式授業もあるが、参加せずとも修了証は得られる仕組みである。休日であれば参加も可能であった。「経営入門」があり、講師も実践的なMBAプログラムを提供する専門職大学院の講師であった。シラバスを見ると今の自分に必要な要素がかなりあったので、休日等を利用して経営の勉強を始めた。講師の実践的な授業はとても参考になった。確認テストもありレポートを提出しなければならないのでとても大変だったが、修了証も得られ達成感があった。

 特にディスカッションにおいて、実践的で説得力のある意見を聞く事ができた。この講座のおかげでマネジメントの基本を学ぶことができ自信がでてきたので、以前よりも上司とのコミュニケーションがスムーズになった。また、自分なりにクリティカル・シンキングをして新商品の提案もするようになった。同僚達も以前と違って積極的な行動に驚いているようだ。GACCOには今後も大いに役に立ちそうな講座があるので、続けて受講しようと思っている。

佐藤学さんは、高知県に住む公立高校の2年生で、母と妹の三人で市外の公営住宅に暮らしている。学さんは、インターネットなどを活用したIT関係の仕事に非常に興味があり、高校卒業後は、大阪か京都の大学でITの最先端の知識を学びたいと思っている。
日々の高校の授業はしっかり受けているものの、大学受験に当たっては、大学受験に必要な学力、ノウハウを知っておきたいと考えており、塾や予備校に自分も行ってみたいとも思っていた。しかし、学さんの家庭には経済的な余裕がなく、また、住まいが郊外にあることもあり、塾に通うことが難しかった。
そこで学さんは、大学進学を勧めてくれた高校の先生の紹介もあり、インターネットサイト「manavee」で、大学受験のための講座を学ぶことにした。
manaveeでは、大学生を中心とした講師達の、9000近い無料の受験講座が公開されていた。用意されている教科も、国語、数学、英語等基本的な教科は網羅されており、中には、「何々大学国語」といった個別の大学の受験生向け講座もあり、高校の授業だけでは知ることができない、大学受験の傾向等を、学さんは知ることができた。
講座選びも、「教科」で探すだけでなく、「生物基礎センター試験9割確保コース」といったコースで選ぶことも出来たし、「真面目な先生」、「板書のきれいな先生」といった先生ごとに講座を選ぶこともでき、楽しんで選ぶことが出来た。視聴した講座に対しては、自分で理解できたと思えば「完了」した旨の記録を残すこともでき、自分がどこまで受講が進んでいるのか把握しやすかった。
また、manaveeでは、講師や受講生に対し理解できなかった部分などを質問することができ、さほど時間を置かず回答を得られたので、分からなかったことをそのままにするようなことがなかった。
学さんは、大学に合格したら自分もmanaveeで講師をし、高校生の手助けを出来ればと考えるようになるとともに、自分のような経済的・地理的制約のある環境で大学受験を目指す高校生の、手助けができるようなIT技術の開発を出来ればと、大学での明確な目標も持つようになった。

T市に住む北野聡は、今年2024年に小学校を卒業する。聡は、小学校入学と同時に、カナダのジョージ・シーメンス教授の推奨したcMOOCを日本でも実験的に行う目的で T大学とT市が始めた、TcMOOCのサービスを受けて楽しい小学生活をおくった。このサービスの良さは何か決まった知識を学ぶというよりは協同的に知識を作っていく学習が行われることである。いくつかコースがある中で聡は「水と空のコース」にした。これは入学前の児童のエピソードを保護者が書かされ、聡が3歳の時からプールが好きで、水が好きで風呂の水も公園の噴水の水もペロッと飲んだことや、昼間の月とか、影法師に興味を示したことを書いたらこのコースを勧められたのだ。低学年ではきれいな画像を見たり、クラスの皆と町の防災マップを作ったりしてパソコンに慣れていった。高学年になると、毎年いろいろなテーマで全国の人とつながり学習していった。テーマは例えば、「湧水、水源地の研究」「冠水とゲリラ豪雨とその地域の歴史」「全国の××おろしといわれる風の実態と稲作との関係」とか、教室でアドバイスを受けながら、いろいろな人とつながり勉強していった。6年間もちろんコース変更はできたが一つのテーマで学べたのは楽しかった。

中学になるとTcMOOCのサービスは受けられなくなるが(もちろん公開されているので今年のテーマをのぞいたりして交流は可能だ)、これからは、10年間の歴史のあるgaccoで、気象予報士になるための講座や、防災関係の講座をとってみたい。MITのOCRやUdacityやcouseraで英語で授業を受けさらに世界を広げていきたい。日常英語は小学校でDVDなどでマスターしたが、専門用語がいっぱいある講座についていけるかは心配である。
将来は小学校の時にTcMOOCで知り合った日本海のイカ釣り漁師の山本慎一さんの弟子になりたいと思っている。そのため海洋学も船の構造も、イカの生態も、水産業のマネージメントも学ばなければならないが、TcMOOCで体験した勉強の仕方が役に立つと思っている。

 福沢洋さん(72歳)は長年非鉄金属会社に勤務してきた。退職後の第二の人生に日本語教師の仕事を選び、日本語教師養成講座を終了後、日本語教育機関に所属した。現在、週に三回程度ビジネスパースンを対象に日本語の指導を行っている。指導にあたり日本の文化や社会をトッピクスにすることが多い。
 福沢さんは、今春、NHKの朝のニュースでたまたまGACCOのことを知った。このようなオープンエデュケーションがあることを全く知らなかったので、早速インターネットで検索しGACCOの内容を調べた。「日本の中世の自由と平等」、「インターネット」、「国際安全保障論」等、日本語指導を行っていくうえでバックアップ知識として有効な講座が並んでいるのを目にした。福沢さんはGACCOの「日本の中世の自由と平等」の受講申し込みを行い、学習を開始した。
 福沢さんにとって特に役にたったのはGACCOの村井純教授による「インターネット」であった。それまで福沢さんは所属している組織との連絡や定例書類の提出等にインターネットを活用していたし、各種アプリやオンラインニュース等をダウンロードして教材に活用していた。しかし、福沢さんはインターネットの用語、仕組みや意義を正確に理解できていなかった。よって、村井純教授の「インターネット」の講義は福沢さんにとってハードルが少し高かった。しかし、あまり理解できなかった項目については掲示板に質問したり、他の受講者と積極的にディスカッションすることによって学びを深め、また、同じような高齢者の受講者もいることもわかり仲間意識が芽生えたりしたようだ。福沢さんはインターネットの基礎となる知識を整理された形で習得したことにより、インターネットについて認識を新たにする共に視野を大きく広げた。タブレットを教具として活用する新たな試みにチャレンジし、インターネットで得た情報を活用した教材作りに積極的に取り組み始め、学習者からも好評を得て、日本語指導をより効率的に行えるようになったようだ。
 高齢であるが好奇心の旺盛な福沢さんは、GACCOを単に日本語指導を行っていくためのバックアップ知識として活用していくだけでなく、自宅で好きな時間に手軽にできる生涯学習の一つの手段として捉えており、これから益々充実していきそうなGACCOの色々な講座を受講するのを楽しみにしているようだ。2

山口務君は、北海道の地方に住む高校2年生だ。家は建設業を営んでおり、将来は自分が父の跡を継ぐと決めていた。卒業後は道内の国立大学に進学して建築を学びたいと考えている。しかし、地方に住んでいるため予備校や塾は近くになく、また家計に影響のない範囲で勉強したいと考えていた。参考書はネットで購入し、わからない部分については学校の先生に聞いて少しずつ受験に向け勉強していた。そんな時、テレビでmanaveeという無料で受験に対応した動画で学べる学習環境があることを知った。早速、manaveeに登録して、数学と物理の講義を中心に学んでみた。好きな時間に動画で学べること、小テストを自分で作成したりすることで、ただ問題を解くより違う角度で問題をとらえることができたり、何よりわからないところを質問できる点や、一緒に頑張っている仲間が全国にいることが一人で受験勉強をしていた自分の力になった。山口君は授業でお気に入りの先生の通う大学のオープンキャンパスにも参加、ますます受験勉強に意欲がわいてきた。

高橋は30才、中堅電機メーカのエンジニアであり製造工程で発生する歩留まり(不良率)を管理する担当をしている。
新しい装置の開発にあたり発生するであろう不良率を予測分析するシステムを手掛けることになった。
そこで統計論や確率論の本を購入し勉強を始めた。
ところが、本を読むだけでは難しく、中々思うように進まない、そこでWEBを検索したところ筑波大学オープンコースウェア(TSUKUBA OCW)を探し出した。
講座の中に「確率論」がありその講座をビデオ受講することにした。
その結果、本だけでは学べないものを修得できプロジェクトも完了することが出来た。

その後、高橋は製造する装置の種類に関係なく簡単なパラメータの変更のみで流用できるシステムが開発出来ないかと考え始めた。
駄目を承知で筑波大学の教授に面会を申し入れたところ快諾いただき、数日後大学を訪問し教授と面会、「確率論」が自分の仕事に如何に有益であったかを語った。
また、新システムの概念を説明したところ、工学部の教授も加わり共同で開発することになった。
そのことを上司に相談したところ、大学が協力してくれるのならと少額ではあるが予算も付くことに事になったのである
開発はメールを主としたコミュニケーションで進み、何度かの試作を繰り返して実用レベルのシステムを完成させることが出来た。

予測分析システムを企画書にまとめ提出したところ役員の目に留り社内起業の候補になることが出来た。
そのことを教授に連絡したところ喜んでくれ、更なる協力を約束してくれた。
今回、システムの開発を通して大学とのパイプを作ることができた、導入部分ではWEBを利用し、現実世界でも大学と連携できたことは今後の自分の人生に大きな利益となったと考えている。
半年後、企画が通り、高橋は提案したシステム会社の社長になることが決まった、当分は高橋一人の小さな会社ではあるが新しい人生が始るのである。

藤原一美さん(38歳)は、総合商社の本社人事部で主に人材育成に関わっている。本社が支店の新人マネジャーを集めて行う2泊3日の「新人マネジャー研修」の企画・運営を行うことになった。現在の課題は、講師からの講義を聞くことが中心で受身の学びであること、わざわざ時間をとって各地のマネジャーが集まってもその後の交流につながっていないことである。そこで、今年度はCourseraのMOOC「リーダーシップ論」について、各自のパソコンなどを利用して(BYOD)事前に受講しておき、研修で集まった際には、MOOCで学んだことを活かしながら、各支店の課題改善の為にリーダーに必要なことついて参加型ワークショプでお互いに学びあう形式とした。
藤原さん自身もMOOCを受講し、リーダーシップの概念を体系的に学び、最新のリーダーシップ論とその成功事例を豊富に学ぶことができた。各国からの参加者による活発なディスカッションから自分にはなかった視点を得て、たいへん刺激を受けた。
また、社内で研修参加者用掲示板を開設し、励まし合ってMOOC受講を継続し、互いに質問するなど研修で会う前から交流できる場を用意した。
研修当日には、掲示板のお蔭もあり、対面しての話もはじめからスムーズに進んだ。ワークショップでは、お互いに自店での課題を解決する為にリーダーとして、マネジャーとして何が大切か・どう行動すればよいかなど、多様な意見交換を行い、主体的に取り組みそれぞれに気づきを得たようだ。
この研修での一致団結から交流が深まり、その後も掲示板を継続利用して、本社・各支店のマネジャーは、随時相談しあったり、新しいMOOC講座を学んでいる。
翌年以降は、藤原さんを中心に新人マネジャー研修以外の人材育成研修にも積極的に「MOOC+反転授業形式の研修(ワークショップ)」で行い、工夫を重ねながら主体的に学び、行動できる人材を育成し続けている。

佐藤武さんは定年退職後、退屈な日々を過ごしていた。佐藤さんは元々登山が趣味であったが病気をして以降はそれまでのようには楽しむことが出来なくなり、周囲が心配するほど引きこもってしまっていた。
そんなある日、佐藤さんは知人からgaccoの受講を勧められた。子供のころからころから歴史が好きだったため、本郷和人先生の「日本中世の自由と平等」を受講した。中世における「自由」・「平等」・「平和」について学び、考察することにより今日につながる日本の文化の基礎を知ることが出来るものであった。
受講を始めて佐藤さんが驚いたのは、ディスカッションをしている人の知識の広さだった。只講義の感想を書くだけではなく、時には講義以上に問題を深く掘り下げて考察をし、本郷先生と反対の意見を述べる等自らの頭で考えて受講している人が多くいたからだ。
それらの意見に触発され、佐藤さんも書き込んでみるとコメントが返ってきた。ネット上の講義を画面の前で共に受けている見知らぬ「同級生」からコメントが返ってくるのは不思議であったが、講義へ取り組む姿勢がより真剣になった。
4週間の後、レポートを提出した佐藤さんは無事講義を修了した。100点満点とはいかなかったが、久しぶりにとても充実した時間を過ごすことが出来た。
後になってわかったことだが、この講義の修了者は全体の18%、受講者の平均年齢は46歳であった。この結果を知った佐藤さんは、全体の2割の修了者に残ったことと、平均年齢より一回り以上年長のである自分が無事講義を修了したことで自信をつけることが出来た。
この講義は通常のコースを選択したが、次からは反転授業コースを受講すると意気揚々と語っている。心配していた周囲の人々も胸をなでおろした。俳句の授業等新しい趣味を開拓できそうなものにも挑戦するつもりだ。そこからまた新しく始まる交流もあるだろう。何も新しいサービスは若者のためだけにあるわけではないのだ。


技術系中小企業の国内サポート部門で働く西田一平(43歳)は,社内で本格的な国際化への検討が始まり,グローバル化対応への自己投資の必要性を感じている。
私立理系出身で,地理や世界政治に関心は薄く,高校までに習った東西冷戦時代の知識で,ソ連崩壊後に誕生した国やECの統合,中国などアジアの近況についての知識は少なかった。ケニアでは7割以上の人が携帯サービスのM-Pesaでモバイル送金しているという記事を読み,世界動向を知る必要を感じていた。
英文の技術文献を読む機会はあり,だいぶ前に海外赴任要件のTOEICの730点は超え,英語はそれなりに使っているが,海外長期滞在経験はなく,本格的に実務で使用することもなく,実践的に英語を使いたいとは思っている。
MOOCをTV番組で知り,最も利用者数が多いというCourseraを調べ,The Age of Sustainable Developmentというコースを見つけた。持続可能な社会の構築は重要な課題であると考え受講することにした。期間終了後で修了証は出ないが,自己のペースで気楽に受けることができた。動画途中にはクイズがあり,集中力が維持できた。また,動画は英文字幕を表示することができたので聞き慣れない専門用語等はその場で止め辞書やネットで調べることができた。発展途上国の状況が分かっただけでなく,大量の英語を処理し,英語をそのまま理解する練習もできたと思う。
次に,edXの講義を受けた。修了には,フォーラムへの書き込みが必要で,理論的に相手を説得する文章を書く機会になったと思う。
いくつかのコースを受講し終わって,世界の変化を理解し,実践的に英語を使えたと感じる。
社内でもいろいろと国際関係について話す機会も増え,次期の国際戦略の企画プロジェクトに参加することになった。今は,プロジェクトの参考になりそうなMOOCを探しているところである。

 秋田に住む吉田卓三さん(61歳)は、大手製造業の工場長として定年まで勤め上げた。しかし、仕事一筋で生きてきたため、第二の人生で何か新しいことに挑戦したいものの、何をどうしていいかわからず、なんとなく毎日を過ごしていた。奥さんもそんな卓三さんを心配しているようだ。
 そんな折、卓三さんは新聞でJMOOCというオンライン教育の記事を目にし、釘付けになった。インターネットに接続できれば、大学レベルの授業が、いつでもどこでも無料で受講できるというではないか。実は卓三さん、秋田の実家が大変貧しく、大学で日本の文化や伝統を体系的に学びたいという夢を諦め、高校を卒業して直ぐに就職した過去を持つ。製造業で働いていた時は、「大卒に負けてなるものか」という気概を持って頑張っていたが、大学で学んだ彼らを羨ましいと思っていたことも事実だった。
 「かつての夢を叶えるチャンスになる」と胸躍る卓三さん。さっそく、立命館大学がgaccoで開講している、「歴史都市京都の文化・景観・伝統工芸」を受講した。
 前半では、GISやCGなどの最先端の情報技術を活用しながら、1200年以上の歴史を有する京都の景観の変遷や、祇園祭を対象としたデジタル・ミュージアムを聴講した。そして後半では、考古学・民俗学研究の視点から、京都の伝統工芸の現状と歴史が紹介され、「京都イメージ」が如何に創られてきたのかを考察した。
 秋田という遠方にいながらデジタルミュージアムを鑑賞できる利便性、何度も繰り返して聴講できる反復性に感銘を受けた。さらに、他の受講者と電子掲示板で意見を交換し、新たな知見や視座を獲得できたことも学びを深めることにつながった。
 今では、毎月京都で開かれている「京都文化を語る会」に毎回出席し、秋田と京都の文化に関する自らの研究を披露し、充実した毎日を過ごしている。奥さんも、嬉しそうに卓三さんの背中を眺めている。

僕は、北海道の地方都市 旭川市に住む北野卓。現在高校2年。
半年前、将来の進路調査があった時、はたしてどういう道に進みたいのか?どの大学に進みたいのか?具体的な目標がない自分に気が付き悩んだ。
そんな時、担任の先生に「iTunes U」と「JMOOC」を紹介された。学校の情報の授業で、MITやMOOCについて学んではいたが、授業が英語で行われている事に敷居の高さを感じてアクセスする気にはなれなかった。
iTunes Uは日本の国立、私立大学のオープン授業もたくさんあった。iphoneやipodでも視聴出来てとても便利。地方都市のハンデもなく、各大学の公開授業、オープンキャンパスに参加している気がして、受験雑誌や大学案内ではわからない魅力や、その大学、教授がどんな研究をしているのかが、とてもよく分かった。
その中で興味を持った情報処理と国際関係、化学生物工学はJMOOCの中のgaccoで、講座を受講してみた。高校の授業とは違った専門性の高い内容にわくわくし、講師の先生も面白く、大学の授業のイメージが持てた。各単元の小テストやレポートはちょっと苦戦したが、ネットや図書館で調べるうちのますます興味が湧き、自分がどんな分野(学部)に進みたいのか実感できるようになった。反転学習も高校生の無料枠もあり、大学へ体験入学しているような気がした。
正直、2年に進級したときは文系?理系?も決めかねていたが、いくつか受講した講座の中で国際安全保障論が一番興味深かった。また、講師の早稲田大学の栗崎教授の数学的な分析や理論展開がとても面白かった。
そんなわけで僕は早稲田の政経を目指そうと思う。なんとも高い志望校を目標にすることになったが、明確な目標と大学でのイメージを持てた事で、受験勉強も乗り切れそうな気がする。

大野涼子さん(40歳)は子育てに一段落し、再就職先を探した。大学で英文学を専攻したので英語力を生かせるところを探したところ、「英語が得意な方優遇」と書いてある特許事務所の求職を目にし、とりあえず週に3日のパートから開始した。英語で電話を受けたりメールや手紙を書いたりすることが主な業務だと想像していたが、「特許事務」全般が仕事になった。事務所に飛び交うテクニカルタームの嵐、まるで外国に来たようだった。ある日所長から「IPDLで公開公報をとって」と指示され、先輩に手取り足取り教わりながらどうにか提出した。涼子さんは「こんなことではいけない」となんとか特許事務を勉強しようとしたが、専門学校に通う余裕はない。特許庁のホームページに大概の手続きが載っているらしいが、ちんぷんかんぷん。わかりやすそうなサイトを探していると工業所有権情報・研修館が提供する「IP・eラーニング」というサイトを見つけた。「IPDLの活用」はもちろん特許出願の方法やPCT出願(涼子さんにとっては外国語に聞こえていた)についても勉強できそうだ。入門者向けガイドもある。それに従って一つ一つ視聴していった。2回目に聴きたいときは1.5倍モードにする、復習するには資料をざっと読むなど、どんどん慣れて行った。すると職場での会話が日本語に聞こえてきたし、特許庁のホームページでの手続きガイドも少しずつ読めるようになって、仕事が楽しくなってきた。そうして一年がたち涼子さんはフルの正規職員になった。海外からの出願、海外への出願に伴うレターやメールを書いたり読んだりすることを少しだけあてにされるようになってきた。日本での手続きと少し異なる中国、アメリカ、ヨーロッパでの手続きの概要もIP・eで勉強した。基本が分かるようになると水が砂に染み込むように業務知識が身について行った。海外に初めて出願するクライアントへの説明も任されるようになってきた。涼子さんは「特許管理士」の資格を取ろうとひそかに夢を膨らませている。事務所からだけでなく、国内、海外のクライアントからも信頼されるスタッフになりたいからだ。

大阪太郎さんは大阪府在住の来年定年を迎える工場勤務の技術系会社員である。定年後は都会を離れ、畑仕事をしながら悠々自適に暮らしたいと考えているが、これまで会社の仕事に注力しすぎて、これと言った趣味もなく、退職後の時間の使い方に不安を感じている。そのため、今後のことを考え、趣味や見識を広げていくことを常日頃考えているところであった。折しもインターネット花盛りの中、「オープンエデュケーション」という言葉を耳にする機会を得た。いろいろと調べていると、JMOOCが公認し、今年から本格的に講座が始まるgaccoやOpenLearning Japanといったプラットホームを見つけた。これは日本版MOOCと言われ、日本語での講義、もしくは日本語の字幕が付くので、英語の苦手な人でも受講しやすいという利点を有している。また、インターネットを活用した講義であるため、定年後に都会を離れたいと考えていた大阪さんにとって、定年後も継続的に受講を検討することができ、通学等に要する費用負担も少なく、非常に適したものであった。大阪さんは、まず開講される講座の中から歴史や政治に関するgaccoの講座を受講した。このような社会学的分野は、技術系一筋で働いてきた大阪さんにとって、全く新しい分野ではあったものの、インターネット上でのディスカッションで不明な点や自分の考え方を提言し、活発に議論することで見識を深めることができた。また、東京で開催された反転学習にも参加した。受講者は老若男女様々であり、直接議論することにより、より多角的に、創造的に考え方を深め、視野を広げ、また、新たな友人も作ることができたことに満足している。今後は、開講が予定されている講座の中から、文学や海外文化に関する講座を受講し、さらに新たな見識を深め、また、反転学習にも積極的に参加し、定年後に向けて新たな交流を深めていきたいと考えている。

とても貧しい村にアキアという女の子がいた。お父さんは出稼ぎに行っているので家にはほとんどいなかった。お母さんは身体が弱く病気がちだったが村には医者がいないので病気はなかなか治らなかった。アキアは、お母さんのために医者になりたいと思っていた。しかし家にはお金がないので本も買うことができなかった。でもアキアは、学校にある本を毎日読んで勉強した。ある日、NPO法人から学校にコンピュータが寄付された。そしてコンピュータの使い方を教えに大学生がボランティアにやって来た。アキアはすぐにコンピュータの使い方を覚え、インターネットを使い自分の知らない世界を知ることができた。アキアは大学に行って勉強する夢がどんどん膨らんでいった。しかしアキアの今の学力では、とても大学には行ける状況ではなかった。そこでボランティアに来ていた大学生に相談したところインターネット上にあるカーン・アカデミーで勉強出来ることを教えてもらった。カーン・アカデミー は、数学、科学、歴史など多くの科目が動画で配信され、そのうえ学習者同士で教え合える事もできアキアは一緒に勉強する仲間が沢山出来た。そしてアキアは大学で勉強する為に必要な基礎学力を身につけていった。アキアにとって医者になる道が少しずつ開けていくのを感じる事ができた。

ある電機会社に勤めている、新田佳代乃さんは、大学卒業後すぐに設計部門に配属された。しかし、実際、設計に求められる知識は幅広く、専門であった機械工学の知識だけではとても製品全体を設計することなどとても無理だと痛感させられた。先輩方に聞くと、社内教育や講習会で新しい知識を補っているという話しであった。開発している製品は、ソフトウェアを外注し自分の設計しているハードウェアを動かしている。しかし、開発中にソフトウェアを変更したいことが度々おき、外注先との仕様の打合せに多くの時間や費用が発生して納期対応や予算のやり繰りで大変苦労していた。そこで、自分でプログラミングができればと考え、図書館で専門書を読んでみたところ、基礎的な知識がないため、なかなか習得をできなかった。そうこうしていたとろ、WebでMOOC の存在を知り、プログラミングの講座を探したところ、edxでプログラミングを学べるコースを見つけ、早速申し込んだ。約4ヶ月にわたりビデオでの講義や出題されるクイズや課題をこなし一通りの知識を習得することができた。そこで、会社に自分で作成したプログラムを示したところ、それが認められ、今までプログラミングを外注していたものを自分に任されることになり、プログラムを自分でできたことで、開発がスムーズに行うことができた。また、その分の外注費を削減することができた。

 大田博さん(28歳)は家が裕福でなかったこともあり、大学に進学はせず、地方の商業高校を卒業してから大阪のメーカーの経理部に勤めて10年になる。最近、同年代の大学卒の人たちが主任や係長になっているが、周囲を見ると高卒の人たちの昇進は遅く35歳くらいになってからで、その後の昇格も難しいようだ。会社の生産拠点がグローバルに展開していることもあり、英語の勉強だけはしていたものの将来が少し不安になった。そこで、ステップアップを図るため、大学卒の資格を得るべく、国内の慶応や法政大学通信部なども調べたが、スクーリング対応が難しかった。そこで通う必要がなく、自分のペースで学べ、オンラインで大学卒資格が得られるウェスタン・ガバナーズ・ユニバーシティ(WGU)のビジネスコースで、ビジネス管理を学ぶことにした。
 受講中は、英語がなかなか理解できないところがあったり、仕事が忙しいときには、受講できないこともあって、何度も放棄しようと思ったりもしたが、WGUで一緒に学ぶ仲間たちの励ましあいやチューターがネット経由で、親切にアドバイスをしてくれたりしたこともあってなんとか継続し、学位も5年はかかったが取得することができた。
 受講前には、ただ膨大な経理の数値を扱うだけで、その数字の意味などもわからないところもあったりして、単なる集計屋さんのように感じていたこともあったが、WGUの受講を機に、そうした経営数値の持つ意味なども理解することができるようになり、事業課題の指摘なども積極的に行うようになった。
 仕事をしながら受講し、学位を取得した努力は会社も認め、また英語力も大幅に高まったこともあり、課長への昇格は大学卒と変わらないところまでなった。さらに、受講によって世界中に一緒に学んだ仲間ができ、グローバルに会社が事業を進める上で、そうした仲間たちとの情報交換なども時には非常に有益で、大田さんは将来を嘱望される人材となった。

 定年退職して10年が経過した長野太郎さん(70歳)は、東京のコンピュータ企業でエンジニアとして活躍していたが、定年後は、その経験を活かしてシニアの方たちのパソコン操作の支援をしていた。最初は、WindowsXPであったが、その後、Windows Vista、Windows7、Windows8/8.1と次々とOSが変わり、特に、インターネットが、在職中の10年前とは大きく様変わりし、何とか、もう一度、全体像をしっかりと把握したいと思っていた。
 ただ、年金生活であることと、持病などのこともあって、通学するような教育を受講することはできなかった。そんなとき、MOOCの講座であるgaccoが開講されたことを知り、コースを探していると、「インターネット」という講座が見つかったので、早速エントリした。MOOCは、自宅にいながら、自由に時間調整ができ、しかも無料で参加できるということだったので、年金生活の長野太郎さんにとっては、大変、ありがたい講座であった。
 インターネットの講座を学習する中で、インターネットの原理から、インターネットが社会に与える影響、セキュリティ問題、これからのインターネット前提社会のことなどを学ぶことが出来、シニアの方たちのサポートをする上で、大きな自信と知識を身につけることができた。講座の内容は、優しいものではなかったが、エンジニアだった経験から、キーワードには何とかついていけたことと、課題についても、インターネットの検索で不足している知識を補いながら解答することで、講座のタイトルであった「インターネット」の恩恵にも浴し、無事に課題をクリアし、修了証を手に入れることができた。
 この講座を受講する前までのサポートでは、インターネットに関するトラブルや相談は、プロの方にお願いしていたが、これからは、この知識を活かして、迅速にサポートしていけるという自信にもつながった。
 なお、この10年間、分からないことがあると、インターネットを検索することで、皆さんに教えて頂き、新たに知識を得ることができたので、インターネット自身、ひとつのMOOCではないかと実感している。

 高木まなぶ君は小学5年生。この春から、転入生として新しい学校で生活しています。まなぶ君の悩みは、学校の勉強がわからない事と、友達ができない事です。
 まなぶ君は闘病生活が長くて、学校の授業をあまり受けることができませんでした。そのため、今は勉強にも運動にも、ついていくことができません。まなぶ君の両親も、学校の先生も、とても忙しいため、悩みは自分で解決するしかありません。
 ある日、まなぶ君は、インターネットで、NHKの学校向け番組を無料で見ることのできる、「NHK for School 」というサービスを見つけました。そこで、まなぶ君は、好きな科目であった算数を、特に、3年生と4年生で教わる計算問題を勉強してみることにしました。
 「NHK for School 」には、ゲーム形式で計算問題を解いていく教材も公開されていました。まなぶ君は病気で外に出られない時は、よくゲームをして遊んでいたので、これは得意です。楽しみながら計算ゲームでたくさんの問題を解くことによって、まなぶ君は、算数のテストで多かった、計算のミスを減らすことができました。そして、夏休みが開けた、次のテストの時、まなぶ君は算数のテストで初めて100点を取ることができたのです。
 突然テストの点数が上がったまなぶ君に、クラスの子達は驚きました。何人かが、まなぶ君に話しかけます。「どうして良い点数がとれるようになったの?」
 まなぶ君は、パソコンを使った勉強のことを話しました。すると、一人の男の子がまなぶ君の話に興味を持ち、自分もやってみたいと言い出します。まなぶ君は、学校のパソコン室を借りて、その男の子に「NHK for School 」の使い方を教えました。
 今では、お昼休みになると、まなぶ君と男の子は、パソコン室に集まって、勉強のゲームで競ってみたり、おしゃべりを楽しんだりしています。そんなまなぶ君の次の目標は、社会の科目で100点をとることと、秋のマラソン大会で完走できるようになることです。

 大阪市に住む真守治彦さん(59歳)は科学が好きで、大学主催の科学系公開講座を何講座も受講をして来た。
 しかしながら、講座時間は一時間ほどで、前半は研究の歴史や目的等の基本の説明があり、後半は突然専門的な自分の研究過程や成果を発表し、最後に質疑応答がされるもので、感銘は受けるものの、何か違和感を感じ、何講座も受講する意味があるのだろうかと思っていた。
 そんな折、新聞でMOOCの記事を読み、インターネットで調べたところ、科学好きにとって沢山の学べる対象のある事がわかった。そして公開講座での違和感は、聴講することと自ら学ぶ事の違いではなかったのかと判別した。
 そこで英語のできない真守さんは東日本大震災後、特に必要なライフラインとなったインターネットについて学び、そのイノベーションの行方を知りたいとJMOOCの慶応義塾大学村井純教授の「インターネット」講座の受講を始めた。
 動画で最初にインターネットがどのように構成され世界を繋いでいるかの知識を学びました。 その際、資料を参考に動画を静止させたり再送したりしながら何度も教授頂ける有難さを感じました。
又、課題への取り組みでは、動画や参考資料に含まれていない内容をインターネットで調べたり掲示板に疑問点や質問を投稿したりして知識を習得しました。
2週目以後はその経験を展開し、最終週は医療や農業、報道など、あらゆる分野でインターネットを利用したまったく新しい方法が発展し、インターネットを前提とする社会が構成され、これからどんな展望があるのかを学びました。
 それは約1ケ月の間、自ら学び、課題に取り組み、デイスカッション(掲示板)に参加し、大学の公開講座では満足できなかった知識欲を満たしてくれました。
 それと同時にこの終了証を見ると定年となる来年からの「いきがい」が見つかった気がしました。 
 高校卒業後、大学に行く条件に恵まれなかった真守さんは「知」を得る憧れとこれからの「いきがい」を手に入れたのです。

Aさん(男性)は、化学企業に入社以来プラスチックに関する研究一筋で、多くの特許も取得したが、60歳の定年後も技術の仕事に携わりたいと考えた。 
そこで、56歳の時から2年間有料のオンライン講座で勉強し弁理士の資格を取得した。 しかし、就職予定の特許事務所から 「新しい分野に関する特許や海外の仕事も多いので専門領域を広げておいて下さい」 と云われた。 そこでまず Coursera 経由で Northwestern 大学の ”Law and the entrepreneur” を受講して海外の特許事情を学んだ。 さらに http://edmaps.co に Coursera, edX, Udacity 等の MOOC のリストが載っている事が判った。 「化学、工学」で検索し, 「医薬品化学」(edX), 「ナノテクノロジー」(Coursera)、「水処理入門」(edX) を受講し基礎知識を得た。
 質問を電子掲示板に載せると誰かが答えてくれるのには大変助かった。 弁理士の受験勉強でオンライン講義には慣れていたし、得意ではあったが会社の仕事では使う機会の少なかった英語の Brush up にもなった。 
ある特許を担当した場合、まず、その分野全体を広く把握しておくことが重要で、その意味でも MOOC の授業は適している。 また、特許出願は新しい分野に関してする物なので、まだ専門書が出ていない事が多く、時代の先端を行く MOOC は貴重な情報源である。 
Aさんは定年を迎えるまで忙しく業務をこなしていたが、休日に集中的に MOOC を受講する事で会社に迷惑を掛ける事無く、定年後の仕事の準備をする事が出来た。
今後、MOOC は加速度的に広まっていくと期待され、新しい分野の仕事を担当することになっても対応できる自信が付いた。Aさんは会社では狭い分野に携わる事しか出来なかったが、今後は自分にとっては未知の技術にも係わる事が出来第二の人生をエンジョイできる事を嬉しく思っている。

 中学校一年生の鈴木歴子は、歴史好きの女の子。昨年、小学校六年生の時に社会科の授業で学んだ歴史がとても気に入り、本を読んだり、テレビの歴史番組を視聴したりしていた。クラスでは友達から「ミニ歴女」と呼ばれる程だった。そんな彼女が中学校一年生になってすぐにgaccoで「日本中世の自由と平等」というコースが開設されることを知った。彼女の歴史についての知識は、通常の小学生よりは豊富にあったが、大学レベルの教育に付いていくことができるかという不安があった。迷いながらも自分の今の力を試してみたいと思い、チャレンジしてみることにした。中学生ということもあり、慌ただしい生活を送っていた。教材が小さな単位でまとめられており、短時間の学びを続けていくことでの学習も可能であることが彼女には助かった。
 実際に受講すると、それらは、それまで習ってきたものとは違い、大きく戸惑った。歴史は「年号や人物などを覚えること」と思っていた彼女は、分からないことを調べることや自分なりの考えをまとめることなどに苦労しながらもそれらを楽しいと感じることができた。その他「ディスカッション」を上手に利用し、理解を深めていった。小学校や中学校での授業とは違い、様々な意見を交えながら理解を深めていくこともとても新鮮だった。
 数週間後、基準のギリギリではあったが、無事にコースを修了することもできた。歴史に関して興味が増したことは勿論、大学教育への興味が増した。大学に行って学びたいと思うようになり、そのために現在の中学校での学びに対しても意欲が高まった。また、英語で行われているedXやCourseraなどの存在を知り、そういったものを受けることができるよう英語の学習への取り組みにも変化が起きた。彼女は、このコースを受講した後、自分が学び、進んでいく道が広がっていることが意識できるようになった。

海外の学校で日本語を教える井上五郎(50)さんは、学生から「日本のアニメや漫画」をもっと勉強したいといわれた。しかし自身はアニメや漫画に全く興味がないため、どのような授業を行えばよいか途方にくれていた。インターネットで資料を集めていた際JMOOCの存在を知り、その中の漫画・アニメ・ゲーム論という授業を見、自分自身も日本のゲームやアニメについて知ることができたが、学生にそのビデオ講義を翻訳して解説したところ、深い理解が得られたと喜ばれた。学生の中にはその講座のディスカッションに参加した者もいたようで、色々な議論で知識を深めることができたようだ。海外で日本文化を教える際には、一人では教えられる量や幅に限界があり、同じ先生が教えているとどうしても飽きがくるが、JMOOCの講座を受講し、ビデオをダウンロードしておけば、繰り返し授業でも使え、教えられる内容も広がり、教師の負担も減り、学生も色々な日本人の授業から学ぶことができ、喜ぶ。そして自身も講座から様々な知識を学ぶことができるのでこれからもJMOOCの授業を使いたいと考えている。が

道子さんは結婚以来専業主婦で家族を支えてきた35才。
ある日、ご主人が病気で長く入院することになり、彼女は働かなければならなくなった。事務職を希望する道子さんはタイピングのスキルを取得する必要があった。しかし、経済的に不安がありまた幼い子供のいる道子さんは学校に通うことは不可能だった。友人に相談すると自宅に居ながら空いた時間に勉強できるオープンエデュケーションの講座“タイピングウエブ”を教えてくれた。http://www.typingweb.com/tutor/courses/

子供の寝ている時間にこの講座を使って賢明に勉強した。タイピングの練習用画面には英語のストーリーが出て来て、それを見ながら早く確実にタイプする。高得点を得ると自分のアカウントにトロフィーが送られる仕組みになっていて、トロフィーがもらえるまで何度も何度も挑戦する。トロフィーの数が増えて行くにつれ、それが大きな励みとなり道子さんのタイピングの技能はさらに上達して行った。

全部の講座を無事終了し、自信を付けた道子さんは早速希望する保険会社の面接を受けた。面接官から渡された書類をてきぱきと間違いなく迅速にタイプして行った道子さんは無事採用にこぎつけた。タイピングウエブのお陰で自宅に居ながらにして高いスキルを身につけることができた道子さんはオープンエデュケーションの有難さを心から感じた。

入院中のご主人を支え仕事を軌道に乗せた道子さんは次に経営(マネジメント)入門講座を申し込んだ。彼女は結婚前からマネジメントに興味を持っていたがこれまで学ぶ機会はなかった。窮地に立たされたからこそ見つけたオンラインでの学び、テクノロジィーの凄さに感動した。タイプだけでなくマネジメントを学ぶことによって一層会社に貢献でき、なくてはならない社員になりたいと願っている。向学心に燃える道子さんは反転学習コースに参加して多くの仲間と交流の機会を持とうと考えている。

青山和彦(27歳)は、大学院で情報工学の修士を得て、国内の大手インターネットサービス会社でエンジニアとして働いて3年になる。英語への抵抗もなく趣味は海外旅行という男である。
会社での担当は、先輩から引き継いだ、Webサイトの最適化のためにデータ取集から分析、さらにアルゴリズムの開発などになる。最近は思うようにアイデアや成果が出せず、悶々としていたところ、UDACITYというオープンエデュケーションのサービスに、興味を持ちそうな無料講座があるという話を、サンフランシスコにいる友人からメールでもらった。
後日、自宅のパソコンからUDACITYサイトを見てみると、「Webサイトパフォーマンスの最適化とブラウザ」という実践的なタイトルのコースを、Google社の支援で開講していることを知った。さっそく、このコースにエントリーすると、仲間はすでに世界中に1万人いることに驚いた。講義はGoogle社のエンジニアとUDACITY担当者が、最適化に関してのコンセプトを中心に説明し、その後は実践的課題を与えるというものであった。
教材は、学習者側に、興味をもって調べたり、アイデアを出させることに配慮されたものであった。何度もビデオを見ることに加え課題レポートの提出までには、休日時間だけでは難しく、有料サービスであるチュータの支援を受けた。ここでのチャットのやりとりは、適切なアドバイスを得ることができ、同じコースの受講者とのやりとりもあって、最終課題レポートの提出と、コース修了証を手にするまでに至った。この頃には、会社での担当業務でも、新たなアイデアを出せるようになり、一時の行き詰まり感は消えていた。
3週間後、eメールがUDACITYから届いた。そこには、「Google日本支社が、自分にたいへん関心を持っているということ、一度気軽に遊びに来てみないか。」という内容が書かれていた。

田中勝文さん(67歳)は会社勤務を定年退職し、一息つく間もなく地域の要請で多忙な自治会の役員を二年務めました。やっと自分の時間を持てるようになりました。これからの毎日の過ごし方を考えました。頭と身体に適度な刺激を与えながらの生活を送るのが一番良いと思い、身体は毎日1時間程度の散歩と友人が誘ってくれた週一回の合唱でOK。頭は興味を感じることを少しずつ勉強して行くのが良いと思いました。偶然にもPCでJMOOCのGaccoを見つけました。
講座の内容も多岐に渡り、講師は一流大学の方々、講座の期間も一ヶ月間、一回当たり10分程度の講義時間、そして確認テスト、レポート、最終的に目標点数をクリアすれば修了書もいただける。数多い講座の中から好きな講座だけを受講することが出来る。それになによりも年金生活者にとって良いことは費用がかからないことです。
最初に受講したのが「日本中世史」今まで理解していた通り一遍の歴史からもう一歩も二歩も踏み込んだ講義でした。分からない単語や内容はインターネット等で調べたり、講義を聞きなおしたりしました。終わってしまえば短く感じましたが、その間選択式テスト、レポート、最終テスト等継続することの楽しさがありました。二つ目は「インターネット」の講義で、便利な機械としてのPCから一歩進んで、その成り立ち仕組みこれからの進化の方向が勉強できました。それより何より、これらの基礎にたってビッグデーターの講義受講へ心が向いたのは彼自身にとっても驚きであった。二つの講義が終わり修了書をいただけたのは彼にとって大きな達成感と喜びであった。これまでの人生で知らないことを勉強するのは正直大変ですが、知識欲というか世の中のいろんなことに興味を持ち続ける事は毎日の生活を送る上にも大切なことだと思います。彼はこれから受講する講義ではもう一歩踏み出して、一人だけでの受講ではなく多くの友人と議論を通じての交流が必要と考え反転授業へのデビューも考えています。

 佐藤錦(32歳)は、横浜市の中華街にほど近い住宅街に生まれ育ち、貿易会社を営んでいた父親の仕事の都合で小学校時代を上海で過ごした。そのお陰で中国語の日常会話はある程度話せたが、帰国後中学校、高校と日本の普通科へ通ったため、せっかく覚えた中国語は忘れてしまっていた。その後東京の私立大学の薬学部に進学し、大手薬局の薬剤師として勤務。漢方薬に興味を持った錦は、大学院に戻り、日本の漢方薬、中国の中薬(中国の漢方薬)を比較研究した。
 研究をより深いものとするため、中国語の勉強を始めた錦は、NHKラジオ、テレビの中国語放送、「放送大学」、「ゴガクル」で小学校のころ話していた感覚を取り戻し、より中国語のレベルを上げるため、中国語版MOOCサイトである「NET Ease」を利用して、中国の大学を始め世界の有名大学のMOOCを中国語や中国語字幕で視聴した。もともと小学生時代に中国語を話した素地があったため、めきめきと中国語の言語能力を上げた錦は、中国語の論文や文献が読めるようになったほか、中国政府系出版社が運営するMOOCサイトである「icourse」が開設している中薬や針灸のコースを受講した。専門性の高いこの分野で日本からインターネット上の勉強会やディスカッションにも参加した錦は、中薬研究を志す中国の参加者ともコンタクトをとるようになり、そこから得た情報から、中国の中薬研究で有名な大学に留学することを決意し、留学を果たす。
 中国の大学で博士課程を修了した数少ない日本人となった錦は、帰国後出身大学で教員となり、日本の学生に教える傍ら、「gacco」で「日本の漢方薬」に関するコースを開設した。このコースには中国語字幕もつけたため、日本人のみならず、中国からも大勢が視聴する人気講座となった。

中小企業に勤める渡海龍三さん(27歳)、会社では機械設計&生産技術部門一筋にきましたが、「このままで良いのか?、何か変革が欲しい」と思うようになり、 落ち着かない日々が続いた。何かが胸を揺さぶっている。
そうこうしているうちにインターネット上で 「コレだ!」と感じるものがあった。 それは 今の自分にぴったりのCourseraのMoocでした。新たに専門外分野の知識を身につければ、いつか何処かで役立つかなと思い受講を決めた。テーマは「エネルギー関係」の講座を選び受講、さらにその周辺知識も吸収しようと決意した。ここでは学習コミュニティを持っていて質疑応答も出来て補習に役立っています。英会話はぎこちないが、ついでに語学力もコミュニティの中で「さらにスキルアップ出来ていければ」と彼は前向きでした。後で気がついたのですが日本語字幕付き講義の配信も始まっているようです。
日本では、すでにエネルギー問題が発生していますがクリーンエネルギー分野の基礎を学び、夢としては子供の頃から興味があった「核融合」の世界を覗いて見たいと考えています。
会社の仕事を最重要課題とするのは当然ですが、専門外知識を幅広く身につける事により会社への貢献もいずれ出てくるのではないかと考えています。心も晴れ、厳しいけど楽しい日々を過ごしています。友人がこの事を知り社内でMooc同友会を作ろうと話題が持ち上がっています。
このところ会社の企業業績も一段と良くなり、いづれ海外に工場を進出する話も持ち上がっています。これを耳にした時、MOOCにて副次的に身に付くだろう語学力も大切にすれば、海外にて活躍出来る日が来るかも知れないと思い 胸がさらに熱くなりました。
彼はまだ独身で自由度があり Moocを活用し、この時期に幅広く体験するのも前途洋々たる若者にとって大変良い時期ではないでしょうか。

総合商社で働く山野進君は入社3年目、仕事は面白く、遣り甲斐を持って充実した日々を送っていた。最近、仕事と自分のスキルアップのために、経済のこと、金融のことをもっと
勉強したいと思っていた、できるならば専門的な英語で学べればいいのだがと思っていた。
今の仕事は楽しく、遣り甲斐もあったので、会社を辞めてとか、多くに時間をかけて学習を
することができずに半ばあきらめていた。そうした時に先輩からアメリカなどの大学の講義
を受けられるMOOCというものがあるということを聞き自分に合った受けたい講義がないかを調べているうちにCourseraのMOOK講座が目に付いた、Courseraの講義にはいろんな
専門コースがあり、そのコースにあわせ世界のいろんな大学の講義がうけられるという。
そのなかで、Economics&Financeコースで、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授の
講義が目に付き受講することにした。14週間という長い講習期間ではあったが、1つの動画時間が10~20分単位と分割されていて一日の生活の中での隙間時間を活用して学習ができるのも理想的であった。また講義のディスカッションフォーラムも充実していて、受講者は
各国から参加しており、いろんな価値観の違い、考え方の違いがあり、皆とディスカッションをするのは楽しかった。
無事、受講が終わり終了証をもらい、世界中の人と英語でディスカッションをし自分の考えを述べ表現できた、やりきったという自信が付き、社内でのミーティングでも自信を持って
発言できるようになった。また上司にMOOCのことを聞かれ、終了証を見せ講義のことを説明したが、非常に感心され、注目されるようになった。

 長野県に住む木村拓哉君は高校2年生です。星空の美しい長野に住んでいる彼は、子どもの頃から天体や宇宙について関心を持ち、家族で野辺山にある国立天文台に通ったりしていました。
 東京大学のOCW http://ocw.u-tokyo.ac.jp/ には高校生にオススメ FOR HIGH SCOOL http://ocw.u-tokyo.ac.jp/highschool サイトがあり、「物質はどのように創られたのか:素粒子と宇宙」小柴 昌俊先生の講義を聞くことができました。長野県の高校生が自宅に居ながら専門分野の教授の講義を聴くという素晴らしい体験をしています。このOCW(オープンコースウェア)は、正規講義のシラバスや教材、講義ビデオを無料で公開しています。(大学にとっては出版行為パブリケーションと位置づけられていて、単位の認定などはありません)高校2年生にとっては、大学の授業への具体的な入り口になり進路選択に役立っています。高校1年の夏休み、三鷹の国立天文台に行き、国立天文台ハワイ観測所から帰国間もない方の解説を受けて、マウナケア山の「すばる望遠鏡」や「TMT計画」に興味を持ちました。7月末、ハワイのマウナケア山頂に、口径30mの超大型望遠鏡を建設するTMT計画の現地建設開始決定のニュースがありました。このニュースで宇宙物理学への関心がさらにたかまっています。
 彼は進路選択を実現するために数学の通信添削だけでは厳しいことや受講科目を増やすと出費も増えてしまう。近くに進学塾がないこともあって、受験勉強の講座を無料で視聴できるmanavee http://manavee.com/  を見つけました。教育で「格差はあかんでしょ」を理念に、受験勉強の講座を無料で視聴できるサイトです。2010年10月にオープンし、3年後に、約200人の講師が5500以上の動画を公開し、全国の高校生など約5万人が視聴しているそうです。この講座のポイントは受講者が自分の学習法にあった講座を選ぶという受講者への間口の広さも開かれています。拓哉君は目標に向かって
大学受験という大きなハードルを越えようとしています。

木村加那さん(31歳)は東京八王子市で聴覚障害の両親の営業している理髪店で共に働いている。木村さん自身も産まれながらの聴覚障害者である。
木村さんは小学部から高等部まで聾学校に通学した。高等部は専攻科で理容を学んだ。丁寧な仕事ぶりが評判で健聴者の固定客も多く、順調な毎日を過ごしていたが、最近何か物足りなさを感じていた。
そんな時、TVニュースで『無料で学べる大学教育gacco』を知った。
大学教育は彼女の憧れであった。聾学校の中等部から高等部に入る時、普通科に入り大学進学を目指すという選択肢も考えたのだが、受験勉強のサポート体制、情報保証の問題等この先予想される困難な状態を考え、進学は断念した。
しかし彼女の胸には今も、大学の講義を受けたいという強い思いが有った。
すぐにgaccoのHPにアクセスしてみると、「ga001中世の自由と平等」は東大の教授の講義が受けられる事がわかった。ga002以降も興味ある内容の講義が準備されている。聴覚障害の自分に何処まで理解できるか不安は有ったが早速受講登録をした。
ga001を開いてみると、思ってもいなかった事だが全てのビデオに字幕が付いている。それも教授の言葉を全て!!
木村さんは自分の障害を気にせず受講し、修了証を手にする事ができ、なんとも言えない喜び、充実感を味わった。
次に苦手分野の「ga002インターネット」も受講した。ハードな課題に何度もドロップアウトしそうになったが、活発なディスカッションに助けられ、無事修了証も手にした。ga004ではオープンエデュケーションについて学び、重田先生の言葉に世界が広がっていく様な感慨を覚えた。
又ディスカッションを通じ様々な状況の受講生の存在を知った事は、大きな喜びであった
今後も字幕に助けられながらgaccoを学び続けたいと思っている。
反転学習への参加は今はまだ叶わないが、近い将来、情報保証がされ聴覚障害者にも参加の機会が与えられるのではないかと期待している。

和田良夫さん(28歳)は,大学卒業後証券会社で営業職としてまじめに勤めていたが,コミュニケーションや対人関係が上手くいかず,上司からよく注意を受けていた。
和田さんはアスペルガー症候群の障害者であったことから,両親は仕事場での人間関係がうまくいくかどうか心配であった。
和田さんは両親と相談して3年前に退職した。そして自然と深く関わる農業を始めようと決意した。全農のいちご新規就農者研修事業に入校して,いちご栽培の基礎知識や基礎技能を学び,1年後に卒業した。
和田さんはさらに農業経営について知識を得たいと思い,インターネットや書物で講座を探したところ,CourseraのMOOCの中に目的に近いと思われる講座を見つけ受講した。
講座では農業経営の基礎知識を学ぶとともに,電子掲示板においては自分の障害や受講の目的などを正直に話せたこと,これに共感した仲間ができたことさらに東京開催のミートアップで仲間と親交を深めたこと,受講者や講師の方々とのディスカッションではアイデアやヒントをいただいたことなどから,和田さんは思いもかけない有意義な経験ができて将来への希望が持てるようになった。そして和田さんはなんとか講座の認定証を得ることができた。
父親は彼を支援しょうと思い,残り3年の定年を前に退職を決意し,一緒に研修所近くの農地を借りて,いちご農園を開園した。
MOOCのミートアップ仲間からお祝いのメッセージをいただいた。和田さんはこれを励みに「甘い大きないちご」が販売できる日を夢見て,家族一同で楽しく懸命にいちご栽培に取り組んでいる。

山田一郎さん(65歳)は金融機関に28年、学校法人10年、民間企業5年と勤めてきたが去年の10月末で退職した。職歴柄さまざまな人や場面にあってきて、浅学ではあるがそれなりに知識や経験を積んできたとは思うものの、退職後は、近くに話相手もないので身心の健康のためにゴルフや、無料講演会をさがして出席したり、読書等をしてきた。が、いまひとつ喰いたりなく所在のない中、新聞でJMOOCの開講を知りさっそく申し込み、受講を開始した。無料で好きな時間に受講できレポート文の提出、ディスカッション等もあって適度に知識欲を満たし頭の刺激にもなる。修了証取得も励みになる。以前、学校でいろいろな科目を否応なく受けていたのに近い感覚で、全部の講座を受講するつもりでいる。時間はたっぷりあるので楽しく受講している。同じ科目でも40年以上前に習ったものとは内容が変わっていることも多い。受講したおかげで歴史や安全保障についての見方に新たに座標軸ができたような気がする。JMOOCは、退職社会人の生涯学習、学び直しにも大いに役立つものでもあり、心に張り合いを持たせ健康寿命を伸ばすのに最適なものである。山田さんは友人にも勧めて同好の士を募っているところである。


佐藤良子さんは福岡の教育大学の三年生です。両親は私塾を経営しており教育熱心な家庭で育ちました。幼い頃から子どもが大好きで小学校の教員になりたいと思っています。

本年度から小学校英語が義務化になり教職課程でもTeaching English in Classroom を学んでいます。そんな折両親からの勧めで Courseraの 理想的なクラスを作るため生徒の個性を最大限に伸ばす方法が学べる教育者向けMoocs講座 Teaching Character and Creating Positive Classroom (人格形成とポジティブな教室の創造)を受講することにしました。

将来自分のclass を楽しく運営していく上でも参考になると思いましたが英語がついていけるかどうか心配だったので同じゼミの友人何人かに思い切って声をかけて解らない事や疑問に思った事を定期的に話し合う機会を作りCoursera Moocの授業を題材に自分たちなりの授業方法を考えシュミレーションを行いました。頑張って考えてやってみてもいざ自分の授業を叩き台に出すと色々な意見が出て悔しい思いもしました。しかし自分の見えてなかった所や友人たちの色々な視点をより深く理解でき率直な意見を聞くことが出来ました。切磋琢磨のおかげでとても勉強になり視野が広まりました。なにより友人たちとの絆が深くなった事が喜ばしいことでした。そしてMoocsを受講して教員になる夢がより深くなったように思いました。

この夏休みに海外でmeet up を計画し友人達と日本脱出。国境を越えて色々な国の人と触れ合い子供たちとともに学ぶ熱い気持ちを分かち合いたいと思っています。


加藤一郎さんは60歳定年を間近に控え、その後の人生設計について考えることが多くなりました。収入は半減しますが定年後も同じ会社へ勤務、その後は年金受給と、夫婦二人の生活に大きな不安はありません。ただ、男性も平均寿命が80歳に伸びる中、残された人生を実りあるものにしたいと考えています。これまで会社中心の生活でしたので、地域の発展に寄与する社会活動に力を入れて行くことが今後の目標です。
そのために、まず加藤さんは、社会貢献に関連した専門分野の勉強や、具体的な活動内容等について大学レベルの教育を受けたいと思いました。同世代の友人の中には、社会人を対象とした大学講座を受講し、新たな人生の道しるべとする人もいましたが、加藤さんは経済的かつ時間的な制約から諦めていました。そんな折、JMOOCの公認サービスである無料オンライン大学講座「gacco」が開講されることを知りました。講座の内容は多彩で、最高の大学教授陣による最先端かつ最高の知識を学ぶことができます。
その中に、加藤さんにピッタリの講座が見つかり、毎日1時間程度の勉強を1か月掛けて取り組みました。自宅以外でも、通勤電車の中など時間のある時にどこでもスマホで受講できたことが長続きした大きな理由です。講義の中で紹介された関連書籍や、受講仲間とのインターネットを通じたディスカッションを通じ、新たな知識の習得や、地域貢献への実際の関わり方など、非常に有益な情報を手に入れることが出来ました。
なかでも有意義だったのは、地元近くで行われた反転学習に参加した際、同じ地域に住む同世代の社会人や学生、主婦など多彩な人達と出会うことが出来たことです。地域貢献を実践するためには、知識のみならず具体的な活動が不可欠です。加藤さんは、思いを共有する地域の仲間と出会えたことで、今後は相互に切磋琢磨しながら、共同で社会貢献に尽くすつもりです。

田中恵さん(28歳)は女子サッカー選手として中学、高校、そして実業団チームで活躍している。体力的に右肩上がりの成長は見込めない年齢に差し掛かかり、引退後もサッカーに携わって行ければいいとは思っていたが具体的なイメージが湧かないまま、サッカー一辺倒の生活を送っている。
あるオフの日、ネットニュースで大学の講義を無料で受講できるCouseraというサイトを知り、興味本位でペンシルバニア大学の「The Anatomy of the Upper Limb」を受講してみた。その講座では上肢の機能について解剖学的見地から解説がなされていた。海外遠征などで英語での日常会話くらいはできる彼女は、専門用語が頻出する講座には言葉の壁を感じたものの、iPhoneの音声認識機能やWeblioの翻訳機能などを駆使することで終了。身体機能について今までは自己の感覚のみだったものが、理論を伴う運動機能の説明ができることに大変感動するとともに、語学力への自身に繋がった。
また、CouseraにはSports and Societyなどの講義があり、スポーツと社会の関わりについて学ぶとともにOnlineForumで他の受講者とのディスカッションにも参加することで、将来は自チームのコーチとして残れればいいというようなイメージだけだったところ、指導者として身体機能や運動生理についての知識の重要性について認識するとともに、スポーツを通じた社会とのかかわり合いには様々な形があること、そして、活動の場は日本だけではないことを知った。
いつでもどこでも学ぶことができるMOOCは、遠征などでスクーリングの時間を確保することが難しい彼女にとって効率の良い学習方法であり、今後も指導者として必要な知識を吸収するとともに、フォーラムなどで知り合った他の受講生とも交流を通じ、引退後の可能性を広げる努力をしている。

西アフリカ、リベリアの首都モンロビアから車で約6時間の小さな村バルンガで、オルフンケ・シンバ(Olfunke Simba)(男性)は1990年に生を受けた。幼少の頃から体が弱く、又5歳の時に母をマラリアで亡くした。日本のJICAがODA(政府開発援助)の一環として医療・教育団がリベリア政府の要請で現地を訪れた。オルフンケは当時亡き母と同様、マラリアを罹っていたが、京都大学病院のボランティア医師である川本弘明によって一命を得た。少年は、医師等に感謝し、彼らの前で未だに医療が十分に発展していないこの国を救うべく医者(内科医)になる事を決意する。依然と脆弱ではあったが高校での成績は抜群で、特に生物・数学は国から数回表彰されていた。家計は貧しく、モンロビアの公立高校を卒業後、コーラの運搬をしていた。ある日曜日、モンロビア国立大学の夏の無料一般公開授業でMOOCのedXの存在を知る。その動画講座の中、彼は自分の眼を一瞬疑った。何と、偶然にもその講座の中にオルフンケを治療してくれた日本人医師、川本が京都大学のedXの講座でThe Chemistry of Lifeという生物学の講座の紹介をしていたのだった。そして優秀な成績で受講を修了した者には京都大学が全額負担で旅費を負担するというものだった。寝る間も惜しんで川本教授の講座を勉強し、ディスカッション・フォーラムで自分と同じ様な境遇の受講生も見つけ、励みになった。そして見事に京都大学のedXの15週間に渡る講座を100点満点で得、旅費を得たのだった。自分の村からリベリア国際空港、ドバイを経由して52時間を掛けて京都大学病院の川本弘明内科部長を会う事が出来た。オルフンケは自分を幼い頃助けてくれ、又、インターネットの無料生物学講座で命の恩人川本に再度助けられ、その本人に再開する事が出来、暫くお互いに涙が止まらなかった。そしてオルフンケには高校の成績とMOOCの成績、更なる試験を経て文科省国費留学生として京都大学医学部の許可もされていたのだった。

山田隆さんは自動車関連の部品メーカーのエンジニアのリーダーです。技術革新の進む業界の中で、自分の技術力には自信を持って仕事に取り組む毎日でした。
山田さんの会社はある自動車メーカーの系列で、新車を開発する過程で、新しい技術を採用して自動車メーカーの技術者とも連携して、新車に必要な部品を開発していくという仕事にやりがいを感じていました。
最近その自動車メーカーから、今後の新車の開発は数社の部品メーカーのなかから、
一番良いと思われる部品を採用していくという方針が示されました。
山田さんはその自動車メーカーだけでなく、世界の自動車メーカーに目を向けて、
自社の得意とする部品を供給していく道をとるべきだと考え、MOT(技術経営)の勉強を始めることにしました。
何冊もの本を読み、色々なセミナーを受講しようとしましたが、多忙な業務の合間を縫って、外出することは難しい毎日でした。
そんな時期にJMOOCでMOT技術経営の講座があることを知り、自宅でも空いた時間に学習ができることから、受講することにしました。
今までeーラーニングや放送大学などの受講の経験はありましたが、JMOOCの講座では10分程度の単元学習ができること、単元ごとに理解度がチェックできること、ディスカッションのサイトで受講者同士や講師と質問や議論のやり取りができること、また反転授業で講座の内容だけでなく、仕事上に活かす質問や話し合いをすることができ、
知見を非常に高めることができました。
今では、国内だけでなく海外の自動車メーカーとも取引を始めるための交渉に出張するようになり、相手先とのWin-Winの関係を築ける見通しが持てるようになってきました。
これからも技術や環境の変化は訪れるでしょうが、MOOCなどの学習の機会を通じて、
自分自身を成長させていく自信が持てるようになりました。

山田重雄さん(54歳)は営業副部長として今まで勤めていたが、昨今の不況の影響で勤めている会社も早期希望退職者を募集するようになった。緊張しやすい性格のためか慣れない営業のストレスで身体を壊したこともはあったが、それでも今まで仕事一筋でやってきた山田さんにとって早期希望退職はあまり意識をしていなかったが、5歳も年下の鈴木部長から叱責を受けた愚痴をふと妻の前でこぼしたところ、「そんな辛いのなら辞めたら?」と提案される。
そこで早期希望退職を検討するが、山田さんは仕事一筋であったため無趣味であるし、これといった資格もない。そのため再就職するにしても、リタイアするにしても次の目標がないということで、仕事の終わりに自宅で学べるオンライン学習というキーワードで検索しているうちにgaccoの“俳句-十七文字の世界-”が目に飛び込んできた。元々無趣味の自分が興味を持ったこともあり、無料でいつでも止められる手軽さも手伝って受講をしたところ、講義では俳句の基礎知識から奥深さを丁寧に教わり、またディスカッションボードでは自身の疑問を講師の先生だけでなく同じ受講生たちからも解答してもらい、もっと本格的に俳句を学んでいこうと決意するようになる。
講座の学び終わりがぎりぎり早期希望退職者の募集期限に間に合ったこともあり、妻の了承を得て山田さん早期退職することにした。
その後山田さんは近所の俳句教室に通うようになり、最初は句会も緊張していたが好きなことをしているためか徐々に慣れ始め、現在では四季を感じるために妻と一緒にハイキングや散歩をしながら自作の俳句を作るようになった。
妻からも俳句をするようになってから顔が明るくなったと言われるし、自分自身もなんだか身体も元気になりセカンドライフとして充実した日々が過ごせている実感がある。

篠原一氏(64歳)は2年前に大手電機メーカーを定年で退職し、今は若い時からの趣味のカメラと地域の広報誌に紹介された里山手入れのボランティア活動で毎日を楽しんでいる。退職前から、これから自由になる時間を有意義に使おうと考えていた篠原氏は、常々自然環境や保護のことをもっと深く知り、ボランティア活動に生かしたいと思っていた。そこで関連する書籍を読んだり、講演会を聞きに行ったりしたが、満足できずにいた。そんな中、ボランティア仲間からオープンエディケーション(OE)というものがあり、一般人でも大学課程の内容が学べるということを教えられた。そこで早速インターネットでOEについて調べてみると、いくつかのサイトが見つかり、その中からJOCWのサイトに行き着いた。JOCWのサイトで講義内容を検索したが、なかなか望むような自然環境の保護や活動に関するコンテンツが見つからなかった。やっとそれらしいのが北海道大学の提供しているOCWの中の「サイエンス・カフェ札幌」というイベントを講義形式でまとめたビデオであった。「サイエンス・カフェ札幌」は、科学技術のさまざまな話題を北海道大学の研究者などが提供し、参加者からの発言も交えて語り合うイベントである。篠原氏はこの中から「魚を育てる森の話」、「下を向いて歩こう」、「農都共生のススメ」などのビデオを受講した。講義によって森林の保護が森林だけでなく、海に棲む魚の成育にも関係していることが理解できた。これらの受講だけで自然環境保護について十分理解が深まったとは言い難いが、ボランティア仲間にもこのビデオの視聴を薦め、活動に生かしたいと考えている。OEに触れる折角の機会を得たので、今後は活動をさらに深め、NPO設立も視野に入れた活動を仲間と話し合おうと考えており、その時にはOEを積極的に利用したいと思っている。また、近いうちに妻との北海道旅行を実現させ、「サイエンス・カフェ札幌」に参加するという楽しみが増えたように感じている。

 阿部俊道さん(33歳)は東京の広告代理店で企画職として働いている。入社10年、日々の業務に追われながらも、グループリーダーとして周りから信頼を得ている。だだ、その場限りで消費される広告という業務に疑問を持ちはじめていた。そんな時、3月11日、東日本大震災が起きた。阿部さんは岩手県出身だが、実家は内陸部のため、被害はまだ少ない方であった。しかし、マスコミ報道をはじめ、地元の友人から聞く被災地の様子に「自分はこのままで良いのか、何かできないか」と焦燥感を募らせていた。
 そんなある日、「これからの農業は科学であり、企業活動である」との特集番組をテレビで観た。阿部さんは気づく。「そうだ、津波の被害を乗り越え、地元に役立つ農業を始めよう」。そこで早速、地元農業大学校で学び直そうと資料を探した。試験科目をみると、小論文のほかに数学Ⅰがある。ただでさえ苦手科目、さらに高校卒業以来15年も経っている。独学で対応できるだろうか。仕事もあるので予備校にも行けない。そんな時に、先輩のお子さんが大学受験でmanaveeを利用していることを知る。早速Webを見てみる。どこかで聞いた米国の「カーンアカデミー」に似ている。まるで「日本版カーンアカデミー」だ。
 manaveeの特徴は現役の大学生が中心となり、動画で大学受験のポイントを教えてくれる。また、講師はキャラクターや教え方別でも選べる。早速登録し「地方出身」講師を選び、数学Ⅰを学び直し始めた。講義ごとに設置した掲示板では講師へ質問もできる。他の受講者とも交流する機能があり、年上の同級生である阿部さんを励ましてくれた。
 勉強を始め8か月、阿部さんは何とか地元の農業大学校に合格することができた。4月からは学び直し、転職、新しいチャレンジが始まる。震災復興への貢献、そして働くだけ地に足着いた結果がでるだろう。もし、余裕がでればmanaveeの講師になり、ここで学んだ恩返しもしたいと思っている。

山本加奈(29歳)は、アパレル会社の販売員から転職し、金属メーカーの経理として先月から働きはじめるようになった。前職は経理的な知識はほぼ不要なうえ、エクセルを使う作業もなかった。しかし、現職ではこれら知識とスキルがかなり必要になる。
山本は、これらを身につけるために専門書を読んで勉強しようとした。だが、活字を読むことが苦手な彼女は、どうしても勉強が身につかない。そんな折、高校時代の友人から動画で学べる無料のウェブサイト「ShareWis」の存在を教えてもらう。
早速、サイトを開けてみたところ「知識の地図」という広大なマップがあらわれた。マップには経営や心理学、フランス語などのテーマをかかげた“島”があり、それぞれの“島”にテーマと関連する講座がいくつも載っていた。
試しに一つの講座を開けてみる。すると、5分から10分のレクチャー動画が複数載っていることがわかった。山本はPCスキルの“島”にある「Exel2010使い方講座」と、会計の“島”にある「簿記3級入門編」に挑戦することにした。
レクチャー動画は一つが短いため、見ていても苦にならなかった。それに専門書だと、一つの章を読むのに相当な時間がかかったが、この動画は要点がまとめられているため、効率的に知識が吸収できる。結果、「ShareWis」のおかげで(もちろん職場の先輩の指導もあってのことだが)、徐々に山本は経理の仕事をこなせるようになっていった。
「ShareWis」で学んだことで、山本は勉強する楽しさを知った。最近では、家に帰ると「知識の地図」を開き、興味のある講座を手当り次第に受けている。さらに調べてみると「ShareWis」のような取り組みのことをオープン・エデュケーションといい、他にもたくさんあるのだと知った。さて、次はどのサイトで学ぼうか。彼女の興味はとどまることを知らない。

岸田和夫さんは千葉県に住む72歳。探究心が旺盛なので、定年後は生涯学習に楽しみを見出し、歴史探索や俳句などを趣味としていた。近頃はパソコンもはじめ、操作も上達しメールやネット、写真印刷などができるようになっていた。が、根幹の仕組みが判らないため、通信エラーや機器異常に対応できないことを不満に思っていた。自力で調べてみたものの用語が分からず、結局パソコンが得意な孫に面倒をみてもらっていた。覚えようと都度説明してもらったが、根本が判らないためものにならなかった。
また、テレビの特番で視たMOOCの話題も気になっていた。興味はあるものの英語中心で、さすがに挑戦できないでいた。
そんな中、日本初の「gacco」を知り、さっそく「インターネット」講座を受講した。インターネットがどのように構成され世界を繋いでいるのか、ネット社会の成り立ちから現状までを知り、インターネットが前提となる社会となっていることも知った。講師の村井教授の素晴らしさにも感動した。通信プロトコルやIPアドレスなど聞き慣れない内容は何度も見かえし、さらに判らない場合はネットで検索した。課題も難しかったが、あきらめずに挑戦した。
そのうちに孫に質問することができるようになった。孫の説明も理解できるようになっていた。以前は意味のわからないマニュアルの用語も、少し分かるようになり、パソコン操作時のエラーにも対応しようとする前向きさも培われた。むろん、解決できないことの方が多いのが現状ではあるが。
このことにより、改めて学びの楽しさを知り、さらなる生涯学習のために「gacco」を利用していこうと考えている。

鈴木啓子さん(40歳)は夫の海外転勤でアメリカのヒューストンに越してきた。地元の小学校と中学校に転校し英語での授業に苦労している子供達を助けるため、Khan Academyを一緒に利用し始める。短大の英文科卒で日常生活には支障はないが、算数や理科の英語が分からない自分にもビデオ視聴はとても役立っている。数学は学年や項目別に分かれていて使い易い。自分のレベルに合ったビデオをすぐに見つけられるので子供達も積極的に利用している。日本語字幕付きのビデオもある。進度はアカウントのバッジシステムでチェックできるが、学習進度を知らせるメールも毎週送られてくる。
近所のインド系アメリカ人の母親にその話をしたところ、彼女は子どもをホームスクールしており、Khan Academyを利用しているということだった。また、ヴァーチャルスクール(オンライン)の学校にも子どもを「通学」させている。鈴木さんはアメリカではいろいろな形の「学校」があり大勢の人がそれを利用しているのに驚いた。
先日運転中にウエスタン・ガバナーズ・ユニバーシティのビルボード広告が目にとまった。インターネットで調べてみると、オンライン受講で大学単位を取れること、普通の大学より学費も安いことなどが分かった。鈴木さんは短大卒業後商社の営業補佐として働き、結婚後は専業主婦だったが、アメリカでは社会人がそれぞれの生活スタイルに合ったオンライン学習をしているのをみて刺激を受け、意欲がわいてきた。子どもたちの勉強を手助けしているうちに教育学に興味がでてきたので、オンラインで大学学位を取得してまた仕事をしたいと思うようになった。育児をしながら自分のペースで学べるので、夫も賛成している。アメリカでは巨額の学費ローンを抱えた大卒者が自活できない状況が社会問題となっているので、子供たちの大学進学を考える際にも自分の経験が役立つに違いないと感じている。

田中治彦さん(55才)は、長年、東京のIT企業で技術者として働いてきた。昨年、山形の実家の父親の介護の必要性から会社を早期退職した。周りに頼れる人もなく、しばらくは、慣れない介護で大変であったが、しだいに時間的余裕ができるようになった。「介護をしながらも、より充実した生活を送るために何かないか? とは言え、長時間留守にすることはできないが....」

そんな時、gaccoなる無料で学べる大学講座があることを知った。gaccoは、自宅に居ながらマイペースで受講できるため、介護をしながらでも十分に勉強が進められた。また、もともと理系人間であっため、今まで文系科目には全く興味がなく、知識も皆無であったが、ここでは無料で受講できるため、今まで興味がなかった分野を含めて受講してみた。いくつか受講してみたところ、「俳句」、「地域の歴史」に非常に興味を持つようになった。さすがに開催地の制約から反転学習には参加できないため、代わりに地域の活動である「俳句・歴史サークル」に顔を出してみた。東京での生活が長かったため、山形に戻って以来、なかなか地域の中に溶け込めないでいたが、これがきっかけとなりサークル仲間が増えた。さらに、俳句・歴史だけのつながりから、介護や生活の相談もできるようになり、生活環境、特にメンタル面が激変した。

とかく、介護というとネガティブなイメージがつきまとうが、なにげなく始めたgaccoにより、現在は非常に充実した生活を送ることができている。なお、さらに新しい発見を求めてgaccoでの勉強も継続している。

 トトクさんは高校までの18年間をずっとインドネシアで過ごしてきた。進路選択を迫られたとき、幼いころからの憧れであった日本留学を思い立ったが、日本語が全くできないのであきらめていた。だが、最近は英語だけで学位を取れる大学が日本国内でも増えていることを友人から知り、いくつかの大学に出願することになった。英語は得意であったが、ネックなのは日本語力だ。学位取得に日本語が必要ないとはいえ、生活をしていくのに日本語ができないと不便だ。大学に入ってから日本語を勉強するのもいいが、海外での生活は初めてだし、大学にも慣れていない中、専門科目を勉強しながら入門レベルの日本語を勉強するのも大変そうだ。日本語ができないことを親が心配しているのも気になっていた。そこで、日本語を体系的に学べるサイトや教材がないか検索してみたところ、OUJ MOOCで放送大学と国際交流基金が提供している「にほんごにゅうもん」のクラスがあることを知った。内容は少し難しかったが、もともとFacebookを使い慣れていたこともあり、公開されている講座や資料、また、学習者コミュニティ内でのやりとりをうまく利用しながら勉強を進めることができた。語学学習は対面でないとできないと思っていた部分もあったが、講座修了時にはその思いはすっかり払拭されていた。第一志望合格の知らせを受け取ったのは、講座修了後すぐであった。数ヶ月後日本に渡り、大学生活をスタートした。レベル分けテストの結果、結局は入門レベルのクラスになったが、他の留学生よりも余裕を持って勉強することができた。また、日本語でいっぱいいっぱいにならずに済んだ分専門の授業に集中することもできた。さらに、1年後には成績優秀とのことで奨学金をもらうこともできた。すべてはあのとき、「にほんごにゅうもん」と出会ったおかげだと感謝し、トトクさんはこれからも専門も日本語もしっかり勉強していこうと心に決めたのであった。

賀児 勉さん35歳は大学で機械工学を学び卒業後は地元に戻り、技術力が高いと評判の自動車部品用金型メーカーで品質管理業務を行っていた。しかし企業を取り巻く環境は円高の進行で海外への進出も検討の段階に入り、外国人講師による英会話の社内教育を受け、自宅ではインターネットで海外の情報を英語で読み聴きの訓練をした。
一方、以前から、品質管理に関連する専門知識を学びたいと通信大学教育などを調べていたがスクーリングなどに時間的な問題もあり実行出来ずに過ぎていた。
 ある時、アメリカの大学講座が無料で、インターネット環境のある場所なら自由な時間に勉強が出来るという話をTVで知り、インターネットで「大学講義 無料」で検索しコーセラ、MOOC等について知ることが出来た。またUdacity Udemy Cosera等が紹介されているWebページからリンクしている、それらのWebページを夢中で閲覧した。その中の分かりやすく分類されている、MIT OPEN Cource ware の Engineering Systems Division Coursesの中 にStatistical Thinking and Data Analysis を見つけた。また、ここ地元は「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」となり自動車に続く産業としての話題も多い事からAeronautics and Astronautics Courses 中に多数の講座があることを確認した。
 Statistical Thinking and Data Analysis から受講を始め、課題の提出、世界中の人が書き込をしている電子掲示板に自己紹介の書き込みをしてみた。
 勤務先で会議の席上、現在の技術の延長上にある航空機製造用治具の制作等への進出を提案した。もちろんアメリカでトップユニババーシテイの講座を無料で受講出来るオープンエデュケイションの話を付け加えた。後の経営会議で航空機産業の関連への進出が決まり周りの人もOCWの受講を始めた。航空機関連企業への営業活動も始まり、OCWで学んだ専門知識が活かされ技術説明を担当し、客先からの信頼も得て受注も始まった。
なお、経営資源を航空機関連産業に向けることからリスクの大きい海外進出は当面中止になった。

 山田太郎くん(18歳)は、大学進学を希望していたが、家庭の事情でやむなく進学をあきらめた。家庭に大学へ通う金銭的余裕はなかったのである。結局、高校卒業後も就職せず、コンビニでアルバイトをしながら、なんとなく日々を過ごしている。
 ある日、アルバイト先の休憩時間に一つ年上の先輩が、ヘッドホンを耳にあてて「ipad」で真剣に何かを観ていた。先輩に聞くと、CourseraのMOOCというサービスを利用して海外の大学の授業を受講していると言う。太郎くんは、最初は理解できなかった。コンビニの雑然とした狭い休憩室のパイプ椅子のみのスペースで「海外の大学の授業を受けている?」どういうことだ、俄然、興味がわいた。先輩に聞くと、インターネットに接続できる環境があれば、無料で受講できるとのことである。先輩は太郎くんを自分たちが主催するミートアップに誘った。太郎くんは、ぜひ参加したいと先輩に告げる。何かがおこりそうな予感がした。
 数日後、太郎くんは、ミートアップに参加した。ミートアップには、いろいろな事情で高等教育を学びたいけれども、学べないという自分と似た事情を抱える者や、新たな知識を求める年齢も含めて多種多様な人たちが参加していた。皆一様に前向きで意識が高い人ばかりだった。その人たちと話すうちに、太郎くんの中に学びに対する熱い思いが生まれ、進むべき方向がおぼろげながら見えてきた。
 一連の話を両親にすると、とても喜んでくれた。そして、「ipad」をプレゼントしてくれた。また、太郎くんは、ミートアップでできた仲間に薦められてJMOOCの「インターネット」という授業を受けてみた。努力は必要だったが、修了証も取得できた。
 今、太郎くんは、海外の大学で学ぶ夢をもっている。太郎くんの身に起こったわずかなきっかけが未来への扉を開いてくれたのである。そして、彼は同じような悩みを抱える人たちにもこのことを伝えてあげたいと思っている。

武田敬一さん(69歳)は高校卒業後、すぐに地元の企業に就職し、定年まで真面目一筋で働いてきた団塊世代のサラリーマンである。趣味は読書であり、自分の知識を増やすことに喜びを感じている。読書のおかげで、多彩な知識を得、会社でも部長職まで昇格することができた。しかし金銭面の都合から高校卒業時に大学に行けなかったことを悔やんでいた。最近、孫に教えてもらったインターネットで勉強ができるサイトがあると聞き調べてみたところ、「schoo(スクー)」というサイトを見つけた。schooでは、経営・企業、ビジネススキルから教養、政治・経済・時事と様々なカテゴリーがあり、講師は各業界の第一線で活躍している人が多い。さらに授業は全て無料で、18~22時に講座が多いが日中にも講座がある。日中にたくさんの時間がある、読書では味わえない臨場感と、教養を広く学びたかった敬一さんにはぴったりのサイトであった。また、月額約525円で録画授業も視聴することができ、早速申込み利用することにした。今までは読書でしか、知識を得る手段がなかったが、対人講義で直接学びを深めることの面白さと、読書とは違った知識取得のスピード感に興奮をして学習を続けていた。そんな敬一さん様子を見ていた奥さんは、敬一さんに近くにある大学の夜間主コースを紹介した。授業料も半額であるし、子どもたちはすでに独立している。余生を豊かにしたいのと、対人授業へ興奮をもっと感じたい、とのことで、思い切って夫婦二人で大学に入学した。実は奥さんも、敬一さんの定年後久しぶりに生き生きとしている敬一さんを見て、自分自身も現状を変えたいと思っていた。大学では、世代の違う学生に非常に感化され、学ぶ楽しさと大学に通えたという充実した気持ちを取り戻すこととなった。

 山川直子さん(19歳)は九州の国立大学理学部数学科2年に在籍する大学生である。
高校は進学校で、直子さんは自然な流れで国立大学を目指して勉強した。高校時代に特にやりたいことが決まらず、成績の良かった数学や物理を生かす方向へと進むことにした。今の大学は、センター試験の結果選んだ第2希望の大学である。
 大学に入って、学部の特性から女子の少なさにとまどった。覚悟はしていたが、もともと男子と接することが苦手な直子さんでもあり、数人の女子の中にもうまくとけこめず、次第に孤立していった。次第に数学にも魅力を感じられなくなり、大学を休みがちになり単位を落とした。このままでは体調を崩しかねない状態になってしまった。
 そんな時、高校時代の友人がCourseraのMOOCを受講していることを知り、藁にもすがる気持ちで検索してみた。そこには、直子さんの興味を引く宇宙理論や素粒子理論の講座があった。直子さんはすぐにいくつかの講座の受講を始めた。それぞれの講義の内容は大変面白く、特に東京大学の村山教授の宇宙理論は、直子さんの学問への情熱を再燃させた。東京で開かれた反転授業にも参加し、同じ講座の受講者と真剣に意見を交わすことも楽しかった。そして、大変良い成績を収めて修了証をもらった。受講中、これまで勉強してきた数学も役立ち、今の大学での勉強にも改めて価値を見出した。さらに、MOOCの単位が認められ、留年することも避けられた。
 今、直子さんは、数学科を卒業した後は、大学院の物理学科へ進学しようと決め、大学での勉強にも励んでいる。

赤星健さん(30歳)は大手食品会社の大阪本社で社員教育の企画業務に携わっており、現在、事務職の社員に対して、物事を論理的に考え、伝える力を身に付けてもらうための研修の企画を任されている。
しかし、半年前に営業職から異動してきたばかりの赤星さんにとって、研修を1から企画するのは初めてであり、何を大切にし、どこから考えていけばよいのかが分からなかった。
そんな中、インターネットで、研修の作り方について教えるgaccoのMOOCを見つけ、受講した。
講座では、具体例を交えた丁寧な説明を聞くことができた。また、受講者相互のレポート採点という仕組みが取り入れられていたため、他の受講者の考えを知ることができ、大いに刺激を受けた。
こうして作り上げた研修は社内での評判も良く、自身を付けた赤星さんは、今回学んだことを活かし、また次の研修を企画している。

中田トンボさんは大学で文学を専攻し横浜の貿易企業で仕入れ業務を担当している。新人社員として、市場ニーズに合わせて、いかに効率的かつ迅速に商品を海外から輸入して市場に供給するのかを知りたく、edXのSupply Chain and Logistics Fundamentals講座を受講した。
この講座は、分析と実践的な視点の両方から物流、サプライチェーン管理のための基本的な概念を紹介している。また、物流システムと統合されたサプライチェーンの設計と運用で使用する方法を学ぶ。この講座を通して、中田さんが商品に関する需要予測、在庫管理及び輸送計画などにおいて、典型的な事例を想定し、ケースケーススタディを行った。

中田さんはその講座の修了書を取ることができた。その講座で学んだ知識は担当業務に生かし業績を伸ばしただけではなく、思考の方法論として今後の人生に活用し、新しい目標を達成するための一つの手段にもなった。

 松本一郎さんは、高校卒で22歳。製造工場が日本各地にある大手会社の一地方都市の総務課で働いている。初めは製造現場だったのだが、人柄と勉強熱心さが認められて事務所勤務となって1年目である。製造現場の友人たちが様々な国家資格を取ってキャリアをつけていることを羨ましく思っていた。
 そこで自分にも何か専門性のある資格を取ることは出来ないかと考えて、ネット上で探索していたところ、Free-Learnig For Your Extentionというサイトを見つけた。そこには、経済学、法律、会計についてのコースがあってそれぞれ3人の講師が紹介されていた。
 松本さんは、まず実務的な資格を取りたいとかねがね思っていたので「日商簿記3級」受験のコースを受講することにした。「日商簿記3級」というのは、企業の働く者のして基礎知識を習得することであり、青色申告などの書類作成もある程度できるということである。中でも松本さんにとってショックだったのはこうした知識は会社に勤める一般職といわれる人にとっても常識であるということであった。
 コース内容は、1回が約10分間と短いが、専門用語ばかりで概念を理解するために何度も繰り返して視聴し、書き取らなければならなかった。しかし、6月に始めて10月まで全8章の勉強を続けることができた。
 11月に実施された「日商簿記3級」の試験に見事合格することが出来た。
 今度会社では、全国にある工場に派遣するための経理事務部門メンバーを公募するらしい。会社の中心的な部門で専門性を活かして働くことができたらと思っていたので、松本さんは、この勉強を機会に今度は、「日商簿記2級」の習得を目指したいと考えるようになった。「日商簿記2級」は、企業の財務担当者として必要な商業簿記を習得することであり、財務諸表を読む力が付き、自社や取引先の経営内容を把握できる力を付くことであるらしい。
 2級の内容は、3級とは比べ物にならないくらいの膨大な情報量なので今資格取得に一番効果的で経済的な方法はないかと調査中である。

夏野涼子さん(65歳)は東京都内に住む読書とピアノが好きな団塊世代女性である。パソコンは息子から習ってインターネットに親しんでからは生活必需品となっている。ある日「教育サービスに関するアンケート」に答え、gaccoに登録したことでMOOCというものを知り、無料だったので好奇心から受講を始めた。
歴史など学生の頃は一番嫌いな科目であったが、人間が好きなら大丈夫という講座案内につられて「日本中世の自由と平等」を受講し、学校教育で受けさせられた授業とは全く異なるオープンなオンライン講座にすっかり魅せられた。発言が苦手な涼子さんはディスカッションを読ませてもらうことで良い刺激を受けつつ、自分のペースで強制されずに勉強する楽しさを発見し、続けて新しい講座を受講した。「オープンエデュケーションと未来の学び」ではCourseraを知り、憧れのバークレー音楽大学が提供する”Songwriting”や”Introduction to Music Production”に驚き、次のタームで受講してみたいと英語に脅威を抱きながらも意欲的である。
世代によってもオープンエデュケーションの活用方法はさまざまであろうが、「高齢者のQOL(生活の質)を向上させるのに役立つ」と実感した涼子さんは「年金生活高齢者になった団塊世代の仲間とMOOCで勉強出来たらいいなぁ!」と思っている。達成感や満足感は、自分だけのものにしておくだけでなく仲間と一緒に共有することで、新しい意味付けがなされるという経験を読書会を通して既に知っているからである。インターネット環境に慣れつつある友人達に、gaccoで学ぶ魅力を伝えるつもりだ。
次の読書会にgaccoの俳句の講座のことを話題にしてみようと楽しみにしている。


Kさん(22歳)は、大学在学中に統合失調症を発症、精神科に入院となり休学していた。大学を卒業し、医療関係の仕事に携わることを夢見ていたが、退院後も大学へ通うことに不安があり、復学することが難しい状況であった。幻聴などの陽性症状は治まっているが、陰性症状による意欲低下やうつ症状が見られ、自宅で引きこもる生活となっていた。
このまま夢を諦めざるを得ない状況になっていたときに、通院先のPSWから「ウェスタン・ガバナーズ・ユニバーシティ(WGU)」というオンライン大学があることを教えてもらった。WGUは完全にインターネットのオンラインだけで学習する大学で、試験やレポートで評価されれば単位が認定され卒業することが可能となっている。集団の中で講義に参加することに不安があったKさんにとって、オンラインだけで学習できることや時間的制約のない学習スタイルに魅力を感じ、受講を始めた。もともと学習意欲の高かったKさんは、体調に合わせながら自分のペースで学習を進めることで、必要な単位を取得していった。
また、ひとりでの学習に行き詰ったときには、WGUの24時間のオンラインサポートが受けられることも魅力のひとつであった。世界中に「チューター」と呼ばれる各教科の教師や大学院生が待機しており、チャットやSkypeを使って、いつでもサポートを受けることが出来るため、学習意欲の維持・向上にも繋がり、学習を継続することが出来た。ついに目指していた学位を取得することができ、Kさんの自信にも繋がったことで病状もさらに改善。就職活動に向けて、新たな一歩を踏み出そうとしている。

佐地喜代さんは東京に住む72歳の主婦。25年前夫の転勤でロンドンに4年間住んだ。夫は出張が多く彼女は一人の時が多かった。異国での寂しさを紛らわす為、大英博物館や絵画館へ通う毎日だった。当時英国では殆どの博物館・美術館は入場無料。通う中気付いたのだが、日に何回ものガイド付ツアーが館内であり、1時間程のレクチャーが毎日あった。勿論無料で。歴史や美術を学ぶ楽しさで、充実した日々だった。

夫の転勤で日本に戻り引越の片付けが終わると、満たされぬ思いを味わい始めた。新しい事を知りたいと強く思った。TVで見つけたNHK市民大学、NHK人間講座や放送大学の講座を100近く聞き、ノートを取り関連の本を読んだ。一流講師の講座はどれも充実し、ユニークな切り口の講座も多かった。大学時代の一般教養科目を聞いているような面白さを味わった。主婦なので、放送大学に入学し時間に縛られるのはパスした。案の定暫くすると、子供の結婚、両親の死、夫の退職、ペットの看病と死、夫の入退院等次から次と続き、学ぶ事は中止になった。
               
夫の7度目の入院中に、JMOOC開講をニュースで知り、直ぐに受講し楽しんでいる。中世のピンポイントの歴史、インターネットの仕組み、国際安全保障論、JMOOCそのものについて等学んだ。老々介護による鬱やペットロス症候群にならずにいられる。時間に縛られない事は主婦には有難く、暇な時に受講出来、継続も可能になった。又以前受講のNHK市民大学や人間講座と違い、電子掲示板で交流も出来る。

若者が仕事に活かす為受講するのは素晴らしいし、本来のMOOCの目的かもしれない。しかし日本が高齢化社会に突入した今、高齢者が生き甲斐を持ち、明るく元気で社会と繋がり、世の中から取り残されない為、又、家に居て自分の都合の良い時に学べるので、JMOOCは日本に必要ではないか?認知症予防にも良いのでは?・・佐地喜代さんは考えている。










初音ミクさん(35歳)はIT企業で働いていましたが、妊娠、出産し、現在育児休業中です。休業中とはいえ、この期間に何か新しいことを学びたいと考えていましたが、赤ちゃんの世話をしながらビジネススクールや英会話学校に通うことはできません。そこでCourseraのMOOCでDesign Thinkingに関する講座を見つけ、受講を始めました。初音さんの会社では、ちょうどデザイン思考に関するビジネスを始めたところだったので、基本的な知識を得るのに良さそうな講座でした。CourseraのDesign Thinkingの講座は、クイズやレポートの宿題に期限はあるものの、育児の隙間時間に受講できるため初音さんのライフスタイルにぴったりでした。また、ディスカッションボードへの投稿が修了条件のひとつとなっていたこともあり、他の受講者との意見交換が非常に盛んで、育児のためほとんど家にいる初音さんでしたが、世界中の人たちと積極的に意見交換し、Design Thinkingに関する理解を深めることができました。一般的には孤立感が深まりがちな育児休業期間ですが、初音さんの場合はCourseraを通じて世界中のひとたちとつながりを持ち、かつ新しい知識の習得ができたので、気持ちに余裕を持ちながら育児を楽しみ、復職までの時間を有意義に使えたという充実感と自信を得ることができました。CourseraにはDesign Thinkingの他にも興味深い講座が数多くあり、復職後も知識吸収の場として活用しています。

 山田太郎さんは東京の大学を卒業後、地元の市役所に職を得て5年がたつ。仕事に不満はなかったが、山田さんにはチャレンジしたいことがあった。ジャズピアノである。学生時代はジャズ研に所属、ピアノは大学から始めたので上手という訳ではないが、もう一度ジャズ音楽理論を勉強し直して地元で仲間を探し、セッションを楽しみたいと思っている。しかし近くの音楽教室には、ジャズコースがない。
 そんな折、学生時代の仲間からCourseraにあるバークリー音楽大学のオンラインコースのことを聞いた。バークリーといえばアメリカボストンにあるジャズや現代アメリカ音楽を専門とする有名な大学で、穐吉敏子や小曽根真等そうそうたるメンバーが卒業している。初心者の自分が果たして講義についていけるか不安だったが、初心者向けの音楽理論の講座を受講してみた。
 受講してまず、インターネットの特長をいかした実に楽しく分かりやすい内容であることに驚いた。聴音は初めてだったがクイズを繰り返すうち耳が慣れてきた。
 講義はすべて英語だが、英語で音楽用語を理解することは将来何かの役に立つと山田さんは思っている。 
 宿題は受講者間の相互採点である。一週目にCメジャー(ハ長調)の曲をYouTube等で探し、そのURLを書けという問題では、相互採点により世界各地のCメジャーの曲が楽しめた。
 最終宿題は簡単な作曲が課されるが、フリーの録音ソフトを使ってMP3ファイルで提出するという。世界中の受講者の曲を聴き、同時に自分の曲が評価されると思うと今から楽しみである。
 Courseraのミートアップは東京方面に集中しており、山田さんの参加は難しいが、ディスカッションに書き込むと即返答がくるので孤立感を感じることはない。
 先日バークリー音楽大学からオンライン講座に関するメールが届いた。こちらは有料だが、山田さんにとって興味のある初心者対象のコースがいくつかあり、現在受講を検討している。山田さんの夢は広がるばかりだ。

 Tさんは瀬戸内海に浮かぶM島出身の2年の女子高校生である。
島には小学校と中学校があるが、中学の生徒は全校で6人しかおらず、勿論、塾なども皆無だった。
先生は熱心だったが、全ての科目を網羅して解るまで教えてもらうことは難しく、彼女は本土にあるK市の公立高校を受験するため、島に光ケーブルが引かれたのを機に『eboard』を使って勉強を行なった。
eboardは最大10分程度の動画でポイントを小中学生にもわかりやすく解説し、学習内容をクイズで確認できるようになっている。
またこのサイトには『学習マップ機能』があり、文科省の学習指導要領に沿った学習が可能となっており、数学・社会・理科の基本を体系的に学ぶことができた。
彼女は、解り難かった箇所は学校の先生に聞いてフォローしてもらい、昨年、見事高校受験に合格した。

 e-ラーニングの良さを実感した彼女は、親に負担をかけられないこともあり、現在、同県の国立大学の受験を目指して、これも無料の『manavee』で体系的に学習している。
両親からは『漁師の娘が大学なんぞに』と言われたが、パソコンに向かって一生懸命ノートを取り頑張っている彼女の姿を見て、何とか進学を理解してもらえた。
マナビーでは、ボランティア先生とメールでやり取りする事ができ、質問や相談に対し、入試の知識やノウハウの無い地方の受験生に対しても親身に答えてもらい、意欲を継続するための支えにもなっている。
同じ高校に通う同級生にも勧めた所、一緒に学習する仲間も増え、予備校などの無い地方都市から、国立大現役合格を目指して皆で頑張っている。

 彼女の進学希望は、きれいだった島の海が少しずつ汚れてきている現状を少しでも打破したいとの想いから『海洋環境学』を専攻したいと考えており、当面は地元大学の地球科学科を目指しているが、通っている高校では地学の授業はなく、マナビーの地学コースは大変役に立っている。

はじめに 私は診療所の医師歴34年目の臨床医です。試行錯誤を重ねて今の自分がありますが、若い研修医の先生には僕のような回り道をせず、最短コースを歩んでもらいたいと思っています。

 若き研修医のBaroque先生は予防から治療まで、ゆりかごから墓場まで見られる臨床医を目指しています。臨床の知識のみならず、政治も大いに関係するので、幅広い知識が得られればという思いで、日々勉強を重ねています。
 今の世の中、田舎にいようが最新の医学情報、政治情報、どこででも得ることができます。彼もICTを利用しれ研鑽の日々です。
 M3.com(http://www.m3.com/index.jsp)で各種医療情報を手に入れ、また医療に関する政治情報もここから手に入れています。現在の医療は根拠に基づく医療(evidence based medicine)であるべきで、日々医療に関する情報はm3だけでなく卒業した大学図書館が提供する文献サービス(http://pro7.jichi.ac.jp:8080/-_-http://lib.jichi.ac.jp/)で、文献を手に入れ、田舎にいても世界レベルの医療を患者さんに提供しようとしています。もちろんこれらのサイトは医師限定、卒業生限定のサービスではあるが、何年かすればオープンに提供されるべきと考えたいますし、そうなるでしょう、そうなるべきです。
 一般の方のオープンエデュケーションではないかもしれないが、医師の生涯教育であることには変わりなく、社会に大きく貢献することは確実です。電子教科書であるUpToDate(http://www.uptodate.com/ja/home)で日々の臨床情報を手に入れるとともに、その他の情報をm3で手に入れ、自分の患者さんのために、日歩研鑽さんを積むBaroque先生でありました。
 このようにして筆者のような回り道をすることなく患者んさんのためになる臨床医に一歩ずつ近づいていくのでありました。

森山智之さん(38歳)は、Webデザイン系中小企業の開発部門で働く会社員である。森山さんはかねてから大学の授業や専門教育に強い関心があり、社会人になって以降、自身の業務関連分野における知識の拡充や専門性を高める必要性を感じてきた。働きながら大学に通うことも考えたが、時間的、経済的にも仕事との両立は難しく断念していた。そんな中、無料で時間の制約を受けずに受講できるMOOCの存在をインターネットのニュースで知った。MOOCプロバイダーであるCourseraで関心のあるキーワードを検索し、インターフェースデザインのプログラムを見つけ受講するにことにした。英語の講義なのだが、ビデオ講義には日本語の字幕があり理解への大きな手助けとなった。7週間に渡るコースは一週に付き約1時間とボリュームが大きく、内容も充実していた。講義毎の宿題やクイズは、理解度のチェックや不足している部分の確認に役立った。また、コミュニティやフォーラムが用意されており、国や文化を超えて最新の考えや感性をダイレクトにシェアできた。ミートアップという実際に会って話し合う機会創出が世界各地で行われており、東京でも設定されているのにはちょっとした驚きがあった。ミートアップに参加して感じたことは、学生から社会人まで幅広い年齢層の参加があり、同じ関心を持つ者同士が熱い議論や意見を交わし問題意識の共有ができ大きな推進力になることだった。一つのミートアップが次のミートアップに繋がり、最終的に研究会の発足に至った。講義内容についても、自身の理解が及ばない部分や不明な部分などを相互で補うためのコミュニティを起ち上げた。一つのインターネット上の講義が新たな人的ネットワークを構築し、広がりができたことは特筆すべきことだと感じた。更に、講義を履修し修了証(Certificate)を得ることは、ある種の達成感と新たな学習モデルとの出会いとなった。自身のスキルアップに繋がったことは言うまでもない。

 首都圏在住のRNさんは65歳、40年間勤めた企業を一昨年6月退職した。役員として中枢を担い、まだ役に立てると自身は考えていたが、後輩に道を譲る形で退職した。残された人生でどのように自己実現を図るかを漫然と考えながら、この2年間を過ごしてきた。
 この4月gaccoが開講し、時間を持て余していたRNさんは受講することとした。「日本中世」「インターネット」「国際安全保障」と講義が進み、「大規模地震防災」講座が始まった。RNさんは一般的な興味を持ちながら受講した。ところがこの講座でRNさんは、地域社会に対する考え方を転換することとなった。結論から先に言えば、来年4月に改選される町内会役員の「防災部長」に立候補すべく、得意の根回しを早くも開始したのである。
 阪神淡路大震災では親戚家族が被災し、手助けのために現地に入った経験があり、先の東日本大震災では当日6時間以上をかけて徒歩で帰宅した経験があった。在住自治体の防災資料はダウンロードして理解し、水食料は5日分を自宅に備蓄していた。マスコミが提供する防災知識に興味を持って接し、災害に対する物心両面の備えは自分なりにできていると考えていたのである。
 講義は地震災害の過去事例、地震想定の考え方から始まり、被害のシミュレーション、減災の最新知見などが示されたが、最も印象に残ったのは「大規模地震でも多くの人々が救出された」ことであった。それも、消防署員・自衛隊員などのプロによって救出されたのは数パーセントで、ほとんどが家族・隣人・通りがかりの人によって救出されたことである。そのことから、大規模地震に際して長年暮らしてきたこの地域で共に助け合うのが、最善最強の応急対策と思われたのである。そのためには、地域の隣人との関係を濃くしておくのが有効であって、それまで疎遠だった町内会活動に参加したいと考えたのである。

音楽大学の声楽科を卒業した佐々木香奈子さん。現在は東京の音楽教室で講師をしている。子供が好きな佐々木さんは現在子供コースを担当しているが,子供の心理がわからず苦労していた。この事態を打開するため,インターネットで調べているうちに【Udacity】で心理学のコースがあることを見つけ,早速受講を開始した。心理学を専門的に学ぶことのなかった彼女は初級コースを受講した。英語もあまり得意ではなかったが,学んでいくうちに上達し,とうとう上級コースまで終了,現在は幼児教育のスペシャリストとして充実した日々を送っている。子供相手の仕事は体力戦となるため,いつまでこの仕事を続けていられるかわからないが,その日が来るまで楽しんで仕事をしたいと思っている。

山田一郎は25歳のサラリーマンで、マイカー通勤をしている。帰宅時に、車の中でラジオを聴いていると、集団的自衛権行使容認についての総理の記者会見が流れていた。聞くともなく聞き流していたが、総理が、「今回の閣議決定によって、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」と述べたのを聞いて驚いた。
一郎は、特に政治に関心があるわけではないが、集団的自衛権行使容認については、アメリカの戦争に巻き込まれるとの反対意見にもっともだと思い、なんで政府がこんなことを持ち出すのかよくわからないでいた。
一郎には、総理の言うことがどうしても理解できなかった。

帰宅した一郎がtwitterを見ていると、タイムラインにJMOOK gaccoの国際安全保障論というツイートが目に留まった。
これは何だろうと調べてみると、インターネットで無料で大学教授の本格的な講義が受けられるものとわかった。
しかも、国際安全保障論とはタイムリーではないか。帰宅時の疑問がひょっとしたら解けるかもしれないと考えた一郎は、さっそくgaccoのサイトへアクセスした。
残念ながら、受講受付は終わっていたが、講義を聞いてみることにした。
最初はとても難しくて、よく理解できなかったが、1回の講義が10分程度なので毎日少しづつ聞いているうちに、戦争や安全保障について少しは理解できたような気がした。
集団的自衛権の問題は、抑止と安全保障という観点で考えればよいとわかった。

だが、一郎は、集団的自衛権行使容認が安全保障上有効なことはわかったが、憲法上本当に許されるのかという疑問は消えていない。
さまざまな賛成論、反対論が飛び交っているが、特に反対側には感情論が多く、冷静な議論が行われていないのではないかと感じている一郎は、今後、機会があればオープンエデュケーションで憲法について学び、この問題も感情論を抜きに論理的に考えてみたいと思っている。

今年の3月で会社を定年退職した山田一太郎には、良くも悪くも大学の専攻が今の人生を創ったという思いが強くあった。そこで、もう一度大学で学び直し、別の道が少しでも垣間見られればと考えていた。しかし、大学で、どの分野で何を学ぶのかを明確にできず、大学で学ぶためには、学費等の経費が必要であり、職業生活から学校生活に転換し、単位修得と言う形で経費をペイできるか不安を感じていた。 
 そのような折、今年度JMOOKのgaccoが開校されたことを知り、受講料が無料であり、1講座が週1回、4週程度の講義がインターネットを経由して送信されることから、試みに受講することにした。
  受講した「中世日本の自由と平等」という講座は、映像での講義を受け、各講義毎の課題に解答し、最終レポートを提出するものであり、全体で70%以上の得点で修了証が授与されると言うものであった。
 最終レポートや講義毎の課題の解答に当たっては、講義内容だけではなく、それを糸口とした「調べ学習」が必要なこともあり、「目的を持って学ぶ」ことを体験できた。また、「ディスカッション」という、受講者相互が意見交換する場所も用意されており、この講座を受講している人々の存在が実感され、課題などへの取り組む姿勢や、課題の解答へのヒントなども提供されており、自学自習の大いなる手助けとなった。さらに、「反転学習」が用意されており、内容を深化させるような仕組みもあるが、日程の都合が合わず、参加できなかったのは残念に思った。また、「修了証の授与」は、学習に向けてのモチベーションを大いに高めている。
  一太郎は、久しぶりに「学問に触れる」という感触を得ることができ、自分の中で「学ぶ」ということの可能性がまだまだあることが理解できた。そこで、しばらくは、gaccoのなかの様々な講義を入門編として聴講し、自分の学ぶべき方向性、学び直しの道をさらに探って行きたいという思いを強くするに至った。

Aさん40歳は、長野県で自営業(農家を家族経営)として働いている。農家の2代目だ。
先代のやり方をそのまま続けていっては、収入が安定しない。
今後も農家として続けていくために、経営の知識を習得して、安定収入が欲しいと考えている。
遠隔地で、仕事が休めない。さらに経営の知識がないため、どのビジネス書を読んだら良いのか、どう取り入れられるのか、想像ができず、なかなか一歩を踏み出せていない。
そんな中、遠隔地で空き時間に学べるMOOCプロバイダの一つであるCourseraを見つけ受講を始めた。

まず、経営の基礎を学び、農業以外の視野を広げていった。
受講後は、学んだ基礎知識を自分の経営に応用しなくてはならない。
そのため、所属する協会で、経営についての情報共有と自分の経営に応用する方法などをディスカッションする場を設定した。他の経営者の意見を聞き、一人では考えつかない新しい考えを見つけることができ経営が上向いてきた。

継続して学び、ディスカッションの場を設けることで、最新情報をメディアや人から収集するコミニティができ始めた。
今後は、コミニティで協力してスピード感をもって、農家経営していく体制作りを目指している。

葉山大樹さん(17)は、北海道の都市部から少し離れた場所に住んでいる受験生である。
彼は、通う高校まで徒歩と電車を使い、かなりの時間をかけて通学している。そんななか、いつもはあまり話すことのない友人が電車の中にいた。あいさつをし、話しながら友達のスマートフォンにふと目をやると、彼は何かの授業らしきものを視聴していた。
聞いてみると、無料で大学生講師などによる大学受験対策ができるオンライン授業のmanaveeというサービスを使っているということだった。葉山さんは、以前から予備校の映像授業があることを知っていたが、値段が高く躊躇していた。また、日ごろの通学時間が長いことを、何かに生かせないかと考えていたが、受験生という身分にとっては、まさにうってつけのものだった。葉山さんは、さっそく自分のアカウントを作成し、通学時間を利用してまずは苦手な化学の授業を視聴することにした。ここで驚いたのは、同じ単元でも様々な先生がいて、自分に最も合う人を選べるということだった。さらに、掲示板で講師に直接質問ができることも魅力だった。掲示板では、自分と同じ境遇の人もいて、何か自然と作られた連帯感があった。受講を開始してから2か月、学校のテストがやってきた。今まで化学で納得のいく点数がとれたことはほとんどなかった。本番。実際に解いてみると、思ったより解けた上、先生に指導された部分がそのまま出題された問題もあった。着実に実力がついてきたことを実感した。
自分での成功体験をもとに、受験まであと少しだが、manaveeを友人に勧めてみた。友人もそれを気に入り、次第に周りに学習コミュニティの輪ができてきた。放課後、皆で質問しあうことも始めた。今考えれば、これはmanaveeがもたらしてくれた友人間の「学習」における新たな形のつながりであった。
これをきっかけに、今では将来、自分もインターネット上で何かを教えてみたいと思うようになった。

田中知子さんは東京都に住む高校2年生だ。小学校3年生までアメリカに滞在していた帰国子女で、将来はアメリカの大学に進学したいと思っている。
朝日新聞日曜版(グローブ)で紹介された「大学って何だ?」の特集でMOOCに興味を持ち、自分の留学の準備に活用したいと思った。高校の英語科の鈴木先生にアメリカの大学に合格するためには、英語力のスコアや高校の成績のほかにエッセイが特に重視されると聞き、MOOCでアカデミック・ライティングの講座を受講できないかと考えた。アメリカの大学に提出するエッセイは志願理由書であり、自分の個人的は経験、意欲、価値観、目標をアピールするための手段であり、そこで自分がどれだけユニークな英文で自分の良さを表現できるかが重要であるという。「ハーバード白熱教室」で有名なマイケル・サンデル教授の「Justice」 の授業がエデックス(edX)で実施されたことを知り、このプラットフォームに興味を持った。調べたところ、エデックスでUCLA Berkeleyの「Principles of Written English」が公開されると知った。英語が母国語でない受講生を対象とした5週間の講座である。シラバスを見たところ、様々なジャンルの文章を読み、要約をまとめたり、感想を書いたりし、最終的に大学や仕事に応募する文章を書くというので受講することを決めた。内容は少し難しかったが、ビデオを何度も見て字幕をチェックすることで、90パーセント以上の成績を取り、修了証をもらうことができた。5週間の講座であり、春休み中の時期と重なったので、高校の学習とも両立できた。最終課題では、自分の高校生活を振り返り、自分の学習したことや経験したことをアピールできる文章が作成できたと思う。また相互採点で得たアドバイスをもとに、最終的にアメリカの大学に出願する際には、より良いエッセイが書けるという自信がついた。アメリカの大学で公開されているMOOCの講義を無事修了したことで、自分のアメリカの大学進学という目標に近づいたと満足している。


田中洋一君は高校二年生。将来の夢もはっきりせず、進路についてもとりあえず文系と言うぐらいしか想像がつきません。しかし、今、世界中で起きている悲惨な戦争については、人々は誰でも平和を望んているはずなのに、なぜ、そんなことが起きてしまうんだろうと言う漠然とした関心は有りました。しかし、いち高校生が世界平和について、考えたって平和のためには何の役にも立たないし、と深くは考えていませんでした。
そんな時、たまたま新聞で読んだMOOCに興味を持ち、インターネットで検索してみました。JMOOCのホームページで、gaccoと言う日本で初めての本格的MOOCを見つけ、そこで、国際安全保障論の講義が持たれることを知りました。MOOCと言うのは、ホームページから気軽に登録でき、お金もかかりません。途中で辞めてしまっても誰にも怒られないし、だれにも内緒にすることもできます。気軽に始められそうなので、受講してみる事にしました。受講してみると、早稲田大学で実際に国際政治学の授業を担当している栗崎先生の授業を受けることができ、また、普段から漠然と思っていた戦争について、理論的に考えると言う体験を持つことが出来ました。また、レポートの相互採点や、ディスカッションを通して、大人の人たちや違う世代の人々の意見も興味を持って見る事ができました。
洋一君は、この講義を受けることで、大学での国際政治学を学ぶと言う事に具体的なイメージを持つ事ができ、将来は世界平和のための仕事をしたいと言う夢を持ち、今の偏差値だとちょっとハードルは高いけど、頑張って早稲田大学に入って、本格的に政治の勉強をしたいと考えるようになりました。

 中村太郎くんは高校2年生である。コンピュータに興味を持っており、情報系の大学・学部への進学を希望していた。高校では1年時に「情報の科学」を履修したが、生徒にとって十分な内容ではなかった。
 そんな思いを担当教員に打ち明けたところ、edXの「CS50x Introduction to Computer Science」(HarvardX)を紹介された。この講義は、本格的なコンピュータ科学への入門となる講義であった。高校で習った内容も見られたので、レベル的にはそれほど難しくないように思えた。しかし、講義はすべて英語であった。翻訳テキストや翻訳字幕を利用したが、1週目の課題を終えることなく挫折してしまった。
 そんなとき、生徒はgaccoと出会った。調べてみると情報系の講義が開講されていた。もちろん日本語である。生徒は「ga002: インターネット」(慶應義塾大学)の履修登録をした。残念ながらいくつかの試験は既に終了しており、修了証を得ることができないという前提での登録になった。それでも生徒は学習に取り組んだ。OCWと異なり、MOOCでは講義映像だけでなく、試験問題が準備されていることが一般的である。当該講義には問題だけでなく解答・解説も公開されていた。生徒は自力で問題を解き、自分で答え合わせをした。また、不明な点については、生徒が通う高校の担当教員に質問し、理解を深めた。MOOCは自由に利用することができる。生徒はその特徴をうまく活かし、学習に取り組んだ。
 この学習活動を通し、生徒はインターネットのしくみや社会的な影響等について、高校の教科では学べない発展的な内容を学ぶことができた。また、当該大学・学部への関心を強め、受験勉強を本格的に始めた。何より、能動的・自主的に学ぶ力を養えたことが大きな成果であった。

田中 薫さん(35歳)は東京のソフトウェア専門会社でシステムエンジニアとして務めており、産業・流通関連のシステム開発を行っている。しかし、学生時代はゲームプログラマーを目指し専門学校に通っていた。最近、専門学校時代の仲間と再会しその仲間からゲームプログラマーの話を聞いて、そのころ目指していた気持ちが甦り「やっぱりゲームプログラマーになりたい」と思うようになった。しかし月日は経っており、学生時代に習得した技術とは変化もあるはず。今は家庭も持っている為、会社を辞めてもう一度学校に通い直す余裕もない。どうにかして、会社で働きながらゲーム開発について学び直せる良い方法が無いか探っていたところ、オーストラリアにあるスインバン大学C.Woodward教授のConcepts in Game Development(ゲーム開発におけるコンセプト)という講座がMOOCSのOPEN2STUDYで開講されているのを発見し受講を始めた。その講座では、ゲーム開発における重要な技術的概念について、ゲーム開発とは異なる環境やスキルを持った人の為に語られており、これまでの自分の経験やスキルを活かしながら新たな技術や忘れていた概念などを身に付けることができた。さらに掲示板で同じ目的を持つ受講生とディスカッションすることができ情報を交換することで、国境を越えてたくさんの仲間が得られた。その仲間たちと切磋琢磨することでモチベーションもスキルも上がり、無事認定証を受け取ることができた。この講座を終了後サンプルのゲームソフトをプログラミングし、それを提出することで見事転職に成功し、ゲームプログラマーになることができた。採用後詳細を聞くと、これまでの経験は勿論、講座で身に付けた知識や技術とディスカッションで養った情報をもとに作成したプログラムの内容が高く評価されたことがわかり、受講出来たことを喜ぶとともに、世界中にいる同じ目的を持つ仲間に感謝している。

小林浩平くん(25歳)は、鹿児島県の工業高校の機械科を卒業後、愛知県の自動車会社に入社、自動車製造工場勤務7年目の青年。高校時代はロボット部に所属し、全国ロボット大会にチームの一員として出場して3位に入賞した経験もある。自動車も大好きなので、今の仕事は誇りに思っているが、いつかまたロボット作りに関わりたいという夢も持ち続けていた。
仕事をしながらロボットについて学べる場所を探していたところ、Coursera でスタンフォード大学の講座 Machine Learning をみつけた。幸い、日本語の字幕付きであったので、さっそく受講を始めた。内容はアルゴリズムや人工知能など高校の機械科で得た知識よりずっと難解だったが、高校時代のロボットの制作でも、プログラミングの担当もしていたので、とても興味深く、日本の寮の一室でアメリカの大学の講義が受けられることにワクワクし、毎日、帰宅後、熱心に取り組んだ。理解できないところがあると、寮の先輩で大学の工学部を卒業している人から教えてもらいながら、修了証を得ることが出来た。その話を会社の飲み会でしていたら、同席していた工場長も同じ講座を修了していたことが分かった。工場長は京都大学の工学部卒なので、高卒の小林くんがその講座を修了したことにとても感心して、おおい意気投合した。
それからしばらくして、彼の会社でもロボット事業部を立ち上げることになり、工場長がその部署へ異動することになった。その際に、小林くんがCoursera で修了証を取得していることを理由に推薦してくれ、ロボット事業部へ配属されることになった。その部署では一番年下で駆け出しではあるが、大好きなロボットに携われることになり、小林くんは今、幸せなワーキングライフを送っている。

和木 庸介(68歳)、この十五年間一人暮らし。熟年離婚の結果である。
今では家事も日課として楽しめる程度の年金生活であるが、このごろ気になるのは今の健康が何時まで持つかと言うことです。趣味はサイクリングと釣りとカメラ、酒タバコはやめ、 車の運転もやめた。人付き合いはモータクサン、孫達と一緒に戯れるのが一番の楽しみ。 現在の生甲斐は孫達の自立した未来の為に何か役立つ事をしてあげたい。
カメラがデジタルになって来たおかげでパソコンを使用する必要となり、PCを楽しく受け入れる事ができ、お陰さまで良いも悪いも見識が広がりました。そんなある時、TV新聞でJmoocの中にgaccoが有る事に気づきました。こんなに有りがたい事はありません。無料で講義を受けられ修了書まで頂ける。早速に入会いたしました。
そこには興味を引く講義が二三有り、そこから一つを選び受講。
その講義の中で時々話されたOCWの事が気になり、東京大学のutokyo OCWに行って見ました。私は大学を出ていませんので理解出来るかどうか見てみたかったのです。講義のリストの中に「死すべきものとしての人間」死生学。これにはインパクトを受けました。なんと全講義を見るには十四、五時間掛かります。一の講義が一時間ちょっとで、哲学、人文、歴史、文学、宗教、倫理、それぞれを研究されている先生方の熱烈講義です。まだ二講義しか見ていませんが、生と死の思想の歴史等は面白くて、次の講義が楽しみになって来ます。 もちろん解らない処もありますがビデオを止めて調べて、また続きを見、再び元に戻って見るのも自由です。
現在の日本では死は遠くに置いて仕舞がち、人間として必ず通らなければならない道、人間として生と死は相反するものではなく同等のものとして考えられるように成るには、これからも楽しく学び続ける事によって、孫達の未来に役立つ方法が見えて来るような気がします。







憧れの地方大学にこの春入学した保坂優子さん(18歳)は、当初は第一志望だった国際学部に入学できたこともあり、期待に胸を膨らませ学校生活に臨んだ。しかし、入学後3か月ほどたつと、語学を中心とした学習内容や、地方の限られた大学のため交際が限定される環境に物足りなさを覚えるようになってきた。以前から、コンピュータが好きだったが、最近、受験系企業で起こった個人情報漏洩事件をきっかけに、コンピュータウイルスを防ぐプログラムの作成に興味を持った。せっかく憧れの学部に入ったのに、ほかの学部に転部することは、親にも相談できにくく、友人に相談したところ、オープンエデュケーションについて紹介してもらった。そこで、インターネットにアクセスしたところUDACITYのMOOCにコンピュータサイエンス入門の講座を見つけた。基礎知識だけでなく、コンピュータプログラムの作成手法を学ぶ内容に引かれ、しかも無料で学べるとのことで、さっそく会員登録をして受講することにした。この講座は日本語字幕がなく、講座概要などごく一部しか日本語の説明はないが、語学が得意な優子さんは、語学の勉強にもなると張り切って学習を始めた。また、講師のデビッド・エバンス教授もバージニア州から教員に与えられる最も権威ある賞を贈られた先生で、大変魅力的な人物であった。UDACITYは学習支援が充実しているので、エバンス先生に積極的に質問して理解を深めたいと考えている。この講座は初級コースなので、次には中級コースを受講できるよう、まずはこのコースをしっかり学習したい。そして、UDACITYの学習を通して、世界中の若者と最新のコンピュータウイルスを防ぐプログラムの作成について情報を交換できる場を作れればと考えている。優子さんは、語学力を生かして世界で活躍できるコンピュータ技術者になる夢を最近は持つようになり、充実した大学生活を過ごしている。

江口洋介さんは某メーカの生産現場で働いていたが、ある日知的財産部への異動が言い渡された。これまで知的財産にあまり関わったことがなく、どんな業務か判らず困惑していたが、とりあえずインターネットで調べてみたが、調べれば調べる程多岐に渡り、情報量が多すぎて、理解するのがますます困難となっていた。そんな中、知的財産部の若手社員から、eラーニングによる知的財産制度について無料で学べるサイトを紹介してもらった。
このeラーニングでは知的財産制度についてカテゴリ化されており、学びたい項目を選んで学習することができるので、自分が現在携わっている業務や興味ある項目から順番に学ぶことができた。講師が授業している様子がビデオとして公開され、判りやすい内容になっている。ただ、知的財産とは法改正の度に変わるため常に最新情報を学び続けなくてはならない。このeラーニングでは法改正後の講座も公開されているので、改正前と改正後を比較して学ぶことができた。
学習成果については認定書が発行され、この認定書を上司に提示することで自己啓発学習成果として認めてもらうことができた。徐々にではあるが講座こなし、学んだ知識は日常業務にも活かせたので、より早く業務を処理することができるようになった。そうこうしているうち日本語の講座は終了した。会社の業務では日本よりも外国の方が重要であったが、異動したばかりの江口さんには外国の仕事が回ってくることはなかった。江口さんは何とか外国の仕事を最初のきっかけとして獲得しようと、このeラーニングで英語による外国知的財産制度を受講した認定書を上司に提示した。熱意が認められたか何とか外国の仕事を最初に得ることができ、学んだ知識も活かして無事完了させ、上司からの信用も高まり、外国の仕事も増えていった。江口さんはeラーニングにより異なる分野のキャリアを追加することができた。

毛利一郎さんは県の図書館で一般事務員をしている30歳の男性である。
毛利さんは県の保有するたくさんの貴重な資料や文献を保存してある図書館で働くという職業柄、歴史学に対する知識の足りなさを痛感していたが、独学で知識を増やすことには限界があった。
最近、図書館の利用者から、歴史に関する質問をされたが、マニュアル通りの説明しかできず、このような仕事ぶりでいいのかとても悩んでいた。
毛利さんは、インターネットで「歴史学」と検索すると、NTTナレッジ・スクウェア社が提供しているgaccoというMOOCを見つけた。gaccoのサイトを開いてみると、歴史学に関する講座が開講されていた。講座を担当する教授は国立大学の優秀な教授であった。
独学以外の方法で歴史学を学びたいと思っていた毛利さんは興味を持ち、講座を受講し、見事に修了証を手に入れる。
gaccoの良さはインターネット環境があれば、社会人でもいつでも学べるところである。9時~17時まで仕事をしている毛利さんにとっては最高の環境だった。また、講座の動画を再生中に、一時停止機能があるため、勉強中に用事ができてしまった時でも、また戻った時に
続きからすぐに学習できるなど、いいことばかりであった。
毛利さんは歴史学の講座で、文献の読み方の基礎が分かり、正しい歴史がわかるようになった。今では図書館の利用者から質問があった際には、状況に応じて、文献の読み方や、正しい歴史を教えることができ、抱えていた悩みは解消された。gaccoに出会ったことにより、以前は悩みながら仕事をしていた毛利さんは、いきいきと働けるようになった。
gaccoが存在しなかったら、このような出来事はなかっただろう。
そして、毛利さんは生涯gaccoの存在を忘れないだろう。

本多知子(64歳)さんは大学卒業後、外資系企業で秘書として長年勤めた。 退職後自由な時間を謳歌している。 今年3月、新聞で偶然目にした無料オンライン講座「gacco」の記事の中に慶応大学、村井純教授の「インターネット」と言う講座を見つけた。 受講資格として「高校レベルのコンピュータサイエンス、科学やテクノロジに対する知識」が必要とあった。 知子さんは仕事ではパソコンやインターネットを活用していたものの、大学では英文学専攻、科学とは無縁の生活を送って来たので多少無理かなと思いながらも受講を決心した。 
主な受講動機はパソコン動作の基本技術に精通したいというものであったが、講義はインターネット発展の歴史、その急速な進歩、そして今後社会のインフラストラクチャーとしての役割等を説明するものだった。 インターネットへのアクセスが個人の人権にさえなると言うのは驚きだった。 設問や課題は、講義を聞いただけでは回答出来ない難題が多かったが、ウェブを利用して更に知識を深め、講座を修了証と共に終える事が出来た。  現在はコンピュータサイエンスの勉強という次の目標も出来たし、パソコンが更に身近な存在となっている。 
もう一つ驚いたことは、80歳を超える高齢の方々も受講なさっていたことだ。 無料オンライン講座は学生や就業中の方達だけでなく、リタイア組でも向学心のある人々が学習できるというのが素晴らしい。 正に「生涯学習」を助けるシステムだ。 今までの学習経験と全く違うカテゴリー分野を学べると言うのも大きな利点だ。 年齢を重ねたとしても、新しい自分を発見できる機会を与えてくれる。
知子さんは今後も、「gacco」の講座受講を続けようと考えている。 勉強の好きな知子さんは、これからも新しい事を学べることに大きな喜びを感じ、社会のインフラストラクチャーとなったインターネットの発展に感謝しながら毎日を過ごしている。

山田さんは,地方都市のY市にある地元企業でもある総合化学会社に就職している。彼の担当業務は,樹脂製品の原料「PP化学物質」の生産部署のスタッフである。「PP化学物質」はアメリカの「大手化学会社CCI」からの技術導入した製造プロセスで生産されている。年に2回,アメリカの化学会社との技術会議が開催される。山田さんは,この会議に参加し設備の運転技術の説明をすることになった。先方の技術者から専門的な質問があったが,上司のサポート受けながら対応することが出来た。しかし,自分に不満が残った。一つは英語の会話が未熟であったこと。二つ目は化学の専門知識が未だ不足していたこと等を痛感させられた。英会話は会話教室に行くこととしたが,化学の専門知識は,その理解が難しく自分に合った学習方法を探した。大学に行くことは勤務との兼ね合いと,地方に在住している関係から無理と判断した。勤務後の空いた時間での学習をと考えるとインターネットを使用することになる。日本ではJMOOCが開講されていることは知っているが検索すると,希望の講座開設はまだである。このため英語の勉強も兼ねて外国のMOOC「Webcast.berkeley.edu/Chemistry」の化学を選択することとした。この講座は自らの理解に合わせて学習の進捗管理が可能な講座内容であった。英語の講座により英語の表現に親しむと共に,化学の専門を学習できる一石二鳥の方法となった。その後,技術交換会議でも臆することなく参加できるようになった。MOOCのお陰で知識を吸収し自らの技術レベルの向上と物の見方,視野が拡がったと認識している。今後の活躍を上司から期待されており,仕事の励みにもなっている。

 佐藤裕子さん(26歳)は子供が小学校に来年入学するため、自分も働こうかと考えた。大学は出産のために中途退学してしまったため、学士号は持っていない。初めはアルバイトからかもしれないが、将来的には正社員として働きたいため、大学卒業に足りない単位をオンライン大学で補うことにした。探していくうちに見つけたのがウェスタン・ガバナーズ・ユニバーシティである。USAの大学だが、日本の大学の単位に振り替えが可能な科目もあるため、それを履修、取得することにより学士号を取得できる。WGUのスタッフとインターネットを使ってインタビューを受け、必要な単位を履修登録した。
 大学時代は経済学部に在籍していたため、会計学や経営学の科目を履修することにした。佐藤さんは夜に学習しようと試みたが、夜は家族がそろうため夜は学習しないことにした。そこで、朝早起きをし、子供が起きるまでの1時間を学習時間にあてることにした。朝はWGUで学習し、昼間はアルバイトをして夜は家族と過ごす生活を2年間続けた。大変ではあったが、簿記の資格を持っていたため、出席数をみなしで認定してくれる部分もあり、予想よりも早く必要な単位を取得し経済学学士を取得できた。
 それからは就職活動をする際に大学卒業の資格が必要な企業にも応募することができるようになり、正社員として就職することができた。佐藤さんは働き出してから、資金の運用に興味を持つようになり、今はCourseraでファイナンシャルプランナーの資格取得に必要な科目を学習している。

 山田耕作さんは、公務員コースの専門学校を卒業後、就職活動が上手くいかないまま外食産業のアルバイトに従事している。22歳になり結婚し子どももいるが、夫婦共に非正規で働いているため、家計が苦しいので親と同居している。親の支援なしでは、子育ても家計も成り立たない。子どもの教育費や自分自身の将来設計を考えると、この生活から脱し正職員に採用されるための準備を始めたいと考え始めた。
 父親が会計士、母親がFPの資格を持って働いていることから、自分も経済方面の勉強で資格をとることを先ず目標に定めた。日々バイトで忙しく、夜も遅くまで働き、休みには子育てもするので、通学することは無理である。通信教育は性格的に向いていないので、無料でネットで学べるものがないかを探してみた。
 日商簿記3級対策コースが受けられる無料オンライン学習Livoo!http://www.livoo.ac/course/boki3.htmlが見つかった。時間が少し空いた時にも繰り返し見ることで、簿記の全体像が把握でき資格試験に合格できた。両親や家族から今までの努力を認められて、正規職員を目指す上での自信がついた。アルバイト先の店長に伝えると、2級の資格取得後には本部正社員の道があると伝えられた。これから2級取得を目指し再びネットで学ぶことにした。
子育てで悩みが出た時ネットで調べたりしていた妻も、子育てに役立つ心理学をネットで学びたいと言い出した。学校は楽しかったが、勉強は嫌いだった二人。子どもができたことで、将来を考え自分の意志で勉強することができた。学校を卒業してもいろいろなことをいろいろな方法で学べることができる嬉しい時代だと思う。 

アレックスはロンドンに住む21歳の青年。現在叔父の会社に勤めているが好んで入社した訳ではない。小中学校の成績は良かったものの、高校の全国共通試験での成績は捗々しくなく、滑り止めの大学に入学することになったが希望大学に行きたい気持ちは変わらず、翌年なんとか希望大学に入学する事が出来た。しかし数学の成績で引っかかり落第。要するに何の資格を取ることも出来ず学生ローンの額を増やしただけで学歴滅茶苦茶なキャリアの落ちこぼれになってしまった。それで学校の休みによくアルバイトでITの手伝いをしたこともあって叔父の会社で雇ってもらうことになった。大学卒でも就職難のこの頃、仕事があるだけでも有難いが毎日が面白くなく鬱に陥りそうになった。
そんなMOOCのことをうるさく言われたのを思い出した。数学の基礎が弱いのでカーンアカデミーでやってごらんよと言われ、大学にいた時に少し手をつけたが他の科目勉強に時間をとられ、そのうちに止めてしまった。でも大学の授業より分かり易かった記憶がある。興味のある科学系の仕事に就くにはどこに行こうとも数学の基礎が大事だから時間を見つけてまた始めるつもりではいる。またMOOCの事を教えてくれた母親が最近見つけた日本初のMOOCであるgaccoでオープンエデュケーションについての講座を受け始め、様々なMOOCが存在する事を伝えてくれ、重田先生の教材を見せてくれた。その中で特に目に留まったのがUdacityだ。
Udacityは人工知能の講座を無料で提供した二人のスタンフォード大学の教授の実験プロジェクトから始まった歴史もあってかテクノロジー関係の講座がいっぱい。プロジェクト製作中心の学習でテック企業開発のコースも多くあり、費用はある程度かかるとしても企業に認められる修了書が習得されるのも魅力だ。いろいろな講座があるので自分の夢をもう一度探してみたい。生きていく事に希望が生まれた気がした。

山内さくらさん(28歳)は、小さいデザイン会社のDTPデザイナーとして働いている。最近、印刷物とWebをセットで発注したいとのお客様からの相談が多くなってきたので、なんとか希望に応えたいと考えていた。

しかしWebについては仕組みはなんとなく知っているものの、自分が作るとなると何から手を付けていいかさっぱりわからない。通常の業務も忙しいため、学校に通う時間を取るのは難しい。そこでなんとか自力でWebが作れるようになる技術を身につけられないか…とネットで色々と調べてみることにした。
そんな中、schooという無料で授業が受けられるというサイトにWEBデザイナー学部というのを見つけ、受講を始めた。ここではWebデザインについての授業を体系立てて組み立ててくれているので、どこから手を付ければいいかわかりやすく、Webデザインからコーディング、公開まで基礎から学ぶことができた。
また、schooにはグループというものがあり、そこでやりとりをするうちに同じように独学でスキルを身につけようとしている仲間にも出会え、情報交換をするようになった。
もっと詳しく学びたい内容について、その仲間に相談したところ、ドットインストールというプログラミング学習サイトを教えてもらい、こちらも併用して技術を身につけていった。

その後、サンプルを作成して社内にプレゼンしたところ、それならば社内でもWebチームを発足してみようということになり、山内さんはチームリーダーを任命された。新規でWeb技術者も採用してもらうことができ、山内さんはチームリーダーとして充実した日々を送っている。
何より嬉しかったのは、お客様に「Webとカタログをセットでお願いできて、デザインも統一できるしとても助かるよ。」と喜んでいただけたことだ。独学で学習するのは大変だったが、踏み出した一歩は自分にとってとても大きな一歩だったと満足している。

山下さんの場合
山下さんは大学の卒業の後の新入社員だ。ふるさとは小さい町だが、仕事のために初めて東京に住んでいた。でも、社会の生活の適応は非常に難しい。毎日仕事の終わるあと、マンションに一人で遊びした、対外の交流があまりない。ある日、インターネットでCourseraを知て、一時の時間の経てためにCourseraの中で社会心理学と言う講座を受講した。この講座の講師は有名な大学の教授で、社会心理学について詳細な内容を述べることだ。例えば、人間の普通の認識のミスとか、日常の中で心理の理論とか、どうやて自分がもっと人目を引くこととか、いろいろな面白い講義があった。さらに、この講座で自分の才能を余すところなく発揮することがあれば、アメリカに行って心理学の大師と会ってのことも可能だ。
山下さんはこの講座は楽しく参加して、たくさんな知識が知ることはなく、電子掲示板で全球の人たちと挨拶や議論なと活発におこなっていた。それから、自分自身は勉強した知識を利用して、魅力を身につけることにして成功の社会人になった。周りの人から非常に好評が得れることがあった。

会津大学で情報学を学ぶ田中さんがいました。彼は大学の授業でわからなかったプログラミングの勉強をAIZU ONLINE JUDGEを通して勉強しています。AIZU ONLINE JUDGEでは、C言語などのプログラミング言語で用意された問題を解いて提出し、機械によって自動採点され学習を繰り返すということをしていました。彼にとってそれは自分のペースで勉強できるうってつけのツールでありました。
田中さんは会津大学で学んでいくうちにAIZU ONLINE JUDGEのようにコンピュータサイエンスをネット上で学ぶことができないかと調べたところedXに出会いました。会津大学では熱心な英語教育を受けていたためedXに挑戦することにしました。edXではカリフォルニア大学バークレー校によるArtificial Intelligence(人工知能)の講義が提供されていたので受講することにしました。
やはり専門用語やネイティブスピーカーによる英語は難しく、何度も停止と再生を繰り返しコツコツと受講を繰り返しました。課題を必死にしあげ、何とか修了証を手に入れた彼はこれが大きな自信となり、更なる高みを目指すのでした。
彼はこのような機会を与えてくれたオープンエデュケーションに感謝し、自らそれに関わりたいと思うようになりました。自分と同じような福島という高等教育を学ぶには適さない場所でもオンラインで教育を受けることができれば、どれほどの人間が救われるのだろうかと考えた彼は、edXやgaccoのような大学の授業だけでなく高校あるいは中学校、小学校にも幅が広がった時、世界中の人間がインターネットにつながるパソコンさえあれば、いつでもどこでも学ぶことができるのではないかと思いました。このことが可能になれば、世界の学力は大幅に底上げされ、発展途上国は顕著に発展していく様子がうかがえるだろうと想像がつきました。それから彼はたくさんの知識、スキルを身に着け北海道大学大学院に進学し、MOOCの日本における権威である重田先生の下で研究することとなりました。

(メキシコ人のマリアさんの場合)
マリアさんはマヤ終焉の地といわれているカリブ海に浮かぶトゥルム遺跡で有名なメキシコのトゥルム市に住んでいる。大学で観光学を学んだ後、この地でガイドの仕事をしている。大学のときに英語とフランス語を学んだので、英語圏、フランス語圏の観光客や当然母国語のスペイン語圏である観光客には問題なく対応できる。しかし、近年世界的観光地のカンクンから足を伸ばす日本人観光客も増えてきた。日本語を学びたいと思うが、近くに日本語を教えているところはない。そこで、インターネット上で日本語の講座を探してみることにした。
いくつか講座が見つかったが、国際交流基金の「エリンが挑戦!日本語できます」で勉強してみることにした。スペイン語が選べるので、手軽だし安心だ。基本スキットのビデオを見ながら、表現を学んだ。ビデオ版のほかにマンガ版があるので、ビデオを見た後でマンガを読んで自分の知識を確認していた。最初はローマ字とスペイン語で勉強していたが、何週間か勉強したところで、少し物足りなく感じてきた。やはりひらがなとカタカナは覚えた方がいいかなと思った。そこで、国際交流基金のほかのサイトを探してみた。すると、「まるごと+」というサイトが見つかった。入門コースではスペイン語が選べる。日本語以外は英語かスペイン語しか選べないので、日本にとってスペイン語は重要なのかな、と思い少しうれしくなった。このサイトでは、文字が学べるのと共に自分がドラマの主人公になってドラマに出てくる人たちと話をしたり、日本や他の国の生活や文化を学ぶことができる。桜や紅葉など、季節を大切にする日本人の考え方はとても新鮮に感じられた。
最近マリアさんは日本人観光客を見つけると積極的に話しかけるようになった。そして、お金をためてぜひ日本に行きたいと思っている。日本の大学で観光学を学ぶというのが今のマリアさんの夢だ。

佐野さん(55歳)は、工作機械メーカーの営業部長職にあり、定年を5年後に控え、定年後の仕事を模索中です。

彼は、本社、工場、海外支社で沢山の業務に携わってきた。公的な資格はないが、経験した業務の知識には自信はある。が、第二の人生に、どの知識を活かすか決めかねていた。

2014年4月、gaccoのスタートを知り、兎も角受講した。自分の知らない事を、一流の大学教授等から、無料で講義を受けられることに無上の喜びを感じた。特定の分野の知識を広め、再就職の武器にしようと考えた。

ところが、gacco4番目の講座”オープンヱデュケーションと未来の学び”を受講して、世の中に、この様な制度や組織が確立されていることにショックを受けた。しかも、例えば、コーセラの修了証”Signature Track”で、大学の単位が取得できるところまで進んでいることを知る。

世界中で大勢の人がOERを通じて学んでいる現状がある。gaccoの講座でも、国内外の文字通り老若男女が受講していることを知り、潜在的な受講希望者に対して、講座内容がもっと多岐にわたり、多くの人に知ってもらえれば、良いなと思った。

受講開始から3年経った58歳のとき、ミートアップで得た仲間2人と、多様な講座の開設推進、講座の紹介、スポンサー探しを目的とした、新会社の設立を誓った。

幸い彼の会社には、定年前2年間の、再就職支援制度があり、自由に使える時間があった。

ga004を繰り返し復習し、大学、企業に講座の開設を勧め、スポンサー探しに腐心した。

具体的には、大学、企業の知名度アップ、大学の教育費の低減、企業の社内教育の充実、教育コスト削減、プロモーション試験への採用などを訴えてきた。

種々の努力の結果、定年を迎えた2019年4月に新会社設立に漕ぎ着けた。

沢山の課題を抱えながら、希望に向かって全量投球を続けている。

 佐藤美紀さん(37歳)は,2才と5才の子どもを育てる専業主婦だ。大学では英文学を学び,卒業後は外資系の企業に勤めていたが,1人目の子どもの出産時に仕事をやめて専業主婦になった。出産後は自分の時間を作ることができず子育てに追われ,さらに最近は,子どもたちが佐藤さんの言う事を全く聞かないため,イライラしてばかりの毎日だ。
 そんな中,大学時代の友人からMOOCについて教えてもらい,子どもとの関わり方についてのedXの講座を受講し始めた。佐藤さんは子どもがいるため,大学の公開講座や講演会にはなかなか出かけることが出来ず,子どもが小さい間は何かを学ぶことは無理だとすっかり諦めていた。しかしMOOCであれば,自宅で受講することができ,また動画は短い単位で何度でも見ることができるため,子どもから手が離れた少しずつの時間を使って,最後まで受講することができた。
 講座では,子どもの発達に関する基礎的な知識だけでなく,子どもの問題行動に直面した時の保育者の接し方についても講義されていて,日常の子育てですぐに使える内容だった。佐藤さんは,さらにストレスマネージメントやポジティブ心理学に関する講座を受講し,ストレスの対処法についても学ぶことも出来た。MOOCで学んだことを実際に子育ての中で実践できるので,講義内容をさらに深く理解することができ,日々の子育ても少しずつ楽になり,子どもたちと一緒に笑っていられる時間も増えていった。
 佐藤さんは現在,MOOCを受講することで子育てが楽になったこの体験を,さらに多くの日本人と共有したいと考えている。しかし海外のMOOCを受講することは,佐藤さんのように英語を自由に使える人でなければ難しい。将来は,佐藤さんがMOOCを通して学んだ子育ての秘訣や学ぶことの楽しさを,無料の子育て支援の講座などを作って発信できたらいいなぁと考えている。

松山一郎さん(35歳)は、大阪の化学メーカーの営業部に勤務する中堅社員です。仕事は、顧客の個別対応はもちろんのこと、数名の部下の業務指導や実績管理に忙しい毎日です。現在、業務実績はまずまず順調ですが、今後の業務や将来の事業展開の方策についてどうあるべきか何時も迷いがあります。そこで、経営講座のセミナー受講を考えていますが、中々都合がつきません。そんな中、インターネットで調べていたらコーセラMOOCで世界の一流大学の経営講座が無料で受講できるメニューが数多くありましたが、英語での提供のみで、受講には至りませんでした。さらに調べを進めるうち、日本でもJMOOCで経営講座の開催を知り受講登録しました。
 このJMOOC経営マネジメント講座は、経営戦略思考から戦略実行により営業成果を挙げるまでの実務に即した講義内容です。毎週課題をこなすことにより、講義の理解度を確認するとともに、電子掲示板でのJMOOC参加者の相互の自由なディスカッションを通じて講義とその課題対応を検討協議するとともに、講座後半に開催された反転学習にも参加し、対面での個別指導や意見交換は非常に有意義なものでした。最終レポート作成提出により講座受講認定書も取ることが出来て、その結果、学習したマネジメント論理思考法を日常業務においても活用することによって、自信を持って業務に励むことが出来るようになりました。今後もJMOOCでの各種経営講座等に積極的に受講し、認定書をとることによって、業務の自己研鑽や生涯学習に役立てたいと思っております。

周雪飛さんは中国の貴州省に 住むおしゃれなファッションが大好きな高校2年 生の女の子だ。まだ一度も貴州省から外側に出たことがない。中国は生まれた省から出るには、仕事か旅行目的を申請し許可証が必要だ。彼女は高校を卒業したら広東省の広州市にある金麟美容学院に入学したいと考えている。しか し、 省外に出るには、許可証だけではなく、銀行に担保金を3万元積み立てなければならない。卒業まであと一年、インターネットで探してみること にした。美容ファッションをキーワード に関係のありそうな学校を検索することにした。中国国内には各省の首都に必ず美容関係の学校があることがわかった。
将来どんな仕事をするか?服飾デザイナー、パタンナー、美容師、ヘアメイクアーティスト、ネイルアーティスト、彼女の夢はどんどん広がっていった。海外の美容関係のネットの中に
オープンコースウェ ア”Nail artist Design”ネイルアーティストデザインのコンテンツ があった。英語はできないが、公開されて いる授業の写真を見ながら基 礎知識を身につけていっ た。また、さらに探して みると いろいろなモジュールが見つかり映 像がMITやさまざまなサ イトで学習できる。
日本のMOOC オープンエデュケーションでは、ファッション関係の授業ではが行われるようになり、講 義の様子がそのままウェ ブで公開されている。まだ高校生の彼女は省外にも出られないが、世界中の国のファッション美容学院のオープンウェアコースの講義に参加しようと選択肢が広がっていった。

佐藤大五郎さんは都内で働く25歳の男性だ。彼は生活雑貨等の制作から販売までを一貫して行う企業で働いている。そしてこの度、部門横断プロジェクトの一環で利用者増と顧客満足度を目的とした自社アプリ制作チームに参加することとなった。
これまで大学でも文系を専攻していた佐藤さんは、この配属に戸惑う。アプリを使ったことはあっても、作ることに必要であろう専門知識を学ぶ機会はこれまで一度もなかったからだ。そこで、そもそもスマートフォン向けアプリはどのように作るのか調べてみることにした。しかし書店に並ぶ関連書籍はどれも開発者や既にある程度プログラミングが出来る人向けのものばかり。アプリケーション関連の一般的な仕組みや構築方法、必要な知識や用語を理解したかった佐藤さんがそんな時に見つけたのが”ドットインストール”というオープンエデュケーションサービスだった。このサービスはプログラミング学習を目的としたものだ。3分程のレッスン動画がコースごとに10~30本用意されており、初歩から段階的に学ぶことができる。このサイトでアプリの基本的な作り方や用語を理解した佐藤さんは、これまで理解することの出来なかった記事や書籍も読むことが出来る様になり、その後の業界研究や市場調査の効率は格段にあがった。その結果、佐藤さんの参加したプロジェクトは成功。理解があった故に可能となった踏み込んだ企画もアプリ内に実装され、利用者の評判も上々なものとなった。ここでの活躍が認められ、以前在籍していた流通管理部門から、入社時より希望していたプロモーション部門に配属されることとなった。

教育関係の会社で働く白石浩樹さん(31歳)は、仕事の関係で、海外の学者たちの講演会に参加する機会がある。英語は得意というほどでもなく、講演会は通訳レシーバーは欠かせない。だが、講演者との交流の機会もあるので、そろそろ通訳なしで、会に参加したいと思っているところだ。
まずは、TED talksでスピーチをきいたり、BBCの6minutes Englishなどの教材で学習を開始した。これらのよいところは、字幕やスクリプトが提供されていることだ。無料だが、内容も豊富なので、自分の興味にあわせて学習することができる。また、スマートフォンでも視聴できるため、通勤時間にこれらを使って学習するようにした。
とはいえ、不満がないわけではない。何というか、聞き放しにしてしまうことが多いのである。そんな折、TED talksにて、開発者の一人というダフ二ーコラーのスピーチからCourseraのMOOCを知った。そこでは、課題も期限もあり、大学での学習経験を、インターネットを通じて得るのだという。
さっそく登録してみたが、まずはコースを終えることができるのかが心配だったため、ハードルを低くして受講することにした。自分の興味のある分野で絞り込み検索をして、そのなかから、コース案内を頼りに、開講期間が短く、週の学習時間もあまり多くないものを選択した。また、これまでのキャリアや英語力も不問というコースを選ぶことにした。
授業は講義だけかと思っていたら、twitterを使ったコミュニケーションが行われていた。また、google hangoutを使った同期ディスカッションもあった。世界中の受講生がディスカッションしている様子は、とても励みになる。オンラインだが、独学とは違う学習経験ができたと思う。次は初年次コースとしても開講されているコースを受講し、若い学生との交流できることを楽しみにしている。

小林茜さん(19歳)は、ホテルレストランのシェフになるのが夢で東京の調理専門学校に通っている。学校では、週一回栄養学の授業があるが、栄養学についての知識をもっと深めたいと感じていた。ヘルシー志向の時代に新しいオリジナルレシピを考える上で、栄養学の深い知識はとても役立つと考えたからだ。
また、小林さんはホテル勤務に英語は必須と考えていたため、以前から英語学習に意欲的で毎月英語学習雑誌を購読していた。その雑誌の記事でMOOCのことが取り上げられていた。英語で配信される大学の授業は英語教材としても役立つというのだ。そこで、小林さんはMOOCを利用して栄養学と英語の両方を学ぼうと考えた。雑誌にはMOOCの代表的な配信機関として、edX、Cousera、Udacityがあげられていたが、英語学習者におすすめは、字幕機能が充実したedXだとされていた。
小林さんはedXに登録しFood&Nutritionでコースを検索、栄養学のコースを受講することにした。講師の話す速度は速くて一度では聞き取れないことも多かったが、字幕機能をフルに活用し何度も動画を巻き戻したりしながら、自分のペースで学習を進めた。このコースで学んだ知識は専門学校の授業で得た栄養学の知識をさらに深く掘り下げたものとなり、新しいヘルシーレシピを考案する上で非常に役に立った。また、最初は何度も巻き戻さなければ聴き取れなかったレクチャーも回を追うごとにスムーズに聴き取れるようになっていった。
小林さんは現在、edXで学んだ栄養学の知識を生かしたレシピを創作し、専門学校内で開催される新作レシピコンクールにチャレンジすべく日々、研鑽を重ねている。

 佐々木和子さん(65歳 主婦)は、高校生当時、家が貧しかったうえ、女性の進学が極めて少ない田舎に住んでいたため、大学への進学を泣く泣く諦めた。二人の子育てを終えて第2の人生をどう過ごそうかと考えていた時、ずっと興味があって主に読書により知識を得てきた異文化交流や、アジア諸国の文化・建造物・歴史等について、専門的に学びたいという意欲が高まった。しかし、大学を受験する自信も勇気もない。そんなとき、大学教授陣による授業を無料で受けることができるMOOCに出会った。
 まずは日本のMOOCであるgaccoに登録し、立教大学 舛谷 鋭先生による「交流文学研究 ~東南アジアへの旅~」を受講した。家事の合間の好きな時間にPCで、お気に入りのCaféではスマートフォンを用いて学習を進めた。受講生同士、あるいは講師陣とコミュニケーションをとることができる掲示板の活用が、学ぶモチベーションをより高めてくれた。また反転学習コースでは、授業で学んだことを基に、初めて出会う受講生同士で議論を行うことにより知的刺激を受けたり、憧れだった大学で学ぶ喜びを味わうことができた。
 修了後は、放送大学に入学して学びを深めると共に、海外のMOOCの中で多言語に対応しているCourseraを活用し、世界の大学の授業を受けたことで知的好奇心は更に拡大した。英語の講義を修了できたことが自信となり、実際にアジア諸国をはじめとする諸外国を訪れることもできるようになった。
 このようにして、佐々木さんは、家族のために一旦諦めた夢を第2の人生で叶えることができた。今後は、地域で異文化交流活動を行うボランティアグループを立ち上げようと考えている。まだまだ佐々木さんの夢は広がり続けている。

京都太郎さん(35)は、京都市内の中堅ホテルに勤めている。支配人として現場運営を担っており、後進の人をそろそろ育てないといけないと考えているところだった。昔から修学旅行生の宿泊施設として運営しているが、2020年の東京オリンピックに向けて、外国人旅行者も顧客ターゲットとして検討したいと考えていた。
そのために、まずアルバイトを含めた従業員の語学研修を充実させたいという施策を考えた。
そこで、NHK関連の外国語習得のためのフレーズ学習サイト「ゴカクル」を語学研修の自主ツールとして、毎週の集団研修の事前学習として活用することにした。これは、サービス業のため、まとまった研修時間が確保しにくい業務性質上、職場以外でも学習できる環境が獲得できるという利点があるからだ。また、学習フレーズを従業員どうしで共有することで、現場と学びとのギャップや学習者どうしの知識の共有につながると考えた。さらに、週1回の短時間の集団研修をより積極的な学びの時間とするために、幹部候補の従業員に、グループ学習のファシリテーターとして、学習フレーズを活用したケーススタディを実施するようにした。
「ゴガクル」の活用により、シフトによりなかなかコミュニケーションがとりにくいアルバイトや従業員とのオンライン上のコミュニケーションも活発になり、実際の職場にも好影響を与え、現場の状況に応じた会話を学ぶことができたため。外国人旅行者が来ても、すべての従業員がその国のことばでのおもてなしができるようになり、京都市内での外国人の人気のホテルとなった。

浜田希美さん(30)は、京都のITベンチャー企業でWebプログラミングをしている。主に客先向けのデータベースを使ったシステムを作っているので、Web系の言語を使っている。
ある日、上司から、会社がネットゲームやスマートフォン向けのゲームアプリを作る部署を新設し、浜田さんはそこへ異動することに決まったことと、プロジェクトリーダーを任されることになったことを知らされる。
浜田さんは、ゲームを作成したことがないので、まずはゲームとはどういうものか?を本を買って勉強を始める。
さらに、本以外からも学習し知識を得るためにインターネットにて調査をしていたところ、オンライン学習サービスの「Udacity」にたどりついた。そこで「HTML5ゲーム開発」というコースを見つけ、講座概要のビデオを見ていたところ、Webの知識がある程度あれば学習が可能であり、また、最先端の内容を学べることもわかった。何より日本語の字幕もあるのでこのコースを受講することにした。
動画は日本語字幕があるものの他は全て英語なので、英語の電子辞書を片手に悪戦苦闘しながらも、一つずつ課題をクリアしていきました。
ディスカッションも英語だったので、英語を使って世界中の受講者と教え合いながらゲームを完成させました。
ゲーム開発の第一人者の方が講師をしていることと、無料ではあるが、大変中身の濃い内容なので、ゲームを作成したことのないプロジェクトメンバーにもUdacityを勧め受講してもらうことにした。
また、自分も次はアンドロイドアプリを作成する講座を受けてさらに知識を深めようと決めた。
一つゲームを作る方法を習得したことで、プロジェクトリーダーとしての自信がついた。
また英語を使ってのコミュニケーションも取れるようになったことから、ゲームは日本語版と英語版を作成することも自ら上司に提案をするなど、積極的にリーダーとしての役割を果たせるようになった。

中村さなえ(24歳)はある国立大学の薬学部で学んでいる。薬学部での成績は優秀で、来年春の卒業後に薬剤師の国家施策を取得し、製薬会社での研究開発職になる予定だ。

そんなある日「インタラクティブ・ティーチング」というMOOCの講座を学習することになった。大学の修士学生向けの「プレFD※」という講座があり、その講座参加の事前学習として受講を義務付けられたものだった。ちなみに中村は修士課程の学生ではなかったが、薬学部の6年生ということでプレFD講座の履修を認められていた。

中村はどちらかというと人前で話すことが上手でなく、今まで人に教える事を職業にしようと考えたことは一度もなかった。しかしこの講座を履修することで、一方的な講義形式でなく、学生と教員の様々なインタラクションの中で学ぶ可能性、楽しさを初めて知ることになった。

薬学教育は、ややもすると「知識の暗記」に重点が置かれ、書物や先生の教える内容をただひたすら受け止め、暗記することが多かった。考えてみると、薬学部に入るまでも受験勉強に追われ「受け身」の教育しか経験したことのなかった中村にとって、非常に衝撃的な内容であった。

この講座を受講して以来、中村は製薬会社への就職を目指すのでなく、大学院に進学し、よりインタラクティブな薬学教育ありかたを研究し、将来は後進の指導にあたりたいと考えるようになった。今回のプレFD講座で学習した反転学習の仕組みを活用すれば、一方的な講義形式が多い薬学教育に変革がもたらせるはずだと中村は考えている。

※プレFD
プレFDとは、これから大学教員(ファカルティ)になろうとする大学院生やOD(オーバードクター)・ポスドクのための職能開発の活動のことです。
(京都大学 高等教育研究推進開発センター Webサイトより
http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/prefd/about/) 

大橋明(32歳)は、情報処理会社に勤める中堅のビジネスマンである。
職種はSE(システムエンジニア)で、現在の仕事にやりがいを感じてもいるが、
社会の急激な変化(特にIT革命)にも、興味を持ち、仕事面でも何か新しいことにチャレンジしてみたいと、常々思っていた。
そんなおり、社内で顧客向けにインターネット上のビッグデータを活用したマーケティング情報提供サービス部門が立ち上がることが決まり、全社的に同部門の人員への公募がスタートした。
大橋は以前から、MOOCにも興味を持っており、最近gakkoで、重田先生による「オープンエデュケーションと未来の学び」の受講を終え修了証を取得したばかりだ。
大橋は工学部の出身ではあるが、コンピュータ・サイエンスについては体系的に学んだことがなく、社会に出てから仕事を通してプログラミングなどのスキルを培ってきた。
こんなことから、新規部門で必要とされるスキルを獲得するために、体系的にコンピューター・サイエンス部門を学習することができ教材も充実しているMIT OCWでData Miningのコースを受講しビッグデータの解析技術について学ぶことにした。
英語でのMOOCの受講は初めてではあるが、学習範囲を広げる意味からチャレンジしてみることにした。
そうはいっても、若干の不安もあったため、橋渡しとして、まずは英語を母国語としない外国人向けのコースが充実しているFutureLearnで
主に英語によるコミュニケーション能力を向上させることを目的としたStudy Skills for International Students、Exploring English、A biginners's Guide to write in Englishなどのコースを受講してみることにした。
以上のことを資料としてまとめ、社内公募の担当者にプレゼンテーションを行った。
その結果、熱意を認められ、新部門への配属が決まった。

 この春35歳を迎えた商社勤めの佐藤陽子さんは、営業部から広報部に異動になりウェブプロモーションを担当している。しかし営業一筋だった佐藤さんはウェブ制作の知識が無いに等しく、自社のウェブサイトでできること・できないことを巡って外注先のウェブデザイナーと話が噛み合わず苦々しい思いをしていた。
 ある日佐藤さんはネットのニュースで、昨今普及している大規模公開オンライン講座の存在を知った。その記事の中でプログラミングやウェブサイト制作の学習サービスとして紹介されていたのが「Codecademy」である。これはと思い検索してみると、初心者がウェブサイト制作を学ぶコースがすぐに見つかった。説明は英語だが文は短く理解可能で、何より無料なので試してみようと思うには十分だった。
 Codecademyにはビデオがなく、単元ごとの説明文を参考に短い課題を自分のペースで段階的に解いていく学習形式だった。しかしそれは単調ではなく、入力欄に文字列(コード)を書くとすぐデザインが反映され実感を伴って学べるほか、問題を解く度にポイントが付き、解き進めるとバッヂがもらえるので、佐藤さんが飽きることはなかった。また、疑問があればQ&Aのページで学習者同士が相談でき、他人の質疑応答を読むだけでも参考になった。
 こうして佐藤さんは、ウェブサイトの基本であるHTMLタグやリンクの仕組み、レイアウトや文字装飾の設定などを実践的に学ぶことができた。仕事でもその知識が活き、ウェブデザイナーの言うことを理解し的確に指示を出すなど、円滑に仕事が進むようになった。上司の信頼も増し、程なくして自社ウェブサイトのリニューアルプロジェクトのリーダーを任されるまでになった。

『桐島、edXはじめるってよ』
桐島はK高校英語部の部長である。英語部では、映画や新聞、雑誌を使ったディスカッションやレポートで切磋琢磨しているが、最近は活動がマンネリ化し、部員の士気が低下しつつあった。そこで桐島は、かねてから興味のあったMOOCを活動に取り入れることを提案した。部内で検討し、edXでUCBerkleyの心理学のコースを全員受講することになった。当初は米一流大学の英語の授業に苦戦したが、顧問の先生の指導に助けられ、徐々に授業についていけるようになった。部員は各自オンラインの授業を受け、部活の時間がミートアップの場となった。時にはディスカッションフォーラムに質問を書き込み、各国の学生たちと情報交換してヒントを得ることもあった。最初は興味本位で受講した心理学だが、アメリカでは心理学が科学的な学問として確立していることを知った。エッセイの書き方のこつをつかんだのも大きな収穫だった。最後に修了証がもらえたことは、部員たちにとって大きな自信につながった。
これを機に、部員たちは各自の興味に応じた講座を取りたいと考えるようになった。理系の東野は、edXでMITのコンピュータサイエンスの講座を受講、卒業後はMITに留学したいと張り切っている。英文科志望の村上は、edXで英作文の講座を取り、英語のブラッシュアップに余念がない。環境問題に関心が高いアウトドア派の朝井は、OPEN2STUDYというオーストラリアのMOOCで海洋学の講座を見つけてきた。
そして部長の桐島は、英語部での働きが評価され、某大学のAO入試に合格した。しかし桐島の夢がこれで達成したわけではない。MOOCでの経験は彼に世界で学ぶことが手に届く近さにあることを教えてくれた。大学に進学してからもMOOCでの学びを続け、いずれ留学に役立てるつもりだ。桐島の夢はまだはじまったばかりなのだ。

ある大学の事務職員をしているAさんは、上司の命令でMOOCとはどんなものかを調べることになった。Udacity・Coursera・edXがあることを知っていたが、日本には向かないと考えていたAさんだったが、いろいろと調べるうちに一つの講座を受けてみることにした。自分が担当している学部の基礎科目である経営学をCourseraのサイトで見つけ受講してみた。Aは、英語がかなり苦手だが、何度も見直しながら授業を受けミートアップでわからない部分を他のメンバーと話し合い、何とか最後までやりきった。
この講座を通して、他大学の事務職員や教員と知り合うことができ、1つの大きな収穫となった。大学の事務はあまり他大学の職員と接点を持たないが、この出会いからお互いの大学内の取り組みを話し合うことで、新しいヴィジョンを持つことができた。
もう一つの収穫は、MOOCのような仕組みを大学の授業の中に取り入れることができるのではないかと思いついたことだ。今のMOOCの内容では、単位換算した際に十分な予習復習時間を得ることが難しい、ただ授業の予習復習をすることができるようなオープンコースウェア教材を作成し、学生に自習させることができるのではないか。さっそく、Aは上司に話をしてみた。教職協働の観点からも良いのではないかと評価を受けることができ、教員と教材作成をすることになった。
制作した教材が、話題となり大学の宣伝にもつながりAは大学で表彰されることになった。
現在Aは、この講義に参加することでできた友人たちと高等教育について情報交換をしたり、日本の大学生に勉強する楽しさをどのように伝えられるか日々考えて暮らしている。
大学時代にあまり勉強をしていなかったAが今は、MOOCを使って楽しく勉強している。

帰国子女のメイ(高校2年生)は人を助ける仕事に就きたいと考え志望学部を調べていた。医学、福祉の他に、心の面から助ける分野、心理学があると気づき興味を持った。実は親しい友人の夏子が最近ふさぎ込みがちで、気持ちも大変消極的になってしまった。より深刻な可能性もあると聞き心配し、心理学への興味も増している。心理学を学び臨床心理士資格を取る道もあると聞いたが、どう心理学が人を支えられるのかメイにははっきりしない。

ネット上で調べるうちに、カーネギーメロン大のOpen Learning Initiativeで、心理学基礎講座が無料で受講できると判った。 無料で、心理学がどんな学問か学べ(しかも英語の復習にも)なると考えこの講座をメイは受講してみた。

始めて見ると、講義日程は非常に自由に設定でき、アクティビティと呼ばれる課題に取り組む事により理解不足部分が明確になる、誤った答えにはMini Tutor(インタラクティブな人口知能)から的確なアドバイスが来るなど、独学し易い作りになっていた。
通学学生は更に対面での反転授業(議論等)があると聞き、十二分に理解が進む学習方法だとメイは感心した。

約半年後、一連の講座の受講を終えて、心理学がどんな学問分野か(例えば認知心理学がうつ病の一部治療法に関係)メイは大まかに理解できた。少なくとも外科医になってメスを使って人を助けるのに比べ、臨床心理士の資格を取って人を助ける方が自分に向いている様に今のメイには思える。 そのため、今後の受験の第一志望学部を聞かれた場合には医学や福祉関係でなく、まず心理学関係と答える事とした。

大学としては、日本に良い大学がないならば(もっと調べる必要はあるが)認知心理学発祥の地である米国の大学もメイは今は考えている。カーネギーメロン大の反転授業による勉強は今回試して見て、一般的な大教室の講義よりメイには自分に向いている様に思える。

学君は現在高校3年生。AO入試で日本国際大学政治経済学部への入学を希望している。AO入試では小論文が課せられ、そのテーマは「集団的自衛権についてあなたの意見を述べよ」というものであった。学校の授業では詳しい事を教わらず、自衛や安全保障の知識の乏しい学君にとってこのテーマは厄介だった。そこで学君は自分のスマホを使いネット上で色々調べ始めた。そのときgaccoで「国際安全保障論」が開講されている事を知り早速申し込んだ。お小遣いが少なく本を買うお金がない学君にとっては、無料で、しかも日本語で専門的な講義が受けられるこの講座は非常に魅力的だった。また、スマホに講義映像を保存し通学の途中に繰り返し見ることができるのはとても便利だった。

張り切って受講を始めた学君だったが、予備知識に乏しい上に、講義は大学レベルであったため内容が難しく課題も簡単ではなかった。そこで学君はgaccoのディスカッション機能を使い受講生たちに自分の疑問をぶつけた。同じ講義を受けている老若男女、様々な人からそれぞれの立場や人生経験に立脚した多くのレスポンスがあり、おかげで学君は理解を深めることができた。またレポートの相互採点で他人の文章を読むというのも学君にとっていろいろな発見に満ちたものであり、読みやすく的を射たレポートを書く方法を身につける上でも有意義だった。

何とか講座を終了した学君は、国際安全保障の基礎を身につけることができ、ニュースや新聞記事が以前よりよく理解できるようになった。もちろん小論文も満足の行くものを書くことができ、AO入試にも無事合格した。「国際安全保障論」の受講をきっかけにして学君は国際政治学に興味を持ち、大学でも国際政治学を勉強したいと思うようになった。入学前に大学の講義を視聴し、自分の行くべきものの方向性が見えた事が学君はとてもうれしく、後輩にもMOOCを勧めている。

電力会社の営業部門に勤めている白澤さんは入社5年目の28歳です。白澤さんの仕事はオール電化の快適な暮らしを提案して、化石燃料の使用を減らし、地球環境に優しい持続可能な社会に貢献する仕事だと思っていました。ところが福島原発事故後、地球温暖化について日本国内では、あまり議論されなくなり、電力会社もオール電化の普及部門を解散してしまいました。自信を無くした白澤さんは、現在転職を検討中です。
でも転職の前に、持続可能な社会についてもう一度学んでみることにしました。
そこでインターネットで検索するとCourseraの「持続可能な開発の時代」という講座を見つけました。
今後、中国やインドなどの人口増加が環境に及ぼす影響は計り知れません。
この講座では人口増加がもたらすメリット・デメリットや、GDP(国内総生産)から低所得国・中所得国・高所得国に分けられること、高所得国に10億人、中所得国に50億人、低所得国に10億人が生活していることなどを学びました。
低所得国の約10億人は主にアフリカと南アジアに集中しています。
今後の開発は自分たちの欲求を満足するための開発だけでなく、環境保全も同時に行われなければ持続可能な開発とは言えません。日本が経験したような公害問題が起こる事も想定されます。
実際のサステイナブルな開発の例として、スウェーデンの首都ストックホルムの南東に位置する街「ハンマビー・ショースタッド」で行われている、都市再生開発計画が挙げられます。環境負荷を1990年代の半分にすることを目標として進められている都市計画であり、自然環境の保護や自然エネルギーによる発電、ゴミのリサイクルなどを積極的に行っていることなども学びました。
受講を終えた白澤さんは、快適な暮らしの提案だけでは無く、環境保全の仕事も大事だと気付きました。そこでこの講座で知り合った人たちとの交流を深め、将来は環境保全の会社に転職することに決めました。

今井さんは横浜市に住む30代の専業主婦だ。輸入食品の危険性が騒がれたことや、スーパーで慎重に食材を選ぶ人の様子を見て、安全な食品を提供する仕組みに興味を持った。関連する本を読んだりネットで調べたりするうちに、大学できちんと学び将来の就職につなげたいと考えるようになった。
しかし今井さんは、自分の年齢や学費および時間を考えると、大学への入学をためらってしまう。そんなとき、ニュースでGaccoという日本版Moocの存在を知った。調べてみると、Moocの多くは英語で行われているが、Gaccoであれば無料の大学講座を日本語で受講できることが分かった。
Gaccoでは「グローバル化の中のフードサプライチェーン」という講座がちょうど受講生を募集していた。反転学習講座が東京で開かれることが分かったので、早速登録した。毎週受講するビデオ授業では、分からない言葉を調べつつ繰り返し聞くことで課題もこなすことができた。
対面授業には高校生から退職後の人たちまで様々な受講生が参加していた。参加者が食の安全について熱心に講師と語り合う姿に刺激を受けた。主婦の参加も多く、今井さんと同じく大学で学ぶことを考えている人もいて心強かった。
Gacco の4週間の講座を通して、食品の生産から流通管理までの一連の流れと安全確保の基礎を学んだ。しかし同時に学ぶことは未だ多いことも気がついた。家族の同意も得られたことから、来年度には社会人学生として大学を受験したいと考えている。
大学の入試面接では、Gaccoの受講を実績と同時に意欲の現れとしてアピールしたいと考えている。そのためには、少しでも関連する講座を受講するつもりだ。大学に入学した後でも、興味のある内容はCourseraなど海外のMoocを通して学べることに気がついた。例え英語であっても何度でも聞き直すことができれば怖くないと思えるようになったのだ。

都筑哲雄さん(48歳)は、現在、監査法人の大手企業に勤務。しかも中堅として組織の中枢になくてはならない存在だ。しかし、彼の職務は管理部門。つまり監査法人の花形職となる公認会計士や税理士ではない。もちろん彼の立場について上司はもちろん、人事考課も悪くはなく問題は全く無いのだが、本人は現職に甘んじている現状に強い引け目を感じていた。彼は現職場に新卒で採用されて以来、勤続26年余り。最終学歴は中央大学・法学部 法律学科で弁護士を志す青年だった。しかし、数人の同期が在学中に司法試験に受かる、また早期に司法書士に進路を変更する者も多く今では一線で活躍。志しを同じくしていた自身だけが一生、総務の中堅のままでは居たくないと思いが歳を重ねる毎に強くなっていった。そんなある日、京都大学の法学部にOCWが開設されている事を知りました。内容は
同学が実際に利用している講義教材をインターネットで公開するプロジェクト。現役時代に学んだ法学の更なる学習を志す社会人に門戸を開いていると明記されていた。都筑さんは迷わず所定の手続きを済ませ受講登録。民法などスキルアップしたい受講科目を自由に選択でき、更に電子掲示板を通じた受講生同士の情報交換、質疑。そして司法試験の傾向と対策などを教授から直接、師事を受けられるなど「現役の学生」となんら格差の無い修学環境を得る事ができた。一番うれしく感じた事は、場所や時間を選ばず勉強ができる事。そして、学生時代から26年以上も経た今の司法試験はどのように変遷したのか。試験対策はどのように変化しているのかなど、独学では知り得ない刻々と変化する情報も知る事が可能になった事だ。会社側も、管理部門から資格専門職へ異動を望む自身の希望について業務に支障のないOCWの内容に深い理解を示し、学習継続を認めてくれたのである。現在、彼は京都大学・法学部が提供するOCWにより強化したい科目の講義を受講。法律の専門職として会社に貢献する為にも司法試験準備に余念がない。

山口健太さんは東京に住む英語学科の大学2年生。旅行が好きで何度か海外にも行った事もある。そろそろ就職の事も考えないといけない次期になってきました。
自分が将来進むべく仕事に対してあまりイメージが持てなかった時、ちょうど学校内でも話題になってきたgaccoの「交流文学研究〜東南アジアの旅〜」を受講した。シンガポールは一度行ったことがあるけど、観光での印象しかなかった。この講義を受講して改めて日本との関わりや、一人当たりGDPで日本を超えた小さな国シンガポールがいかに発展してきたか、観光立国としてどのように「国の光を観せる」かを学び、おおいに刺激を受け、観光という職業に興味を持ったのである。その後、彼は日本をはじめ、東南アジアの文化や歴史を独自でより深く学び、その国を理解し、持ち前の英語力を駆使してシンガポールの旅行会社に就職する事になりました。日本をもっと知ってもらう為にも、東南アジアの人に日本に来てもらおうと日夜頑張っています。

稲垣達也さん(25歳)はある企業のITサポート部門で派遣社員として働いている。大学卒業後,大手建設会社に就職したが会社の風土にあわず退職し,以前から興味のあったIT関連業界への転職を考えていた。PCやスマートフォンは以前から好きで使いこなしているが,プログラミングやホームページ作成などの経験は全くなかった。だが最近では,オンライン上でプログラミングを学ぶCodeAcademy(コードアカデミー) というサイトもあり,独学でプログラミングの基礎を学んでいた。
ある日のお昼休みに稲垣さんは新聞を読んでいると,海外のオープンエデュケーションに関する記事が目に留まった。無料で様々な分野の講座を受講できるCoursera, edX, Udemy等のサービスが紹介されていた。またその記事によると,プログラミングなどIT教育に関するコンテンツはUdemyが多いという。早速家に帰り,Udemyにアクセスしてみた。確かにプログラミングに関する講座は多く,特に以前から関心のあったスマートフォンでのアプリ開発に関する講座もたくさんあった。英語がネックではあったが,ITサポート部門での経験からこの業界では英語にも強くならないといけないことも実感しており,思い切って受講してみることにした。英語での講義は簡単ではなかったが,画面操作を見ながら進めることで,苦戦しながらもアプリ開発自体は楽しく学べることができた。最終課題のアプリ制作も,Google等で調べたり,掲示板で質問しながら何とか提出することができた。
稲垣さんはその講座で認定証を取ることができ,スキルが高くなっていることも実感できた。稲垣さんは実務を経験したくなり,あるソフトウェア開発会社の求人(プログラマ,正社員)に応募した。面接では自分が意欲を持って独学していること,Udemyの講座を英語で受講し最後までやり遂げたことなどをアピールした。無事に採用された稲垣さんは,自分が好きだったアプリ開発に明け暮れ,非常に充実した日々を過ごしている。

亀山果歩さん(27歳)は、私立大学の事務職員として働いています。今まで、学生の支援を主にする学生生活課という部署で奨学金の担当をしていましたが、
今年の5月に配置転換となり経営企画課へ異動することになりました。近年、大学間競争が激しくなり、役員へ経営企画課が提出する資料は、データを根拠に
したものが以前より求められてきています。統計を使って、仮説を実証したいと思った亀山さんですが、文学部出身で統計学の知識がなく、書籍を購入して
勉強してもなかなか理解できません。マネージメントスクールでのビジネス定量分析の科目を受講することも考えましたが、費用と時間が捻出できません。
そのような時に、facebookで友達になった人がgaccoについて「いいね」をしていることから、gaccoの存在を知り、ホームページにアクセスしたところ、gaccoで統計学の講座の募集がされているので、無料であることに魅力を感じて検討しましたが、オンライン学習だけでは不安があった亀山さんは、反転学習コース(有料)を受講することにしました。
講座の中で理解できなかった点については、ディスカッションを通じて受講者同士で共有することで、理解が促進され、書籍で理解できなかったことも、反転授業の中で質問を通して理解できました。そして、大学の経営企画課でのレポートでは、中途退学者と出席状況の因果関係を説明し、中途退学防止への一助になる提案をすることができました。
また、大学を卒業後、同大学の職員として5年間働いてきた亀山さんは、大学という小さなコミュニティーでしかキャリアを考えることができていませんでしたが、反転授業で知り合いになった同世代の人たちから、キャリアに対して多くの刺激を受けました。gaccoでは、新たに経営学やビジネススクール入門の講座を受講しています。さらに、ビジネスについての探究心から、社会人入学で経営学修士を修得する新しい目標ができました。

ジョン・ブールさんは(20歳)はオーストラリアの大学生だ。子供の頃から、日本の文化(映画や美術等)に興味があり、日本へ留学するのが夢だった。しかし日本語を習うのはとても大変だったので、数回諦めようと思った。あるとき、通っていたオーストラリアの大学の先生がこう教えてくれた。「JMOOCを知らないか? 最近始まったそうだ。日本語で色んな講座を放送しているらしい。やってみたら? 君のレベルだったら、わかると思うよ。必ずいい経験になる。」

初め、ブールさんはあまり自信がなかった。「授業についていけるだろうか」としか考えていなかった。だがJMOOCの最初の講義で、日本の歴史についての講座を受講してみた。彼にとって、素晴らしい経験だった。字幕のおかげで、講座がわかりやすいし、日本語も思ったより理解できることがわかって、自信を得たのだ。そのかたわらで、日本の文化に今まで以上に触れることもできた。その上、JMOOCにはフォーラムがある。そのおかげで、ブールさんは日本語コミュニケーションスキルを上達させて、友達を作って、日本に住む知り合いもできた。他にも、講座にはそれぞれの講義で答えやすい理解度クイズもあった。掲示板ではミートアップがあったようだが、ブールさんは日本に住んでいないので、行けなかった。だが、優秀な海外の学生として、世界におけるMOOCという現象を取材する日本記者のインタビューも受けた。これもブールさんにとっていい経験だった。

受講前は日本史について何も知らなかった。しかし修了証を受け取って、ブールさんはやる気を得た。立派な史学者になるというわけではないのだが、日本語が上達し、修了証を手に入れたことで、留学できる日本の大学を見つけたのだ。今、ブールさんは出発の準備をしながら、ネットで知り合った友達と会うのを楽しみにしている。心はすでに日本の大学に向いている。

私の名前は「こころ」。高校一年生です。
以前、私はScratchという子供向けのプログラミングをしていました。そこでは視覚的な方法で簡単にプログラミングができるのですが、細かい調整が効かないのが難点でした。もっと本格的なコードについて学びたくなり、母にCourseraのProgramming講座を勧められました。

英語が不安でしたが、繰り返し見ているうちに段々理解できるようになりました。米国の先生は教え方がユニークでとても面白いのです。あと感激したのは、様々な国の受講生が沢山集まっていること。Google Mapに居住地が印してあったり、各地でMeetupが行われていたり、壮大なスケールを感じます。

課題の相互採点は大変でしたが、次回自分が書く際の参考になりました。母は心理学を受講していますが、課題の最優秀賞に選ばれると、アメリカ旅行が贈られるそうです。

MOOCだと関心のある分野や、必要なものだけを受講できるので、今、学ぶ事がとても楽しいです。課題の上達のためや、フォーラム、hangoutにも参加したいのでWriting & Speech講座を、そして将来はPixerで働きたいので3D CG講座も受講したいです。

私は留学を考えているので、MOOCで受講した大学の中から検討しようと思っています。edXのサンデル教授の講義では、学生が自分の意見をしっかりと述べ、それに教授が耳を傾け議論をリードしていたのが魅力的でした。Webもいいけれど、やはり実際に私もこんな授業に参加してみたいです。

母は今、クラウドソーシングで翻訳やWeb制作の仕事をしています。年齢、場所、時間に囚われずにWebを通じて働ける「MOOCの仕事版」だそうです。この前、母の手伝いをしましたが、こんな働き方もいいなと思います。MOOCでスキルを身に付けて、こんな働き方が可能なら、単位や学歴、高額な教育費って本当に必要なのでしょうか?

実は今回夏休みを利用してStanfordのMeetupに参加します!何とTEDで講演したコラー教授も来るそうです!彼女は憧れの人。会ったら何を話そうかな?それでは行ってきます!

上田さんは高校生の時,大学受験を目指して勉強をしていたが,経済的に困難な事もあり塾へは行かず自主学習をしていた。高校2年生の時, manaveeというインターネットの無料塾があり,無料で受験勉強ができるという事を知った。そこでは、大学生を中心とした先生の動画授業を見て、予習・復習やセンター・二次試験対策をすることができる。解らない所を何度でも見ることかでき,メールで質問もできるので,成績もあがり,希望する大学へ入学することができた。
大学ではシステム情報を専攻。自分の学ぶ大学の授業だけでなく,もっと多くの事を学びたいと思っていたところMITのOCWで正規授業が公開されいることを知り受講したいと思ったが,語学に自信がないので,海外の講義を受講する事ができなかった。しかしcourseraが日本語字幕付き講座を配信開始したので,早速カリフォルニア大学サンディエゴ校の“人間とコンピュータの相互作用”を受講した。今後もさらに多くの講義で勉強してゆきたいと思っているが,語学の必要性を痛感している。Courseraなどは日本語字幕の講義を増やしていくようだが,英語が分かればその世界は格段に増える。語学能力を向上させていく必要性を痛感している。そこで,Oops!StudyというサイトでTEDのプレゼンテーションを聞いて英語の勉強をはじめた。TEDでは世界中の第一線の人の講演を,日本語字幕,英語字幕と段階をへて何度も聞くことができ,聞き取りができるようになってきた。知的で面白く感動的な話は飽きる事が無く続けられている。
今は自分が目標をもって,求める気持ちさえあれば,それを達成する方法はたくさんあるという事を実感しており,留学も視野にいれて大学生活を送っている。

田中淳さん(54歳)は、教育学部出身で、IT企業の開発部門を経て、現在は学校を対象としたサポート部門の管理職として働いている。定年後の活動についても考える年齢になっており、学生時代の友人とも定年後の生活について話をする機会も増えていた。そのなかでCourseraの話を聞き、定年後も継続して学べる自分の興味に合うコースがあるか調べたところ、ICTと協同学習に関する講座を見つけ受講をした。英語で行われるコースではあったが、英語マニュアルと格闘した経験もあったため、字幕が付いていること、短い動画で構成されていること、通勤時間で学べることもあり継続して学習でき、これまで実務的に関わってきたICTを利用した教育に関する理論や最新の研究動向、未来の学びについてもアカデミックな視点から学ぶことができた。
電子掲示板上で英語でディスカッションするまでには至らなかったが、日本国内で開催されたミートアップには数回参加し、日本語で改めてディスカッションすることで1人では理解できなかった点について確認、納得することができた。ミートアップには、いろいろな世代の受講者が参加しており、小学校教員や大学講師、教育系NPO主催者など多様な専門性を持つ人たちとICTと教育について語り合う中で、自分の今の仕事でも学習理論や最新の学習研究を生かした新しい提案が行えることに気づいた。また教育系NPOの取り組みなど企業とは異なるアプローチについて具体的に知り、会社という上下関係のある組織では難しい若い世代の人との協同的な学びを体験することによって、自分の定年後の活動について、異世代間の協同的な学びを促進するNPOの立ち上げというテーマを持つに至った。オンラインコース終了証明書とともに新しい人間関係を得た田中さんは、現在は新しいコースを受講しながら、Facebookで受講者グループと交流し、お互いの活動を助け合う実践的な場にも参画しながらNPOの活動プランを練っている。

後藤秀光氏は28歳。教員として5年目、そろそろ中堅の仲間入りとして、授業力をアップさせようと奮闘中である。現在小学校6年生を担任しているが、赴任した学校で力を入れている外国語活動で何かよい教材はないかと探していたところ、Khan Academy にたどり着いた。簡単な算数の問題が英語で出題されている。英語が多少読めなくても直感で正解できそうな操作性が気に入り、問題を解いてみた。最初は一つ終わるたびにバッジがもらえ、モチベーションも刺激される。バッジを集めるのに夢中になる子どもたちの姿が想像されて彼はふ、と笑みを漏らした。ただ、そのまま無秩序に子供たちに解かせるのは難しいだろうし、英語の勉強にもならない。プロジェクターで投影した問題の画面を見ながら、子供たちと一緒に考え、算数の答えを出すとともに、その答えを出させるための英語について考えさせ、話し合わせる授業の組み立てが決まった。彼はそれを指導案に書き起こし、学年主任に見せた。最初学年主任は非常に驚いていたが、その指導案を読み進めるうちに、確かにこの授業は面白そうだ、と呟く。そこをすかさずついて、後藤氏はその授業を実行する。たまたま通りがかった校長がその授業を見て目を丸くし、熱心に授業記録をとったかと思うと、翌日の朝打ち合わせで後藤氏の授業を紹介した。各自反応は様々だったが、担任の出張で代理で児童を受け持った校長が同様の授業を行ったことをきっかけに、「生きた表現が学べる」と取り組む教員が増えた。それについて互いに意見を交換し合うことも増えたため、後藤氏は授業力についてベテラン教員から多くを盗むことができた。質の高い教材を公開してくれているKhan Academyのおかげで、後藤氏の5年経験時論文は特選に入った。何より評価されたのは、保護者が「英語で算数を教えるなんて画期的だ」と校長に電話をかけてきた、という事実である。

森内学さん(18歳)は一年前、沖縄県の離島・多良間島に住む高校3年生であった。大学への進学を強く希望していたが、島には大学受験のための進学塾や予備校は存在せず、大きな進学塾のある石垣島へはフェリーが一日一便しかなく、通いたくても通うことができなかった。また、森内さんの家はあまり裕福な家庭ではなく、石垣島の進学塾で親と離れて寮生活することも不可能であった。

大学への受験を諦めかけていた7月の初め、高校のOBである先輩との電話の中で、manavee(マナビー)というオープンエデュケーションの存在を知った。さっそく見てみたところ、受験勉強のための動画が何千本も用意されており、分からなかったところは講師に直接質問することもできる。何より、サービスの全てが無料で受けられるという点に森内さんは感動を覚えた。なぜなら、地理的・経済的な格差によって大学に進学したいのに進学できないといった不公平な現状を打破できるかもしれない、という希望の光が見えてきたからである。

それから数ヶ月、森内さんは必死になって勉強に取り組んだ。ネット上での書き込みを通じて知り合った、自分と同じような境遇の友人とも出会うことができ、お互いに励まし合うことができたのが何より心強かった。同じ志を持つ同級生が周りにいない離島という環境にいながらも、共に頑張る友人とネット上でいつでも繋がることができ、「自分は一人じゃない」とモチベーションを維持することができたのである。

受験の結果、森内さんはmanaveeで知り合った友人と共に沖縄県立の大学に進学することができた。現在は、その友人と大学近くでシェアハウスをしながら毎日充実した生活を過ごしている。また森内さんは、地理的・経済的な格差を超えて誰にも学べることの大切さを痛感した自分の学習経験を通じて、将来は教育者になろうと志を新たにした。

高橋華さん(33歳)は一歳半の一人娘を持つ専業主婦である。結婚前は外資系医療メーカーに勤務をしていたが出産を機に仕事を辞め、子育てに奮闘している。育て難い子であると親からも指摘をされていたが、先日、娘が発達障害(以下、ADHD)の可能性が高いと指摘を受け、大きな戸惑いとショックを受けた。新聞やテレビ等で見聞きすることはあったが自身の事として考えた事がなかったからだ。

しかし、落ち込んでばかりはいられない。華さんは多数の関連書籍を取り寄せ読み、日本よりも米国の方がADHD療育が進んでいる事を知った。そこで、米国の療育方法を知るためインターネットで検索をしてみた。そして、Courseraでペンシルバニア大学のMOOC("Pay Attention!!" ADHD Through the Lifespan)を見つけた。英語の講義で躊躇もしたが、以前、仕事で英語を使っていた経験と娘の将来を案じる気持ちが受講へと背中を押した。

講義は科学的データに基づいた療育方法の効果等についても具体的に紹介されていた。療育方法に悩む華さんにとって非常に興味深いものだった。子育て中ということもあり、ミートアップには参加できなかったが、電子掲示板で米国のADHD教育や療育セラビスト等について情報交換をすることができたことは講義以上の収穫であった。講座の理解や課題には困難を要したが、なんとか終了。そして、Courseraによる認定証も得た。

今、華さん夫妻は娘の将来の事を考え、渡米しようかと話合っている。講義の中で紹介をされていた療育方法を真似て、華さんが継続的に行ってきたためか、娘の行動に良い変化が出てきたからだ。米国では良質な療育セラピーを公費で受けることができる州もあると聞く。プロの療育セラピーを娘に受けさせたいと強く思う様になったのである。近々、華さんの夫は米国勤務希望を出す予定である。

青木君は東京の大学の3年生で、農学部に在籍している。出身が北海道のため一人暮らしをしているが、仕送りだけでは生活できないため、複数のアルバイトをかけもちしながら生活費を工面している。これまで色々な業種のアルバイトを経験したが、中でも服飾の販売に携わった経験から、将来はアパレル業界の販売職として働きたいと思うようになった。しかし農学部出身の自分を採用して貰えるのか不安になり、自身のアルバイト経験以外にも少しでも就職活動で有利なアピールができないかと考え、gaccoで見つけた服飾に関する講義を受けてみた。大学の講義やアルバイトで使える時間が少ない中、自分のペースで学習を管理し進めることができる点、また講義や提供されるサービスが主に日本語で書かれている点もgaccoを選んだ一つの理由だ。この講義を受けたことで、アルバイトの経験からは学べなかった服飾の歴史等の深い知識を得ることができた。また「販売以外にもアパレル業界には多くの仕事がある」ことを講義から知り、視野を広げることができた。さらに参加した反転授業では、アパレル業界で働く社会人の参加者と知り合うことができ、その場で職業経験を直接聞いたり、就職活動についてアドバイスをもらったりでとても役に立った。現在青木君は、ミートアップで出会った参加者が働く企業の姿勢に共感し、そこで社員として働くことを第一目標に就職活動に取り組んでいる。

 福岡県に住む武田梨緒さん(27歳)は、1歳半になる娘を大切に育てていたが、夫の暴力がひどくて離婚した。実家に帰っているものの、このままでは…と将来を心配しながら過ごしていた。
 梨緒さんは、結婚する前(4年前)までは、プログラミングの仕事をしていた。またこの仕事ができないかと考え、ネットでプログラミングについて検索していた。
 ネットでオープンコースウェアコンソーシアムを知り、日本語でプログラミングについて学ぶことができることを知った。プログラミングについて学び直すことができ、新たな知識を得ることで、再度この仕事ができそうだと自信を得ることができた。
 そこで、以前働いていた職場に再就職を申し込んだ。面接では、ネットで学習したことをアピールすることができた。人柄もよい梨緒さんの離職を惜しんでいた会社側は、もちろん再雇用することとなった。

山田ほのかさんは高校2年生。離婚して女手一つではるかさんを育ててきた母は看護師で,「女性が安定して自立した人生を送るためには,専門職に就くのが一番」というのが口癖であった。母の意見に従い,看護大学への進学を考えはじめていたものの,本当にこれが自分の進みたい道なのか,疑問も感じていた。
そんなある日,ほのかさんは友人からJMOOCというオンライン教育の講座の話を聞いた。大学の講義がどんなものが知りたくて覗いてみた講座が興味深く,受講を続けているという。ほのかさんも自宅からアクセスしてみたところ,想像もしていなかったほどの多種多様な講義に驚いた。なかでも,子どもの福祉に関連したテーマに惹かれて受講してみると,自分と同じひとり親の子どもたちの抱える多くの問題について知ることで強く心が動き,もっと学びたいと思うようになった。
 そこで,当初考えてもみなかった反転コースの受講へと切り替え,ほかの受講者との交流にも参加した。そこでは,子どもの福祉にかかわるNPO団体の職員と出会ったことで,自分も将来は子どもの福祉にかかわる仕事に就きたいという気持ちが生まれ,進路について考え直すことにした。
 母親に相談したところ,福祉の仕事は看護師以上に厳しいものかもしれないが,ほのかさんが実際に講義を受け,福祉の仕事について調べたうえで進みたいと思うのであれば応援する,と言ってくれた。
 ほのかさんは今,子どもの福祉について学べる大学を探し,受験勉強に真剣に取り組み始めている。

佐藤敦さん(66歳)定年後に、第二の人生を楽しみたいと夢みていました。しかし、いざ定年を迎えるとこれからの目的が見つからず悶々とする日が続いていました。ある日、ネットでgaccoというmoocnに興味を持ち会員登録をしました。まずは、東大の歴史の教授の本郷先生の「中世の自由と平和」を受講してみました。佐藤さんは、これまで歴史には関心がなかったのですが、本郷先生の講義の歴史の奥深さに感心し、反復授業で東大のキャンパスにいくことにしました。そこでは、年齢の垣根はなく様々な意見が交わされ、たくさんの人とつながりができました。
 佐藤さんは、現役時代に仕事では得られなかった喜びとたくさんの学びの仲間ができました。そして、自分が経験したことを若い人たちに教えることの喜びを知り、また大学院に通い教員の資格とるという目標ができました。gaccoは、私にとって人生の新たな目標を持つきっかけや、年齢に関係なく多くの仲間やコミュニティの一員となることができた未来の扉でした。今、一日一日を大切に輝いて生きています。

緑は、採用3年目の高校英語教師。大学時代に 1年間イギリスに留学し英語を猛勉強し、意欲満々で教師生活をスタートさせた。しかし、現実は厳しい。まず自分の教師としての力量のなさを痛感した。親や生徒へどう接すればいいのかも分からない。また大学受験を念頭においた授業はともすれば無味乾燥になりがちで、英語への情熱も失いそうになる。これではいけないと、以前から関心があったCourseraのMOOCの門を叩いた。まず驚いたのは、教育や教師の専門力を高める講座の充実ぶりだ。緑は「Surviving Your Rookie Year of Teaching」 という講座を思い切って受講してみることにした。今の自分にピッタリと思えた。学習し始めてみると、実際非常に具体的な内容で、すぐに実践につながるヒントが提案されている。「親とのコミュニケーションのとり方」などまさに彼女が望んでいた内容だった。加えて、英語でなされる講義が留学時代を思い出させ心を奮い立たせてくれた。英語が好きだという気持ちがふつふつとよみがえってくる。作られた「英会話」ではない、日常生活で、授業で話される英語を学んでいるという実感。明日からの授業に絶対活かせると緑は思った。彼女は土日を利用し自分のペースで学習し認定証をとった。多忙な中での学習は大変ではあったが、 緑はもう少し勉強を続けて見ようと思い始めていた。実は、偶然見つけた 「読み書きに困難を持つ子供達へのサポートの仕方」といった講座にも強く興味を惹かれていたのだ。高校の英語教師には一見関係ないように見えるかもしれないこのコースだが。大学時代、確かに教育や教育技術については勉強はした。しかし、 「教師になりたい。」という気持ちばかりが先走っていたと思う。実際に教師になってみると、日々迷うことばかり。自分を支えるバックグラウンドが欲しい、「教える」ということについて一から考えたい、学びたいと彼女は受講を決意した。

A氏(40歳)は電気機器メーカーB社に務める研究開発エンジニアである。A氏の業務内容は新規センサを研究開発する業務である。A氏はこれまで金属・セラミックスを材質とするセンサを開発し、市場に貢献してきた。
 2年前のある日、A氏は、A氏の上司と研究所所長から、新たな新製品ミッションの依頼をされた。それは、いままでB社が手を出せていない、人間の五感に近い夢のセンサの開発である。A氏は戸惑った。それを実現させようとしたらこれまで用いてきた素材:金属やセラミックスでは実現不可能ではないか?A氏はニュースなどで人間の五感に近い感度が得られる可能性があるバイオセンサの存在は知っていた。しかし、A氏はこれまでバイオの分野は全くの素人である。上司にこう伝えた。
 「バイオセンサが最も可能性がありますが、私のバイオ分野の基礎知識はあまりにも不足しています。勉強と調査の時間をください。」
 A氏はWebcast.BerkeleyやKhan Academyのバイオコースを基礎から学び、バイオの魅力に取り付かれた。さらに、カリフォルニア大学のなかで、A氏が興味あるバイオセンサの開発を行っている研究室があることを知った。上司と所長に掛け合った。「新規バイオセンサの開発をカリフォルニア大学と共同研究をさせてください。」
 その半年後、A氏はカリフォルニア大学に出向し、共同研究を行う運びとなった。研究会氏から1年以上が経過した現在、夢のセンサ開発達成に向け、大学内で研究生活を邁進している。一歩一歩ではあるが、夢のセンサ達成に近づいていることを日増しに実感している。

鈴木美香さん(19歳)は中学2年の夏休みごろから,体調を崩し,不登校になってしまった。
もともと学ぶことは大好きだったので,勉強できなくなったことに落ち込み,高校受験もできなかった。
受験がない通信制の高校に入学したが,高校の勉強内容が簡単すぎたので,自分で本を読んだり問題集で実力をつけていたが,苦手な生物や,いまいちわかりにくい「世界史」などで行き詰ってしまった。
そこで「NHK高校講座」を知り,ネットで見るようになった。NKH高校講座は,昔は専門の講師だけで進行していたが、最近では,タレント・俳優らが加わりバラエティーの要素を絡ませるようなっているので,とても楽しく学べた。また,世界史などは,教科書を読んでいるだけではわかりにくかったが,テレビの映像を見ると,歴史の背景が実感できた。
さらにNHK高校講座は,ネットだけでなく,ラジオでも聞けるので,好きな時間に好きなだけ学習ができる。体調が悪い日は,無理せずに,体調の良い日だけ勉強を進める,という,美香さんにはぴったりの学習方法だった。高校の教科書にもあっていて,わからないところだけ見たり聴いたりすることができ,高校の勉強がスムーズに進んだ。
高校普通科に進学できなかった美香さんは,大学進学はあきらめていたが,NHK高校講座で高校に勉強の基礎を固めて,大学受験にのぞみ,希望していた私立大学に合格できた。
中学で挫折をして,一度は学ぶ意欲を失っていたが,NHK高校講座のおかげで,再び学習する楽しさを思い出し,進学できた。
大学は「社会学」を専攻し,社会現象の実態や、現象の起こる原因に関するメカニズムを勉強していきたいと思っている。

鈴木則夫さん(60歳)は、東京在住でこの3月に大手金融機関を定年退職しました。当面の生活は、これまでの蓄えや年金支給などで賄える予定で仕事からは完全に引退するつもりです。このため、退職後の人生設計については、これまでの会社生活ではなかなか時間が取れなかった趣味の世界で「生きがい」を見つけて行こうと考えています。
このような状況で、インターネットでJMOOKの「gacco」を見つけ、以前から歴史に興味はあったものの歴史小説を読む程度だった鈴木さんは「日本中世の自由と平等」という科目をまず受講してみました。この講義を通じて、これまでの学校で習ってきた歴史の見方が大きく変わり、古文書の解釈によって自由な歴史観を構築できる「考える歴史」を知った鈴木さんは、さらに深く歴史を勉強してみたいと考えるようになりました。
オープンエディケーションの効果も実感した鈴木さんは、現在、反転授業のあるインターネット講座を探したり、有料になるものの「放送大学」の歴史学の講座の受講などを検討しています。これらの講座では、反転授業やスクーリングを通じて、同じ趣味の仲間との交流を深めたり、中には会員同士で「歴史探訪旅行」の企画などもあり、大変魅力を感じています。
鈴木さんは、このように豊かに老後に向けて、オープンエディケーションを利用して「生涯学習」に前向きに取り組んでいます。

芦田太郎さん(26歳)は、関西の大学を卒業した後、大阪のコンピュータ関連企業で営業職として働いている。最近、芦田さんは中堅社員として一人で仕事をする事になったが、顧客との商談で戸惑う事が多く、対応に苦慮している。その原因は、技術的な知識が不足している事である。「大学で経済学を専攻したので、しかたがない」と先輩社員から慰められても、自己嫌悪に陥るだけである。分からない事を本やインターネットで調べても、容易に理解ができない。そんな中、JMOOCにコンピュータの基礎講座を見つけ、受講を始めた。
その講座は講師が分かりやすい言葉で、丁寧な説明をしてくれるので、独学での学習よりも理解できたが、課題提出で多少不安が残った。芦田さんにとって驚きだったのは、JMOOCの他の受講者が、電子掲示板上で活発な議論をしている事だった。しかも、年配の社会人が多数参加している。芦田さんは、「悩んでいるのは自分一人でない」という事に気づき、思い切って投稿し、他の受講者との交流を深めた。
芦田さんはその講座で認定書を取る事ができた。そのおかげで、自分に自信を持つ事ができ、習得した知識で商談も円滑に進める事ができた。しかし、芦田さんはそれに満足する事はない。「自分が知っていると思っている事は浅い知識で、その奥には知らない膨大な知識が存在する。発展途上にある自分が、その浅い知識で満足すると進歩が止まってしまう。また、技術は絶えず進歩しており、新しい知識を吸収しないと、時代遅れになる」という事を他の受講者との交流で感じとったからだ。芦田さんは、自分の成功体験をさらに発展させる事を2つ考えている。その1つは、JMOOCの新しい講座へのチャレンジを行い、さらなるレベルアップを図る事である。もう1つは、部署内に商品勉強会を設置し、同僚や新人社員に参加してもらい、個々の技術力や営業力のレベルアップを図る事である。

 安田涼介さん(28歳男性)は、金融業界に勤務している会社員である。この度、会社の新たな制度として、勉強会等の社外での自主勉強の取り組みをもし証明できるのであれば、それを評価点に加えることとなった。入社5年目の安田さんは、自身の仕事におけるブラッシュアップと昇進のチャンスを手に入れるべく、この制度を活用することにした。仕事の合間を縫って勉強ができ、尚且つ認定証も発行できるサービスを探したところ、Courseraというオープンエデュケーションサービスを発見した。そして、仕事に活かせそうな内容であり、かつ入社してからずっと関心を抱いていたBusiness&Managementコースを受講することにした。
 初めは慣れない英語での授業に悪戦苦闘したが、回を重ねるに連れなんとか理解できるようになった。この分野はかつてビジネス本で少し学んだことはあったが、文字だけではイマイチ分かっていない箇所も存在していた。Courseraは映像を通して視覚的に学習できるため、効率よく内容を理解することができた。また、閲覧環境さえあればいつでもどこでも受講ができる点も、日々の仕事で忙しい安田さんには大変便利であった。そして、ついに全授業を修了し、認定証を発行できた。
 この認定証を会社に提出したところ、上司や人事から高い評価を得た。制度通り評価点に加えられており、昇進へ一歩近づくことができた。また、BusinessとManagementに関する内容は、実際の仕事にも活かすことができ、自身の仕事の質を高めることにもつながった。この分野について更に興味を持った安田さんは、現在はedXを利用して知識をより深めようと努力している。

今日は木曜日、明日の夕方には妻が待つ自宅にやっと帰宅できる、早く妻に会いたい。私はいくつもの州にまたがるお客様を担当する26歳の営業マン、勤務日の8割は出張で忙しく飛び回っている。クリスマスの頃には、妻に最初の子供ができる予定で、もしそうなれば毎日家に帰ることができる管理部門のマネージャーになりたいという思いがますます強くなっている。そのためにはキャリアアップして管理チームにポジションを得たいと考え、 Udacity を利用してサンノゼ州立大学の SJSU Plus を出張先の空き時間を利用しながらコツコツと勉強を続けている。すでに会計&ファイナンス学科で 「会計情報システム(AIS) 」を終了し、今は「ファイナンス」の受講の最中だ。これを使って社会人として可能な修了証をできるだけ取得しておき、大学に行けるだけの貯金ができ次第入学し、この修了証を大学の単位に換え、できるだけ早く新しいキャリアにステップアップしたいと考えている。そう言えば、妻は先月遊びに来たまだ高校生の自分の妹にこの話しをしたそうで、SJSU Plus では高校生が大学の単位を先取りも可能なことを知り、早熟で向上心旺盛な彼女は目を輝かして「私もトライしたい!」と言ったそうだ。こうなったら私はますます後に引けなくなった。妻と生まれてくる子供のためにも一層頑張らなきゃ!!

中村さん(27歳)は原子力発電所の立地している地域で畜産業を営んでいる。大学では農学部だったため物理の知識は高校レベルである。昨今の原発再稼働に向けた電力会社の説明は一定程度理解できるものの、もっと詳しい内容を一から知りたい、あるいはより客観的な情報を得たいと考えCourseraの原子力工学のMOOCを受講することにした。
 授業ではただ単に原子力発電所の安全対策だけを述べるような電力会社の説明とは違い、原子核物理などの理論的な説明や過去の事故事例など、それらを専門としていない人にも分かるように体系づけられていた。また、テキストとして市販の教科書の一部分が無償で提供されていたり、リンク集が用意されているなど知りたい部分はより詳しく勉強することができた。
 特に役に立ったのは実際に様々な数値データが与えられて、数値を自分で計算していくことでどの程度安全だと言えるのかを評価していく課題だった。自分で安全性を評価して他の受講者と比較したり議論したりする作業は押し付けられた知識とは違い、能動的に安全性を評価する能力が身についた。
 さらに、Discussion Boardで自分が日本の原発立地地域に住んでいることを書くと他の国の原発の近くに住んでいる人や原子炉工学を専攻している学生、環境評価の専門家など多くの人からコメントをもらうことができた。彼らの立場はさまざまであったが、いろんな観点からの意見はもちろん、様々な機関が出しているデータを紹介してもらうことで、俯瞰的な視点を持てるようになった。
 この経験について地域の仲間に話すとみんな興味を持ってくれたので、英語ができる何人かで分担してボランティアとして日本語字幕をつけ、興味のある人が勉強できるようにした。今では、中村さんをはじめとした何人もの人がしっかりした基礎知識を身に着けて電力会社との意見交換会や安全対策への要望もより実のあるものとなっている。

飯島直志さん(50歳)は東京の食品メーカーで経理部長として働いている。主な業務は決
算書の作成や税務申告、業績管理など過去の数字を集計するルーチンワークが中心である。企業間競争が激化するなか、会社の業績はここ数年低迷しており、今後も低迷が続くと予想されている。そこで、飯島さんは現在の仕事だけをしていては会社の業績が良くならないと思い、会社の事業全体を見渡しながら経営トップのビジネスパートナーとしての役割を担う仕事をする必要があると考えていた。そのために、今の会計知識以外の経営戦略やマーケティングの知識が必要だと考え、ビジネススクールへ通学することを検討した。しかし、仕事が多忙であるため、通学することが困難であった。そこで、以前新聞で紹介され知っていたgaccoのMOOCで経営戦略やマーケティングに関する講座があることを知り受講することにした。gaccoは大学の本格的な授業が通勤途中でも手軽に受講することができ、飯島さんにとって好都合だった。また、他の受講生へ疑問に思ったことを掲示板で質問することができ理解を深めることができた。さらに、受講後の反転学習に参加し習得した知識を確認するとともに、幅広いディスカッションにより各テーマを多面的にとらえることができた。反転学習では、異業種の企業で経営戦略を練る立場の人が多く参加しており、そこで知り合った人たちと経営戦略や事業戦略に関する勉強会を立ち上げ、定期的に開催することになった。この勉強会を通じて、新しい自分に自信が持てるようになった。その後、飯島さんは、従来の会計・財務の知識にこれまでの学びの知識を融合させ、事業ポートフォリオの構築、M&Aの意思決定の仕事をするようになった。その結果、会社の業績が良くなり、今では会社の事業に欠かすことのできない存在となっている。

野村孝一(69)は、一年前に脳梗塞を発症したため左半身が麻痺し車椅子での生活を余儀なくされている。経済的な事情で進学をあきらめたが、働きながら定時制の高校で勉強に励んだり、退職後は大学の公開講座に参加するなど知的好奇心が旺盛な人物である。
しかし、病気で体が不自由になり家族への負担が大きいためリハビリ以外の外出もままならず、次第に笑顔も減り家族と衝突することも増えていた。
心配した高校生の孫が、何か無いかとインターネットで調べたところ「東大TV」というサイトを見つけた。このサイトは東京大学の公開講座やイベントの様子などをネット配信するサイトであり、一流の著名人の講座やさまざまな分野の講義が無料で見られる。ほとんどの講義は日本語なので外国語のわから無い祖父にも向いていると思い教えた。
野村さんは、以前からパソコンを使い慣れていたので、簡単にみたい講義を探すことができるこのサイトを気に入りすぐに視聴を始めた。特に科学関係の講義は、理数系が得意な孫との話題づくりにも役立ち、次第に笑顔も増え家族との関係も良好になった。
また、クリックするだけで簡単に見ることができるため今まで関心の薄かった福祉や地域社会のことも学ぶようになり、今後は自分の経験やスキルで地域に貢献したいと考え、リハビリにも積極的に取り組むようになった。

不惑を迎えた平田光さん(40歳)は技術系のエンジニアとして首都圏のある電機メーカーに新卒で入社以来勤務している。いわゆる団塊ジュニア世代として、横並びでありながらも過度な受験戦争を学生時代に経験してきた世代でもある。成長社会終盤に量的な幸せを求めて「いい会社」に入るために学び、いざ社会に出ると成熟社会が始まり、質的な幸せ感が低いことに気付く。成熟社会において人は目的を持った学びが必要ではないかと、自らへの反省を踏まえて教育やキャリアについて勉強を始め、次の社会を担う若い世代への教育事業を始めたいと考えるようになっていた。
そのような中、OCWやMOOCといったインターネット上で無料で学べる仕組みがあることを知り、自らも経験してみようとedXでMITの電子回路の講座を受講してみた。仕事をしながらの受講は時に大変な思いもあったが目的を持った学びは充実感があった。また、驚くべきことに講座内で受講生同士が教えあったり議論をしたりということが世界中で行われており、様々な背景を持った人たちがアクセスし学んでいるということが分かった。
平田さんはこの多種多様な世界中の人たちが、目的を持って学ぶためにアクセスしているMOOCというプラットフォームに対し、その講座の提供側として現在の大学機関だけではなく企業が入り込むことはできないかということについてあるヒントを得た。MOOCに対する企業による講座の提供である。企業はその企業秘密の部分について公開することは難しいであろうが、例えば商品に関する一般的な知識、例えば電機メーカーであれば、テレビの仕組みやできるまで、のような講座を公開しこれから社会に出る世代へのキャリア教育の教材として使うことで企業や技術に興味を持ち、目的を持った学びを促進できるのではないか、また、優秀な人材の獲得につなげられないか、平田さんは具体的な事業プランが見えてきた。

高校2年生の鈴木さんは美術史に興味を持っており、大学は美術史を専攻し将来はUSAでキュレーター(学芸員)の仕事につきたいと考えている。どうしたらキュレーターになれるかとWebで探していたところ、JMOOCのことを知り、GACCOでオープンエデュケーションの講座を勉強した。その中に4000以上の講座を持つカーンアカデミーのサイトを知り、美術史の講座を勉強した。サイトはわかりやすくて段階的に進める内容になっていた。
コーチのアドバイスにより多くのことを学ぶことができた。カーンアカデミーのサイトでいくつかの美術史を勉強する過程で多くのバッジを取得した。その結果、勉強するうちに自分の興味がヨーロッパの中でもイタリアのルネッサンス期の芸術家ピエロ・デラ・フランチェスカにあることに気付いた。そして、自分の専門を追及するためには大学もオープンエデュケーションが充実しているUSAのほうが良いこと。語学としては、まず英語をマスターしたうえで、イタリア語を勉強する必要があることを学んだ。ハーバードやスタンフォードの講座も興味深かった。調べたり勉強する中でキュレーターになる為には、自分の専門の領域で修士と博士号の資格をとっておく必要も感じた。鈴木さんは、現在、目標をはっきりさせUASへ留学するために必死に勉強している。

 秋元友梨さん (22歳)は札幌市に住む大学4年生。栄養学科で管理栄養士取得を目指して勉学に励んでいる。英語は得意で、大学2年生の春休み、ニュージーランドでの1ヵ月の語学研修を受講した。3年次には、札幌のH病院で2週間の実習を経験した。その時先輩の管理栄養士が言った「これからの病院管理栄養士は、他の医療スタッフ(医師など)のなかで専門性を発揮するため、臨床栄養学に関する英語の論文を理解する必要がある。」という言葉が印象に残っていたが、どのように栄養学に関する英語を勉強したら良いか分からなかった。
 4年生になり、ある教員より、MOOCsという大規模オープンオンラインコース(英語が多い)を無料で受講できること、コースには栄養学に関するものもあることを説明された。詳細を知るため、オフィスアワーにその教員を訪ね、Courseraに「Food and Nutrition」カテゴリーがあり、2週間後からUCSFの「Nutrition for Health Promotion and Disease」という6週間のコースが始まる事を知った。
 そのコースの受講開始時には、ヒアリング特に栄養学に関する英語の専門用語について苦労したが、キャプション付きのビデオとtext fileをダウンロードして繰り返し勉強する事、それでも理解が不十分なところは栄養学と英語の教員に教えてもらうことによって、6週間のコースを終えた時には、ほぼ全体を理解できるようになった。
 少し自信ができた友梨さんは、次に同じCourseraの「Principles of Obesity Economics」(John Hopkins University)を受講し、そこではアメリカの栄養学教育のレベルの高さと幅の広さを学んだ。
 今は、管理栄養士国家試験合格とアメリカの大学の栄養学マスターコース入学を目指して、勉学に励んでいる。

A子さんは大学卒業後就職した会社を昨年7月退職した。職場の人間関係や自分の適性や能力に悩みながら4年余り多忙な事務的業務をこなしてきたが、疲れが溜まり不眠や胃痛がひどく限界だと思ったためだ。退職後しばらくは何をする気も無く家に閉じこもり鬱々としていた。秋風が吹く頃、無料で大学講義を公開しているという記事を目にし、暇に任せて検索していると放送大学オープンコースウエアにいくつか興味のある講座を見つけた。試しに「人格心理学」を聴講してみると、ああそうだったのかと得心する事が続き、自分のつまずきから立ち直るきっかけを掴めた気がした。45分×15回の講義を視聴し終えるころはもっと心の勉強がしたい、悩んでいる人の役に立ちたいと福祉の分野を自分の次の職にしたいと思えてきた。資格取得費やその間の生活費に不安があるため、職安で相談すると資格取得支援制度を利用できると判った。A子さんは年明けには介護職員初任者資格を取りヘルパーとして働き始め、今年4月からは夜間専門学校に通い、精神保健福祉士の資格を取るべく頑張っている。
放送大学をはじめ複数の大学やプロバイダから様々な講義が無償公開されているからこそ、閉じこもり状態でもお金に余裕のない者でも気軽に選択・視聴でき、次のステップに進むきっかけが掴めた。A子さんは公開期限が無くいつでも好きなだけ視聴できるサービスに出会えたことを幸運と感謝しつつ、未だ公開されていないジャンルにも拡がりより多くの人が利用できることを願っている。

足立澄香さんは東京在住の29歳のOLで研修担当の事務職正社員として都内企業に勤めている。日々、業務に忙殺され何かを学びたいと思いながらもなかなか踏み出せず時間だけが経過する毎日。ある日、他社に勤める友人の紹介で、webで興味のある分野について気軽に学べるgaccoの存在を知り、ひとつの講座に興味を持つ。「インタラクティブ・ティーチング」。反転学習は残念ながら受講できないが、研修担当として仕事にも役立つことを期待しつつ受講開始。なんとか課題をこなしつつ、時折、ディスカッションに目を通す。ディスカッションの中で気になったことについて質問を投げかけ、少しずつやり取りに参加。会社では気づけなかったことに気づき、文字上のでの意見交流をする中で、実際に交流できる場にも参加したいと思うようになる。受講後は、積極的に意見交流の場を探しては参加するように心がけ、現在は受講で学んだこと、意見交換で学んだことを少しずつ研修に応用し、活用を試みている。

黒木さんは今年の3月で47年間勤務した運送会社を定年退職した65歳の男性です。高校を卒業してから運送会社一筋で勤めてきました。特別な趣味もなく定年後の自由な時間をもてあましておりました。
 IT企業に勤める黒木さんの息子さんが新聞から無料で学べる大学「gacco」の記事を見つけました。定年退職後少し元気のなかった父親を心配していた息子さんは、黒木さんにいっしょに始めようと勧めてみました。大学進学は一つの夢であった黒木さんです。会話をすることがない息子さんとも共通の話題ができるのではと、思い切って会員登録しました。
 仕事でもパソコンを使う機会がなく、どうせ一から始めるのならと、講座は「インターネット」を選択しました。専門用語が多く、調べながらの受講でしたが、インターネットを使って始めて聞く言葉を調べるのも楽しみになりました。
 息子も趣味で始めたパソコンを基礎から学びなおそうと、父親と同じ「インターネット」受講しました。黒木さんは講義からだけでなく息子さんからも教えてもらいながら学習を進めているようです。親子で共通の話題ができ、最近は毎晩、息子と晩酌をしながらネットの世界について話をすることが楽しみになりました。
 もともと文章を書く事は好きだった黒木さんです。ディスカッションのサービスを使うようになってからは同じクラスの生徒とも会話が増えました。黒木さんのコメントや質問はディスカッションを盛り上げるパワーがあるようです。黒木さんは、知らない内にディスカッションに必要なメンターの役割をしていたようです。
 また、当初は恥ずかしかった知らない事を聞く事も楽しみに一つとなり
先月は黒木さんの音頭でオフ会も開催し、交流が一気に増えました。
 黒木さんはオープンエデュケーションに出会ったことで、新しい事を知る
面白さや、学習することで広がった人のつながりを知る事ができました。今では真剣に大学進学を考え始めており、大学が主催するアカデミー教室にも通い始めました。

群馬県に住む村中達也(27歳)は
高校を卒業後、地元の私立大学へ入学したが
大学での講義についていけず、
未来への展望もてぬまま退学後
9年間アルバイトも定職にもつかず
引きこもり、ニートの生活を続けている。
毎日、夜も昼も関係なく、インターネットでネットサーフィンをするのがほとんどである。
しかし、親も徐々に年をとり
何とかしなければと思い煩う日が続いていた。
そんな中オープンコースウェアのことを知り
長いブランク後の肩慣らしとして
KHAN ACADEMYで高校生向けの確立・統計の講義を受講することにした。
この講義は問題を解くことに始まり
わからなければヒントを見て、それでもわからなければ
講義を聴くという形式のため
復習にはもってこいで、学生時代には
わからなかったことが理解できることがある。
やっているうちに夢中になり
生活に張りができてきた。
また、ゆくゆくはウェブデザイナになりたいという夢もできてきた。
自信がつけばどこか専門学校に入り
将来はウェブデザインの仕事に着きたいと思っている。

 藤咲せなさんは、現在北海道内の大学の看護学部で学びながら保健師を目指している、ちょっと変わった経歴を持つ26歳の大学4年生である。もともと彼女は大学進学を希望していたが、家庭の事情により高校卒業後地元の看護学校へ進学し、その後都会から遠く離れた山間にある村の診療所に看護師として就職した。たとえ新人であっても村民が看護師に求めることは多く、慣れない環境に戸惑いながらも、彼女は仕事の枠を超えて村の行事にも積極的に参加しながら村民と信頼関係を深めていった。
 そんなふれあいを通じて、彼女は「看護だけではなく、より地域に密着した医療や福祉に携わりたい」という想いを抱き始めた。そのためには最先端の保健医療や社会福祉について学ぶ必要がある。しかし、都市部から離れた山村に住んでいるため、なかなか学べる機会がなかった。
 悩んでいた彼女は、診療所の医師から北海道で「過疎地域医療」について学べる大学があるということを知り、社会人編入試験を受験しようと決心した。試験には医療英語や看護学などの科目があったが、試験対策としてiTunesUやmanaveeで英語を学び、名古屋大学や放送大学のオープンコースウェアで公開されている基礎看護学などを活用しながら、試験に関連する科目を繰り返し視聴した。
 オープン教材を活用することで、藤咲さんは村を離れることなく、独学では対策が難しかった医療英語をはじめとした受験勉強ができた。こうして藤咲さんは仕事と両立させながら、試験勉強を約2年半続け、無事に志望大の編入試験に合格した。
 入学後は、念願だったキャンパスライフを満喫しながらも、今もオープン教材を活用している。心理学やコミュニケーションスキルの講義など、保健師として活かせる分野の講義は積極的に視聴している。そのような藤咲さんの姿勢は、周囲の学生たちの模範となっている。オープン教材との出会いが、藤咲さんの将来への道筋を作るきっかけになったのである。

田中和子さん(35)は6歳の男の子と3歳の女の子を持つ専業主婦です。私立の大学で日本文学を専攻しましたが、卒業後は専攻とは全く無関係な機械メーカーに就職し、営業補助の仕事をしていました。27歳で職場の先輩と結婚し、しばらくは共働きでしたが、1人目の子供の妊娠と同時に退職、今は子育て真っ最中です。ごく普通に大学を卒業して就職をし、当たり前に結婚をして子供を育て、これまで、世の中の出来事に全く無関心というわけではないものの、何かに強く興味をもつことも、反対に問題意識を持つこともなく、暮らしてきました。
 ところが最近、長男の幼稚園ママたちと話をしている時に、「政府が集団的自衛権を行使できるように憲法解釈を変更したけど、どう思う?私たちは生まれた時からずっと戦争はしない、できない、という国で育ってきたけど、この子たちが育つ日本は、ひょっとしたらそうではなくなるかもしれないのよね」と話すママがいました。
 和子さんはそのとき、これまで自分が考えたこともなかった国や政治、世界のことが、急に自分や子供にとって身近なことに感じられ、知りたい、知らなくてはならない、勉強しなくては、と思いました。
 でも、和子さんにとっては全く専門外の事柄で勉強の仕方がわからないばかりか、子育てをしながらなので時間的にも経済的にも制約があったため、図書館の本を調べたり、ネットで検索をしたりして、バラバラの知識を少しずつ得るしかありませんでした。そのうちに、もうすこし系統立てて勉強をしたいと思うようになった頃、誰もが大学レベルの講座を無料で学べるJMOOCの「gacco」というウェブサービスがあること、ちょうど今「国際安全保障論」という講座の受講生を募集していることを知りました。
 早速登録してワクワクしながら講座の開始日を待ち、受講を始めました。ウェブで1回あたり15分程度のビデオなので、家事と子育ての合間のすきま時間を活用しつつ、また最初はわからない言葉や考え方ばかりで投げ出しそうにもなりましたが、講座の資料やテキストを印刷し、何度も繰り返しビデオを見たり、ディスカッションで質問したり励まされたりしているうちに、少しずつわかるようになる楽しさも経験し、とうとう最後のレポートまで提出して講座を修了することができました。
 初めて自分から興味をもった事柄を、さまざまな制約の中でも学べる方法を知り、学ぶことの素晴らしさや楽しさを経験できた和子さんは、自分に対して自信がついたとともに、もっともっと知らないことを知りたい、という気持ちが広がりました。さらに、子供たちに対しても、身の回りのことのみならず、世の中の大きなこと小さいことを自信をもって説明できる母でいられるよう、楽しい学びを続けていこう、と心に決めた和子さんでした。

石川貴子さん(32歳)は、2歳と5歳の娘をもつ専業主婦である。東京の証券会社で働く夫とともに幸せに暮らしていた。ところが、ある日、会社の業績の悪化から、夫は突然の解雇を言い渡されてしまった。何が原因かも分からず、生きる希望をなくした夫は、何もできない自分を責め立て鬱病状態になり、「生きていても何もならない」と口走るようになってしまった。高校卒業後、お料理教室に通い、料理の腕には自信のあった貴子さんであったが、まだ子どもも小さく、何の資格もない貴子さんにはなすすべがなかった。せめて、調理師の資格くらいとっていたら・・・と悔やんだ。また、何もかも夫に頼りっきりであった自分がいかにちっぽけな存在であるのかと思い知った。しかし、娘たちのことを考えるとこのまま、泣いてばかりはいられない。一家は貴子さんの実家がある帯広に移り住み、近くのスーパーのレジ打ちをすることで、どうにか家計を支える日々が続いた。変わり果てた夫の姿を見るたびに、貴子さんは何か、自分にできることはないのかと考え続けていた。そんな中、インターネットでJMOOCのgaccoが心理学の講座を開いていることを知り、思い切って受講することにした。いつでもどこでも学ぶことのできる環境と学びの修了証は、貴子さんの励みになった。また、カウンセリングやコミュニケーション術は、夫の現状を理解し、適切に通院させるすべも学ぶことができた。そして、自分自身も調理師免許はなくともおいしいお料理を作り、家族を支える存在であるということに気づき、何もできないと嘆く自分から気持ちの転換を図ることができたのである。そして、今現在、移り住んだ帯広の酪農に手伝いに行き始めた夫も、貴子さんの勧めでgaccoの「食農の現状と未来」や「北海道の可能性」を受講し、新しい生き方を模索し始めている。

武田一郎さん(54歳)は東京に本社を置く保険会社のシステム開発・管理部門の責任者です。
担当分野は、自動車保険であり特殊なシステムが多いことから、ユーザーインターフェースが良くなく、社員は非効率なシステムで業務を遂行している実態があります。
次回のシステムリプレース時には抜本的なインターフェースを改革する事により効率的な業務フローと共に効率的な業務システムを構築しようと考えていました。
その為に、多方面の情報収集や自分自身の知識を高める必要性を感じ、様々な知識を修得することを決意しました。
そこでインターネット情報からMOOCの講座を調べCourseraのHuman Computer Interractionを受講しました。
この講座は、英語でありどこまで理解できるか心配はありましたが、日本語の字幕表示があり英語の得意でない武田さんにも受講できると判断したものです。
また、この時期に考え方をリフレッシュするには丁度よいユーザーインターフェースの内容でした。
英語の講座を何度も何度も視聴・確認し、何倍もの時間を掛けて、人が利用しやすいコンピューターへの考え方の基本を理解することができました。
言葉の壁が大きく、クイズやテストに大変苦労しながら修了証を取ることができ、更に当講座で取得した知識を元に十分な検討を加え社員が効率よく業務を遂行することができるシステムリプレースを行うことができました。
都合のいい時間に受講でき、沢山の講座がある特徴は代えがたいものであり今後も継続して受講しようと心掛けています。

希(のぞみ)はアニメと漫画の大好きな高校2年生。中学時代から不登校だったので通信制高校に進学し、普段は近くの学習サポート校に週2日通って勉強している。通信制高校のスクーリングは、オンラインでNHK高校講座を視聴してレポートを提出すれば代替認定されるので、サポート校の先生の助けを借りながら学習を進めている。
 ある日、サポート校の先生から、進学を考えているなら、大学の授業などもインターネットで公開されているから、何に興味があるか探すつもりで見てごらんと、手始めにgaccoの「オープンエデュケーションと未来の学び」を薦められた。
 オンライン学習はNHK高校講座で慣れていたし、進学するとしたらどんな方向に進んだらいいのかも考えあぐねていたので、夏休みを機会に受講してみることにした。
 英語が出てきてわからないこともあったが、字幕のおかげで、設問を解くときに話題が見つけやすかった。一緒に受講してくれた先生も登校日に助けてくれた。学習してみてgacco以外にも世界中にさまざまなことが学べる機会がインターネットにはあるんだと思った。自分が興味が持てそうなことも見つかりそうな気がした。何より学校以外で関心のある科目を選んで修了証がもらえたことがうれしかった。次は、開講予定表で偶然見つけた「マンガ・アニメ・ゲーム論」を受講してみようと楽しみにしている。
◆サポート校担当講師談
彼女は普段、家庭では1日のうち多くの時間をインターネットに割いていますが、中学時代にまともに学校に通えなかったこともあって知識欲が旺盛です。教室に来たときも扱い慣れているPCで休み時間はアニメや漫画を検索して過ごすことが多かったのですが、学習動画や進路についての情報を見ていることが増えました。これなら卒業後も自分に必要な学びを継続していく力をつけてくれるのではないかと、gaccoで学ぶことを提案して良かったと思います。

山田桃子さん(30歳)は、大学の工学部を出て、メーカーのR&D部門に務めている。山田さんは、子供の頃から天体観測が趣味であり、宇宙物理学に関心をもっていたところ、最近テレビの「超ひも理論」の特集番組を見て、マクロな宇宙物理学を突き詰めるとミクロな素粒子論と一体のものとなることに感激し、この分野を学んでみたいと思った。しかし、業務が多忙な中、大学などに通う時間は到底とれず、フラストレーションを感じていた。
そんな折、山田さんは、会社でのチームミーティングの際に先輩がMOOCで学んだ経験を発表するのを聞き、MOOCに興味を覚えてネットで調べてみたところ、東京大学がCourseraで宇宙論に関するMOOCを開講することを知り、これ幸いと受講してみることにした。
このMOOCは、東京大学の世界的にも一流と目される講師が、「ビッグバン」から「ダークマター」「ダークエネルギー」までの最新の理論の学習の場を提供するものであり、山田さんはsignature trackで学び、電子掲示板で他の受講生とディスカッションを交わしながら知識を深めた。講義は英語で提供されたため、当初は専門用語に苦労したものの、講義のビデオをダウンロードし、通勤電車中でタブレットを使って繰り返し受講して理解を深め、優秀な成績でコースを修了することができた。また、日本人による分かりやすい英語講義を通じて、英語ヒアリング能力を改めてビルドアップすることができた。
山田さんは、更に関連する知識を得たいと考え、オープンソースのテキストを検索して読み込んだり、Courseraの類似のコースをいくつか受講しているうち、カリフォルニア大学バークレー校の天体物理学の教授の目にとまり、研究室の面接を受けるよう誘いを受けた。山田さんは、現職を辞するリスクに最後まで悩んだものの、教授からの強い誘いを受け入れ、米国での新生活に飛び込むこととした。

 峡田高志さん(58歳)は、中学校の教員である。峡田さんには夢がある。それは、子どもたちのための居場所を創ることだ。生活主導主任をしていたころ何人ものドロップアウトしていく生徒や不登校の生徒に接してきた。そのたびに子どもたちを支えきれなかったことにやりきれなさをつのらせた。そしてまた、そうした子どもたちの根幹に貧困があることに気付かされた。
 そこで、いろいろな理由で学校にいけない子どもたちに対して、インターネットでわかりやすい授業を提供する。その核となるNPO法人を創りたい。
ただ、教えるというのは、「知識・技能を伝える」だけではない。「原理・理論を理解させる」ことや「自分なりの答えを考えさせる」さらに「教えあい、学びあうためのファシリテーター」だとも思っている。だとすると、インターネットを使った授業には限界がある。そこで、そこに行けば先生や仲間がいるという場所の提供が必要となる。
 もちろんその場所では勉強だけではなく、カウンセリングもやっていきたいと考えている。しかし生活指導主任として生徒指導の経験は有るが、自分で自分の問題に立ち向かうことを通して、生徒自身の成長を促していくカウンセリングの経験はない。
 そこでとりあえず心理学の勉強を始めようと考え、上智大学のOCWで心理学の受講を始めた。まだ、全部の講義は聞いていないが軽妙な語り口で心理学という学問のとらえ方をとても分かりやすい講義してくださっている。
来年は上智大学の公開講座のカウンセラー養成講座を受講したいと思っている。また、NEPOを運営していくためには経営の知識も必要であろうと考え、8月25日から始まるマネジメント入門の受講を登録した。そして、今探しているのはNPOの設立と運営に関する講座である。あと2年間、かなり忙しくなりそうである。そして定年を心待ちにしている。

福岡学さん(32歳)は、経営コンサルタント系の企業に就職し、10年が経過していた。それなりの実績も上げ、何人かの部下も出来た。ただ、経営を取り巻く環境の変化は早く、自身の経営マネジメント等に関する知識の陳腐化を感じていた。また、優秀な後輩が活躍する姿を見るたびに危機感を感じていた、大学院での学び直しが必要と考えたが、2人の子どもの養育費や、住宅ローンの返済を考えると、妻に言い出すことはとても無理であった。こうした中、無料で大学レベルの授業を受けることができるMOOCの存在を知った。手始めに、「Coursera」を使ってみた。世界各国の100大学以上が参加し、400以上もの授業が提供されており、興味のある講義は簡単に見つかった。開講されている講座のほとんどは英語であり、英語が不得手な私にはハードルが高かった。それでも何とか経営マネジメントに関する1講座を修了し、修了証を得ることができた。他方、国内でも、「gacco」、「OpenLearning,Japan」、「OUJ MOOC」が動き出したことを知った。語学力の面でハードルがない分、気が楽であった。開講されている講座に応じて、MOOCプラットフォームを使い分けた。無料で先端的な知識を得られることもさることながら、学習期間中に行う地域や世代を超えた受講者とのやりとりによって、自分の視野が広くなるのを強く実感した。いくつかの講座では反転授業にも参加した。パソコンに黙々と向き合っているのとは異なり、ここでの議論は緊張感があった。人脈も広がった。こうした経験は、経営コンサルタントに直接反映することができ有益であった。なお、私の会社では、MOOCでの学習履歴を人事記録に記載することなどは行われない。この点は少し不満であった。MOOCでの学習によって、私の向学意欲は加速度的に増していった。特に、イノベーションに関するMOOCの講座を担当されていた空想大学教授のお考えに強く刺激された。私は、空想大学大学院への進学と、妻の説得を決意した。

 鈴木君は昆虫が好きな学生でコンピュータ・プログラムの専門学校に通っていた。学校ではホームページの制作を学んでいたので、在学中に昆虫のホームページを作ろうと思っていた。ちょうどその頃、学校の先生からJMOOCのことを教えてもらったので、WEB関連の講座を調べてみた。JMOOCには自分に合った講座がなかったので、他のMOOCをいろいろ調べたところ、CourseraのMOOCの講座の一つ、スマホ向けアプリの制作に興味を惹かれた。最近、スマホのゲームにはまり始めていたいので、スマホで昆虫のアプリを作ったら、おもしろそうだと思った。そのCourseraの講座は英語であったが、一度興味を持つと苦手な英語も苦にならず、半年後に修了できた。修了の課題で昆虫ゲームを作ったところ、他の昆虫仲間が気に入り、ゲームをしながらいろいろな意見が交わされ、おもしろいアイデアも生まれた。そのアイデアをもとに昆虫ゲームをバージョンアップをしていたとき、ある仲間の小学生の甥っ子が昆虫ゲームを始めて夢中になってしまった。それを見て、昆虫ゲームを子供向けに発信できないかMOOCで知り合ったIT企業の方に相談し、小学生向けの教材を制作している会社を紹介された。その会社のIT制作部門の担当者と一緒に昆虫ゲームを改良し、小学校の理科の教材として販売を目指している。もちろん、卒業後、その会社に入社した。

 秋田稔さんは、数年前、長く勤めた建設会社を定年で退職し、年金暮らしをしていた。秋田さんには仕事のほかはこれといった趣味がなかったため、退職しても町内会活動くらいしかやることがなく、暇を持てあます毎日であった。
 ある日、大学生の息子が「MOOCと呼ばれるウェブ上の無料公開授業の存在が大学で話題になっている」と言うのを聞いた秋田さんは、そのMOOCというのはどういうものかと思い、Courseraのサイトを見てみた。そうして、建築学の講座がウェブ上で開講されていることを知り、かつての自分の関心が呼び起こされるのを感じた。
 実は秋田さんの世代が大学生のときには大学紛争があったため、落ち着いて学問ができなかった。そして会社に入ってからも利益の計算や現場の労務問題など実務対応に追われていた。秋田さんは、建築学に興味があったのにも関わらずその学問を深める機会がなかったので、MOOCに興味を持ったのだった。
 さっそく秋田さんはCourseraで学習を始めた。英語の講義であったが、退職して日中に十分な時間があるので英語の壁を乗り越え、現代建築学の講座を無事修了し、認定証を手にすることができた。
 その後、秋田さんは息子の勧めでソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に登録した。そして建設会社での実務経験と人脈に加え、MOOCの認定証を持っていることを自己紹介に記載した。他方で、町内会の活動でも、MOOCを話題にしてみた。すると、地元の工務店から仕事の相談に乗ってくれないかという話が来た。また、SNSでCourseraの認定証に関心を持った遠方の同世代の人たちからメッセージが届くようになった。彼らも大学時代に学生運動を経験した世代で、MOOCでの学びに興味があるという。このようにして、秋田さんの定年後の生活は、MOOCをきっかけにして広がりを見せ始めた。

大学卒業後エンジニア企業に勤める小山さん(36歳)。
業務を通じて技術キャリアを積み、今年、かねてから希望していた商品企画開発部へ
異動となった。学生のときからやりたいと考えていた商品企画開発にチャレンジすることになりモチベーションが高まった。これまで技術を中心にキャリアを積んできたため、
企画開発する知識が不足していると感じていた。

そこで、マーケティング、企画戦略等を体系的に学習したいと思いインターネットで
検索すると、経営大学院やgacooのJMOOC(経営学入門)等がヒットした。
仕事をしながら経営大学院に通うには時間と費用がかかり、家族にも負担をかけてしまう
ため、負担が少なく、空き時間を有効に活用できるJMOOCで学ぶことにした。

講義では質の高い講師陣によるわかりやすい説明と例題に基づくロジカルシンキングを実践することで、企画開発に役に立つ知識を体系的に学ぶことができた。
何よりも反転学習やミートアップに参加し、同じ目的をもった志の高い人たちと出会い議論しあう中で自分に無い新しい発想や着眼点を発見することができ大いに刺激を受けた。

この学びを通して得た知識、多角的な考え方を活かして新商品企画のプレゼンテーションを行った結果、採用が決まり、間もなくプロジェクトが始動することになった。

今では受講を通して知り合った人たちとプライベートでも付き合うようになり、お互いに議論を通してよい刺激をしあっている。今回知識の習得が目的で受講したつもりだったが、
こうした人脈ができたことはいい意味で予想外で、将来的には共同でコンサルティング会社を起業して経営したいとも話しあっている。

 軽畑さん(51才女性)は、大学で心理学(学士)を取得。在学中に1年米国留学も経験する。卒業後、教育系出版社に就職。発達期ごとの子供心理の変化をテーマにした図書の出版企画に従事する。
 6年半の勤務を経て寿退社。後に一子(女児)を儲け、出産後専業主婦として生活。家庭運営と子育てに人生を捧げていた。本人は、『家族の喜びが自身の喜び』が口癖な面倒見のよい人柄が長所である。
 しかし47才の時、高校生の長女を自殺で亡くす。娘からは、日々の会話で、「学校へ行くのが楽しい」と聞いていた。特に日本文化に関心があり、華道部にも所属。将来の文化伝承を夢に取り組んでいた矢先の出来事である。
 原因は友人関係のもつれからと考えられていた。学校側に掛け合い、第三者を介した原因究明を求めるも、対応はあいまいな形で終始し3か月後終息。特に加害者側関係者からの証言は、謝罪に誠意が見られず、動機が不鮮明で、いさかい解決や抑止の行動もなく、到底承服できるものではなかった。
『我が娘の死を無駄にしまい』と強く心へ誓い、臨床心理士の資格取得を目指す。米国留学時の学習体験や費用、家庭生活との両立等を総合的に踏まえ、米国リージェント大学の資格認定カリキュラムで学ぶことにした。特に、犯罪被害者(遺族)の心理的ケアについて学習。学校側の履修助言や指導教官からの手厚い指導を受け、無事資格を取得する。
 現在、指導教官の日本人人脈や自らの地域活動への参加により、スクールカウンセリングや自殺被害者家族支援に従事している。決して、一人娘を失った悲しみがすぐに薄れるわけではないが、共に活動している仲間との相互理解が、更なる活動エネルギーになっている。
 自身の実体験を伝えることで、特に高校生以下への命の大切さを伝えるべくまい進中である。軽畑さんは、「私の活動が、苦境にある人の行動が変わるきっかけになればいい。」と穏やかに微笑みながら語っていた。

胡麻太郎(当年20歳)は高校を卒業後いろんなアルバイトを重ねながら両親と3人で暮らしている。生来呑気な性格で将来をどう生きるか真剣に考えたことが皆無で今日までのんびりと暮らしてきた。しかし、周りを見渡すと、経済格差に苦しみ、貧困から抜け出せづ、そこから這い上がれづに精神的に病弊している人達が数多く暮らしている現状がいやがうえにも目に入る。太郎自身も両親が健在で3人で生活出来る間はいいが、このままずっとアルバイト生活を続けていっていいものか、最近とみに自分の将来のキャリアを考えるようになった。太郎は自分の今までの生活の中で「心理学」に一番の興味を抱き関心を持っていたが、この興味関心を生かすべき方途が見い出せないでいた。しかし太郎は今年から始まった「Gacco」の講義を受講し少しはキャリアアップの一助にしようと努めてきた。その「Gacco」の受講から今では世界の大学がその授業を公開していることも知った。その中で、早稲田大学は
「Waseda Course Channel(http://course-channel.waseda.jp)」を公開していることを知り、ネットを通して配信している熊野宏昭教授の「臨床心理学」の講義の動画を見る機会をたまたま持った。臨床心理学とは「病気や障害、あるいは不幸な経験などによって引き起こされる心理的苦悩を軽減するために心理的援助を行い、それを通して問題の解決や改善を目指す学問」であることも知った。この動画の中で「心理士」という仕事があることも分かり、この「心理士」という仕事を通して将来の自分の職業としてのキャリアを磨いていくことも自分にとって大きな転換になると確信した。この目的達成のため、日時は掛かるかもしれないが、ここ当分はアルバイトを続けながら、来春には早稲田大学人間科学部(通信教育課程)に入学をして本格的に「心理士」の資格獲得に必要な知識の習得に努めたいという夢を抱いている。この実現で私の両親も少しは私の事から解放されることでしょう。

Temboさん(30歳)はアフリアのザンビアの地方都市で物理の高校教師として働いている。生徒一人一人に教科書がないなど教材が不足しているため、授業は教師からの知識の伝達一方向になっている。生徒たちは物理という新しい科目に触れ、興味津々な一方、公式や事象の説明など抽象的な内容が多く、苦手な生徒もおり、どう教えるか悩んでいた。また、物理は日常生活で、機械など日常生活の様々な点で関連している。ほとんどの生徒が高校卒業後就職して行くので、高校で学んだ知識が日常生活で使われているということ知る最後の機会になる。だから、少しでもそういった関連性を授業で取り入れたいと思っていた。
しかし、図書館がない、本がないなど教師自身が新しい知識を身につける手段がなかった。最近、Temboさんの住む街でもインターネットが比較的つながりやすくなり、授業に関する内容を調べるようになっていた。しかし、検索してもリソースが不明確、質がバラバラなど、どの情報を選ぶか苦慮していた。
そんな時、MOOCを使って大学の講義を聴講できるということを知った。Edxを使って物理に関する講義の他にも、生徒の興味があるコンピューターサイエンス、また自分たちの生活にきっても切り離せない環境破壊についての講義など最新の内容を学ぶことが出来た。また、ザンビアでは共通語として英語が使われているので、講義を聴講し始める際の抵抗はなかった。
その後、Temboさんはedxを通して学んだことを取り入れた授業をするようになった。生徒たちは最新の情報に興味を持ち、苦手な公式、計算問題にも以前よりも挑戦するようになった。Temboさん自身も複数講義を聴講しながら授業改善をしつつ、オープンコースバッジを貯めながら今後のキャリアアップにつなげていこうとしている。

 私立大学1年生の山本太郎さんは、大学入学を機に新しいことにチャレンジしようと考えていた。大学では、グローバル化の下に外国語習得・異文化理解・主体的問題解決能力を身につける為のカリキュラムが組まれているとガイダンスでは何度も聞いていた。大学に入ってから知り合った友達は、高校時代に海外旅行や留学を経験した人も多かった。海外経験が無く、これに焦りを感じた山本さんは、まずは語学学習にチャレンジしようと決めた。
 具体的に何をすればよいのかを考える為に、Googleで検索してみた。”lang"まで入力したところで「外国語を学習するならLang-8」の説明と共にlang-8.comというWebサイトがトップヒットに表示された。そこには「世界中のネイティブスピーカーが、語学学習を応援してくれる」とあり、自分が外国語で書いた文章をネイティブの人が添削することで、語学学習を進めていくようだ。これならお金もかからずすぐに始められる、そう思った山本さんは早速登録した。
 試しに日記感覚でその日の出来事を英語で数行書き込んだところ、すぐに正しい英語に直すコメントが付いた。山本さんはこれに大変感激し、数行ずつでも毎日書き込もうという気になった。最初にコメントを付けたキャサリンというニュージーランドに住む女子大生は、日本の漫画・アニメに興味があって日本語を勉強しているとのことだった。リアルなコミュニケーションを通じて語学を教え合うことに、語学学習は「勉強」だと思っていた山本さんは、「お互いの意思をやり取りするツール」だと感じるようになっていった。
 その後の教え合いを通じて、今夏の海外旅行先を迷っていたキャサリンは、来日して山本さんの家へホームステイすることになった。山本さんは、自分の大学の交換留学先にキャサリンが通う大学があることを知り、来年そこへ留学することを新たなチャレンジに決めた。

 畑中次郎さん(45歳)は島根県の県立高校の教員である。もともとは数学の教員として採用されたが,平成13年度に業務命令により平成15年度から必履修教科となった「情報」の免許を現職教員対象の15日間の講習を受け取得した。
 平成15年度から「数学」と「情報」両方の授業を担当することとなったが,「情報」の授業については「数学」ほど自身が持てないでいた。理由は専門的に学んだ時間の差である。生徒をひきつける授業をするためには「情報」についてもっと深く学ぶ必要があると常々考えていたところ出会ったのが慶応義塾のKeio SFC Global Campus (SFC-GC)。これはSFC(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス)が平成14年より開始した大学の授業を一般公開するプロジェクトである。いつでもPCサイトやiTunes Uで受講することができるサービスである。最初に受講したのが村井純先生の「インターネット」。この講座は学部生対象の講座で平成19年度から開講され続けており,内容も毎年アップデートされているので,最新の情報も得ることができる。これは,情報化の進展のスピードに教科書の改訂が追いつかないという教科「情報」の問題点の解決につながることである。インターネットの発展に直接寄与し続けている村井先生の講座で学んでいることは畑中さん自身の「インターネットの仕組み」の授業を展開するうえでの骨格となっており,彼の授業も毎年進化し続けている。結果として定期的に行っている生徒の授業評価アンケートでは肯定的回答の割合が全教員のなかで一番高く,生徒からも高評価を得ている。また,本年度からは,県教育センター主催で行われる情報科教員対象の研修会の講師として若手教員の育成にも尽力している。

 鈴木恵美子さん(24歳)は、美術館で学芸員として就職することになった。鈴木さんの専門は日本美術だが、勤め先の美術館では日本美術は勿論、西洋美術も扱っているため、網羅的に美術を学ぶ必要があった。そこでインターネットで調べてみたところ、アートに関して学習できるオープンエデュケーションは少ないが、Khan Academyに美術史、特に西洋美術の講義ビデオがあることが分かり、ここで学習することにした。講義ビデオを見るだけでなく、クイズ形式の確認問題もあり、またTest prepとして美術通史も用意されていた。ビデオの視聴だけでなく、学習内容を理解しているか確認することもできた。更に自分の視聴した講義ビデオの履歴やクイズの回答によって、次にどのような講義ビデオを見ればよいのか推奨してくれるという学習管理がなされていた。美術関連の教材だけでなく、世界の歴史に関する教材も推奨され、文化や当時の西洋社会についても理解することが出来た。英語のサイトということもあり、自分で自分の必要な教材を探すのには少し不便であったのだが、この学習管理システムにより、効率的に、的確に学習をすすめていくことが出来た。
 ここでの学習知識が実際に展覧会の企画や作品解説に役立っただけではない。ここで公開されている講義ビデオを使って来館者に作品解説を行なったり、Partner contentにある海外の美術館のコレクション紹介ビデオを見ながら西洋美術の簡単な講義・講演会なども行ったりと、オープンな教材を利用することでローコストながらもより充実した教育普及活動も実施できるようになった。これがきっかけとなり、鈴木さんは美術館の教育普及活動の担当にもなり、自身の仕事の幅が更に広がった。

 皆山良夫さん(51歳)はK市立中学校の教頭先生です。校長試験に合格し,次年度からの同市立中学校の校長昇任が内定しています。
 皆山さんは時代の変化の中で,これからの校長は優秀な教員であることに加えて組織経営力が強く求められていることを教頭職を通して実感しています。自分自身に経営学の学びの経験はなく,同僚も先輩(校長)も大半が同じ状況で,相談相手にも恵まれず次年度4月からの校長就任に不安を抱きながらも,多忙の中で組織経営を学ぶ機会がありません。 そんな中で皆山さんはGACCO の存在を市教委関係者から教えられました。サイト情報を見ると,多忙な勤務でも学習可能な環境でありかつその内容は大学レベルであることがわかり,早速今の自分に適している「経営(マネジメント)入門」を受講することにしました。
 しかし,これまでのキャリアからは異次元の世界であり,学校経営という特殊性も感じ講座の反転学習には若干のハードルを感じました。そこで数名の仲間に講座受講を呼びかけ,同等の立場での自主的な反転学習という協調学習を進めました。
 皆山さんをはじめ彼らにとって講座で学ぶ経営学の基礎は新鮮であり,新たな知見を得られたこと,これまでの学校は運営の域を出ていなかったというリフレクション,これから何を考えていけば良いのかという前向きの思考など,多くの学びができました。
 そして,講座受講だけでなく,同僚との反転学習の話し合いは,4月以降の学校教育目標や学校経営方針などのビジョン仮策定の成果や策定スキルの獲得など多くの事柄が得られ,皆山さんにとって相当なキャリアアップになりました。
 皆山さんはこの学習により,次年度当初の不安は和らぎ,また学び続けることの重要性,その機会は探せば用意されていることなどを得ることができたようです。

田中さん(35歳)は,横浜市の機械加工業で機械設計エンジニアとして働いている。
会社は大手メーカーからの受注をメインの業務としているが,新たに自社製品の開発に取り組むことになり,田中さんは開発部門のメンバーに任命された。
これまでは,受託開発を主業務としていたため,製品・サービスのコストについて考えることが少なかったが,自社製品の開発には,最低限の会計知識の必要であると意識するようになった。
当初は大学の公開講座を受講しようと考えていたが,時間的な制約により,他の方法を探していた。その中で,Courseraのペンシルベニア大学ウォートンビジネススクールの会計基礎講座を見つけた。
英語力の不足による苦労はあったが,基礎的な部分から解説され,内容も具体例を基にしてもので,初学者でも十分に理解できるものであった。修了証は取得しなかったが,ビジネスとして商品開発をするうえでの方向性を得ることができた。
現在は,良いモノを作れば売れるというこれまでの単純な考え方を改めることができ,コストと品質のバランスを取りながら,ビジネスとして成り立つ商品開発に取り組んでいる。
また,さらに市場に受け入れられる商品開発のために,マーケティングや専門外の技術についても学習を続けている。器用貧乏にならないように,自分の強みをしっかり把握して効果的な学びを意識している。

 佐原は悩んでいた。先月会社を辞めたばかりだ。もともと真面目な性格で、何事にも真剣に取り組んできたのだが、運が悪かった。新しく入ってきた上司との関係が悪化し、うつ病を患って、遂に会社を追い出されてしまったのだ。地方の小さな工場である。余計な人員を抱える余裕はなかった。就職活動をはじめるも、そうそう上手くはいかない。もう35歳だが、人に誇れる技術はない。困った。そんな年末、NHKでMOOCの特集を見た。技術屋だったし、パソコンは好きだ。プログラミングなら、という勢いで、ドットインストールというサービスに行き着いた。
 それから半年、佐原は必死で勉強した。物事には真剣に取り組む性質である。みるみるうちにhtmlやcss、phpなどの言語を習得していく。新しく学ぶことが楽しく、気がつけばCodeacademyにも進んでいた。認証バッジを取得し、採用面接でその意味を伝えられるようになってきたころ、地元のIT企業に就職が決まった。はじめは能力を疑っていた同僚も、誠実な働きぶりをみて徐々に佐原を認めていった。自身にも予想もできないキャリアチェンジになった。
 転職して2年。今では顧客企業の担当者からも頼りにされている。佐原の生活も安定し、両親に心配をかけることもなくなった。独り身だが、それなりに楽しくやれている。今もMOOCなどで日々進化し続ける技術を学び続ける。それが佐原の自信なのだ。佐原が得たものはプログラミングスキルだけではなかった。変化の激しい時代でも、行き詰っても、また学び直せること。自分で力をつけて、道を拓いていける。その経験が自信となり、佐原の明るい働きぶりにもつながっているのだった。学び続けるのが佐原のスタイルだ。そして今、その姿勢を見習う後輩が少しずつ増えているのだった。

大阪市西成区に住む高校2年生近藤太郎は自分の将来について悩んでいた。彼は母子家庭で育ち、母親は彼と弟を育てるため早朝から深夜までパートで働いていた。そんな母親の苦労する姿と、学校でも自分と同じように経済的に辛い思いをしている友達を沢山みてきたことから、太郎は将来経済的に苦しむ人の力になる仕事につきたいと考えていた。高校の進路の先生に相談したところ、ソーシャルワーカーという仕事があることを知りそれを目指そうと決めたものの、親への経済的な負担を考えると国公立大学を狙うしかなく、自分の今の成績では非常に難しいことがわかった。志望校突破のための塾に通うお金もなく、大学進学そのものをあきらめかけていた時、担任の先生からManaveeという無料で視聴できる大学受験応援サイトがあることを教えてもらった。自宅のパソコンを使い、必要な科目について好きな時間に好きなだけ学べしかも無料ということで、学校とアルバイトの間の時間で学ぶことにした。HPを視聴するうちに、このサイトの設立者花房さん自身が母子家庭で育ち経済的に不利な状況におかれている人たちの力になりたいという理念でこのサービスを開発したことを知り、太郎は苦労に負けずに大人になりこうして困っている人を助ける仕事をしている花房さんの存在にますます勇気づけられ、Manaveeで英語長文読解初め苦手な受験科目を繰り返し猛烈に勉強し、見事志望校に合格することができた。大学生になった太郎は、今度は運営スタッフとしてManaveeに参加している。大学ではソーシャルワーカーの資格取得を目標に授業を履修しているが、Manaveeを通してNPO法人などで活動する人々と出会ったおかげで、貧困で苦しむ人の助けになるためには役所や福祉施設で働くだけが道ではないことを知り、自分の将来の道を広い視野の中から実現しようと頑張っている。

藤井博人さん(42歳)は愛知県の機械メーカーでラインを動かす交代勤務に従事している。
工業高校で身に付けた機械工学の知識と技術を活かすことができる職場で、24年間技能を磨き、班長としてチームを束ねる仕事にも、やりがいを感じていた。しかし年々自動化が進み、人口知能が工場の稼働を管理・改善するようになってからは、自分の仕事が奪われたような気がしていた。人口知能を使う職場となってから採用された30歳以下の若手は、ああしろこうしろと人口知能に指示をしているが、製造システム最適化の考え方や専門用語が分からない藤井さんは、人口知能の言うままに動くしかないのだ。そんな時に、同僚がすすめてくれたのが「gacco」の「ものづくりシステムのモデリングと最適化入門」という講座だった。

gaccoは日本語で授業が行われており、受講時間も自由に決められるため、英語が苦手で、三交代勤務の藤井さんも受講することができた。口座は、同じ工場の同期や高校時代の友人と一緒に受講し、分からない部分を教えあいながら勉強することができた。また、講座で知り合った仲間に誘われてミートアップ実習にも参加し、ゲーム感覚で工場のシステム最適化方法や人口知能との付き合い方について勉強することができた。

この学習をきっかけとして、藤井さんは自らの経験をシステム改善に反映させることができるようになった。
その結果、工場の効率は飛躍的に高まり、社内表彰も受けることができた。なにより嬉しかったのは、若手との間に感じていた「壁」のようなものもなくなり、元の気持ちのよい職場環境が戻ったことだった。
現在、藤井さんはこの経験を同世代や先輩達に伝えるべく、自主改善(JK)活動として社内外に積極的に発表してしている。

 国会議員の西原は、多くの省庁の会計が単式簿記であることを嘆いていた。「長期的観点からの無駄を減らし、不正な使途を防ぐためにも複式簿記の導入が不可欠なのだが…」。しかし、多忙を極める国家公務員へ業務以外に簿記の知識を学ばせるには、学習させる時間の確保が難しいうえ、その研修費用も新たに発生する。経済学で有名な大学の出身で、簿記の資格を有する西原は「私が教えてやれればなあ。しかし体がいくあっても足りない」。それを聞いた秘書の吉住は「MOOCを利用してはいかがですか」と進言した。
 西原は自ら体験してみようと、早速gaccoの「オープンエデュケーションと未来の学び」を受講。「なるほど、これなら多くの相手に教えることができ、時間的・費用的制約を克服できるな」と実感した。「ネックは開講費用か」と講義は手弁当で制作していった。一方で、懇意にしていた商業大学に内容の監修を依頼。
 同大学の特別講師という立場で、晴れてgacco上に「複式簿記、西原塾」を開講した西原は、関係省庁職員に受講を推進。その結果、徐々に多くの省庁が会計に複式簿記を導入し始めた。ある日、会計業務に関する会議でK産省の課長は職員勉強不足を看破。「聞けば修了証を持っていませんでした。力量を計るバロメーターにもなりますね」と西原は報告を受けた。
 「複式簿記、西原塾」は当然、一般からの受講者も多かった。そのおかげで西原は「財政に強い議員」としての知名度を向上させ、受講者は複式簿記の知識を獲得。商売や会計業務に役立てていった。「WinWinですね、先生。ただ、評判が良過ぎて民業圧迫になったのでは?」「吉住くん、君も修了してないね」「えっ?」。実は、講義制作時に西原は。同時に、修了者の成績に応じて、科目履修生としての招待状や学費減免制度などを用意していた。大学は知名度を上げ、そこから新たな学びを始めた受講者も。「大学側も喜んでいるし、私も念願の財政改革に着手できたし、Winがいっぱいだ。これこそまさに『wwwwwwwww(※笑いが止まらないという意味)』だろ?」。人々の学びがより良き社会を作ることを学んだ西原だった。

田中一郎は小さなシティホテルに勤務していたが、もうすぐ停年を控える年齢になり、何となく気持ちが沈み込むような毎日であった。ある日、妻がインターネットで「無料で学べる大学講座」というのがあるということを話題にしていた。はじめは無料なんてくだらない内容だろうとバカにしていたが、試しに受講してみたら、なかなかしっかりした内容であった。驚いたことに、こうした無料の講座というのは、世界的にかなりの広がりを見せていて、さがしてみると宝の山のようだ。東京大学の UTokyo OpenCourseWare で高校生向けの素数の不思議についての講座では、講師の先生の情熱が伝わってきて、久しぶりに楽しい気分になった。全部理解は出来ないが、高校生向けになのか、聞きやすく作られていた。何かの役に立つあてはなかったが、そんな必要もないだろうという気分で、興味の有る講座を聞いた。「知る」ということだけですごく充実した気持ちになってきたのに驚いた。英語はあまり得意ではなかったが、coursera というサイトを見ると、Rochester University がビートルズの講座を開いていた。講座のビデオを見てみると、音声もスローに調節できるし、キャプションも表示できる。内容についても、知っている話題も有って、思ったより理解できて、ほかの講座も聞く意欲が出てきた。MIT OCW も見てみると、物理関係ばかりと思っていたのに、イタリア語の講座まであったのに驚いた。speak Italian with your mouth full というタイトルに惹かれて聞いてみた。初歩からで、発音、アクセントなど、たいへん分かりやすい。内容についてのテキストもついていたが、アルファベットなど、ごく基礎的なことを勉強するために、簡単な入門書を別に購入したが、より理解できるようになった。すべてをオンラインの教材だけですますのは、難しい所も有るかもしれない。修了証みたいなものを発行してくれる講座も有ったが、それよりもいろいろなことに興味が湧いてきたのが一番の収穫だった。英語やイタリア語も少しくらい話せるようにして、妻と外国旅行することを楽しみにしている。

(今から3年後、2017年)
Kは都内の企業を定年退職した60歳。
妻、社会人の長男、建築を学ぶ大学生の次男の4人家族。
定年後は長野の田舎で、農業で細々と暮らす老両親の余生を支えるため、
生活拠点を故郷に移し、時々は関東の自宅家族のもとに帰るという生活を始めた。

Kは継続的で辛くない田舎暮らしのために、ITの活用が不可欠と考えた。
幸い退職前はIT関連の仕事に携わっていたので、PCやネットは十分に使いこなせる。
さらに、JMOOC等のオープンエデュケーション(OE)は、定年後の生涯教育、
社会の問題解決において今後は重要なツールになると予測し、gaccoの講義は
開校以来積極的に受講してきた。

3年の間にOEは大学や社会人の学びの手段として定着し、社会に広く認知された。
講座内容も多岐にわたり、たとえば営農、過疎対策、介護といった、Kにとって
今必要でタイムリーな講座が多数選択できるようになっていた。
ITやOEは、世間と隔絶された田舎で欠かせない道具になっていた。

(さらに3年後、2020年)
ITとは無縁の両親も遠くの孫やひ孫とテレビ会話を楽しんでいる。
初等教育のOEも充実し、孫や曾孫は学校の復習や、自主的な学びの手段として
日常的に活用している。
Kの次男は在学中に祖父母宅の古民家再生を卒研のテーマとした。
子や孫が遠ざかっていた故郷の家は、別荘感覚で集う場所となった。
Kは東京オリンピックを故郷で見ながら、時代の符号と家族の協力に感謝した。

 宮内孝(68歳)は、長年勤めた会社を65歳で停年退職したことをきっかけに、かねてより興味があった里山保全の地域ボランティアを開始した。勤めていた会社では営業職をしていたこともあり、話好きで、地域ボランティアの仲間ともすぐに打ち解け、信望はすぐに厚くなった。しかし、いかんせん、植物に関しては、これまでも興味はあったものの、その知識は雑学の寄せ集めにすぎず、より深く学んでみたいと、学びの機会を探していた。また、単に書籍などから学ぶだけではなく、より実践的で具体的な学びをしたいと思っていた。
 インターネットで検索してみたところ、東京農大がgaccoのプラットフォームを用い、新たにcMOOC型の授業を行っていることを知った。テーマは「都市における里山的活動の新たな動き」というもので、反転学習というものも用意されている上に、様々な地域の活動団体のメンバーがネットワークを通して交流している様子も自分のニーズに合っているように感じた。また、単に知識を学ぶというだけではなく、これからの都市社会において、どのように里山的な活動を当てはめていくのかを、参加メンバーも一緒に考えていくという。そんなところも、自分のニーズにあっているように感じた。
 東京農大では約2年のcMOOC型の学びにより、宮内は多くの仲間とネット上で出会い、そこで得た知識、あるいは仲間から得た知恵を地元の活動にも活かしていった。さらに地元の活動で試したみた内容で共有し、その試みは他の地域でも使われるようになった。宮内にはそれが誇りに感じられ、会社にいたときとはまた違う満足感を感じている。
 現在、宮内は地域の里山ボランティアのリーダーとして活躍している。

山尾康仁さん(65歳)は札幌在住で、地元大手企業に44年間勤務し昨春定年退職した。世に言う団塊の世代。大学受験に失敗し、一浪して翌年再受験と勉強していたが、大学紛争がピークに達し何校かの大学は入試の取り止め等が有り、高卒で職に就いた。職場での最終ポジションは部長職だったが、在職中は仕事と仕事がらみの知識を学ぶ毎日であった。常々定年後は「日本史を学びたい」と考えていたので、高校の日本史の教科書を購入し一年間復習をしたが「もっと堀下して学びたい」と思うようになってきた時、今春からJMOOCでgaccoという講座が始まる事を知る。しかも、第一回目の講座が「日本中世の自由と平等」とあって即、受講を決意。都合のよい時間に受講でき、教科書上では学べない史実を詳細に解説、また先生の臨場感たっぷりな講義映像。修了書を受け取ると「まだまだ学べる」という自信も湧いて来た。苦戦しつつgaccoの3講義目を受講中。そんなある日、元の職場の「OB会」に出席した。70・60代の元同僚と酒を酌み交わしていた時、70代の元執行役員が「MOOCを始めた」と発した。思わず山尾さん「私もです」。すると体育系の同期のひとり「俺もgacco受講中」と、話し始めた。山尾さんはこの会でMOOCの事が飛び出るとは、想像もしていなかった。山尾さんは「次回のgacco「オープンエデュケーションと未来の学び」も受講すると更に学びが広がるのでは?」と話すと、二人は頷いてくれた。「これからも色々な事を学びながら、これまでの人脈やキャリアを活かし、オープン教材作り等に協力したり、札幌でミートアップの場も設ける手助け等」と話すの元執行役員。新たな決意が伺え、山尾さんも同感だ。企業戦士の定年後、これからの社会にどんな小さな恩返しが出来るか?6月吉日~夏に向かう札幌の夜空を見上げる山尾さんがいた。

東京の板橋区に住む月森映子さん(43歳)は短大卒業後、両親の営む風呂屋「だるま湯」で病弱な母に代わり、番台の担当や清掃、経理など諸々の手伝いをしている。近ごろ銭湯の心地よさが見直されてきたのか「だるま湯」では思いのほか利用客がふえはじめていた。そんな折、商店街連合会のすすめで区役所主催の事業者向け「まちづくり推進セミナー」に参加した。心ふれあえる場の必要性を考えるセミナーの内容にヒントを得、「だるま湯」を心通うコミュニティスポットとしてみよう…と思い立った。手始めに、脱衣スペースを活用したワークショップ(以降WSと称す)を企画したいが術がないため、アイデアを実現するための方法についてインターネットで調べてみた。
出会ったのは、株式会社スクーが運営するschoo WEB-campus。オンライン学習を通じ運営側とユーザーが協働的にコンテンツを生みだす特長が気に入り、このサイトで発想から実現までのロジカルな組立て・表現方法を学べる連携講座がないか検索していった。幸い、東京大学:知の構造化センター主宰のi.school内に、創造的な課題に対するプロセスの設計ができるようになることを目指す無料のオンライン学習講座がみつかり、受講することにした。
この講座は、前半で新しい価値の創造につながる発想法や事例調査・表現の方法・コンセプトデザインなどの理論を学び、後半は理論をもとに独自のWSをWEBで行うブレンド型学習。はじめはチャットによるリアルタイムなディスカッションに戸惑ったが、前回までの講義内容を繰返し復習することで慣れていき、次第に自分の考えをいきいきとした言葉で伝える力が身についていった。いまでは、「だるま湯」の休業日に、心の交流を目指すWS「心温(ぬく)〇(まる)」を開催。自他の大切さが自然と養われる内容が好評で、地元情報誌にも掲載された。映子さん自ら企画を立て進行を担当、自信をもって実践していくライフワークとなっている。

アフリカのケニアに住むオスマン・マンデラさんは32歳(男性)で、マサイ・マラ国立保護区で働いています。主な仕事は野生動物の保護でありますが、近年の気候の変化も伴い沢山の野生動物の絶滅が危惧されており、マンデラさんもその事に強い懸念を持っています。どうすれば限られた予算の中で、そういった絶滅に瀕しているライオンやチータ、シロサイ等の動物達を保護する事ができるかについて自分なりの考えを出す事が出来ませんでした。彼の夢は、アフリカ中の野生動物が絶滅の危機に晒される事なくアフリカの自然といつ迄も調和し続ける事を実現することでありました。そこで彼は、アフリカン・バーチャル・ユニバーシティ(AVU)にてecology(生物学)zoology(動物学)等を学び直す事としました。毎日野生動物と接する一方、AVUの無料講義にアクセスし、動物とその住環境について学び、また、AVUを通して講師や同様の問題意識を持つ人々とも交流する事が出来ました。そういった学びのなかで、絶滅種を救うために動物達の住環境を改善しなければならない事、動物達の病気に対するケア、絶滅種を保護するための支援を世界中から募る方法論に至る迄を自分なりのレポートに纏める事が出来ました。
100項にもわたる彼の絶滅種の保護に関するレポートは、上司からも素晴らしいと評価され、彼は現在、同保護区の絶滅種保護プロジェクトのリーダーとして仕事をしています。今後彼が、この保護区で絶滅種の保護に成功すれば、アフリカ内の他の国立公園や野生動物保護区にも彼のノウハウを伝授する予定であり、見通しは良好です。AVUでの学びが彼を何倍もパワーアップさせ、彼の夢は実現に向かって着実に前進しつつあります。

 大和大介さん(61歳)は、IT関連の総合サービス会社に勤務している。
 4年後、65歳での退職後は、NPOに所属しながら、社会と関わり続けていきたいと考えており、その準備の第一段階として、今年度から「学び直し」を始めた。「学び直し」といっても学生時代にはなかった新しい分野や科目について新たに学ぶ・・・といったほうが正しいかもしれない。
 大和さんは、日本は先進国といっても、危機意識が低く、社会制度は未整備か、他の先進国に大きく遅れを取っているところが多いと感じていた。
 大和さんが「学び直し」に利用したのは、JMOOCによるgacco。このサービスにおいては、理工系出身の大和さんにとって専門分野に限らず、興味深い講座が多く準備されていた。会社勤務の大和さんにとっては、反転学習コースの選択は容易なことではなく、通常コース(反転学習なし)を受講することが多かったが、掲示板では同じ興味を持つ仲間とディスカッションでき、学びを深めることができた。また、いくつかの講座では、相互採点式の課題を備えたものもあり、自分とは異なる、いろいろな考え方や気づきに触れることができた。
 受講を完了したいくつかの講座では、日本における現状の問題点や課題について言及しており、準備の第二段階として進むべき候補の選択肢を、具体的に提示してくれているようであった。
 加えて、オープンエデュケーションのバックボーンであるインターネットの活用に関する新たな技術・知識も、付帯的に習得できたことから、大和さんは準備の幅を大きく拡げることができた。

 大学2年生の東條亜衣さんは教育に興味を持っており、学童保育で児童の学習支援のボランティア活動を行うサークルに所属している。
 近頃、学童保育での教え方がマンネリ化し、児童の心を掴みきれていないと行き詰まりを感じていた東條さんは、サークル仲間の間で話題となったJMOOCに興味を持ち、早速gaccoに会員登録した。そして「オープンエデュケーションと未来の学び」という講義を見つけ、受講を決めた。何となく知ったつもりでいたMOOCや反転授業といった、最先端の教育のキーワードを、歴史や具体的な事例を通じて理解することができ、東條さんはこれらをサークルのボランティア活動に活かせないかと、仲間たちと検討している。新しいものを知り、視野を広げられたことで、仲間たちとの議論も活発になったと感じている。
 また、この講義で様々なMOOCプロバイダを知った東條さんは、それらのサイトを訪れ、Courseraにおいて、コモンウェルス教育トラストという機関が、教育者向けの講座を多数開設していることを見つけた。仲間とともにそれらを受講することで、自分たちの学童保育での教え方が改善できればと考えている。さらに、gaccoやCourseraの講座は、自身が学んだ成果が可視化される修了証が発行されるため、やがて訪れる就職活動の際に、就職を希望する教育業界へのアピールとなることも期待している。

旦那に先立たれた小島未世さん(61歳)は、子育ては既に終わっているが、認知症の御
両親の介護に奮闘中。かつて大学で経済学を学んだものの、10年来温めていた新たに
探究したい分野に関し、40年も遠ざかっていた勉強を、再び大学で勉びたい思いが
日に日に強くなっていた。しかし、あいにく介護しながら通える大学は島根県の田舎にはなかった。彼女は毎朝必ず新聞に丹念に目を通し、且つ20年以上年間50冊を超える書籍読者で
あった。しかし「ただ老いを待つ」人生ではなく「知識欲を満足させる生涯教育・自己研
鑽」をモットーとしている人物の一人であった彼女は、ある時インターネットで調べていた所、
探究したい分野である健康科学について学べるMITのOCW(OpenCourseWare)を見つ
け受講を開始した。この講座を通して健康に関する基本知識に留まらず、健康寿命の延伸、
病気の予防、治療法に関する技術的内容にも踏み込み、Q&Aを通して疑問点を深堀りすることも出来、将来の自分の健康生活のみならず、御両親の介護にも役立てているのである。勉強すればする程、今までの自分の知識の狭さと同時に、これから一生学ぶべき範囲の大きさを痛感する日々である。御両親の介護からも将来解放される時、彼女は「夢リスト」に記
載している「アメリカ中長期留学」、更にその先の「博士号取得」も視野に入れつつ、日
々、人生の意義探究を深めながら、金銭的肉体的には厳しい環境にあるものの、精神的
には大変豊かな日々を送り、充実感に浸り、黙々と努力を続けている。孫たちもなにげなく
未世さんの後ろ姿をみながら、成長しているのである。

水戸一郎氏は60歳。
38年間、自動車関連企業に勤めて、今年、定年を迎えた。現在は、旅行をしたり、有り余る自由な時間を大好きな読書をして、第二の人生を謳歌している。
ある時、息子がオープンエデュケイションを勧めてくれたので、その存在すら知らなかった一郎氏は、早速、講座を検索してみた。
大学での専攻は法律学であったが、歴史にはとても興味があり、今までも、国内外の歴史小説などを読み漁っていた彼は、gaccoの「日本中世の自由と平等」という講座を見つけて飛びついた。講師は東京大学の本郷和人先生で、話題は具体的で興味深く、思いもしなかった視点から歴史を見る面白さに、夢中でパソコンに向かった。本郷先生の「歴史は科学である」との語り出しは新鮮で、特に、「紙背文書」の話は興味深かった。また、学生時代に学んだ歴史の知識では知り得なかった網野善彦先生の「二倍史学」の考え方は驚きであった。先人達の連綿と続いた営みを思うと、ますます歴史に興味が沸いてくる。
ある日、散歩の途中で立ち寄った喫茶店で、同期入社でやはりリタイアした友人に偶然会った。その友人は古代史文化に興味があり、出雲や埼玉などの古墳の研究をしていて、古文書にも大変興味を持っていて、古文書の研究を始めたことを初めて知った。一郎氏も、実は、オープンエディケイションで「中世の日本史」について勉強していることを打ち明けた。話は大いに盛り上がり、調べたところ、三重県は全国的にも古文書などの文献資料が数多く遺されているらしいから、資料館や歴史博物館などを巡る旅をしようということになった。
一郎氏は、第二の人生がますます充実して楽しい物となる予感がしている。また、他の講座も受講して、視野も広め、生涯、学び続ける意欲に、今、燃えている。

塩谷舞子さん(15歳)は大阪府内の小さい町に住む中学3年生である。3年生になってすぐ、クラスメートととの些細な意見の食い違いから虐めにあい、学校に登校することができなくなってしまった。もともと勉強は得意な方ではなく、授業を受けられなくなった舞子さんは、先生から渡される自習プリントだけでは内容が分からず、通信教育もとってはみたものの、自分一人でするのは困難だった。塾に行くことも考えたが、地方の小さい町なので塾は少なく、どこに行っても同じ中学の生徒がいる為行きたくないまま時間が過ぎ、このままでは高校受験も危うくなると焦っていた。そんな中、小中学生向けのさかぽん先生TVを見つけ,受講を始めた。
さかぽん先生TVでは、英語と数学の授業が細かく単元別に配信されていた。印刷できる宿題もあり、前回の宿題の答えあわせから次の授業が始まるため、一つずつこなしていくことができた。また大阪府立高校の入試問題も英数過去6年分解説されており、実際の入試でどのように問われるのか、答えればよいのかを知ることができた。さかぽん先生TVの授業が細かく単元別に分けられていることから、他の科目では自分で同じように単元別に学習に取り組む指針ができ、学校の先生からのプリントもうまく活用できるようになってきた。
学校や塾に行かなくとも自分で勉強が進められ方法を手にした舞子さんは、今では焦りもなくなり、高校からは気持ちを切り替えて楽しめるように受験勉強に励んでいる。

 中田晃さん(29)は私立学校の理科教諭だ。勤務している学校は理科教育の推進校としての認定を受けており、中田さんは普段から教育課程以外の課題研究等の指導をしてきた。
 この学校では、来年度からタブレットを使った新しいスタイルの教育法を導入する事になり、中田さんはそのタブレット導入委員会に理科部の代表として参加することになった。委員会では、導入に先立って反転授業用のビデオ等、教材の作成について検討がなされたが、中田さんには今までの授業とどこが異なるのか、どういった点に注意が必要なのかという疑問があり、生徒目線での授業を受けてみようと思いネット検索を行った結果、CourseraのMOOCで「探求学習を成功させるための教育技術」についてのコースを受講した。
 英語での受講だったため、専門用語に一部難解な点もあったが、推進委員の英語教諭とも協力する形で、これからの探究学習には教室の枠を超えての学習環境が必要であり、プレゼンテーション能力の向上も考えた学習指導が必要になってくる事等を学習した。またこのコースは、教職歴3年以上の教師に役立つという事もあって、他の理科教諭にもコースの受講を勧め、反転授業用教材の進め方のテンプレートを作るための話し合いの際の例として取り上げ、活用をした。更に、現在はタブレット運用の前段階として、タブレットを利用して行う研究授業の構想を練っている。

平野友太さん(28歳)は、入社4年目の営業マンです。日本の景気は回復してきたとはいえ、まだまだ倒産する取引先も多く、上司からは与信管理を厳しくするように指示が出ています。
また、主要な取引先からは、自社の経営状況について質問を受けることが増えてきました。
そこで、経営状況すなわち財務諸表を理解できるようになる必要があると考え、簿記の3級を取得することにしました。
しかし、簿記の学習を行うにあたり学校に通う時間が確保できない為、独学に加えてインターネットを利用した学習方法がないか探ってみたところ、「簿記3級無料学習サイト【Study Pro】」(http://studyboki3.com/)という無料サイトを発見し、利用することにしました。
このサイトは各コンテンツを学習し学習時間フラグを変更すると、各コンテンツだけでなく全体の進捗状況を可視化して管理できます。また、ユーザー登録をしなくても2週間は学習内容が保存されますが、ユーザー登録をすれば保存期間が無期限になります。自分の時間に合わせて学習できるので、独学の補助的要素として活用できると考えました。
また、試験テクニックや完全予想模試もコンテンツにあったので、試験前対策としてはかなり有効でした。
さて、試験も終わり無事に合格を勝ち取った平野さんは、財務諸表を理解できるようになりました。合格を知った上司からは後輩の指導を任されただけでなく、所属する部署で合格を紹介され、他の部員にも簿記資格の取得を推奨しました。
平野さんは今後のスキルアップとして、簿記2級の取得と経営分析を学習したいと考えています。なぜなら、取引先が製造業の場合は、簿記2級の原価計算の知識が有効だと考えたからです。また、経営分析は与信管理として更に有効だと考えたからです。
このように自分の簿記合格が自身の向上心アップだけでなく、会社にも良い影響を与えられた事に、ますますやる気が湧く日々を過ごせるようになりました。

原田さんは、5年間の臨時講師を経て、ついに子どもの頃からの夢であった中学校の教師になることができた。大学在学中は、大学院に進学して教育についてさらに深く学ぶ道も考えたが、まずは現場に出てみて、どうしてもさらに学びたくなった時に、改めて大学院進学を考えようと思っていた。ところが、実際に教師としての仕事が始まってみると、日々の慌ただしさに追われ、しかも、就職を機に結婚し、やがて子供が生まれると、家族との生活の時間も必要になり、時間に追われる日々の連続であった。そういう日々の中で、自分の授業や学級運営などの力不足を感じ、現場とは別の場で学ぶ必要性を痛感していた。
 そんな折、インターネットのニュースサイトで、moocの一つであるgaccoの存在を知り、初回の内容が授業の参考になるのではないかと思い、登録して受講してみることにした。gaccoでは、週ごとにレポートや小テストを提出する必要があるが、電車での通勤時間を利用することで、無理なくコースを修了することができた。これに味を占めた原田さんは、関心のある様々なコースを受講することになった。やがて、ディスカッションの場で、自分と同様、日々の業務に追われながらも、教師としてのスキルを伸ばしたいと考えている同業者と出会うようになり、その輪は少しずつではあるが広がっていき、お互いの授業や業務運営について濃い意見を交わしあうことができるようになった。
 さらに本格的に学びたいと考えた原田さんは、英語という壁も乗り越えることを決意し、Courseraを利用して海外の教育に関するコースも受講するようになった。海外の教育方法はそれまでの原田さんが触れてきた日本の教育とは大きく異なる点も多く、刺激的であった。原田さんは、gaccoで知り合った仲間たちとともに、様々な教育方法について議論し、自分たちのスキル向上に励んでいる。

中村真紀子さん(37)は東京のIT企業のシステムエンジニアとして働いている。去年、仕事で必要な知識を身につけようと、オンライン講座のCouseraを始めた。自身のキャリアとして、ビッグデータ関連の仕事に就くのが目標だ。そのためのバックグラウンドが足りないので補いたいと考えたが、本格的に留学するのには授業料が高くハードルが高い。そうした中、テレビ番組でMOOCについて知り、Couseraを受けることにした。中村さんは、片道40分の通勤時間に携帯端末にダウンロードした授業の音声を聴き、ダウンロードしたテキストを読む。毎晩仕事から帰宅すると必ずCouseraに取りかかり、週末には提出課題に取り組む。気になるコースがどんどん開講されていくので、はまっている。特に役立ったのが、アメリカのワシントン大学のデータ解析の講座だ。アメリカ大統領選挙でビッグデータがどう活用されたかなど、具体的な事例をもとに実践的な知識を学ぶことができた。この講座を修了したことが上司に評価され、ビッグデータ解析の新たなプロジェクトに抜てきされた。TOEICの点数も学生時代に比べて100点以上伸びた。中村さんは今、顧客に分かりやすく説明できるよう、プレゼンテーションの講座も新たに始めた。Couseraで幅広い能力を身につけ、さらなるキャリアアップを目指したいと考えている。Couseraは、自分のスキルを高めていけるいい機会で、自身の人生を変えるきっかけになったと考えている。中村さんはさらにCouseraの受講生たちの交流会に参加している。インターネット上で呼びかけ合い、キャリアアップを目指す社会人が集まる。同じように、Couseraを仕事にいかそうとしている仲間と話し、授業について情報交換することが中村さんの励みになっている。

山田良二さん(23)は高校卒業後、地元関西の、いわゆる町工場で働いている。高校の頃は地元の強豪野球部に所属し3年間厳しい練習や試合に没頭していた。3年生の時にはレギュラーとして活躍したが、残念ながら甲子園への出場は今一歩かなわなかった。そのような高校生活であったため気力・体力には自信があったものの、勉強への興味も薄く学力は今一歩で、大学へは進学せず地元で就職するに至った。その町工場は特殊な技術を持つ「オンリーワン」の有名企業であったが、山田さんは野球部で培った明るく何事にもまじめに取り組む性格が幸いし、社長にも同僚にも働きぶりが認められる存在となっていた。その町工場は、例年全国規模のロボットコンテストに参加していた。山田さんは入社後コンテストに関わることはなかったが、元々機械いじりの好きな性格であったため、インターネットでロボット関連の記事を検索していたところ、東京大学の”itunes U”で無料のロボット関連講座を視聴できることを知った。最初は基礎知識さえ全く無かったため、「ロボットの歴史」等の概念的なものを視聴していたが、次第に専門的な内容にも興味が広がり、夢中で視聴していった。”itunes U”の便利な点はスマホで気軽に視聴できることであり、疑問な点を職場の「ロボット」に詳しい者にスマホで映像を見て確認してもらうことができ、より理解を深めることができた。さらに良かった点は、山田さんがロボットに興味を持っていることが周囲の者の目にとまり、社長から、「ロボットに興味があるのなら、ロボットコンテストに参加してみないか」と声をかけられたことである。もちろん最初はパーツ加工などの基礎作業であったが、社内には「ロボット」に詳しい者が何人もおり、実際の作業を通じて勉強するには最高の環境である。山田さんは、高校の頃には感じなかった勉強に対する向上心を沸々と感じていた。

 安西誠25歳.電機メーカーの営業マンとして2年目となった最近,少し仕事にも慣れ,説得力のある提案書を作れるようになるために,統計を勉強したいと思っている.しかし,いつ呼び出されるか分からない中,学校に通うのは難しい.ましてや「勉強」の2文字を考えるだけで寒気がする自分が,独学で勉強出来るとは思えない.数学が苦手で,文系に進学した事を悔やんでいた.
 ある日,誠はschooというサイトを見つけた.うたい文句は,「生放送で無料授業を受けよう!学校の新しいカタチ」.各分野の専門家から学ぶ事の出来るWebサービスである.始めは,「学校」という言葉に,学生時代の辛かった講義やテストを思い出したが,無料という気軽さと「統計」や「データ分析」の授業に興味をもって「受講」のボタンを押した.
 授業当日,講師の話を聞くだけだと思っていたら,参加者の書き込みが動画の横に表示され,他の参加者の反応を見る事ができる.講師も時々書き込みを見て,話の中で取り上げてくれる.同じところが分からない参加者に勇気づけられ,別の参加者の書き込みに納得しつつ,あっという間に授業が終わってしまった.先生の話を聞くって,こんなに面白かったっけと思いながら,課題のレポートを書いてみる.講師はどんな話をしていたのか,自分はどんな事を面白いと思ったのか,思い返して文字にすると,思いのほか沢山の事を知ったことに気付く.投稿したレポートは,サイトで共有され,他の参加者がどんなことを知ったのかも見る事ができた.まとめ方が上手いレポートを見ると,感心すると共に,次は俺も上手くまとめようとライバル心が芽生えてくるから不思議なものだ.
 誠は,統計だけでなく勉強することが楽しいことをschooを通して学んだ.参加者の中にはアカウントをFacebookと連携させている人もおり,気になったコメントの発言者に連絡をとって,情報交換しながら,最近はマーケティングの勉強にも取組んでいる.

山田太郎くんは中学2年生だ。父親の仕事の影響で小学5年のとき以来タイのバンコクに住んでいて、日本人学校に通っている。タイにあまり良いイメージを持っていなかった彼はタイのことをあまり知ろうとせず、早く日本に帰国したいと思っていた。
そんな彼は、ある日学校で担任(社会科)の先生によってjmoocの存在を知った。学校の勉強は不足ない程度にできた彼は、これから先にどんな勉強をしなければならないのか覗いて見るためにgaccoのホームページを見た。
その日の夜、gaccoことを母親に話すと、母もまたホームページを見て、太郎に「交流文学研究」の講座の受講を勧めた。
パソコンを使うだけなので海外に住んでいた太郎くんでも受講が可能だった。
また、母は、タイにいるのにも関わらず日本に帰りたいとずっと言っている太郎に、タイに住んでいるという価値を少しでもわかってもらえればと思ったのである。
母の説得に負けた太郎は受講をはじめた。量がそこまで多くなかったので学校の勉強とは両立できた。
受講中は各回で他の国の文化に触れることになった。

受講を終えた彼は国によって違う文化が育まれることと、お互いの理解の大切さが少しわかるようになった。それは太郎にとって大きな進歩だった。
そんな矢先に彼の学校では毎年恒例の行事であるバンコクの現地校との交流会が開かれた。いつもはつまらないと思っていた交流会が、今年は違った。現地校を訪問して、日本と違うところを見つけることが楽しかったのだ。
文化の違いに興味を持った彼は、他の国にもいろいろいってみたいと思うようになった。仕事も国外でしたいと思うようになった。そして何より、太郎は自分が今とても特殊で恵まれていて面白い環境にいることを学んだ。
オープンエデュケーションが一人の中学生の心を変えたストーリーである。

高校中退のシングルマザー、国仲由紀さんは20歳。2歳の理沙ちゃんと元夫のDVを逃れるため母子生活支援施設に入所している。由紀さんは、風俗以外の仕事で、長く続けられる仕事に就職をしたいと母子指導員に相談した。まずは、生活の立て直しと高等学校卒業程度認定試験合格を目標に頑張ることを決意した。
日中はアルバイトでなかなか固定した時間が取れない由紀さんは、施設長が教えてくれた高等学校卒業程度認定試験対策のMOOCで学習を始めた。パソコンなどの学習環境は母子生活支援施設が準備してくれた。
目標が出来た由紀さんは、何事も前向きになり生活の改善もみられた。ネット環境に触れる機会が増え、今では料理の作り方もネットから情報収集してレパートリーも増えた。子供の食生活も改善した。MOOCの電子掲示板では、同じような生活環境の受講者もおり学習以外の話もできる友達もできた。生活の改善ぶりは他の入所者の関心も呼び、同じように高等学校卒業程度認定試験対策のMOOCを始めた人も現れた。わからないことを二人で相談することもあるし、敷居が高いと感じていた反転授業も、二人で一緒に行くならと参加するようにした。学習を通じたコミュニティは、学習促進だけが価値ではないと由紀さんは反転授業の参加を楽しみにしている。食生活の変化が生活全般の改善につながることを実感した由紀さんは、高等学校卒業程度認定試験に合格したら食品関係の会社に就職したいと思うようになった。管理栄養士の資格も取りたいと、さらに先の夢もできた。
子供が大きくなった時に、塾に行くお金を出してあげられないかもしれない。でも、学習支援のMOOCがあれば、上手な活用の仕方を教えてあげられる。子供には同じ苦労はさせたくない。学校以外の学びが一般化し、そのキャリアを企業が認めてくれるようになれば、再就職がしやすくなりシングルマザー支援やM字カーブの解消につながっていくかも知れないと、由紀さんは希望を感じている。

水田誠さん(32歳)は東京の中堅私立大学で働いている6年目の職員だ。仕事は毎年同じ内容の繰り返しで大きな変化もなく、日々の業務はそつなくこなしていた。ただ、このままでは何の成長もないと、自分のキャリアについて悩んでいた。そんな時、日本でもJMOOCが始まっていることを知り、サイトをのぞいてみた。
以前からCouseraやedxのことを耳にして興味はあったが、英語が苦手なため、英語の講義ビデオ聴講は難しいと思って真剣に考えていなかった。しかし、JMOOCは日本語で開講されているため、これならチャレンジできると思った。gaccoのサイトを探したところ、トレンドでもある「統計学」の講座を見つけ、自分にも興味があったので受講してみることにした。大学卒業以来まともに勉強をしたことがなかったので、最初は大変だったが、学生時代に学んだことを思い出しながら、基礎から学びなおし、ひととおりの基礎知識を学ぶことができ、無事に修了証を手にすることができた。
そんな時、新設部署ができるというニュースを聞いた。その部署のミッションは、大学内の各部門がバラバラにもっているデータ類を統合、見える化し、効果的に活用していくというもので、最近よく聞く「ビックデータの活用」であることに興味をもった。水田さんは、統計学の知識を活かすチャンスと思い、gaccoの修了証を携え、新部署への異動を人事部へ願いでた。晴れて新部署の設立メンバーに選ばれた水田さんは、希望した業務に携わり、今まで知らなかった様々な部署とも協力する場面が増え、自身のキャリアアップとともに、学内のネットワークも広げつつある。
時間的、金銭的制約を受けずに新しいことを学習できたことで、チャンスをつかんだ水田さんは、次は苦手な英語の学習もあわせてチャレンジしたいと、Couseraで開講されている「Data Analysis」のコースを受講し始めた。


長谷川未可は、北関東の山の中に住むこの春高校に入学した女の子である。未可が通っていた中学へき地の小さな学校で、みんな仲良く生活してきた。不満は音楽の部活動がなかったことだ。そこで高校はオーケストラが盛んな県庁所在地の進学校にがんばって進学した。将来は漠然と進学かなと思っていた。心配なのは通学に時間がかかることで、6時前に家を出て、始発のバスに乗り、少し大きな温泉地の駅から私鉄に乗り、市役所のあるところでJRに乗り換え、高校に近い駅でおり、自転車で20分、もう学校につくと8時、2時間の通学時間が必要だった。帰りは部活動をやって家に帰り着くのは9時を過ぎた頃で、疲れ果て勉強時間を確保できなかった。下宿したいとは家の経済状況を考えると言えないし、このままではやっと始められたオーケストラも続けられる自信がなかった。進学校だけあって、授業の進度もく、みんな塾に行っている、将来のことを思うと不安は募るばかりであった。ある時、帰りの電車の中で何気なくiPhoneで「無料 ネット 予備校」と検索して見た。いくつかの候補から、「お金がかかるのは変 無料の受験動画サイト manavee 作った東大生」というページを見て「これだ!」と思った。無料だし、これならば通学途中に勉強できる、登録すると質問もできるし、早速苦手な生物の細胞の授業を観てみた、「わかりやすい!」学校の授業では今一つだった説明もmanaveeの大学生の先生の説明は生徒の立場からみてわかりやすく、何度も繰り返し動画を観ることができるし、テストもある。感想もアップできる、何て素晴らしいんだ、よし、これで勉強も部活も頑張れる、私も絶対大学行って、へき地に住んで予備校通うどころか高校に通うのも大変な子のために、将来はmanaveeにスタッフとして参加したいなと漠然としたものだったけれど将来の目標もできた未可であった。

駿くんは現在高校2年生で大学の受験勉強をスタートしたところである。敢えていうなら数学が得意なので理系の大学を狙っている。ある時新聞でgaccoの記事を見た。東京大本郷キャンパスで本郷和人教授の「日本中世の自由と平等」の反転学習の記事であった。これに興味をひかれインターネットで内容を確認した。「歴史学は科学である。古記録、古文書などの証拠に基づいて語られなければならない」というような教授の言葉に衝撃を受けた。何故ならば、歴史は暗記するだけのものと思っており好きな科目ではなかった。さらには、日本における自由と平等の変遷を理解し、現代との相違を考えるようになった。過去を知り、将来を考えることにも面白さを感じた。従来より受験勉強が紋切り型で押し付けられているようなものと考えていたが、学問の面白さを垣間見ることができ、大学に入るための勉強ではなく、学問、教養を深めるためのものと考えるようになった。もちろん受験のテクニック習得のため勉強も必要であると思っているが。この話を聞いて父親は今後はさらに他の学問にも興味を持ち多様性に富んだ人間になってくれることを期待した。

私は、独立系IT企業の経営者であり、これからのトレンドであるo2o(Online To Offline)を活用したスマホの新サービスを検討中である。
具体的には、特定の場所に近づくと、その場に設置されたデバイスから発信する信号をスマホがキャッチし、その場所に関する案内を提供するサービスを検討中である。
このサービスを開発し将来においてもベースとなる技術にするためには、最近公開された新しい言語(Apple社のSwift)の習得が必須と判断した。ただし、新しい言語であることから基本的な使い方以外の応用方法やデバイスとの連携など、書籍に載っていない使い方や解説が欲しい。

そこで、プログラミング言語関連のコーディング講座を無料で提供しているオンラインプラットフォームであるcodecademyに目を付けた。
codecademyでは、実践をしながらプログラミングを学べるだけでなく、ユーザー同士で教えあうコミュニティ活動が活発に行われているため、言語の応用部分に付いて学べると判断した。
結果、このcodecademyで学んだことにより、講座からはデバイスに依存しないプログラムの書き方を習得し、さらに、新たなデバイスが登場した場合のその処理方法(本体プログラムに影響を与えずデバイスの処理をカプセルかする方法)も、コミュニティーから教えられた。

コミュニティーの活用によって、デバイス開発技術者とコミュニケーションが図られ、技術情報のやり取りを行える人的ネットワークが形成された。
このことにより、私にとっても、企業にとっても知識の幅が広がると同時に自分自身の学習の刺激にもなった。

大阪に住む高校2年の田中桃花さん(16歳)は、大学進学を考えてはいるものの、自分が学びたいことや将来の仕事のイメージを持てずにいた。歴史の勉強は嫌いではないが、高校の授業で学ぶ日本史や世界史は単なる暗記科目のように感じられて、あまり興味が持てなかったが、テレビのニュースで紹介されていたgaccoに興味を持ち、「日本中世の自由と平等」を受講してみることにした。本郷教授の史料によって「ウラをとる」という話に興味を惹かれ、今まで単なる事実の羅列にしか見えなかった教科書の記述にも、研究の裏付けがあることに気付いた。ディスカッションで自分よりも年齢的にも経験的にも上だと思われる人々の意見に触れ、また、自分の疑問にも答えてもらえたことで、年齢に関係なく対等に学ぶことができるという経験ができた。また、講義の中に出てきた地名のいくつかが、自分でも知っている地名だったことも意外で、急に歴史が身近になったような気がした。夏休みを利用して、図書館に行き、専門的な歴史書にもチャレンジし始め、できれば、将来は歴史の研究や教育にかかわるような仕事をしたいと思うようになった。今までは、大学名や偏差値だけでどの大学を目指すかを考えていたが、専門的に歴史学が学べる大学はどんなところがあるのか、また、それぞれの大学の教授の専門分野はどこなのかなどを調べていくうちに、現在の自分の学力では、かなり難しいと思われる大学にぜひ進学したいと思うようになり、真剣に勉強を始めている。

A君は昨年鍼灸師系の専門学校を卒業した20歳。残念ながら国家試験不合格となり、国家資格がないため正社員になれず、鍼灸院でアルバイトとして働いている。
A君の専門学校ではe-learning学習としてwebctを取り入れ国家試験対策を行っていたが、その頃のA君はバイトに明け暮れ有効に使うことをせず国家試験には不合格。
就職する頃になってA君は初めて国家資格有無の重大さ、鍼灸師として働けない事=人のために働きたいという夢をかなえられない事に気づきました。
彼は動きました。専門学校に相談に行ったところ、合格できるまでサポートしますよと言ってもらいあるサービスに登録するよう案内されました。
それは、学校が行っている既卒生向けのe-learningシステム。
在学時にもあったwebctはじめvod教材など複数のコンテンツが利用できるシステムでした。
A君は早速登録。国試の過去問を繰り返し学習し、また国試対策講座をVODで視聴したりと、通学せず自宅で学習したり、またモバイルでも利用できるため通勤時間などとても有効に時間を活用できました。
ディスカッション機能もあり気になる事は質問を投稿し先生から返答をもらい疑問も解消できました。
直前対策としてスクーリングも利用しました。
システムを利用している人たちが集まり模擬試験を受けるものです。
そこでは同じ様に仕事を持ちながら国家試験を目指して頑張っている人が集うため、仕事の話、今後につながる情報交換もできモチベーションもUPし、とても満足いくものでした。
e-learninへの登録から始まった彼のリスタートは、学習はもちろん、人々との交流を通じて国家資格への合格すなわち「人のために働きたい」という夢へ一歩一歩近づいていきました。
そしてこの春見事国家試験合格。
彼はe-learningを活用することで時間の使い方を学び、リスタートする事ができました。

宮元次郎さん(63歳)は、定年退職後は都内のマンション住まいから房総半島の館山市に小さな家を建て、朝夕の海岸べりの散歩や釣り等の田舎暮らしをそれなりに楽しんでいた。しかし、ビジネスのハードな生活から解放され、生活を楽しむ時間ができたものの、最近はどこか物足りなく,張り合いのない日々の繰り返しが続いているようで、目標を見失った浮遊物のような感じでもあった。もともとは知的好奇心の旺盛なほうであったので、何か目標をもって生活しなければと思いなおし、学生時代に学べなかったものを大学の聴講生になって学びなおそうと考えた。しかし、宮元さんの住む町は自然に恵まれた環境ではあったが、交通の便は大変悪く断念せざるを得なかった。そんな時、インターネットの検索システムで何か自分に適したものはないかと調べてみると、年齢や学歴に関係なくいろいろな専門講座を受講できる無料オンライン講座の存在を知ることができた。その中でも、JMOOKと連携しているgaccoプロジェクトのオンライン講座の展開に大いに興味をひかれた。それは、歴史、文化、政治、経済、科学などの豊富な講座群とその充実度であった。宮元さんが選んだコースは歴史講座であった。実際に受講してみると今までの歴史観にとらわれない視点の広さに大きな刺激を受け、日本ばかりでなく世界の歴史を一から学びなおそうという気持ちが沸々と湧きあがってきた。講座の内容ばかりでなく、フリーなディスカッション、反転学習などによる受講生間のコミュ二ティと相互刺激、確認テストとレポート提出、相互採点、修了証の交付など講座修了を達成できるよう様々な工夫が加えられており、楽しみながら学習することにより視野が広がっていくことも大きな魅力であった。また何よりも無料で学べる有り難さがあることも。これからの人生を豊かに、かつ意欲的に生きるためにも宮元さんは、このオープンエデュケーションシステムを最大限に活用したいと考えている。宮元さんの知的好奇心は、マクロとしての宇宙からミクロとしての素粒子まで際限なく広がってきており、gaccoに期待することも際限がないようである。

中村美由紀さん(35歳)は、今年から、小学校の臨時教員に採用され、理科と家庭科の担任として試行錯誤の日々である。彼女は、4年制の小学課程の教育学部を卒業して教員免許は持っていた。卒業後は、民間会社に勤務して13年が経った。ここ数年、後輩を指導する立場で接して、言葉や知識の不足を痛感、教育の重要性を感じていた。そして教師にトラバーユした。しかし、長いブランクで、教師としての自信はなかなか持てない日々が続く。そんな時オープンエデュケーションを知り、Courseraの教育コースでSurviving Your Rookie Year of Teachingを発見した。そこには、新任教師の最初の一年を、乗り越えるアイデアとテクニックが紹介されている。そして、それは新任教師の初年度を、成功に導くものである。彼女は、このコースで新任教師が陥る挫折、苦難、眠れない夜、涙が自分にはこないだろうと、気持が落ち着くことができた。これが、前向きなクラス運営に寄与している。児童にも積極的にかかわれるようになった。また、忙しい教師生活だが、時間にとらわれないオープンエデュケーションなら、これからのキャリア形成に利用できると思う。さあ、明日も明るい教室にしよう。子供たちの瞳をキラキラ受けて。

玉川孝雄は、サラリーマンとして働いてきたが65歳の定年を目前にしていた。今までを振り返ってみると趣味は仕事上必要であったゴルフと地方出張の時に時間を見つけては神社仏閣や城を見て回るくらいであった。先に定年になった先輩や友人とは偶に電話等で連絡を取り合っているが皆、趣味や健康維持のスポーツなどそれぞれで頑張っているようだ。定年後は何をやりたいのか見いだせない日々であったが或る日、孫から歴史につて質問を受けてうまくでき説明ができなかった。50年も前に習った歴史も現在と教える内容が変わってきているようだ。そこで歴史の勉強をやり直したいと思いインターネットで調べてみるとオンライン講座でMOOCを知るが英語での講座がほとんどを占めており日本語での講座は少なく講義は三つしか見つけられなかった。放送大学では「日本古代中世史」の講座で本格的な勉強で単位が取得できるものであつた。後二つはiTunesU 「歴史なんていらない?」とgacco 「日本中世の自由と平等」で双方ともに無料で軽い気持ちで受講できるものだった。早速両方の講座に参加することにした。gaccoの講座はミニテストやレポート提出と参加はしていないがデイスカッションといった質問や、意見の交換を通し、お互いがより深く学ぶことができる機能があり緊張感のある勉強ができた。古文書から読み解く科学的な勉強方法を学び、無事終了したが好奇心に火が付き自分なりに勉強を継続している。iTunesUは何時でも好きな時に動画の講義を聴くことができ、歴史観を広げるためには興味深い講義であった。定年後に新たに取り組める課題が発見でき、好きな旅行の下調べや行った先での歴史的な文物に触れる楽しみが更に増してくると、これから先が大いに楽しみである。また色々と興味深い講座が英語で提供されており、日本史の勉強だけでなく英語の勉強も始めなければとやりたいことが広がっていく。早く定年を迎えたい。

南アフリカに住む、ルワンダ君15歳である。彼は地元では勉強ができる特待生であり、その中でも英語が得意であった。そんな彼に悲劇が起きる。親友が、少年兵として参加した戦争で死亡をした事を伝え聞く。そのことにすごくショックを受け、これ以上戦争で子供が亡くなって欲しくないと思った。学校で戦争の経緯や背景または防止の仕方などを本やインターネットを使い調べていると、オープン教材を検索、閲覧、共有できるOERコモンズを発見する。OERコモンズの優れた検索機能を使い、少年でもわかる「戦争の仕組み」「戦争の防ぎ方」の講座を選択し学ぶ事とする。そこでルワンダ君は、戦争には損なことはあっても得なことは何もない事、少年が戦争に巻き込まれない為には、子供の教育や知識を増やす事と学んだ。またルワンダ君はこの講座をより多くの人に受けてもらう必要があると思い、学校に駆け寄った。そこで英語の先生と一緒に学校の放課後を使い、講座の翻訳をし、英語の苦手な生徒でも理解できるように作り直すこと提案し実行する。戦争の仕組み」「戦争の防ぎ方」の講座はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与されており、二次利用が可能であった。また国語の先生は日本でいう小学生や中学生の年齢の子でも理解できる内容にするため、講座の内容を噛み砕き、作り直すことを担当した。週一回のルワンダ君達のOER講座が始まると保護者からの反響があり、瞬く間に街中に広まった。校長先生の働きかけもありその街では正式な授業として、組み込まれることになった。それから5年の月日が経ち、政府がその功績を認め、ルワンダ君を中心に「戦争の仕組み」「戦争の防ぎ方」の講座を国民に広めるプロジェクトが立ち上がり、国民は戦争では何も解決はしない事を学んだ。またルワンダ君は現在、他のアフリカ諸国、作り直して輸出する計画を進めており、アフリカで戦争がなくなる為に活動を続けている。

アメリカワシントン州で農業を営んでいるジェームズという男がいた。彼は一日中あくせく働いていたが毎回農産物の在庫管理や発注を手作業でこなさなければならなかった。オレゴン州に住んでいる友人で、同業者でもあるワトソンにも会ったが、同じような課題を抱えているようである。彼はふと考えた。在庫管理や発注をコンピュータに任せられるソフトウェアを作れないかと。しかし、彼はプログラミングのスキルが全くなく、大学で学ぼうにも時間がなく、通うには不便な場所に住んでいた。そこでMOOCのプラットフォームの一つ、eDXにあるプログラミング講座をオンラインで学ぶことにし、基礎的な部分を空き時間に学習することとなった。オンラインによって遠く離れた場所でも一流の講義が学べるのは非常にありがたかったし、分からない所は掲示板等で直ぐに質問できた。その結果彼はC言語やJava言語をマスターし、次第に自分一人で学習を進めることができた。学習して一年後のことであった。やがて彼は念願のソフトウェアを作れるようになるまで上達し、自分が今まで手動でやってきた作業をソフトウェアで簡単に管理できるようになった。しかし、変化はこれだけではなかった。自分の作ったソフトウェアを友人であるワトソンが使ってみたいと言ってきたのだ。料金を払った上で、友人に合ったソフトウェアを新たに作り出し、提供することとなった。ワトソンはたいそう喜んでいた。そして「ありがとう」と。ジェームズはある感情を抱くことになった。それは学びに対する新たな視点である。もしも50年前に生まれていたのなら決して今のように自由に学べる環境ではなかったであろうと。そして自分は今、長い学びを通し、人に少しではあるが貢献できるようになった。インターネットを使い、自由に学ぶことができる時代に生まれたことに感謝すると共にこれからも「学び」を通して自分のための投資、そして少しだけでも周りの人々に貢献できればと思い、「学び」を続けることとなった。

高野小夜子さん(50)は,子育てを一段落させた専業主婦。スキルアップのために今年の4月からgacooが始まると聞き早速始めてみたが、”インターネット”のところで 専門用語などが頭に入らずドロップアウトしてしまう。もう少しコンピュータについて基礎から学ぼうと、MOOCのプロバイダーをいくつか調べてみた、するとコンピュータに関してはUDCITYに多くの講座があることが分かりさっそく登録する。漠然とコンピュータやインターネットについて学びたいと思って検索したが、英語が苦手であるため日本語の字幕付きの講座である”Intro to Computer science"の講義を受講し始めた。講義が、思いのほか楽しかったので、UDCITYのFBのタイムラインを読んでどのような人が、どのような学び方をしているのかという事に興味を持った。しかし、まだまだ日本語の翻訳のついた講座は少なく、学習できるものも限られてくるので、高野さんは、一念発起し英語の学習も基礎から再履修できないかと、改めてMOOCのプロバイダーを探してみると、オーストラリアのMOOECという、英語に特化した講座を見つけたので、こちらにも登録し英語で講義が聞け、更にレポートが書けるようになることを目標に学習をリスタートしている。
いまの目標は、いろいろな講義を翻訳がなくても聞けるようになることである。

田中優子さん(35歳)は、福岡県の福祉施設でリハビリ職の言語聴覚士(ST)として脳性麻痺や構音障がい、自閉症スペクトラムなどの発達障がい児・者の「言葉とコミュニケーションのリハビリ」を行っている。
入職後、3人の子育てと両立させて、リハビリ学会誌などで学びながら障がい児・者リハビリを行ってきたが、日々新しくなるリハビリ情報や知識を吸収するための研修会にあまり参加できず悩んでいた。
そんな時、言語聴覚士協会が始めた『研修会インターネット配信サービス』を知って在宅で参加した。今までは子育てと家業の手伝いもあり、ほとんど参加できなかった。研修会では著明な講師から最新の発達障がい児・者のリハビリや支援について学んだ。学んだ内容のレポート提出で言語聴覚士協会の生涯学習プログラムの履修認定もされた。
研修会のインターネット配信には、電子掲示板があり研修会の内容について質問や意見交換が行われており、すぐに疑問点を解消できた。その中で地元にも自分と同じ状況であったり、離職して復帰を考えている主婦言語聴覚士がいることが分かり、数名のミートアップを行い、悩みを話し励まし合い刺激し合ったりして、今後も交流・連携して行くことを約束した。
田中さんは『研修会インターネット配信サービス』の利用を継続して研修を進めて、専門資格である認定言語聴覚士「言語発達障害領域」を取得できた。
この研修会配信と掲示板サービスとミートアップを経験して、地域には支援が十分に届かない障がい児・者がいること、また十分な研修が受けられないために支援者として活かされていない専門職がいることが分かった。障がい児・者と今まで活かされなかった地域の専門職をうまく繋ぐ仕組みやサービスがあれば、支援が届きやすくなるのではないかと考え今後の活動の方向性を検討中である。

山本由香さんは、川崎市に住む高校2年生。1年生のとき、学校の行事としてイギリスでホームステイを経験した。2年生の夏休みには、自分で探して、アメリカのミシガン州で3週間のホームステイを楽しんだ。英語は得意で、DVDも言語は英語で見ている。アメリカの大学留学の夢が段々と膨らんできている。アメリカの大学について、もっともっと詳しく知りたいと思っていた。
そこで、OPEN EDOCATION CONSORTIUM でUNIVERSITY OF MICHIGANのオープン コースウエアーの講座を知った。いろいろある講座のうちから、旅行医学の講座(problems in traveru medicine・Cary Engleberg教授)を見つけた。幼児のとき、大きな手術を経験しており、医学に興味を持っている。また旅行にも興味があり、世界中を安全に旅したいと思っている。日本では、このような医学については今まで眼に触れることがなかったので、新鮮な感じがしている。講座の授業はまだ始まったばかり。
今では、ミシガン大学留学体験記を読んだり、滋賀県にあるミシガン州立大学連合 日本センター(JCMU)へ国内留学をし、アメリカの大学生といろいろ話したりして、アメリカの大学を知りること、英語により一層磨きをかけたいと思っているところです。(孫の話)

鈴木一郎さん(30歳)は大手の通信事業者に勤務するエンジニアである。入社以来携帯電話のネットワークを建設する部門で仕事をしてきたが、今年の4月にそれまでとは畑違いのCSR(社会貢献)を担当する部門に異動になった。新しい職場での勤務初日、上司から指示されたのは「グローバルCSR」のキーワードと「ICTによるグローバルな社会課題の解決への貢献プログラムの開発」のミッションだった。

以来、鈴木さんは地球規模で起きている様々な社会的課題を掘り下げるために自分なりに学習を始めた。そんな中、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授の著作の邦訳版「貧困の終焉」に巡り合い、さらにMOOCのCourseraでジェフリー・サックス教授のオンライン講座(The Age of Sustainable Development)を見つけ受講を開始した。

教授の著作を読み、さらにCourseraでのオンライン講座を受講したことにより鈴木さんの知識レベルは飛躍的に拡大した。オンラインでの講義は英語で少し難しい面もあったが、本を読むだけでは得られない臨場感にあふれるオンライン講義は、いろいろな情報・知識が腑に落ち、本からの知識とそれを裏付けるオンライン講座の相乗効果の威力が感じられた瞬間であった。

鈴木さんは14週間のビデオ講義を視聴し14のクイズと最終課題を無事クリアしコースの修了証を取得することができた。

鈴木さんはCourseraでのジェフリー・サックス教授のオンライン講座を受講し無事修了したことで、CSR(社会貢献)を担当する部門での業務に対する自信が目覚めると同時に、MOOCが自分の知識レベルの向上、さらにすそ野の拡大に大いに役立つツールであることを認識し、以来、新しいコースを探しては受講するのが楽しみになった。

Nさんは5年前にIT業界を定年退職し暇を持て余している。NHKで無料大学開校を知り早速会員登録。gaccoの講座は開講科目が少なく今のところすべての科目を受講。課題のレポートはそれなりの負荷があったが考え方、価値観が豊かになり学習の意義を感じている。「オープンエデュケーション」を受講し、多数の大学が講座を公開していることを知った。講座の課題に対応する過程で東京大学UTokyo-eTEXTの「物質の科学 -その起源から応用まで」を視聴し、かねてから関心のあった宇宙の創生や素粒子について学び直したいと思うようになった。学生時代には歯が立たなかった量子力学にチャレンジしたいものである。
また英語を理解できないと損することを痛感した。
量子論の理解と海外のオープンエデュケーションを受講する(英語の習得)を目標に、余生を趣味だけでなく、オープンエデュケーションを活用して知的好奇心を満たし若い時以上に理解を深めていきたいと考えている。「オープンエデュケーション」の講座は良いきっかけになり、世の中が広くなったように感じている。

山口大輔さんは、進路をどうしようかと悩む大学3年生である。受験の時は何となくAO入試で英語系の学部の推薦を取り、入学したものの、学部の専門性を活かした仕事のイメージが沸いてこなく、漠然と大学院にも行く事を検討している。また外国の経済について興味を持っており、大学院に行くにしてもその分野で勉強したいと考えていたが、大学では経済学は一般教養でしか学んだことがなく、書籍で読むのみであった。
しかし書籍だけでは、どうも要領を得ないため、勉強方法をネットで検索してみると、AplleのiTunesに無料の経済学の動画を発見、試しに視聴してみることにした。
どうやらこの動画で一通りは学べるみたいだけど、学んだ知識できちんと意見を交わしてみたいと思った山口さんは、調べてみるとカーン・アカデミーは教育コンテンツも充実していて、ユーザーコミュニティもある。また他のオープンスタディよりかは、英語の語学力は必要であっても、ハードルが高くなさそうだ。そこでカーン・アカデミーを受講してみることにした。そこでも経済学を学んだが、知識理解が足りない所があっても、コミュニティで意見を交わす事で知識理解を深める事ができた。
1年間、経済学に関わらずカーン・アカデミーで学ぶ事で、大学院で自分が研究したいテーマも明確になり、学部とは違う学問分野での大学院受験も、書籍だけではなく、交流した意見によってブラッシュアップした知識により、自信を持って受けられそうでさる。

高橋良介さん(29歳)はICT企業の営業だ。趣味で自宅のLinuxサーバをインターネット接続し出先からファイル共有しwebで情報公開をする程度の技術知識を自学し、民間企業や地方自治体のネットワーク構築と、ソフトウェア・端末・サーバ等のシステム販売と保守だけの現状では、受注が先細りになる不安を感じていた。その理由は慶応大学湘南キャンパスの授業を無償公開するKEIO UNIVERSITY SFC GLOBAL CAMPUS(SFC-GC)で村井教授の講義「インターネット」を何年も視聴し、スマートフォンやCloudで国民・社会のニーズが変化することに気がついていたからだ。

今年、インターネット情報からJMOOCで村井教授が講義をする事を知り受講。インターネットの未来を学ぶ事が出来、修了書の入手が出来た。会社は社員のスキルを登録する制度があり修了証を添付して申請した。それを知った上司が社長指示で将来の会社のあり方を検討する営業企画プロジェクトに参加する事になった。

技術的知識の不足で夢見がちな希望ばかり羅列する同僚たちに、最低限の技術レベルを統一し最近の傾向や技術的根拠を学ぶ目的で、クイズの課題は出来ないが、復習要に公開されたJMOOCの講義を利用することにした。SFC-GCは実際の教室講義の録画なので受講生の反応が判る反面90分授業を13回視聴しなければならない。JMOOCは回数が多いが10数分の短時間で的を絞った講義なので、忙しい他のメンバーも無理無く業務終了後の勉強会に集まり、修了証こそ受け取れないが視聴し、議論が出来た。一部のメンバーは週末の自宅でSFC-GCは90分授業も視聴したようであった。

本当の議論はこれから重ねられるが、インターネット上で本当に議論する様子を知り「学ぶ体験」を共有することでPCだけでなくスマートフォンやタブレットが個人利用だけでなく顧客の業務にどのような変化をもたらし、社内の技術部門にどのようなテクノロジーの活用が可能なのか質問できるようになったと実感し、これから始まる本格的な議論に期待感を強めている。

彼女グエンティリンは25歳。ベトナムのハノイで日本語学校の先生をしている。バクニンの貧しい農家出身である。それでも、両親は大学に行かせてくれて、先生になることができた。いま日本へ行って日本のことを勉強したいと思っているが、お金も時間もない。友人の日本人からJmoocのことを聞き、ベトナムに居ながらにして、日本文化を勉強できる機会にとても感動し、かねてから興味のあった「俳句入門」を選択学習した。少し日本語は難しかったが、日本の古典文化に触れる機会を得て、日本語教師として「成長できたかな」と思っている。
彼女は、英語も少しできるので、アメリカの大学などで行われているオープンエデュケーションにも参加したいと思っている。給料も安いし家族の面倒を見なければならないので、生活は苦しい。しかし、パソコン1台あれば、世界と繋がっていけるし、意欲があれば世界の大学の講義も覗くことができる。良い時代に生きていると考えている。
教師の給料はとても安いので、翻訳のアルバイトもしている。ベトナム語から日本語、英語への翻訳だ。これは、とても難しい。しかし、無料翻訳ソフトも数多く出てきて、かなり正確な翻訳ができつつある。群衆の衆知ともいえるウィキペディアなども、細やかなニュアンスを伝えるために、大いに役立っている。
彼女は考えている。自分の心もオープンにして、世界に繋がっていければ、お金がなくても、世界を知ることができ、学生にもそれを伝えることができると信じている。でもやはり、お金を貯めて、日本は行ってみたい。「私って欲張りかしら」と、彼女はいたずらっぽい顔をして笑った。

佐藤茂さんは20歳の大学生だ。今年から選挙権が与えられたが、政治のことは全く分からない。何を基準に、誰に投票すればよいのか分からない。そこで、このことを大学の教授に相談してみると「一番関心のあることを基準にするといい」とアドバイスを受けた。
そこで佐藤さんは近年、緊迫化している国際情勢の中で注目されている安全保障を軸に考え、決めることにした。しかし、関心はあったものの知識は全くと言っていいほどない。佐藤さんは、いい機会だと思い、安全保障について学ぼうと決めた。所属大学で安全保障に関する講義を受講しようと考えたが、それに関する講義は用意されていなかった。
そこで、インターネットで何か探してみようと調べてみるとオープンエデュケーションというものがあり、オンライン上で学べるサービスがあることを知った。その中の一つにgaccoというものがあり、ちょうど「国際安全保障論」についての講義が開講されていた。佐藤さんはgaccoに登録をし、講義を受講してみた。
全くの初心者だった佐藤さんにとって講義は難しいことばかりだったが、オンライン上で他の受講者と交流しているうちに講義内容を理解できるようになってきた。また、各週に課題が用意されており、そこではレポートの相互採点を行った。自分の書いたレポートの問題点を指摘されることもあり、腹が立つこともあったが、この採点方法の面白さに気づいてからは、受講することがさらに面白くなった。
この講義を終えて、佐藤さんは安全保障や政治家の考え方のみではなく、人と違うことの面白さも学んだ。
後日、佐藤さんは自信を持って投票した。知れば判断に自信が持てることを知った佐藤さんは大学の講義、オープンエデュケーションを活用し、学び続けている。

 田中昭三さん(32歳)は田舎町で父が営む小さな自転車店に生まれ、7歳下の弟と3人暮らし。母とは20年前に死別している。田中さんの父は弁護士になる夢を持っていたが、経済事情から高校卒業と同時に家業の自転車店を継いだ。息子達には、将来やりたいことやらせたいと思い、日々家業に勤しんでいた。
 田中さんは高校時代の好成績から某私大に推薦入学、将来小学校の教師を夢見て、教育学部で日々勉学に励んでいた。
 そんな時、父が交通事故に遭い要介護状態になってしまう。父の介護、弟の養育費工面等を考慮し、夢を諦め大学を退学、家業の自転車店を継いだ。
 25歳を迎えたある日、ネット検索中に、誰もが無料で大学受験勉強が可能なWeb授業サービス『manavee』に出会う。一般に、志望校合格には予備校に通う等の受験対策の為、地理的、経済的に恵まれた環境が必要とされるが、一方でそんな環境下にない受験生も多い。この格差を是正しようと完全無料展開しているのがmanaveeだ。
 この志に共感し、「教えること」を生業にしたかった彼は、manaveeに日本史講師として志願した。(ボランティア社会人も講師可能)昼間は家業と介護。夜は家族就寝後に自宅でmanavee用授業を自ら撮影。お金はもらえないが、教える喜びを実感する日々を送っていた。彼には大学受験経験はないも、受験対策を徹底研究した結果、受講者反響もよく、これも彼の幸福感を後押しした。
 ある日弟が家業を継がせろと言い出した。田中さんは思った。「今度は自分がmanavee生徒になって再度大学進学を試みよう。そして父さんの口癖だった『夢は簡単に諦めるな!』を貫こう、教員免許をとって教師になるんだ。」実は弟は兄の想いを知っていての発言だった。
 こうして彼は昼は介護、夜は無料のmanaveeで勉強し、某国立大教育学部に見事合格。在学中も夢を叶えるべく懸命に勉強したのは言うまでもない。そして今は小学校社会科教諭として子どもたちの将来の夢を叶えるべく、教壇に立っている。

水野亘さん(23歳)は、高等学校教師である。この4月に高校の物理の教師になった。もともと、大学では物理学を専攻していたが、就活では物理学を活かした職業の選択の余地がなかったため、アルバイトで塾の講師のアルバイトをしていたこともあり、ふと、教員免許をとってみようかと考えた。無事、教員採用試験にも合格し、この春から、高校の教師になったが、どうもしっくりこない。自分ではわかっている物理学、でも生徒たちはちっとも興味を持ってくれない。そんなとき、生徒に自分の授業について聞いてみた。すると「難しくて、おもしろくない。manaveeでやっている講義の方がおもしろい。」と言われてしまった。水野さんは、大ショックを受けたが、manaveeの存在すら知らなかったので、早速、ネットで調べてみた。manaveeは、無料の大学受験のためのオープンエジュケーションコースである。物理のコースをみてみると、自分より若い、教員免許を持っていない大学生の講義が多数あった。受講してみると、短時間のビデオにうまく印象づける工夫をしているコンテンツが多数あった。現在の高校生のニーズと学んで欲しい内容をマッチさせるには、公開されている授業を研究することで、自分が学べることに気づき、受講してみた。そんなとき、世界にはすごい物理の授業があることをコミュニティーの中の会話から聞くことができた。MIT OPEN CORSEWAREの基礎物理学のWalter H. G. Lewin教授の講義である。英語は得意ではなかったが、受講を始めたところ、昔、「でんじろう先生」に夢中で、それが物理を志したきっかけであったことを思い出した。それからの授業の展開やデザインを考えるようになった。すると、生徒のつかみも良くなり、興味を持つ学生には、MIT OPEN CORSEWARE を紹介して、一緒に学び、教えるという新しいスタイルを取りながら、進歩している。

茶川一郎さん(40歳)は大阪の中堅進学高校で数学を教える教員である。最近は教えることにマンネリ感があり、生徒もあまり熱心に自分の授業を聴いていない様子だ。この現状を打ち破り、もっと良い教え方が出来ないか模索していた時、「manavee」という無料で学べるウェブ授業サービスを見つけた。それは、高校生が自宅で大学受験勉強ができるように、大学生が授業動画を撮影して提供しているものだった。
茶川教諭は、自ら「manavee」の数学の講義を視聴することで、自分の教え方と比較しながら、良い授業とは何かについて考えてみた。その結果、彼が学んだことは、必ずしも自分の教え方が悪いわけではないが、単に教科書を棒読みするような教え方では眠くなるだけであり、一方的に教師が教え込むのではなく、生徒が自分で頭を働かせ、能動的に授業に参加する姿勢で取り組むような教え方が大切であることに気づいた。
 そこで、茶川教諭はこの「manavee」を使って、「反転授業」ができないかと思いついた。「反転授業」とは、生徒が学校で授業をうける前に、ビデオ(動画)で説明型の講義を宿題として見ておき、学校の授業では既にビデオで学んでいる事を前提に、応用問題の演習や、グループ討議等を行う教育方法である。茶川教諭は生徒に宿題として、自分が指定する「manavee」の数学の講義を視聴させ、授業では、動画を視聴しても分からなかった生徒の疑問点を丁寧に解説し、演習問題で生徒がつまずいているところを個別に説明した。その結果、茶川教諭が教える生徒は、数学の成績が際立って上昇した。
これに気をよくした茶川教諭は、今後は自分の授業を録画して、学校HPのオンラインに掲載し、この動画を宿題として使うことにした。幸いインターネット動画を活用した教育に興味を持つ同僚の数学教員3名が協力を表明、1年分の数学の授業動画を手分けして作成し、教員同士で協同利用しながら、反転授業を進めることになった。茶川教諭は、こうした新しい取組に久しぶりにやりがいと充実感を感じるこの頃である。


 インドネシアの学校で看護の課程を終えたばかりの頃、ペルティウィさんは日本で介護スタッフの求人が多いことを知り、憧れをもっていた日本へ留学することにした。来日後は、介護の現場で実習しながら学習を続けていた。専門スタッフとして日本で働き続けるには、介護の国家資格を得る必要があったからだ。日本語習得と資格取得の両方の学習は、時間を確保するだけでも、なかなか難しいことだった。
 そんなある日、通っていた福祉の専門学校でオープンコースウェアのことを知った。学生用のパソコンで調べてみると、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のJHSPHOPENのコースウェアに、"Managing Long-Term Care Services for Aging Populations"というコースがあると知った。学生になる必要はない上に、無料で講義内容を英語で学べることに、ペルティウィさんは大いに勇気づけられた。また、日本独自の課題については、東京大学のUTokyo OCWに"Sociology of Care"「ケアの社会学、上野千鶴子」というコンテンツがあることなど、自分の学びを広げられる可能性に気づくことができた。すぐに同級生の友人達にも知らせ、コース受講後には、離れた場所で学び合う多くの仲間を得た。その仲間達とはコミュニティで質問をし合い、学習を深める体験も共有できた。
 資格取得に向けた学習方法に目処が立ったことで、彼女は余裕をもって介護の現場を見直すことができるようになった。そこで気づいたのは、高齢者の心の動きをよりよく理解する必要があるということだった。仕事に携わりながら、今度は心理学の知識をもっと増やしたいと思い、そのコースを探してみようと思っている。日本での体験を、いずれは母国の介護政策に少しでも反映させることができればと、今では考えるようになっていた。

Aさんは、繊維会社の工場で品質管理と生産技術の担当者として、得意の電気技術・計装技術を生かして、製造条件の最適化だけでなく、設備自体の改造まで行って不良品の発生の撲滅に努力していたが、その仕事も15年ほどになりAさんも50歳になり、その工場でのクレームや不良品の発生もほとんど無くなってきた。そんな中で子会社の工場勤務から急に本社の品質保証部に転籍を命じられた。そこでは品質保証と環境関連業務の担当となったAさんだが、化学系や環境に対する知識には弱かった。ある日Aさんはインターネットで、大阪大学大学院工学研究科が文科省の補助金で開講している「環境リスク管理の人材養成」プログラムを知り、受講料も安く、週2日2時間のコースなので何とか自分も受講可能だと判断した。その授業は、事前に講義資料をネットで配布して、受講者はそれを読んで来てから授業を受ける講座であった。所謂反転授業である。当時の受講者の大半は大企業の部長クラスやコンサルタントなど講師とほぼ同じかそれ以上のレベルの受講者が多く、講師の意見に反対することも多く、非常に興味深い講座であった。1年半で所定の単位を取得し、日本リスク研究学会のリスクマネジャに登録された。この講座でAさんは化学だけでなく、環境やリスクについて多くの知識を得て、会社での環境政策の立案(グリーン調達ガイドラインや生物多様性保全活動の方針など)する立場となり、CSR部門などからも助言を度々求められるなど、会社の中での化学物質や環境などのスペシャリストと見られるようになった。現在は知の市場やedXも受講しており、それを社内に広めることも行っている。

アリス(25歳)はアメリカ・カリフォルニア州の医院で働くRegistered Nurse(登録看護師)だ。アリスは看護師としてキャリアアップしたいと考えており、そのために看護学士(BSN:Bachelor of Science in Nursing)の学位取得を検討しているが、学費の確保や、学業と仕事の両立が可能かどうかといった問題があり悩んでいた。
あるときネットサーフィンをしていて、Western Governors Universityというオンライン大学で"BS Nursing (RN to BSN)"という看護の学士号が取得できるコースがあることを知ったアリスは、さっそくオンラインフォームから資料を取り寄せてみた。自分のペースで学習ができることはもちろん、オープン教材を活用しているため学費が抑えられていること、必要な科目のみを履修し、学習の達成度に応じて学費を払う仕組みになっているため、アリスの給料でも学費の捻出はなんとかなりそうだったことから、アリスは履修を決めた。
コース内容は健康科学、看護の理論と実践など、米国のアメリカ看護大学協会(AACN :American Association of Colleges of Nursing)から認定を受けた学士教育カリキュラムに沿って構成されており、オンライン授業とはいえ、レポートや試験、課題なども必須のハードなものだった。アリスは何度も挫折しかけたが、コース受講者にはプログラムを熟知したメンターが個人ごとに割り当てられるシステムになっており、メンターの的確なアドバイスや叱咤激励を受けつつ、なんとかコースを修了することができた。
アリスは学士号を取得したことによって、看護師としてより待遇の良い職場に転職することができ、内容的にも、よりやりがいのある仕事に就けるようになった。Western Governors Universityには、看護の修士号の学位を取得できるプログラムも用意されている。アリスは次のキャリアアップを視野に入れながら、研鑽を積む日々を送っている。

鈴木紗枝さんは、保育士養成の専門学校を卒業し来春よりインターナショナルスクールで働く準備を進めている22歳。彼女は、高校在学中に半年間の留学を経験した。カナダのキッズガーデンで保育士見習いとしての経験が、彼女の進路選択に大きな影響を与えた。彼女の就職内定先のインターナショナルスクールでは、アレルギーがあるこどもへの対応策や食育という観点から栄養学に基づいた献立作りや料理法に力を入れている。保育士として現場に立つまでに食育の知識を幅広く身につけておきたいと考えた。そこで、インターネットで検索する中で、CourseraのChild Nutrition and Cookinという講座を見つけた。講座を受講する中で、生きた英語に触れることができ英語のスキルアップにも大いに役立った。また、アメリカ社会が抱える子供の肥満の問題を通して、産業社会、消費社会では商品化された食品の持つ危うさを認識できた。それに対応するためにいかに正しい知識を得て子供たちに安全な食事を提供するか、さまざまな具体的な取り組みをしることができた。彼女は、早速、内定先のインターナショナルスクールで挑戦したい企画書の作成に取り組み始めた。また、Coursera内のコミュニティを利用して、世界の同じ興味関心を持つ人々と知り会うことができ、子供向けのレシピのアイデアや子供たちへの食育活動の実践例を共有することができている。彼女は、今後も彼らとのコンタクトを取りながら、職場での実践が楽しみになってきている。

佐藤さんは10年前から学校の教師として生徒たちに授業を行ってきた。ここ数年、授業の効率化ということで国からタブレット端末を利用した授業を行うように指導が来るようになった。学校では今までタブレット端末を活用した授業を行ったことがなく、様々な研究授業を行われている。その中でも予習・復習に変わって反転授業という新たなキーワードが叫ばれており、授業に活用できるオープン教材が公開されていないかとOERコモンズやアイチューンズ・ユー、OCWを調査した。調査した結果、原理を説明した動画や分かりやすい授業などが公開されており、その講義を自分の授業や生徒の自宅学習で受けさせ、余裕ができた授業時間を使ってディスカッションや発展的な授業を行えるようになった。このような授業を行っている教師は少なく、同じような取り組みをしている他の教師と情報交換するために、オープンスタディーなどを活用し授業方法や使っている教材の共有を行い、改良を積み重ねていった。
その結果、生徒の授業に対する興味関心が高まり、成績も上がるという好循環を生み出すことができた。その授業方法を他の先生に紹介したところ、他の学校などからも授業を見学に来たり話を聞き来たりする先生が増え、地域全体の取り組みとしてオープン教材やOCWが活用されるようになった。オープン教材は、2次利用として各学校で利用・改良され、生徒は様々な大学のOCWを見ることで本当に行きたい大学を選定することができるようになった。

佐藤勇太は、小学校二年生の時に、父親の転勤でアメリカのカリフォルニアに引っ越しました。3年経って友だちもできて、英語もわかってきたのに学校の授業で算数がどうもついていけません。日本にいたときは算数が大好きでクラスでも1番でした。けれど、あまり好きではなくなりました。
心配した母親と学校の先生がKhan Academyというサイトについて教えてくれました。学校で習った項目をサイトで勉強し始めました。カーン先生の説明はとてもわかりやすく、勇太も気に入りました。わからないと何度も同じビデオを見て、それでもわからないと学校の先生にも聞くようになって学校の授業が前よりよくわかるようになりました。よくできるとバッジがもらえるのもうれしくて、学校の授業の予習にも使うようになりました。
今では、算数が得意になって学校のクラスでも一番になりました。
これがきっかけで勇太はカーン先生の他の授業も見るようになりました。学校でまだ習わないところも積極的に学んでいます。

原田耕一さんは地方都市の市役所に勤めて5年目の職員である。彼は現在,観光課に配属されている。この都市では,毎年夏に全国的にも知名度の高い祭りが開催されており,観光課にとって祭りの開催は一大イベントである。
 この祭りを見にやってくる海外からの観光客は年々増加する傾向にある。ただし,観光課では,海外からの観光客をより引き付ける潜在的な魅力がこの祭りにあるものと考えている。そこで観光課では,対策の一つとして,広報について総合的に見直すプロジェクトチームを立ち上げ,原田さんもその一員となった。
 また,原田さんは職務遂行上,英語の能力を今以上に身に付ける必要性を感じることがたびたびあった。そのため,観光に関する広報について英語で学べれば,二重に業務に役立つものと考え,情報を探していたところ,適当な講義をCourseraのMOOCの中を見つけ受講を始めた。
 その講義では,広報と観光を結びつけて体系的に学ぶことができた。また,電子掲示板で,国内外の自治体で同様の職務を行っている人とのつながりができ,議論やアドバイスを受けるなかで,様々なアイディアを得ることができた。さらに,近郊の都市で開催されたミートアップに参加し,先進的な取り組みに大いに刺激を受けた。
 原田さんはその講義を修了することで英語の能力に自信を深めることや広報についての基本的な枠組みを再確認することだけではなく,同様の職務に励む受講者とのつながりもできた。
実際,自身のプロジェクトチームでの業務に大いに生かすことができ,次年度の祭りでは海外からの観光客が有意に増加した。海外在住の受講者の中には,効果的に祭りの情報を現地のメディア等に拡散してくれた人もいた。今度は,その受講者が取り組んでいるイベントの情報をできる限り発信したいと原田さんは考えている。

東京郊外で暮らす斎藤ゆかさん(35歳)は、英文科を卒業後、得意の英語を活かし教育関係の企業で働いてきた。結婚、出産後も勤務を続けられたのは、近くに住む義母の協力のおかげだ。5年が経ち待望の2人目を授かった。しかし折悪く頼りの義母が脳卒中で倒れ、その介護もゆかさんの肩にかかることとなった。夫と話しあい、ゆかさんは離職を決めた。
生活は一転し育児と介護におわれる日々。社会からの疎外感と義母の脳機能障害について知識を得たいという気持ちから、話に聞くCourseraに登録し、脳や認知に関する講座を受講してみた。講義ビデオの専門用語の聞き取りには苦労したが、字幕をダウンロードし辞書で調べながら学んだ。受講が無料であること、電子掲示板に質問を投げると24時間いつでも誰かしらが回答してくれることも驚きだった。義母が取組むリハビリの脳科学的な意味がわかることは、介助する張合いと次の学びへの意欲に繋がった。とはいえ、専門用語も多く、興味関心のある回のつまみ食いとなってしまいコース修了には至らなかった。
子供の保育園も決まり、義母も定期通院のみとなり落ち着いてきたので、次に、テクノロジーを使った幼児教育に関するコースを受講することにした。目下の個人的関心事であるとともに、夫と計画中の起業へ向けてのリサーチも兼ねる。今度は課題も提出、受講者どおしでの相互評価も経験し、無事に修了証を手にした。同時期、ゆかさんの夫が受講した起業に関するコースは日本人の参加も多く、東京でミートアップも開催され、同じ志をもつ仲間と知り合うことができた。
ゆかさんは、自身で受講してみてオンラインの学びの可能性を実感した。夫妻はオンライン幼児学習での起業に向け準備を進めている。義母も日常生活に支障がないほどに快復し、リハビリも兼ねてJMOOCで俳句をやってみようかしらと楽しみにしている。2人の孫との日々を詠む日も近そうだ。

鈴木一郎さん(30歳)は、某機械メーカーの工場に勤務する中堅社員である。
工場では、生産の省力化及び生産性の向上を目指して、工場の生産ラインに新たにロボットを導入することとなった。
鈴木さんは、ロボット導入タスクフォースの一員に抜擢された。鈴木さんは、ロボットには、以前から興味があったが、これまで従事した仕事では、ロボットとは関係がなく、ロボット工学の知識がなかった。
このため、ロボット関係の参考書、専門書を調査学習し、知識の吸収に努めたが、十分に満足できなかった。そこで、インターネットを活用してロボット関係の調査を進めていくうちに、東工大のOCWにロボット関係の講座があることを見つけ、それらの講座を興味を持って学ぶことができ、短時間でロボットに関する基本的、専門的知識を得ることができた。
鈴木さんは、ロボット導入タスクフォースの業務で、数件の提案を行い、その中の1件がロボットの開発に採用され、ロボットの性能向上の成果が認められて、表彰を受けることとなった。
鈴木さんは、ロボット関係の資料を公開された講座の教授及び関係者に感謝するとともに、OCWの更なる発展を期待した。

 田中香織さん(36歳)は、静岡県の公立中学校に10年の勤務経験がある英語科教員だ。折からの少子化に伴い各地域で小・中一貫校が創設される中、今年4月から自分も所属自治体の小・中一貫校に勤務することになった。小学校の英語科必須が進む中で、小・中の一貫した指導の在り方に課題を感じている。また、差し迫った課題意識としては、自分の担当する小学6年の英語での授業の進め方をどうしたらいいかということである。実際の小学生の様子は自分の想像とは違い、戸惑いを覚える毎日である。
 そこで、以前から話には聞いていたMOOC教材に興味を持ち、夏休みで多少業務が落ち着く時期を見て、受講してみることにした。インターネットでいろいろと検索してみたところ、COURSERAの教材の中でNew Teacher Center の[First Year Teaching (Elementary Grades) –Success from the Start]という教材に興味を持った。豊かな学習環境を整え、子どもたちのモチベーションを高めるための初期指導の在り方を戦略的に研究する内容である。年度当初の授業開きには毎年苦労し、エンカウンターグループの手法を取り入れた活動を行ったりしてきたが、海外の実践例にも興味があった。実際に受講してみると、ビデオ教材の視聴のほか、受講者同士が相互に評価し合うプログラムや、自分のペースに合わせて議論に加わることができるシステムがあり、自分の課題意識をぶつけることができ大変刺激となった。英語でのやりとりであるため語学的に苦慮する面はあったものの、様々な学習背景を抱えるアメリカの子どもたちの実際や、それにどのようにアプローチしていくかという戦略的な取り組みは、自身の教育実践においても大変参考になった。新学期から早速試してみたい実践例もあり、新学期に子どもたちと向き合うのが楽しみである。

森岡昭夫さんは経済学部の大学2年生で、ジャーナリスト志望。マスコミに就職したいと考えており、大学とは別にスクールに通い論文試験対策など受講している。
ジャーナリズムについて研究しようとインターネットを検索していると「データジャーナリズム」というキーワードを知り、関連しそうなコンテンツとしてテキサス大学のThe Knight Center for Journalism in the AmericasというMOOCのなかで"Investigative Journarism for the Digital Age"という講座を見つけた。英語のコンテンツなので不安があったが、より実務的なスキルを身につけてみたいと思い、挑戦してみることにした。
学習を進めるなかで、受講者同士の交流が活発に行われることに驚いた。電子掲示板には世界中からの受講者が参加しており、英語力はまちまちだが、つたない英語でも積極的に議論が行われており、学習を続ける意欲が湧いてきた。また、Facebookの学習グループにも参加して、現役ジャーナリストの受講生との交流も生まれた。
講座の内容は、データジャーナリズムの取り組みが紹介されており、データの調査や分析の手法、データベースの活用、ビジュアル化の手法、ソーシャルメディアを使った情報収集などのスキルを学び、それを実践してデータを収集・整理してビジュアル化したレポートも作成した。
この学習をとおして、ジャーナリストの仕事への具体的なイメージが広がり、特にデータジャーナリズムへの関心が深まった。この分野では記者や編集者以外にも、エンジニア、アナリスト、デザイナーなど様々な職能を結集したチームで成り立っていることを理解し、職業選択の幅もマスコミに限定せずに広げてみようかと考えるようになった。また、現在大学で学んでいる経済や統計が仕事のスキルに直結することを感じて、その意義を感じるようになった。

中村茂雄さん(35歳)は理工系の大学を出て大手の電機メーカーに就職し、知的財産部に配属された。それ以来、主に研究者・技術者からの発明を日本や外国に出願したり、他社からの特許侵害の警告の対策や調査の仕事を、係長としてバリバリこなしていた。
 ただ、最近同じ仕事の繰り返しに少し疲れを感じ、また自分の将来を考えた時にこのままでいいのかと思い悩み始めていた。
 2年ほど前のそんなある日、インターネットで、オープンエデュケーションという言葉にぶつかり、その一環としてMOOCやCourseraというものがあることを知った。早速調べてみたところ、MIT等の一流大学の講義がビデオを通じて無料で、しかも自分の都合のいい時に勉強でき、課題もこなせば修了証までもらえることがわかった。そこで、理工系出身ではあったが仕事で特許法は身近に感じていたし、欧米の弁護士・弁理士とも接触する機会が多くなってきたので、この際アメリカの大学の法律関係の講義を勉強してみることにした。
 そうして法律関係のいくつかのコースを修了して勉強が面白くなり、いっそのことアメリカの大学で法律を勉強してアメリカの弁護士資格を取ろうと思い立った。
 そこで、上司と相談し、会社の海外留学の制度を利用してニューヨークにある大学のロースクールに留学させてもらうことになった。
 MOOCで予め法律のコースを勉強していたため、幸い2年間でロースクールを終了でき、その後現地の子会社の知財部門に勤務しながら司法試験を受けて、ニューヨーク州の弁護士資格を取ることができた。
 今後は、ますます複雑化する国際的な知財係争を解決する上でアメリカの弁護士資格をフルに生かして仕事をし、それにより社内でも実力が評価され、昇進・昇格の道も開けると思っている。
 また、いずれはMOOCでMBAのコースも取って、幅広いマネージメントの能力もつけたいと思っている。

安田学さん(15歳)はこの春より都内の高校に通う学生。入試に向けての学習から開放され少し余裕のある日々を送っていました。スマホが好きで複数のアプリを試しているうちに自分でも作ってみたいと思うようになりました。前々から克服したかった英語を効率よく学ぶためのアプリです。「これはいい!」と思えるような他にはないアイデアは浮かぶもののどうやってプログラムを書いてよいのかさっぽりでした。ネットで調べていくうちにプログラミングを学べるcodeprep.jpというオープンエディュケーションがあることを知り早速アカウントを取得することにしました。codeprepは無料でコンピュータ言語をオンライン上で習得できるサービスです。コンピュタを操る様々な言語や、インターネット言語、もちろんスマホのアプリにも活用できる学習プログラムです。

ここの特徴はブラウザ上でプログラムをコーティングしながら実践できること。リアルタイムにプログラムを試せる独創的なシステムです。ディスカッションボードも用意されていて、ひとりで悩まずみんなのアドバイスを参考にしながら積み上げていくこともできます。ログイン画面では学ぶ度に経験値が表示されそれが励みにもなりました。アプリ制作には様々なプログラミングの応用が必要になります。空いた時間に少しづつ基礎から積み上げていくうちにアプリ作成に必要なプログラミングも理解できるようになりました。構想を練っていたアプリはそれほど難しい技術も必要ないことがわかり、掲示板の皆さんの助けを借りながらスマホ向けのアプリ制作に取り掛かれるまでになりました。

アプリは完成しようやく申請に漕ぎ着けました。リリースされると、その英語学習アプリは使いやすさが評判となり、思いがけずヒットすることに。彼はこの経験の様子をブログやSNSで公開し、同じようにアイデアを持っている人々の励みにもなっています。

黄美月さん(26才)は、中国の地方都市から日本に来た留学生です。日本のポップカルチャーにあこがれて日本に興味を持ち、中国の大学で日本語を専攻しました。留学のための勉強を一生懸命やって、関東にある某大学に留学することができました。
 卒業した後も日本で働きたいという気持ちが強くなり、就職先を探していましたが、日本の企業は通訳の就職口が殆どでした。
黄さんは、もっと自分の力を発揮したいと考え、高校時代に勉強した情報科学をもっと身につけ、ブリッジSEとしてIT企業で働きたいと考えました。大学での日本文化の勉強に加えて、IT関連の勉強をするには、日本の専門書籍は難しすぎて、基礎的な日本語能力しか持ち合わせていない黄さんにはハードルが高いものでした。
そこで、オープンエデュケーションのCourseraを探し、中国語で講義をしている「Introduction of Computing」を見つけました。これなら日本にいながらにして母国語で勉強出来ます。
講義は中国の標準語で話されますが、地方出身で方言のある黄さんにも理解できるように中国語の字幕がついており、非常にたすかりました。コース終了には1年近くかかりましたが、情報処理の基礎から、プログラミングまでひととおりの知識を身につけることができました。また、「Practice on Programming」という実習講座も受講し、さらなる知識と技術を習得しました。
就職活動ではITスキルを認められ、希望していたIT企業から内定をもらうことが出来ました。また、秋の情報処理技術者試験の受験に向けてさらなる学習を続けています。
将来は、ブリッジSEとして日本と中国のソフトウェア開発の橋渡しをすることと、自らが学んだ体験を大陸側の技術者たちにも伝えて行こうと考えています。

小林奈保子58歳。
都内の短大を卒業後、銀行に就職し30歳で結婚。最初の子供の出産を機に専業主婦となった。その後子供の手も離れたので、派遣スタッフとして再度銀行に勤務していたが、2年後に定年退職を迎える。
在職中は職場のeラーニングを受講し、フィナンシャルプランナーの資格を取得した。資格は取得できたものの、ファイナンシャルプランニングに関わる職場ではなかったので、ただ試験勉強の結果として試験に合格したという達成感が少し味わえただけで、スキルアップというほどの結果もなかった。
退職後も何か社会とかかわりを持っていたいと考え、新聞の記事に紹介されていたgaccoに登録し、とりあえず何かを始めてみようと思った。
以前NHKのラジオ中国語講座を受講していたこともあったので、学び直しをしてみたいという思いがあった。
希望するようなコースがなかったこともあり、『オープンエデュケーションの学びと未来』を受講してみることにした。ここで、だれでも、いくつになっても、いつでも学ぶことは可能で、そのためのさまざまなサービスがあることを知った。
いろいろサービスを検索して、中国語の無料講座―「中国語ねっと」や「紅の中国語教室」など様々な形の講座を見つけた。結果、スマートホンでも受講ができる中国語ねっとを受講することにした。通勤の時間や昼休みなどの隙間の時間でも、受講が可能だったためでまとまった時間を作るのが難しい主婦にとってはありがたかった。
NHKの講座を受講したのは20年以上前のことだったので、すっかり忘れていたと思っていたのだが始めて見ると少しずつ思い出すこともあり、検定試験に挑戦することにした。
サイト内のfacebookで、同じ受講者の方と情報交換し検定合格に有利な勉強方法やテキスト、参考になるサイトなどを教えてもらうことができた。
初歩の初歩4級に合格。夢は6年後の東京オリンピックで、中国語ボランティアに応募すること。
gaccoのコースの中にも興味のあるコースが、たくさんあることを知りこれからも自分のペースでゆっくり学びを楽しみたいと思っている。

池田五月さんは父のリストラで経済的に苦しくなり,高校を中退せざるを得なくなった。今、彼女はパートで地元の知り合いの食堂で働いている。食堂のおじさんは高校は出た方がいいと,定時制高校に行くことを薦めた。そして,彼女は2年に編入した。
池田さんの学校ではブレンド型学習としてTedを取り入れ,英語学習やディスカッションの題材として使っている。彼女は先生からスマホのアプリでTedが見られると教えてもらったので,行き帰りの電車の中でいろいろなプレゼンを見るのを楽しみにしている。彼女は以前からイラストを描いたり,粘土でものづくりをしていたこともあり,芸術系のプレゼンを見ていたが,ロボットなどのエンジニアリング関係も面白いと感じている。彼女はPCを持っていないので,スマホアプリが頼りだ。
池田さんは先生からTed以外にMOOCs4Uとgaccoいうアプリを紹介してもらった。MOOCs4Uは英語が中心で検索もしにくいし,最初は取っ付きにくかったが,CourseraやUdacity,edXなどのVideoを見るうちにもっと深く勉強してみたいという気持ちになった。だが、彼女は講座を見たいと思っても,courseの申し込みや課題のことを考えると,英語が壁になって無理だと思うのだ。gaccoは日本語で手続きもわかりやすく,先生も歴史のコースを学んでいると聞いたので,内容をよく検討して「科学生命工学が作る未来」のコースを取ることにした。
池田さんは今,高校卒業という目標だけでなく,大学で学習することを視野に入れ始めた。また、彼女はより深く英語の学習を進めることがより多くの学習機会を得ることだと実感し,Tedを中心にスマホで字幕付きの学習素材を探して学習に生かしている。
学校の先生は経済的な面も考え,彼女の思いを実現するために協力を惜しまないと言ってくれた。食堂のおじさんも応援してくれるそうだ。

辻さんは高校で講師をしている。教材研究の為にWeb検索をしている時にgaccoを知り、オープンエデュケーションというものがあることを知った。そこで、前々から相談に来ていた生徒にgaccoで一緒に講座を受けようと誘った。1人目の日本史好きな高校2年の愛さんは、進路を考える上で反転学習コースのある東京大学の本郷教授の中世学習のコースをとった。高校生は無料だったが講師である辻さんは有料だった。そこで2回の反転学習で他校の生徒と話すこともでき、愛さんは日本史に対する興味を深め、東京大学に進むことを決意した。2人目は高校3年生の緑さんで、進学校の校風が合わず、大学には進みたくないが専門学校もイヤだと考えていた。そこで辻さんはgaccoで服飾の歴史について共に学ぼうと誘った。共に学ぶ中、緑さん自身、ネット検索などを通じ、服飾でイギリス留学できる大学があることを知り、自分から進路を決めて進むことができた。3人目の祐くんは既に大学に進学していたが、スポーツ指導者になる為、大学の学びでは不足だが選手をしながら大学以外で学ぶのはキツイと言っている。そこでgaccoでセルフマネジメントを学ぶコースをやはり一緒に取ろうと誘ってみると、一日数10分程度であれば頑張れそうだと伝えて来た。辻さんにとって、自分の専門外の相談に対し、それぞれの生徒がそれぞれの進路目的に沿う形での応援ができたことは、それだけで喜びでもあったが、大学入試の小論文対策や入社試験の作文対策の為にも手軽に自己研鑽や知識を拡げることのできるgaccoでの学びは本人自身の為にもなった。
辻さんはこの経験を元に高校の図書室と進路室にオープンエデュケーション専用のパソコンを置くことにした。辻さんに対する生徒の信用も高まり、進路室に相談に訪れる生徒は今日も多い。

神奈川県に在住するAさん(38歳、女性)は、家庭の事情で数年前に一度、仕事をやめているが、語学教室で再び働き始めている。大学時代に語学教育を専攻したが、卒業後は別分野の仕事を行っていたため、最近の語学教育の動向を学び直すために、第二言語習得についての講座が開講されてたCouseraを利用した。また、勤務先の教師の多くが日本語話者でないため、英語によるコミュニケーション能力を高めることも目的に、海外のMOOCサイトであるCouseraを選んだ。
講座の内容は、Aさんにとって学生時代に学んだ内容を更新するものだった。Couseraはスマートフォン用のアプリケーションが用意されているため、日々の仕事や家事の合間を使って受講することができたのは大きなメリットであった。講座には掲示板が用意され、Aさんは他の受講生の意見を見聞きすることで、一度は諦めた語学教師へ意欲が高まった。
認定証を取得したAさんはさらに、語学教師への転職を見据えて、資格取得のための勉強を始めた。

 斎藤和希君は大阪に住む高校2年生。中学までは成績が良かったが、高校に入ってから勉強についていけず、成績は低迷している。出来れば就職ではなく大学に進学したいと考えているが、志望校は漠然としている。父親を小学6年生の時に亡くしてから母と弟と3人で暮らしており、予備校の学費を出してもらう家計のゆとりはない。
 母と進路について相談した結果、大学の入学金や学費の一部は出してもらえそうだが、あとは奨学金に頼るしかなさそうで、受験勉強にお金はかけられない。
 授業や部活の合間に独学で自分なりに努力してみたが、なかなか結果が出ずに心が折れそうになっていた時、母がニュースで「manavee(まなびー)」のことを見て教えてくれた。
 まなびーは、オンラインで無料で受験勉強の為の講義動画が見れるうえ、演習テストなども受ける事が出来るという。斎藤君は早速利用することにして、苦手な数学のコースの動画を順に見ていった。高校入学後ついていけず、すっかり分からなくなっていた数学が徐々に理解できるようになり、久々に学ぶことの楽しみを感じた。講義動画を教科の単元毎に探す以外にも、先生のタイプによって探せることで自分に合った講義を探すことが出来た。先生の半数が現役大学生であることも身近に感じられ、ますます勉強へのやる気が高まった。
 また、サポーターに質問したり、進路について相談する事も出来、受験生として聞きたいことを気軽に聞くことが出来た。
 このようにして受験勉強を進める中で、経済的な理由で進学をあきらめないですむような社会にしたいという目標が出来た。その為教育社会学が学べる地元の国立大学を目指すことにし、着実に成績も上がっていった。そして、ついに志望校に合格することが出来た。
 大学入学後は、教育格差をなくすという目標に向かって、今できる事から実践しようと思い、勉強の傍ら、まなびーで教える側の先生として活動している。
 

Aさん(31歳)は電気機器製造業の中堅企業に製品開発者として働いています。この企業では、近年の環境問題の深刻化を商機として捉え、新たに環境配慮型製品の開発を行うプロジェクトを立ち上げ、若手のリーダーであるAさんをその責任者とすることにしたのでした。
しかし、Aさんはこれまで環境問題やエネルギー問題を体系的に学んだこともなく、また、国内市場は大手企業の作るいわゆる省エネ機器で飽和状態、とても付け入る隙があるとは思えず、途方に暮れていたのでした。
そんなある日、AさんはCourseraというサービス上で、アメリカの某有名大学が、環境問題の基礎から最新の創エネルギー研究までを、学ぶことのできる講座を無料配信することを知り、早速受講登録をしてみたのでした。
講座を受講し、Aさんが驚いたことは、授業や教材の質ばかりではなく、世界各国の受講者が、電子掲示板を使って、環境問題やエネルギー問題について活発に議論していることでした。また、インターネットに接続さえすれば、自宅や通勤中等の空いた時間にスマートフォンのアプリを使って学習することのできるCourseraの講座は、忙しいAさんにとってありがたいものでした。
Aさんは、Courseraの授業や、電子掲示板上での議論を通して、各国の環境問題やエネルギー問題の現状を知り、大手企業の進出していない発展途上国でのビジネス展開を目標とすることにしました。今は、電子掲示板上で知り合ったネパール政府に勤めるBさんとと、現地のリアルな状況やニーズに関する情報交換をしながら、同国の実情にあった省エネ機器の開発を進めています。

 佐藤光は40年を超えるITエンジニアである。仕事一筋にシステムの開発に取り組んで来た。既に還暦を迎え2年が経つ。定年を迎え嘱託の身だが、今も彼は従来と変わらない仕事ぶりである。
以前から大学院に社会人入学して見識を広げ仕事に役立てたいと考えていたが、費用も時間的にも実現は困難であった。そんな中、2年前にインターネットで大学の授業が受けることを知った。受講者となったのは1年前である。
 少しでも仕事に役立つ講座がないかと探していたとき、udacityのアートの講座の案内を見て興味を持ったのだ。小中学校で部活で音楽に接しているながで音楽の中に数学的なものを感じていたが、その音楽の数学的論理への興味が呼び覚まされたのだ。楽器の音もハーモニーも美しいが、その中に潜む数学も美しい。
 今も仕事に積極的に取り組んでいるが、やがて嘱託の身分も終わる。家庭と経済的な事情から当分の間は何らかの仕事を続けることになるが、やがて来る余生では好な音楽を趣味で研究したいと思っていた。その思いに火が付いたのだ。余生は充実したスローライフとして過ごすことが出来きそうである。
 udacityには日本語の字幕が付いた講座もあるようだが、アートの音楽の講座は英語である。仕事の勉強であれば続かないが好きなことなので続いいている。インターネットは動画を止めることも何度も聞くことも出来るのでじっくり取り組める。分からないことはコミュニティサイトで質問すると幾人もがコメントを寄せてくれる。最初は質問することが怖かったが、詰まらない質問でも誰かが見てくれて反応を示してくれることが分かり、今では何でも拙い英語で質問している。今ではインターネット上で国を超えて意見交換できる友人も出来た。英語にも自信が持てたこともあり、今では他のアートにも興味が湧いてきた。将来は他のアートも学んで見たいと考えている。悠々自適のスローライフが過ごせる日が楽しみである。

グエン・ヴァン・タンはベトナムの農村部に住む20歳の溶接工である。子供のころ、ドラえもんの漫画が好きでよく読んでいたが、それが日本の漫画であると中学生の時に知り、それをきっかけにして、日本に興味を持つようになった。日本の技術や文化だけでなく、見慣れない文字が並んでいる日本語にも興味があるが、日本語が学べる機関は、ハノイなどの大都市にはあっても、彼の住む地域には存在しないのを残念に思っていた。

ある日、近所のインターネットカフェでいつものように日本関連の動画を見たり、リンクをたどったりしているうちに、日本語が勉強できるサイトを偶然発見した。彼はそこで初めて日本語のひらがな・カタカナのしくみを知り、新しい世界が広がるのを感じた。

探し始めると、日本語学習に関するサイトは、個人サイトを含め、たくさんあった。手当たり次第、あれこれ試してみたが、彼が特に気に入ったのは、AJALT(公益社団法人国際日本語普及協会)のオンライン学習内の「ちまたの日本語 ”Real World“ Japanese」であった。ここでは、イラストと音声を使った日本語学習用の教材がレベル別に豊富に提供されている。彼はここで日本語の発音を聞きながら簡単なやりとりを学んだだけでなく、既習のひらがなやカタカナの判読に慣れることもできた。

こうしているうちに日本への憧れがますます募り、彼は日本に行きたいと思うようになった。彼の希望を知る職場の上司は、溶接の技術を活かして3年間日本で生活できる「技能実習生」という制度があることを教えた。彼は早速必要書類を揃えて応募し、ハノイで数か月の事前訓練の後に技能実習生として来日した。現在は群馬県の溶接工場で働いている。日本語での生活には苦労もあるが、上司や同僚にも恵まれ、充実した毎日を送っている。日本で学んだ新しい溶接技術を活かして、帰国後は自分で工場を経営したいという夢を抱くようになった。

及川敏弘さんは40歳、2年前まで個人塾の経営をしていたがうまくいかず、廃業してしまった。それ以来、妻が働きに出ており、及川さんは家事を一手に引き受けている。経営についてもう一度勉強し直し、小さくても何かビジネスを始めたいと思っているが、及川さんは地方の小さい町に住んでいて、近くに適当な教育機関はない。また、妻が働いたお金を自分の学費に使うのは気が引ける。そこで、インターネットで無料公開されているオープン教材を検索していたところ、Open Learnで「Rural Entrepreneurship in Wales」という教材を見つけた。Open LearnにはLearning Spaceがあり、自身の学習履歴をウェブ上で管理することができる。及川さんは学習記録管理が苦手なので助かる上、履歴を見直すことで、「もう少し頑張って勉強してみよう」という気持ちになるものである。また、学習コミュニティができており、事あるごとにコメントを残しているため、知り合いも増えた。
 経営については塾経営の時の経験があるので少しは分かっているつもりだが、この教材では地方経営の具体的なモデルがいくつか提示されており、それを読むうちに自分にもアイディアがわいてきた。今は、学習コミュニティで知り合った人のアイディアを参考にして、今自分が住んでいる町の名産品で新商品を開発し、売り出そうかと考えている。Walesの他、他の地域でも同じような経営をしていることが多い。また及川さんの住んでいるところは、ヨーロッパの農村にも共通する点があると、コミュニティで知り合ったハンガリー人とチャットをしているうちにわかった。ハンガリー人の彼が実際に行っているビジネスのノウハウを詳しく聞きながら、企業の準備をするつもりだ。他にも相談に乗ってくれる人がコミュニティ上には多くいるので、しばらく奥さんには自分の計画を黙っていようと思う。

 木村真美さんは夫と義母と暮らしている。2年前まで小学校の教師だったが、義母が認知症となり退職した。夫も協力的ではあるが、介護の中心は真美さんである。母の病状改善と介護ストレスから解放するため、半年前から週2日のディサービスを利用し始めた。趣味の習字やお料理教室は良い気分転換になった。そして、認知症の特集番組を観るうち、専門的な知識を得たいと考える余裕も出てきた。
 友人から、自宅で専門知識が無料で学べる講座があると聞き、早速「認知症」で検索した。Courseraの「アルツハイマーや認知機能障害のある高齢者の介護」(ジョンズ・ホプキンス大学)を受講することにした。英語は、夫が協力してくれた。認知症の原因とケアに関する各国の福祉政策の紹介、患者の周りの家族や社会環境については、日常生活にすぐに役立つ内容であった。最も大きな収穫は、和訳するうち夫が介護について理解したことと、母への感情的な行動が減り冷静に対応できるようになったことだ。
 また、電子掲示板も大いに活用した。困ったことがあると、受講者たちに助言を求めた。その助言はスピーディでわかり易く、励ましは勇気をもらうことができた。助言の中で、子供たちとの交流についての話があり、教師時代に、働く母親が「ピアノが習いたいと言っても送迎ができない。学童保育所でできるといいのに。」と話していたのを思い出した。時間、場所、人などの制約や可能性を考え、自宅で学童保育を兼ねた音楽教室を計画し、友人に声をかけ協力を依頼した。教室を始めた頃の母は、子供が遊んでいるのを見ているだけだったが、今では折り紙や編み物を楽しそうに教えている。子供たちとの関わりは、互いに気分転換が図れ、社会参加していると実感できるようになった。そして、報酬という副産物も得られた。今後はキッズ料理教室などの実現に向けて、友人たちと食育や野菜作りの講座を受講しようと話し合っている。

北野浩二さん(14)は、東京都内に住む中学1年生。この春、地元の公立中学に進学したが、取り立てて勉学意欲が高い訳でもなく、またスポーツが得意な訳でもなく、自分の将来に不安を抱いていた。北野さんの家庭はいわゆるシングルマザー世帯で、まだ小学校低学年の時、両親が離婚し、浩二さんは母親に引き取られた。母は、それから仕事に出るようになり、一人で過ごすことの多かった浩二さんは勉強をするという習慣が次第になくなり、学校の勉強にもだんだんついていけなくなっていた。学習塾に通う金銭的な余裕もなかったが、このままではまずいのではないかという思いから、近所の公民館で大学生ボランティアにより開催されている補習教室に通い始めていた。週1回の開催では遅れを取り戻すまでには実際至っていなかったのだが、仲良くなったボランティアの大学生が「eboard」という無料の補習サービスがあることを教えてくれ、ipadで実際に講義を見せてくれた。浩二さんはそれを見て、初めて自分が小学生の算数(分数あたり)から、よく分からなくなっていて、苦手意識を持ち始めたことに気がついた。eboardの先生の語り口調は、面白く、いつの間にか楽しみながら、小学校の算数を復習できていた。その後、浩二さんは周1の補習教室に加えて、毎日放課後にeboardで、英語、数学、理科、社会といった教科も学習するようになり、理解が深まることで勉強の面白さに目覚め出した。意欲が増すことで学業成績も上がり出し、自分に自信が持てるようになった。浩二さんの将来の夢は大学まで卒業し、eboardのようなweb上の教育サービスを立ち上げ、勉強の機会に恵まれない子どもたちに夢や希望を提供できる人間になるということだ。

 海のない町で生まれ育った植木里子さんにとって、海岸で暮らすことは幼い頃からの夢でした。
 「小さい頃、『海』という学習図鑑を図書室で見つけたのがきっかけかな。自分がまだ知らない世界があるって、すごいじゃない。それで、中学に入って父の本棚にあった片岡義男って人の『限りなき夏』を読んで、もうどうしようもなくなっちゃった」
 高校卒業と同時に大きな街で就職した彼女は、最初の給料をスキューバダイビングにつぎ込みインストラクターとなって、バリ島に渡っていましたが、日常の生活になにか物足りなさを覚え、どうしたらいいのか悩んでいました。
 そんな時、ダイビング仲間から「インターネットでキーワードにOCWをつけて検索すると、大学の講義が読める」と聞き、それがオープンコースウェアというもので、世界的に著名な大学の講義を公開している活動と知りました。
 「海洋・波・魚」などといった言葉で検索してみると、京都大学での「魚類心理学入門 」にめぐり合い、夢中で講義録を読み、遊びの延長のようなダイビングとは別の海洋を見る目を見つけ、自分に不足していた知の探求に夢中となり、MITオープンコースウェア で「OCEAN」を手掛かりにAtmosphere, Ocean and Climate Dynamics コースを見つけ、読み進んでいます。地球規模での気候から見直すと波浪の理由が理解でき、趣味だったサーフィンの学術的な展開に驚いています。
 「海の水が塩辛いのは、塩鮭がいるせいじゃないってわかったしね。海洋学ってとっても魅力があるの。チャンスが来た!って感じなんだ」
 あきらめていた 高等教育との出会いが これからの生活にハリと勇気をあた会えてくれなんだかとても未来が楽しいと話していました。

宮崎(31)は、携帯通信会社のグローバル部門で勤務している。大学では情報通信学を専攻していたものの、さらに通信基礎理論の習熟に必要な数学を学び、高度なネットワーク通信資格を取得したいと考えていた。数学と同時にグローバル部門で必要な英語のスキルアップも実現したいと考え、数学含め4,000以上の豊富な学習コースを備えているカーンアカデミーを利用しようと考えた。
初めから数学と英語習熟とを同時に行うことはレベルが高いため、日本語字幕がある数学授業を履修し、数学の知識の復習と更なる理解アップに努めた。
カーンアカデミーでは、ビデオの視聴履歴やクイズの回答などの学習履歴データから教材を推薦する学習管理システムが備わっているため、宮崎はカーンアカデミーの推薦を参考にしながら次の履修コースを選定し、効率の良い学習を目指した。
しかし、全てのビデオで日本語字幕が対応しているわけではなく、宮崎は推薦通りの授業が受けられないことがしばしばあった。字幕が対応していない理由は、字幕を作成するボランティアが不足していることに原因があるという。それを知った宮崎は、英語力を高める良い機会と捉え、字幕作成ボランティアに作成することにした。
慣れない作業で時間はかかったものの、英語力を鍛えるとともに、講師が言っている授業の内容を反芻することでより深く理解することができた。
この体験をSNSで発信したところ、同僚や友人からも賛同を得ることができ、グループでオンライン学習するコミュニティを作り、メンバーで字幕作成 + MOOC学習をすることとなった。カーンアカデミーではゲーミフィケーションの要素を取り入れており、受講者が一定のレベルに達したらバッジを配布しており、をFacebookプロフィールにも表示できるため、コミュニティ内で切磋琢磨する環境を築くことができた。継続的な学習により目標の資格を取得した後も、メンバーの間での交流や学習が続いている。

彼の名は学(まなぶ)。都内の大学で教育について学び、今は地方都市の大学で講師を務めている。自然豊かな生活に満足しつつも、大学での教育に言い知れない疑問を抱いていた。それは1980年代からしばらく続いたゆとり教育における学力レベル低下。都内と地方大学のレベル差も感じている。同期で大手企業に勤める友人からは、企業のグローバル競争力の低下と人材の海外流出が止まらないとの話を耳にしていた。「日本はこのままでよいのだろうか? 資源を持たない日本にとって人材こそが資源。教育の力でなんとかしたい」そんな漠然とした想いで過ごしていたある日、友人から一冊の本を紹介するメールが届いた。「学、これを読んでみろ、きっとお前の役に立つ」さっそく取り寄せた本は「ルポMOOC革命 無料オンライン授業の衝撃」、読み始めると直ぐに閃いた。「これだ !」
 2ケ月後、学はCourseraで見つけたカリフォルニア大学の「Virtual Teacher Program」の講座を修了していた。仮想コミニュテイ構築のベストプラクティスを学んだ。日本で始まったばかりのJMOOCのgaccoで「オープンエデュケーションと未来の学び」も受講した。得るものは多かった。リアルを融合させた反転授業、講師とのハングアウト、何よりも驚いたのは学びに対する強い意欲である。ディスカッションでは年代、立場を超えた人々との交流ができた。自主学習では自らが積極的に議論を展開する姿に感動した。大学の教室で忘れ去られていた姿だった。
 MOOCに大きな可能性を感じた学は、学長室にのりこんだ。「我が校もMOOCに参加しましょう。最初の講義は私に担当させてください。世界一の授業をして見せます。」一度は首を横に振った学長だが、「分かりました。地元の企業に費用の支援を頼んでみましょう」
 そして月日は流れ2018年8月。今や学の講座は5万人を集める程になっていた。JMOOCは200万人の会員登録を誇り、3年の壁を乗り越えオープンエデュケーションで重要な役割を果たすことになった。

青木良蔵(55歳)は、SEとして情報関連企業に勤めていたが、3年前に家族の事情等もあり早期退職し、在宅での新たな起業を考えていた。しかし、人脈もなくまたIT技術の急速な進歩により学ばなければならない知識もかなりあり、Courseraを受講することとした。
 2,3の情報処理技術の講座を修了し最近のIT技術の知識を獲得することができた。しかし、起業のための知識も学ばなければならず、年齢的にも起業は難しいかなと考え始めていた。そんな時、Courseraのミートアップで知り合った同じくエンジニアであるAさんと再会し、オープンエデュケーションの可能性について話し合った。AさんはIT技術のオープンコースウェアを一緒に作成しないかと青木さんを誘った。青木さんは、IT技術をもう一度基礎的なところから学びたいと思っていたので快諾した。現在は、5人くらいの仲間とオープン教材の開発をしていて、将来、IT技術の標準教科書を作成するNPOを立ち上げる計画をたてている。

 高校2年生の鈴木君は中学校の数学教諭をめざしているが、中山間地域にある自宅と高校の往復で時間がかかることと、両親が共働きの上に幼い弟がいるので、家を空けにくく、塾に通う決心がつかなかった。
 それにも関わらず、家庭の経済状況からなんとしても国立大学に進みたかったので、センター入試の際に、苦手な古典と英語をどう勉強したらよいか悩んでいた。
 そこで、「誰でも受験勉強できる場所」というキャッチコピーにひかれて、通学途中や自宅で受験対策ができるmanaveeを使ってみた。manaveeでは、センター英語と古典の受験対策を効果的に学ぶことができたので、試験に対して自信を持ってのぞむことができた。また、講師が大学生ということで、自分が進学した後のイメージを得るという副次的なメリットもあった。
 鈴木君は無事に志望校に合格できたので、今度は自分が講師になって、自分の受験経験をこれから受験する高校生に還元し、さらに、将来の数学教師という目標のために教えるスキルを磨きたいと考えている。

水畑美津子さんは、ユーザーが数万人規模のeラーニングサイトを運営しており、アプリケーションの開発も行うプロジェクトリーダーである。
eラーニング市場は他社が次々と参入してきており、価格的に安いサービス、デザインが優れたサービスなど様々である。
そんな中、水畑さんも経営陣もユーザーニーズに合ったサイトの構築やサービスの提供により、競合他社と差別化する必要性を感じている。
そのためには、数万ユーザーのログイン履歴、受講履歴だけでなく、ユーザーの動線を分析し、より使いやすいシステムにするために改修すべき点などを洗い出すことも大切である。数万人のユーザーデータは、非常に貴重であることも理解していた。
しかし、数万人の動線の分析となると膨大なデータ量を扱うことになる。そのため、どのような視点から分析するか、誤ると時間のロスにもつながる。水畑さんは、もともと大学で統計学の基礎は学んでいたが、その基礎も今や忘れており、テキストを読んでもいまひとつ理解が進まなかった。

このような背景から、水畑さんは、統計学を再度基礎から学んだ上で、応用力もつけたいと考え始めている。
しかし、仕事上責任ある立場にあり、仕事をやめてまで大学院に通うことはできない。したがって、オンライン講座を探すと早稲田大学のオープンコースウェアにたどり着いた。「早稲田大学iTunes Uから、500以上の講義映像の配信を行っている」ということを知った。水畑さんは、iPhoneユーザーであったため、早速iTunes Uにアクセスし、統計学の講座を検索した。すると「入門統計学」「統計学Ⅰ」「統計学Ⅱ」という3つの講座があった。水畑さんは仕事はもちろん、家に帰ると子供たちの世話もしなければならないため、通勤時間が貴重な学習時間である。通勤中にiPhoneを用いて講座にアクセスし、統計学の講義を聞いて学んだ。

学習を終え、水畑さんは「r」というフリーのソフトウェアを使ってユーザーデータの分析を行った。データに基づいたシステムの刷新案には経営陣も納得し、素晴らしいとの評価を得た。
そして現在は、システムの刷新に着手をしはじめている。
刷新したシステムの運用開始後、どのようにユーザーの動きが変わったか、統計学の知識を駆使して再度データを分析する予定である。

柄本太郎さんは神奈川県の郊外地域に住む67歳の男性である。柄本さんは退職してから、仕事とは違うやり方で人々に貢献したいと思っていた。
どのような活動が良いかと考えていた頃、ふと、学生の頃に少しだけ学んだフランス語が思い浮かんだ。しかし、外国語教室は費用が高く、テレビの語学番組は自分に合わないと感じていた。ちょうどその頃、自宅の近くに住んでいて、大学では言語学を専攻していた娘から、東京外国語大学言語モジュールを紹介された。このWebサイトは東京外国語大学の研究成果として無料で公開されている外国語の学習教材であり、フランス語の教材も用意されている。柄本さんはWebブラウザの使用などPCの基本的な操作は問題なく行えたが、メールアドレスを使って会員登録するWebサービスは、ほとんど利用してこなかった。その点、言語モジュールでは会員登録なしで会話の動画の閲覧などの全ての機能が利用できた。また、学習教材は会話、語彙、文法などのモジュール単位で構成されており、自分に合った分野を重点的に学習できるのも良かった。柄本さんは、言語モジュールを利用してフランス語の学習に熱心に取り組むようになった。
その頃、言語モジュールのサイトを教えてくれた娘の家庭に、フランスからの留学生が数日間ホームステイすることになった。柄本さん自身も娘の家族と共に留学生と過ごす機会があり、少しだけフランス語で会話ができた。その留学生は、ホームステイ中にフランス語を話せる人に会えたのは嬉しいことだったと話していた。
その後に柄本さんは地元の国際交流活動をする団体に加わるようになり、フランス語やフランス文化についてより一層の学習に取り組むようになった。その時には書籍を購入するなど費用を支払うようになっていた。しかし、そのように学習するようになったのも、無料で自由に使える言語モジュールの存在があったからである、ということを自覚している。

葉子さん(31歳)は塾講師として働いている。
職業柄、生徒たちにはちゃんと食べることが大事だと言いつつも、自身の生活は不規則で、食事の内容や質を変えたいと常々思っている。本を買い込み、いろいろ試してはみるが、結局自己流に舞い戻ることの繰り返しである。休みも不規則なので、料理教室を予約するのもストレスだ。
そんなときmoocを知り、コースを探したところ、edXに興味深いコースを見つけた。science & cookingである。
シェフが料理するvideoだけでなく、ハーバードの講師による科学レクチャーを聞くことができる。料理の手法を教わるだけの料理教室にくらべ、論理的なレクチャーがあるedXの料理コースは葉子さんには満足度の高いものであった。このコースは学ぶ人それぞれのペースで進むことができ、不規則な生活でも学び続けることができた。
コースは料理の初心者を想定していたのでちょうど良く、英語で学ぶことで非日常の刺激が得られ、リフレッシュにもピッタリであった。また、葉子さんは塾で理数系の科目を担当しており、授業での雑談にedXの科学的な料理談義をはさみ、生徒にも受けていると感じている。さらに、生徒には学びの形態がどんどん変わっていることや、自学自習で多くの分野が学べること、自分の授業科目ではないが、英語の重要性も伝えられていると感じている。

Aさん34才、理科系の大学を卒業して、IT企業に勤め、第一線のSEとして、プロジェクトを牽引して頑張っているが、最近システムの開発環境の変化に自分の知識、技術がついていけなくなるのではと、危惧を抱いていた。そんなおり、オープンエディケーションの話を聞き、早速色々と調べて、Khan Academyのcomputer programmingの受講を始めた。自宅で、会社でインターネットの接続環境があれば、利用できるので空いた時間を有効活用でき、新しい知識、技術の動向を把握でき、なんとなく抱いていいた危惧を払拭するに至った。

高橋道雄さん(35歳)は、福岡市の中堅商社に勤めるサラリーマン。工期短縮によるコストダウンを可能にした「次世代型マンホール」の販売を担当している。この商品を、近年各地で問題になっている道路や公共建築物といったインフラの老朽化問題と結び付けることでビジネスの機会を拡げられないかと考えていたが、経済学部出身で、特別に建築や土木を学んだ経験がない彼には、自治体の技術担当者の話や入札説明会の資料などにも理解できない部分が多く、なかなか解決の糸口を見つけられずにいた。
そんな中、偶然にも地元の九州大学がオープンコースウェア「QOCW」の中で「循環型住空間システム」の講座を公開していることを知り、早速参加することにした。
14回にわたる1回90分の講義は毎週水曜日のストリーミング配信だったが、QuickTime形式によるビデオ配信もなされていたため、帰宅後や週末の時間を使って、分らない用語はネットで調べつつ、マイペースで学ぶことができた。
講義内容は、構法による耐震メカニズムの違いや構造物の長寿命化といった技術的な内容から、地球温暖化のメカニズムと省エネルギー、あるいはストック型社会における建築物の長期利用計画といった、まさに「循環型住空間システム」全体の構築に関わるものまで多岐にわたっており、インフラ産業が抱える課題範囲の広さと奥行きの深さを再認識させられるものだった。
単なる一企業の一商品のみによって、こうしたインフラ市場の抱える公共的な課題を解決することが難しいことを思い知らされた高橋さんは、より総合的な視点からの解決策を導き出すことのできる企業連携戦略の必要性を会社に提言すると同時に、この講座の参加者へSNSによるグループを起ち上げることを呼びかけ、有志による知識集約と論理形成の場を構築しようと奔走している。

(中村 有さんのケース)
有さんはこの9月からボストンにあるバークリー音楽大学に留学が決まっている18歳である。留学までにやるべきことはさらに英語力をつけることと、学期開始前にある音楽のクラス分けテストのための準備をすることである。オープンエデュケーションで各教科を学べるサイトを検索した結果、英語はCourseraの"Crafting an Effective Writer: Tools of the Trade" を受講し、大学で必要なエッセイなどの書き方を学んだ。エッセイの提出課題に対しては相互採点があり、他の生徒のエッセイを読んで採点することは自分の書き方を見直す良い機会だった。音楽に関してはバークリー音楽大学が同じくCourseraにクラスを設けていたので"Developing your musicianship"を受講中だ。これは実際に大学でクラスを持つ、George Russell jr教授のクラスであり、内容はクラス分けテストの準備に最適な基礎理論である。音楽理論についてはある程度、本で独学していたものの、このクラスでは講義の中に音楽ファイルが幾つも組み込んであり、講義を聞いた直後に音を確認したり、イヤートレーニングのクイズをして力試しが出来るので勉強していても単調にならず、覚えるものも定着しやすい工夫がなされている。さらにこのクラスでも相互採点やディスカッションがあり、同じ音楽を学ぶ仲間と意見を交換することが出来るのはとても良い刺激になる。このようにして入学前にオンラインクラスで下準備を進めることによって、これから必要になる知識を深めると同時に、英語での講義に慣れることができたので自信をもって大学生活を送ることが出来そうだ。

悠さんは宇宙や素粒子に子供の時から興味があり、大学院で理論物理学の博士号を取得した。研究者になるつもりだったが、人との関わりの中で、最先端の科学の面白さを一般の人に伝えるサイエンスコミュニケーター(SC)を目指したいと思うようになってきた。日本にSCは少なく、社会は必要としていると確信したのだ。
そんな時あるサイトでScience&Youというサービスを見つけ参加した。科学の質問/解説の交流サイトだ。cMOOCに分類され、未体系の最先端科学には最適だ。専門家から非専門家、子供から高齢者まで様々な人が参加している。自分の専門分野の質問があれば悠さんは答える側だ。様々な人が想定外の質問をするので説明するのは難しいが、SCを目指すにはいい経験だ。ここで得たのは人が物事を理解する仕組みに対する知識だ。人はそれぞれ自分の枠組みの中で物事を理解しようとするが、専門家と非専門家とではその枠組みが全く違うため話が通じない。悠さんは相手の枠組みに入り込みその中で答える能力を養った。
こうしてSCとしての実力をつけた悠さんは科学博物館の喫茶店で週1回サイエンスカフェの時間を持たせてもらうことができた。第一線で活躍中の大学院時代の友人やScience&Youで知り合った仲間に声をかけ人を集めた。そこでは専門家と一般の人が科学の雑談をし、悠さんは間で互いの話を通じやすくする。
Science&Youのようなサービスにより、悠さんのようなSCは次第に増えていった。科学が一般の人にとって身近なものになっていった。
そして2030年の現在、昔のような子供の理科離れ問題は解消してきている。生涯学習が活発化し、異分野からの参入による科学の発展も生まれている。悠さんの次の夢はこの流れを推し進めるためにも、自分のようなSCを職業として社会に認知させることだ。そのための方法を今度もMOOCで学ぼうと思っている。

加藤健児君は、当時、児童養護施設で生活する高校生であった。施設では、各種の文書を役所に提出する必要があるが、職員達はパソコンの操作に苦労しており、うまく使いこなせていないと感じていた。元々パソコンに興味を持っていた健児君は、自らの興味に加え、いつも親切にしてくれる職員達の助けになりたいという気持ちから、Courseraでパソコンやインターネットの歴史と、プログラミング・システム開発に関するコースを受講することとした。ここで、健児君は、友達との他愛もない会話やお遊びのためとしか思っていなかったコミューニケーションツールも、協働作業のために有効活用されていることを知った。また、プログラミング・システム開発に関する学習を通じて、自分の施設でも、お役所への報告だけでなく、各種業務を効率化し、職員達の負荷を軽減できるのではないかと感じた。小さなアプリケーションソフトウェアを開発したところ、自らの施設での生活・経験に根ざしたものであるだけに、利用者視点で使いやすい、有効なシステムであると評判になった。自らが作ったものを使ってもらえる喜びを感じた健児君は、システム開発会社に就職することとなった。健児君は就職して3年経つ今でもCourseraでの学習を続けており、また、施設の子どもたちにプログラミングの楽しさを教えるワークショップを定期的に開催している。


(今井さんの場合) 
 今井さんは25歳の会社員。仕事を続けながらも、教師になりたいという夢を捨てきれずにいた。大学時代に教員免許を取得したものの、一般企業に勤めたのは「今の時代、大学院を出ないと教師としては力不足だ」といわれたためだ。大学院に行く経済的余裕がなく、会社員になった。だが、教員となった友人の話を聞く度、教師への憧れは増していった。
 教員免許を持っているのだから、採用試験に受かれば教師になることもできる。今いる部署は残業も少なく、試験勉強をすることも可能だ。にも拘らず、今井さんが行動に踏み切れないのには理由があった。今井さんの卒業した大学には教育学部はなく、免許取得のためには別途教職課程に登録する必要があった。免許教科は各学部に関連したものを選ぶ。だが、今井さんが卒業した理工学部物理学科は課題が多く、網羅的に履修するというよりも、卒業研究に関わるものだけを履修する流れがあった。また、教職課程も教授によって講義の質や内容に差があった。今井さんはその点について、教師しては知識が足りないのではないか、教育自体についても、もっと様々な人の意見を聞き、勉強したいと考えていた。
 そんなときに今井さんが見つけたのは、MITのOCWである。ここでは、偏りなく幅広い分野の講義が公開されている。大学で学びきれなかった、卒業研究に関係ない部分の学習もできる。さらには、実際の大学講義を公開しているため、内容の信用度が高い。今井さんはその中で、化学に関する講義を受講した。実際に教員になれば、専門の物理だけを担当するとは限らないからだ。MITのOCWには試験もあり、また英語で勉強ができるため、英語力もつき、英語の論文も以前より抵抗なく読めるようになり、今井さんは知識も増えたと感じた。
 今井さんに影響を受け、OCWで経済学を勉強し始めた同僚と一緒に、切磋琢磨し学んでいる。2年後には、教員採用試験を受けてみようと考えている。

山田香澄さん(37歳)は和歌山市に住む主婦。5歳の男の子と2歳の女の子の母である。
男の子を出産するまでは、名古屋の旅行会社で正職員として事務を執っていたが、産休中に銀行勤めの夫の転勤が決まり、自分は退職して和歌山市に転居した。両親、義両親とも、遠方に住むために、突然熱を出したり、お腹を壊したりする子どもたちの世話に追われてゆとりのない生活を送っている。同世代の夫は働きざかりで仕事が忙しく、子育てや家庭管理はすべて香澄さんの担当となってしまっている。
しかしながら、下の子も2歳。少しは時間が取れるようになって、香澄さんはgaccoで学びを楽しむようになった。村井教授のインターネットの講義を修了した後、情報処理技術者試験のITパスポート試験に挑戦し、1回で合格できた。たまたま受験会場で知り合った里美さんも村井教授のインターネットを受講しており、すでにディスカッションの場で出会っていたと知った二人は、励ましあいながらドットコムマスターの学習を始め、数か月の後アドバンス ダブルスターレベルを取得した。
学びの成果を短期間に検定合格という形で確認できたことから、香澄さんはまた社会に出て、システムの理解できる事務職員として仕事ができるとの自信を得た。以前の会社では毎日パソコンを操作していたものの、定型業務の繰り返しで、入力は速くてもトラブルには全く対処ができていなかったのである。
下の子が3歳になる頃、30代のうちに再就職をと香澄さんは、ハローワークに登録をした。家庭生活において、夫の協力をもっと得られるよう、鋭意努力中である。また、里美さんという同志と出会えたことで、香澄さんの和歌山市での暮らしは、より楽しく充実したものとなった。

山本弘子さん(40歳)は海外で日本語教師として働いている。海外で働きたいという夢があったので、日本語教師養成講座を終了し、インターネットで就職先を見つけたのだ。
働き始めて海外の日本語学習者のニーズが日本語学習よりむしろ日本文化や歴史学習であることに気づいた。ところが山本さんの専門はもともと理系で、歴史や文化に対する知識が一般教養程度しかない。そこでもっと勉強しなければと思い、仕事を続けながら学習できる方法をインターネットで探していた。
ちょうどその時オンラインで無料受講できるサイトで、「gacco」を見つけ、始まったばかりの「日本中世の歴史」を受講した。この講座は一流大学の教授による本格的な講義で内容が充実している。また電子掲示板上では受講者同士の活発な意見交換が行われ、他の受講者の知識の広さや深さに刺激を受けた。歴史の学び方にも発見があり、日本語学習者の興味を引きそうなトピックもあり、得るものが多かった。
そこで他のコースも続けて受講してみた。海外の日本語学習者が参加している講座もあったので、自分の学生にも薦めた。ディスカッションでは専門的な知識を持った参加者が他の参加者を助けたり、協働学習の効果を実感し、自分自身の教室活動に取り入れることにした。また提出したレポートは他の参加者に評価され、自分の作文力を振り返り向上させるために大いに参考になった。これらの講座では修了証を取ることが出来、学習成果を確認、自信に繋がった。
更に知識を補強するため、マサチューセッツ工科大学のオープンコースウエアの「Japanese Popular Culture」や「Japanese Literature and Cinema」という一般教養的な日本語に関する講義も利用し学習を続けた結果、「日本の歴史と文化」のクラスを担当できるようになった。

 並木結花さん(35歳)は、ある県の県庁で事務職として働いている。今年度から健康福祉部に配属され、来年度行う予定の健康に関する県民の意識や食事、運動などの状況についてのアンケート調査の担当となった。
 並木さんは、大学の卒業研究でアンケート調査を行ったことがあり、その時に、調査項目や調査方法などがとても重要であることを少し学んでいたので、今回、どのようなアンケート調査をすればよいか、しっかり調べる必要があると考えていた。そこで、本やインターネットで調べていたところ、「社会調査のためのアンケートの設計」についてというCourseraのMOOCを見つけ、受講を始めた。仕事をしながら、6週間という短期間で学べることは魅力であった。
 講義は、アメリカの一流大学の講師による質の高いもので、アンケート調査についての基本的で実践に役立つ知識・理解を深めることができた。オンラインでの受講者同士のディスカッションにも参加してみたところ、並木さんと同じように健康・福祉に関連した調査を行おうとしている人と知り合うことができ、情報交換は今も続いている。また、マーケティングなど他の様々な目的の受講者とも意見交換することで視野が広がり、さらに、講義やディスカッションが英語であったため、英語の勉強にもなった。受講後、早速、学んだことを仕事に役立てることができ、職場のリーダー的な存在となって、アンケート調査の準備に意欲的に取り組んでいる。

久満脩氏(65歳)は首都圏のIT産業を定年後、関連会社で継続勤務しているが、数年前から生涯学習の必要性、地域貢献、自己実現を狙って英語の学習、地学の学習を継続している。
今回、知識と実力のレベルアップの具体策としてCourseraのAMNH(American Museum of Natural History)のThe Dynamic Earth: A Course for Educatorsを受講した。
これは動画中心の講座であるのでカリキュラムの内容やイメージが掴め非常に分かりやすい。国内ではめったに見れない多くの事例を紹介している事に久満氏は満足している。講義を日本語ではない言語でみっちりやられると、理解の妨げとなるだろうと想定されるが、聞き取りやすい発声のお蔭で、英語力が普通の久満氏にも最後まで受講ができた。
さらに、久満氏は横浜市でおこなわれたミートアップに参加した。出席者には、外国人も含まれ、日本人だけの範囲を超えた国際的な交流を体験することに価値を見出すことができた。
この講座は、スマートフォンやタブレットでの受講が可能となっているので、久満氏はすきま時間のある時はWiFi環境から利用した。WiFiでは動画の表示が時々乱れるが内容的には影響なく学習環境としての聴講可能機会が増えたと評価している。
外国のMOOCとの事で、当初は不安であったがCourseraの学生支援センターのサイトに情報が豊富に掲載されているので慣れない受講でも概要を把握した後、コースディスカッションフォーラムを覗いたり、そこに参加する事で幾つかは解決することができた。
久満氏は当初の目的通りhe Dynamic Earth: A Course for Educatorsを完了して、これに関する成果を生かして地域のサークルや少年・少女のフィールド体験指導や働き盛りのメンバーに対して生涯学習を勧める事を実施している。久満氏はこれを機会に、国外のMOOCであってもその活用の可能性を体験して確認したので、現在は別の講座の受講を続けている。 (完)

 東一郎さんは都内に住む高校2年生、現在、理系のコースで学んでいるが将来の進路についてはまだ決定していない。そんな中、都内の大学のホームページを検索した中で、東京大学のオープンコースウェア(UTokyo OCW)に目が留まった。
 同大学のOCWは大学の講義の資料を公開しているだけでなく今回、東さんが興味をもったのは高校生向けの入門的な講義が公開されていたこであった。その中で生物進化・ゲノムの講義に興味を持ち受講をおこない、今まで高校の授業では触れられていなかった同分野に対して知ることができた。
さらに興味をもった東さんは同大学のOCWを利用し今回、閲覧した講義に関連する資料や講義の検索を行うことができるMIMAサーチ機能を使い、最初受講した高校生向けの講義ではなく、同大学が学生や一般向けに公開を行っている資料や教授の講義内容、大学で行っているメニューを閲覧する中で、今の段階では難解ではあるが生物の進化・遺伝子の研究を学んで、研究をしてみたいという思いが生じてきた。東さんはパンフレットやオープンキャンパスなどで決めるよりより熱い思い出でこれから学びたい道を決めることができ、受験勉強に励むことになった。

製品開発エンジニアの山田直樹(35歳)は開発部に所属し、今年主任の任命を受けた。入社以来、他部署への異動は経験した事がなく、暇もなく新製品の開発に奔走していた。上司からは、毎年、決まり文句の様に、これまでのスペックを上回る製品製作をするようにとの指示が出される。これまでは、周りの先輩について行くため必死に自分の技量を磨いてきた。しかし、今年初めて部下を持った事を機に、自分の製品開発が会社の戦略とどのようにつながっているのかについて疑問に持つようになった。上司からはこれまでも大まかには製品開発の理由を聞いているが、しっかり筋道のたったものとして自分の中で噛み砕けずにいた。友人からオンラインで大学の授業を、しかも無料で受けられると聞き、早速、CourseraのCompetitive Strategyという授業を受講した。そこでは、ゲーム理論の学術的な内容から講義がスタートし、ライバル企業との付き合い方、製品戦略の重要性について体系立てて、しかも具体例を通しながら講義していた。学生時代は理系に進んでいたので、経営についての講義は受けた事が無く、始めは不安を覚えたが、始めのイントロダクションで講義以外の教科書は不要と言っていたが、実際にその通りだった。受講後のクイズも理解を深める助けとなった。特に有益だった点としては、他受講生とのディスカッションを通し、講義での一般論を各生徒はどのように自分の状況に置き換えているかを知る事ができ、自分自身においても自分の置かれている状況が理解できた。また、講義中疑問に思った事に対し、他の生徒も同様に疑問に思っており、それに対する意見をまた別の生徒がしており、多角的なものの見方ができるようになった。講義を修了した後は、会社の進んでいる方向性に賛同する事ができ、未来の会社の発展のための一役をかえている自分の立場に誇りを持つ事ができた。

マキさんはキャリアを積んで頑張るママ。2児の母でもある。しかしながら2児目を出産後体調が思わしくなく、あえなく退職後、再就職を目指している。

専業主婦になって、考えていたキャリア形成が思うようにいかず悩んでいると、gaccoの存在を知って興味を持ち、受講する。
通信講座にしても大変で、子育て中は長続きせず中断せざるを得ない状況が多いことを痛感していた彼女。しかしながら、gaccoの存在を知り、幾つか再就職に結びつきそうな知識を得ることができそうな講座に巡り合い、朝早く時間を作って受講した。そのことで再就職の他に自宅にてかつてから関心を寄せていた起業を思い描くようになった。

反転授業のある講座もあり、思い切って一時保育に子どもを預けて出席してみることにした。すると意外にも在宅勤務の人や部屋を借りて起業している人などが多く、子供ができて働き方を変えようと考えて実行している人がいることに驚いた様子だったが、参考になる出会いがあって楽しかった。
ちなみに、その時受講したのはマネジメント入門とモチベーションマネジメントだった。

また、今は保母(保育士)か民間資格のチャイルドマインダーしか通信講座や通学で取得できる資格がないので、育児中の人が気軽に参加、受講できる子育て資格を作ることを模索し、起業出来ないか考え始めている。

佐藤さん(35歳)は神奈川県に住み、日本企業でサラリーマンをしている。得意だった英語が活かされることはほとんどなく、語学力が落ちてきている状況だが、いつか仕事で英語を使い、自分の可能性を広げる機会に恵まれればと考えている。
ふと、Facebook上の友達がCourseraのマネジメントに関するMOOCコースを受けていることに気がついた。中堅社員になって部下を持つようになった佐藤さんは丁度良い機会と考えて、同じコースを受講することにした。
そのコースはビジネス経験のある講師が実際の経験をもとに授業をしていた。内容にリアリティがあり、実際の業務で部下をマネジメントする上で参考になった。また、久しく使っていなかった英語での学習は、佐藤さんの語学力を強化するのにも役だった。
掲示板で呼びかけられていたmeetupにも参加した。都内で開催されたmeetupには外資系企業に勤める外国人が多く参加しており、議論は英語で行われ、リアルな場での語学力を試される場になった。帰宅後、meetupで交換した名刺や連絡先を見ながら、佐藤さんはこのコースの受講を通じて、新しい知識の獲得、語学力の強化、新しい人脈を得ることができると感じ、改めて、コース修了に向けて学習を継続することにした。

中島真衣さんは管理栄養士養成の大学で栄養学担当の講師として働いている。授業の傍ら自身の研究テーマとして、栄養が脳の機能に及ぼしている影響に興味を持って、動物を使い、異なった食餌を与えて行動への影響を調べている。しかし、彼女は脳の構造や機能について、専門的にこれまで大学時代に習ったことはなく、独学できたことに物足りなさを感じていた。そこに、MITのオープンコースウエア(OCW)でBrain :Structure and Functions という学部生向けの基礎の講義があったので申し込み受講した。Dr.John Gabrieli の講義は、彼女にとって彼の気さくなパーソナリティもあってか、難しい英語での内容でも丁寧に何度でも同じところを異なった角度から解説されるので、理解し易かった。受講したことによって、今まで独学で学習してきたことの再確認とさらに多くの知識の積み上げができ、心と脳機能についての基礎固めができた。また、MITのOCWは講義のビデオを公開しているので、繰り返しみることができるのも心強く感じた。一方、彼女は、大学の講師という立場から、Dr.Gabrieli の講義の仕方、つまり、授業の内容の組み立て方、解説するときにユーモアを交えた楽しいけれど言うべきことはさりげなく述べる、このやり方も大変参考になった。彼女自身の講義のやり方を反省するきっかけになり、もっと自身が学習して内容の濃いものに、そしてプレゼンテーションも工夫するように心がけるようになった。

わたしは鈴木良子60歳。長年勤めていた会社を半年前に定年退職した。
会社一筋の人生で、急に仕事がなくなった今、ぼんやりと一日を過ごしていた。
これではいけない、何か始めようと思っていたところ、日本初のオンライン大学講座開講のニュースを知った。高卒がコンプレックスだった彼女はすぐに飛びついた。それは「gacco」というサイトだった。
最初にエントリーした講座は歴史の講座で、大変興味深く、時間も忘れて動画をみたり、教授の著書をよんだり、調べたりした。なんとも楽しい時間だった。学ぶことがこんなに楽しいことだったとは思いもよらなかった。わからないことは勇気を出してディスカッションに投稿した。するとたくさんの他の受講者から返事がもらえた。これには驚いた。見ず知らずの人が親身になっていっしょに考えてくれたり、アドバイスしてくれた。おかげで知識がぐんと深まった。そして課題に苦戦していた良子さんの何よりの励みになった。
今では本格的に勉強するため edxに登録し、歴史や文化、芸術のコースを受講している。
英語は好きだったので単語を調べるのもさほど苦ではなかった。なによりわかった時の喜びはひとしおだ。PC一台あれば学びの世界は無限にひろがっている。そして学びは人生をより豊かにしてくれる。

 児島健一(35歳)は食品関連企業の研究所で、10年間生化学の基礎研究を行っていた。しかし会社の業績悪化に伴い、研究所内のIT管理部門に異動となった。グループIT管理部門では、研究所員からのトラブル対応と会社全体のIT部門、保守点検会社との折衝が中心の仕事であり、今までの業務とは全く異なり、自分に出来るのだろうかと不安に陥った。
 元々理系で自他共に認めるコンピュータ好きの児島であったが、現実は日常の業務は何とかこなすのがやっとで、彼らの話す言葉がさっぱり理解出来ず困っていた。児島は関連する書籍を購入して勉強しようと試みたがするが、多忙な業務に追われて積読状態になってしまっている。
この時ある友人がJMOOCでインターネットの学習をしていて良かったとの話を聞き、コンピュータサイエンスに関する講義が無いかと検索してみたところ、Courseraでコンピュータサイエンスの講義が多数開設されていることを知った。幸い英語には堪能であったので、全くの初心者向けに開設されているComputer Science 101を受講してみた。書籍と異なり、短時間の映像であるため自然に学習出来ること、学習後にクイズ形式の選択問題があり、どの程度まで理解出来たかが数字で出てくることから、多忙な中でも少しずつ学習を続けることが出来た。その内周囲の人間の話に出てくる言葉の中に講義で学んだ単語が出てきて、少しずつ周囲の話が理解できるようになってきた。
本来コンピュータ好きである児島はこれに意を強く、その後関連コースとして示されている上級コースを数種受講するようになり、1年後には周囲の専門家とも意思疎通が充分出来る様になってきた。上司からも、畑違いの部門からの異動でよくがんばっていると褒められるようにもなってきた。

(橋本さんの場合)
橋本さん(25歳)は東京のA公立中学校で理科主任として働く教師である。
中学の理科クラブの指導を任されているが、そこにはスーパーサイエンスハイスクール進学を希望するようなモチベーションの高い生徒が少なからずいる。植物の光合成がテーマのクラブ活動の際、葉緑体による炭酸同化作用やヨウ素デンプン反応とはだけでなく、なぜ植物には酸素や水が必要なのか、どれくらいの量必要なのだろうかという高度なレベルの疑問・興味を持ち始めるようになった。彼等の疑問や解決しようとする自主性を尊重する橋本さんは、自ら参考書やインターネットで光合成について調べていた。
そんな中、生物の活動を化学反応として説明する生物化学のCourseraのMOOCを見つけ受講を始めた。その講座は光合成に関する基礎知識だけでなく、生物学や化学の講師が実験を交えて説明するなどとても興味深いものだった。講師から出された課題を提出するだけではなく、電子掲示板で互いに自己紹介をした上で活発に議論をおこなっていた。植物に詳しい農業関係の受講者から橋本さんは、給水量と作物収穫の関係などを聞くことが出来、大いに刺激を受けた。
橋本さんはその講座で認定証を取ることができた。生物化学の知識に自信を持つことができ、植物はなぜ、どれくらい水が必要かなど光合成に関する生徒たちの疑問を解決するための実験を含めた理科教育教材を作成することが出来た。生徒たちに好評のこの教材は
A公立中学校だけでなく教育支援コンソーシアムを通し幅広く他校での活用も検討している。

山田 康夫さんは(64歳)は技術系の会社を定年退職し、同じ会社で5年の再雇用期間も終えようとしている。
退職後は年金生活では生活も不安で、社会への恩返しと収入増のため、再々就職か?又は起業したいと前々から思っていた。
起業及びマネジメントについて教えるCourseraのMOOCを見つけて受講した。
講義は、起業後に必要なマネジメントも合わせて受けられる為、背中を押してもらえる様な安心感が有った。
事前には、TVでの情報を参考に、本やインターネットで調べ、民間の通信大学や放送大学等を調査し、知識と経験、人脈もステップアップを図ろうとしていたが、調べると費用負担も大きく、卒業後には必ず就職や起業が約束されていると言う訳でもなかった。
MOOCの課題の提出後には、電子掲示板上でお互いや自分の経験等を自己紹介した上で、自分に無いものを求めて愚痴を言ったり、オフラインミーティングで実際の経験を話して批判を聞く、新しい人脈を作る、などでも交流を深めて行った。
結果、指摘を受けた自分の欠点や経理、マネジメント関係の未熟な点も十分に理解をすることが出来た。
山田さんには、大学卒業後30年以上前の古い知識と資格だけでは、安易には雇用されたり、起業に必要な基礎知識等が、TV、本やインターネットだけでは、十分には得られなかった。
今までの固定観念を持つ、上司や同僚、友人とは異なり、新鮮な知識や若い友人、知人を得ることで、不足している経験や知識を補充が出来て、若い人たちには自分の経験を伝え、疎外感からも解放された。
受講後には、これからの新しい人生にも挑戦出来る自信と知識や遠慮無く指摘出来る知人を得られたことが嬉しかった。

畑中亮介さん(32歳)は、10年ほど前に大学の英文学部を卒業後、高校の英語の教員として勤務している。英語の教員として英語教育に携わりながら、この数年ある思いが彼の頭の中から離れずにいる。それは「英語を大学入試のツールとしてではなく、実社会で生きる教養として身につけさせたい」というものだった。そのためには、ペーパーだけの学習ではなく、実際に英語の発音を聞けたり、生徒にスピーチをさせたり、英語の記事を読んだりといった指導を日頃から行う必要がある。しかし、畑中さんはその時間が学校教育の中では到底足りないということも知っていた。そこで生徒の英語教育に役立つスマートフォン用のアプリケーションに可能性を見いだしたが、それまで畑中さんはアプリケーションの作成はおろか、コンピュータプログラム自体を学習したことがなかった。
畑中さんはスタンフォード大学がiTunesUの中に開講している、iOS用のアプリケーション開発の講座の教材を利用して学習を行った。もちろんプログラムの学習には、その講座だけでは十分ではなかったので、コードアカデミーの教材を利用しながら少しずつ学習を進めた。
結果、理想としていたアプリケーションとしてはまだ機能が足りないものの、生徒にとって十分学習支援になりうるアプリケーションを作成することができた。畑中さんはよりよい機能を求め、アプリ開発のための学習を今後も続けていこうと考えているが、この学習を通じて、「英語が実社会で生きる教養である」という考え方が間違っていなかったことに気づくことができた。これまで利用してきた教材は英語によるものであったからだ。畑中さんはこの経験を生徒に伝えて、生徒の英語学習に生かしたいと考えている。

田中さんは大学は工学部出身ですが、学生時代から文系就職を希望していて、念願かなって銀行に就職できました。入社後は支店に配属されそこで支店の仕事を一応経験したのです。その後は支店に縁がなく本社の中での移動や海外勤務で、その都度仕事の内容も変わり研修等でいろいろ勉強させてもらっていました。
しかしキャリアを積んでいく中で考えるようになりました。経済は生き物でどんどん変化していく、成熟した社会が今後どのように変化していくのか、その中で過去に世界を混乱に陥れた幾つかの危機を勉強し直したい思いにかられました。そしてCourseraのビジネス・経済のコース「リーマンショックの原因を金融工学から探る、金融市場のメカニズムを学ぶ」の講座を受講することにしました。
イエール大学のシラー教授の講義で期間も8週間でそれほど負担になりませんでした。
なぜあのような事態になったのか、なぜ食い止められなかったのか、なぜ世界恐慌につながったのか、
今の世の中どのようなことでも一国の問題にとどまらず世界中が影響を受ける、対岸の火事として見ていられない情況になっています。シラー教授は講義内でCAPM(資本資産評価モデル)について「学ぶことによりリスクがどのように広がり多様化され、管理されるか理解できる」と述べています。
非常に流動的な経済の中で、世の中の変化を直視し英知を集め二度と同じ過ちを繰り返さない為にも金融機関に働く者として責任を感じ今後もいろいろ勉強していかねばと思いました。

鈴木雪乃さん(38歳)は横浜でケーキ店を始めて10年になります。開店時に15年後にイートインスペースを設けることを目標にし、資金をためてきましたが、10年の間に蓄積したデータを分析して改善点を見つけ出し、目標達成に役立てようと思いMOOCでデータ分析に関する講座を探してみることにしました。すると、Schooの「分析のリアルがここに!現場で使えるデータ分析講座」を見つけることができました。Schooは「生放送授業」と「録画授業」がありますが、この講座は録画授業なので閉店後の時間を勉強に充てようと思っている点と英語が苦手なので日本語で開講されている点が雪乃さんにはぴったりでした。又、「3分動画」といって特に学べるポイントやノウハウを約3分の動画に切り出したものがあり、どのように授業が進むのか知る手掛かりにしようと「中央値と平均値。数値の正しい使い方を知るために意識するべきことは?」という3分動画を見ました。視聴後、授業の様子だけでなく、ふさわしい数値を用いないと間違った結論を導き出してしまうということを学ぶことができました。雪乃さんは講座受講後、来店していただいたお客様が1回に買う商品の個数・種類・お客様の年代・性別などを月別・曜日別・時間別に分析してみたところ、季節ごとの売れ筋商品が明確になったり、曜日により販売個数がどのくらい差があるのかがわかり商品の売れ残りを減らすことが期待できるようになりました。又、お客様の来店時間に合わせて営業時間を検討してみようとも考えています。購買層が明確になったことから、新商品の開発にも利用しようと考えています。改善点を見つけることができたことで、目標にまた一歩近づいたように思います。

田中ゆみさん55歳は東京の大手金融機関に勤務しています。長らく大企業の歯車の1つとして働いてきましたが、50歳を過ぎたころから何か違う人生を歩きたいと思い始めました。そのきっかけは60歳を過ぎて定年を迎えた人たちが、社会との接点をなくし、時間を持て余しながら何も世の中に貢献できないと嘆く姿を見たときからです。
多少のお金の余裕を持っていてもそして健康で元気でいても、人生の生きがいをなくしてしまった熟年者は本当に哀れです。老人たちの余生は毎日の時間が過ぎてゆくのが遅く、また生きがいや満足感を感じる事が少ないのです。彼女はこれからの自分の人生はこのような沢山の元気な熟年者を何とかするのが使命だと思ったのです。そして色々と私に相談をしてくるようになりました。
決意が固いのならばNPO法人をまずは立ち上げながら、元気な老人たちが社会にどのように貢献出来るのか手探りで探しながら非営利方式で進んではと提案を致しました。
その時から田中さんはNPO法人に関してネットで調べ始めました。それと東京大学が無料でオンラインで実施するイノベ-ション人材養成のカリキュラムを受けることにしました。
I.SCHOOLです。
そこには
 ・企業で新規事業を生み出したい方
・斬新で力強いアイデアを自ら起業して実現したい方
・社会人&学生かかわらず、企画をつくることが多い方等に参加下さいと有りました。
田中さんは沢山の参加者と沢山議論をする機会をもらい、単なる余生と世の中が思っている65歳からの人生を、元気な熟年老人達が、社会に貢献できる誇り高い熟年人生に変えるための社会システムを新しく創りだすアイディアを必死で探したのです。
企業が営利事業として沢山の新規事業を展開していますが、田中さんはNPO法人を創り、
非営利事業で社会貢献と生きがいを多くの熟年老人たちに感じてもらえる社会システム創りに今から挑戦をする事を決めたのです。その想いを知人に伝えますと沢山の健康で元気な熟年者が彼女の周囲に集まりました。彼女はいよいよ9月に会社を早期退職し、
老人の単なる余生を、生き生きとした人生に変える使命を背負い、新しい旅に出発します。

長野賢人さんは東京に住みIT企業に技術者として勤める25歳。最近、業務内容が
大幅に変わり今後の仕事のあり方についてどうするか考えている。
その中でインターネットで検索で、無料の大学講座はあるのを見つけ、
元々興味のあったがコンピューターグラフィックスについて、東京大学のCourseraに
講座があるのを偶然見つける。
誰でも受講できるのと無料講座があることで英語には自信がなかったが受講してみることにした。
講座は英語なのとプログラムなどの知識はあるがコンピュータグラフィックスについては経験した事はなかったので、
英語共にコンピュータグラフィックスを勉強をしてみた、仕事の合間で対応するには少し負担が大きい感じがしたが、
授業内容に関してディスカッションできるフォーラムなどを利用して、何とか理解する事ができた。
実際に受講してみて、スキルアップと自分の仕事としてコンピューターグラフィックス分野にいく為に、
もっと、深く学んでみたいと考えるようになった。

 高校で女子野球部に所属している高田早苗さんは、卒業後の進路に迷っていた。高校時代の実績を買われ、女子プロ野球チームからスカウトされていたが、長い人生、特に女性であることを考えた際、プロに進むのはリスクが高く感じられたからだ。また、学業も優秀だった高田さんは、学問への興味も強く大学進学も捨てがたかった。しかし、将来的な肉体の衰えも考え、プロに進むなら今が最適と考え入団した。一方で、早稲田大学人間科学部通信教育課程(eスクール)も受験し合格、入学を果たした。同科は、ほとんどの課程をeラーニングで履修でき、厳しい練習や全国各地で開催される試合の合間を縫って、勉強することができた。また、MOOCsとは異なり少人数で編成されたクラスには専門知識を持った教育コーチが配され、BBSを使った活発な議論やスクーリングでは他の様々な背景を持つクラスメイトの意見を聞けたり、一体感を味わうことができたりして、視野が広がるとともに大いなる刺激を得られた。
 日本での活躍が認められメジャーへと進出した際も、これまで学んだ英語力をいかしチームにいち早く馴染むことができた。また、慣れない土地で孤独な時も、時折届くクラスメイトからの励ましで精神的に支えられた。その後、必修であった卒業研究もゼミ指導教員によるSkype等を駆使した指導でやり遂げ、事卒業することができた。しかし、メジャー4年目のシーズン途中におきたケガが原因で、現役引退を余儀なくされた。まだ20代も半ば、人生これからという時に起きた不本意な出来事で当初は途方にくれていたが、恩師のアドバイスもあり、健康福祉学科で学んだ知識と現役時代の経験をいかしトレーナーに転進。心身ともに後進を支援、育成する第二の人生に全力投球している。オンラインによって知識を得ることのみならず、少人数制のクラスや指導といった対面式の重要さを身をもって感じ、指導にもいかしている。

橋本玲央さんは東京都内にある私立大学の大学院で教育方法学を専攻している修士課程の2年生である。彼は昨年、教育工学の授業で知った「反転学習(flipped learning)」のシステムについて興味を持ち、その学習方法での学力向上の可能性と課題について修士論文を執筆したいと考えている。しかし、実際に反転授業についてしっかりと学ぶ講義が大学院の中にはなく、知識の少ない中で研究論文や書籍を読むだけでは理解できない部分もあった。そこで、インターネットや学会誌などで調べている中で、JMOOCとそのプラットフォームであるgaccoの存在を知り、反転学習を構成するオンライン授業と関わりの深い「オープンエデュケーション」に関する講義を反転学習コースで受講することにした。講義では、基礎的な知識や学習システムに関する知識、また、実践例やこの学習システムが現在抱えている課題についても学ぶことができた。gaccoでは、ディスカッションの場として掲示板が用意され、そこでは活発な意見交換がやり取りされており、受講者の様々な視座を獲得できた。更には自主勉強会などの呼びかけなどもあり、積極的に参加することでより学びを深めることが出来る環境があった。また、反転学習コースでは反転授業を実際に受講したことによりオープンエデュケーションの持つ教育的効果について体感することができ、座学だけでは感じられない知の獲得もあった。そして反転学習の実践からは新たな問題の発見なども得ることができ収穫の多い経験となった。この講義と反転学習コースを通して橋本さんは、オープンエデュケーションに対する学力向上の可能性とそれを活用する反転学習への大きな期待と可能性、そして新たな問題意識を得たことで、修士論文執筆への大きな参考となり、またこの分野の学びをより深めたいという気持ちが強くなり、修士課程修了後は博士課程への進学を決断するに至った。

飯塚幸子さんは、大学教員の夫の研究のためにボストンに二年間の予定で住んでいる。大学で日本美術史を専攻していた飯塚さんは、学芸員資格を持ち郷土資料館の企画部に所属、二年間の休職をしている。
英語は得意なため、西洋美術史をボストンの自宅で勉強し、ボストン美術館で説明員のボランティアをし、今後のキャリアに活かしたいと考えた。そのためには、短期間で西洋美術史を学ぶ必要がある。そこでみつけたのが Kahn Academy の Art History コースである。
YouTube を利用したビデオと、美術品の写真を使った英文のテキスト、確認クイズから成るコースウェアが用意されており、学習進捗がヴィジュアルにわかるようなシステムであった。まずは、なじみがあるアジア美術から勉強しはじめて、西洋の歴史まで学びを進めた。
疑問点は、Question に書き込むと参加者からすぐに返事が返ってくる。馴染みのなかった西洋美術史用語を英語で憶え、ビデオの説明から英語での説明の要領も掴めてきた。
その後、Questionで知り合った、イギリス在住の美術の高校教員である Arthur Smith を coach に指定し、彼の Class に所属した。活発な議論に参加し、ますます西洋美術史の面白さがわかってきた。Arthur が彼の Classでボストン美術館のボランティアのChristian Laube を紹介してくれた。Christian の紹介でコース終了時には美術館ボランティアに登録ができた。コース終了や積極的なディスカッションを示すバッジが評価された。ボランティアでは、ボストン美術館で所蔵数の多い日本美術と西洋美術の関連を話し、好評を得ている。
現在、飯塚さんは、Kahn Academy で coach になり Class を持っている。そして、Kahn Academy Japan のボランティアに登録し、英語教材の和訳を行っている。
夫の研究が完了して帰国後、郷土資料館に復職が決まっているが、地元の美術館の西洋美術コレクションの企画を兼任したいと希望を出している。そしてボストン美術館の現場で学んだことを、日本の郷土資料館や美術館の現場に活かしたいと考えている。

双子の兄弟「学(まなぶ)くん」と「涯(がい)くん」は同じ高校に通っている。授業で先生から、「最近のこの国日本の政治動向として憲法改正や集団的自衛権など難しい問題が、今までになく活発な議論が巻き起こっている。生徒諸君も新聞、雑誌、TV、SNSなど注目して、できるだけ自分の意見を持てるよう工夫もしなさい」と言われた。家に帰ると早速「今日先生が『この国のかたち』がキーワードだって言ってたけど、どう」と兄の学が問いかけて来た。「この国のかたちって司馬だろ。あの人は学者じゃないから大学なんかでは講義されないテーマだろ。勝手な議論もできないし」と涯は受けた。「最近OCWってオープンな学びの仕掛けが大学で出来てるらしいぜ。『OCW この国のかたち』でちょっと検索してみるか?」兄弟で興味津々OCWにアクセスすると、OCW.u-tokyo.ac.jpで2013年の冬期講座に「学術俯瞰講義ーこの国のかたち」が開講されているではないか。しかもその講義の一部(長谷部教授の講義)は「高校生にもオススメ」ともなってるではないか。全部13の講義で構成されていた。すべて聴講するには20時間くらい必要みたいだ。しかしすべて講義は講義ノートが添付され、映像VIDEOもある。東大の法・文学部の聞いたことのある先生方の講義だ。政治家、マスコミ、評論家の意見はTV、新聞で少し触れたことはあったが、教授と名のつく方の意見を今まで聞いたことがなかった。二人は「この際、大学進学を目指してもいるんだから、大学の教授ってどんな講義するか一度チャレンジしてみようよ」と決まった。二人は水・金の部活のない日を選んで5時から7時までを聴講時間とした。大変スリリングな経験だった。最大の発見は、講義に至るまでに凄い知的営為が先生方になされていることだった。政治家やマスコミどうだろうか。学問的営為が感じられる授業は感動ものだった。残り少ない受験勉強に一層拍車をかけ、無事合格を果たし、入学後も、学際的な領域に広がるOCWの受講を楽しみつつ、一層大学での問題テーマの絞り込みをはじめることができたのである。

サタさんはザンビアの農村部の小学校教員である。中堅、算数教員。
教授法について専門的に学んだ経験はなく教員免許はもっていない。そのため一方的に教科書を読むだけの授業となっている。テストは暗記中心。これでは学習効果はあがらないとわかっているが、これしか教授法を知らないため改善のしようがない。なんとか授業を改善できないかと悩んでいた。
そんなある日、サタさんの学校にZEdupadという教育用タブレットが導入されることとなった。ZEdupadとはザンビアの小学校教育改善のために開発されたタブレット端末である。教育省に認定された小学校教育に必要なすべての教材(動画やクイズ)がプリインストールされており、教員用の指導案も含まれている。また有料でZEdupadを使ったブレンド型学習を行うための教員研修も用意されている。
早速サタさんはZEdupadの指導案に目を通した。指導案には今まで全く知らなかった生徒中心型の授業方法が示されており、とても興味の持てる内容であった。一通り目を通したサタさんは、学んだ教授法を取り入れた授業を行う決意をした。少しずつ実践を通して授業を改善していくつもりである。これから授業が改善されていくのか、生徒たちの成績やモチベーション変化が見られるか、楽しみである。

田中美紀さんは千葉市に住む高校1年生である。
今春、志望校にも上位の成績で合格したものの、自分の適性や進路を考えるには今までの環境以外の世界で、もう少し視野を広げてみたいという希望を抱いていた。
そんな折に、父親から日本でもJMOOCがスタートすることを知らされ、早速申し込んでみた。
JMOOCの講座は、東京大学の本郷教授による「日本中世史」であり、以前か好きな分野でもあった。講義は、非常にわかりやすく、歴史が科学でもあることを、実例を上げて丁寧に説明してくれるものであった。
単なる暗記科目としての無味乾燥な説明ではなく、古文書や古記録から裏付けを取りながら、歴史を掘り下げていく科学的思考は初めて体験したものであり、熱心に取り組んだ結果、課題では100%を取ることができ自信にも繋がった。
また、東京大学で反転コースの講義もあり、中学生から70歳代の受講生が集まり、懇親会や高校生の為にキャンパスの案内ツアーまで開催してくれた。
懇親会では、同年代の受講生が数多く参加しており、その中の2人と友達になれ、本郷教授が出演するテレビ番組や記事などの情報交換を続けている。
 その後、「インターネット」、「国際安全保障論」と継続して受講し、数式とか専門的分野のむずかしい課題もあったが、一緒に受講している父親に助けて貰いながら、基礎知識を身につけつつある。
さらに東京大学オープンコースウェアのサイトには、各専門分野の入り口にぴったりな講座の紹介コーナーが設置されており、様々な講座を視聴できることがわかった。
これまでは、漠然と東京大学に入れれば良いかなという想いだったが、実際に東京大学のキャンパスを歩き、実際の講義を体験できたことで、どうしても東京大学で勉強したいという願望が日々強くなってきている。決して低いハードルでない事は百も承知の上で、今後2年半は明確な目標の下に努力を重ねていきたいと考えている。

鈴木直生(19歳)は,東京の難関大学法学部に所属し,将来は弁護士を目指している。彼が弁護士を目指すきっかけとなったのは,ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による『白熱教室』を見たことによる。番組内のディスカッションを見ながら,政治哲学に興味をもち,法学部を選んだ。
大学での1年での一年が終わろうとしている時,ふと“Justice”の講義を思い出した。すぐに,ハーバード大学などが主体として設立したMOOC (edX)を探すと,HarvardXで,まさに4月から12週で学ぶオンラインコース “Justice”(Course Code:ER22.1x)が始まるところだった。「単純に受講するコース」と「証明証に挑戦するコース」の二種類があり,どちらのコースを選択するかはとても迷った。証明証に挑戦するコースを選べば,かなりの時間と労力を費やさなければならないことははっきりしていた。鈴木は英語のリスニングはともかく,ライティングに少し自信が無かった。しかも,これから始まる2年生でも一生懸命に学習したいと考えている。
悩みに悩んだ結果,彼は,「単純に受講するコース」を選んだ。説明に,「教材やテストのすべてにアクセスし、オンラインディスカッションフォーラムを持っこともできる。」とあったことが大きかった。実際に受講すると,内容についてもしっかりと理解できたし,テストも難なくこなすことができた。結果として,証明証こそ取れなかったが,フォーラムの中でのディスカッションを中心とした学習スタイルは,今までの自分自身の学習について考えるきっかけとなった。講義を聞くことが中心の日本では受け身の学習態度であったが,今後は学習テーマを自分なりに咀嚼し,様々な角度から検討するなかで,より深めていく必要があることを理解した。
12週にわたるコースは6月に終了したので,7月中下旬から始まる学期末にもしっかりと時間を費やすことができた。様々な角度から検討するという学習スタイルを身に付けた鈴木は準備万端で期末試験に挑戦することができた。

中学生3年生の愛子ちゃん、漫画が大好きです。イラストを描くのも大好きで、将来は漫画家かイラストレーターになりたいと思っています。ある日、お母さんがgacooのインターネットを受講していたことを知りました。どんなことをするのか興味を持って見ていたら、マンガ・アニメ・ゲーム論という講座があることを知りました。そこで、ちょっと難しいかなと思いましたが、お母さんに励ましてもらいながら受講しました。頑張った甲斐があって見事修了証をゲットしました。この受講で、日本におけるマンガ・アニメ・ゲームが独特な発展を遂げたことがわかり、また、日本が世界に誇る文化であることも理解でき、将来の職業として具体的に取り組むことを決めました。それには、さらに芸術について学びたいと思い、中学生でも無料で学べるgacooのようなオープンコースウェアを探してみました。すると、カーン・アカデミーというサイトでアートの学習が出来ることがわかり、挑戦することにしました。英語はまだ初心者ですが、動画を見ながら、わからない単語は辞書を使って、自分のペースで少しずつ学習することにしました。いろいろなコースをひとつずつマスターしたいと思います。そして、将来学ぶ大学を探すためにいろんな大学のオープンコースウェアに挑戦していこうと思います。最終的に漫画に進むかイラストレーターになるかはまだわかりません。でも、学びながら作品づくりにも励み、応募できるサイトも見つけていきたいと思っています。

岡田かおりさんは東京出身の中学3年生である。父親の転勤に伴ってマニラのインターナショナルスクールに転校することになった。小さい頃に海外生活の経験があるので英語は多少できるが、転入試験にとても不安を抱えていた。日本人は数学で点を稼ぐと聞いていたので少なくとも数学は失敗したくないと思っていたが、英語で出題される試験に対してどうやって準備していいか全く分からなかった。
悩んでいるかおりさんに母親が「Khan Academy」という数学のオンラインエデュケーションサイトがあるから受講してみたらとアドバイスをくれた。友達と使っているFacebookのアカウントで登録することができたので、少し気が楽になった。内容を覗いてみると、レベル別に細かく分かれたコースが用意されていた。日本で勉強した知識で解ける問題も数多くあり、少しずつ解いていくうちに英語での出題形式に慣れることができた。
アメリカの8年生(中学卒業程度)までの問題を解けるようになり、インターナショナルスクールに見事合格したかおりさんは、転入後も授業の予習復習に利用したり、好きなジャンルの上級問題に取り組んでいるうちに数学の面白さを感じるようになった。何よりコースをこなすうちに段々増えていくポイントやごほうびのバッジがモチベーションになった。
かおりさんはその後、カーンアカデミーの他のコンテンツにも興味を持ち、現在ではコンピュータープログラミングのコースを視聴している。初級から無理なく学べるようになっていて、自分で作ったプログラムを公開してお互いに投票しあったりする場も設けられている。また、コンピューター業界で働いているプロフェッショナルの話を聞けるコンテンツもあり、ゲームやアプリを作った人のプロフィールを見たり、ユーザーとのやりとりを読んだりして興味を持ったかおりさんは、将来はアメリカの大学でテクノロジーを学んでコンピューター関係の仕事につきたいと考え始めている。

優子は高校2年生だ。将来の夢はない。国語の先生、海洋学者など具体的な目標のある友達もいるが優子にはない。進路希望調査が記入できず困って母親に相談したら「自分で考えなさい!」と叱られてしまった。
大学で勉強したい。得意な科目は数学。理系を選んだけれど、不器用でものづくりや生物が苦手で工学部や理学部に行きたくないと先生に相談すると、経営工学はどうか?とアドバイスをもらった。他の理系学部よりは興味が持てそうと報告したら、母親に経営工学ではないけれど、マネジメントを学べる無料の大学の講座を一緒に受けないかと誘われた。母親はIT系の企業で働いている。大学の授業を無料で受けられるサービスが日本ではじまったことを知り、さっそく申し込んだのだそうだ。
家のパソコンを使ってサイト(gacco(http://gacco.org/)を覗いてみた。経営もマネジメントもちんぷんかんぷんだったが、夏休みということもあり受講することにした。学んだのは母親に言わせるとごく初歩の内容であったが、優子にとっては新鮮で、何より”経営”に興味を持つことができた。反転授業も母親と一緒に参加した。グループディスカッションでは他の参加者に圧倒され、思ったことを言葉にできず落ち込んだが、「ひとりで勉強していたのでは気がつかなかったことが沢山あったでしょ?面白かったね。」と母親に言われ、理解が深まっていることに気づき、驚いた。
反転授業で同じグループになった社会人から働く場で実際に直面しているリアルな話を聞くことができたのも有益だった。設置されている掲示板に書き込みをすると反応があり、たまたま優子が興味を持っている学部の卒業生から授業の内容について教えてもらうこともできた。優子は他にも興味のある講座をいくつか受講するつもりだ。無料なのでこれは違うなと思ったら受講を中止すればいい。
白紙だった進路の方向性が掴むことができ、優子は幸せと充実感を感じている。

進学校の高校1年生の鈴木一郎さんは、今年高校に入学したばかりだ。
2年生から文系・理系の選択授業がはじまるので、年明けの3学期の初めに希望を提出しなければならず、受ける授業を選択しなければならなかった。
やっと学校の授業にも友達にも慣れたばかりなのに文系に進むか、理系に進むか決めかねていた。
将来進みたい方向もまだ決まっていなかった。
成績は全体的に良いが得意と思える科目も無かったので友人に相談してみた。
しかしみんな自分が進みたい道が決まっていて参考にならなかった。
まず、大学の授業とはどういうものだろうと思い、いろいろインターネットで探しているうちにJMOOCで「日本中世の自由と平等」という授業と「化学・生命工学が作る未来」という授業を受講してみた。
歴史のほうは細かいことを調べることが多くて途中で挫折してしまった。実際の学校の授業では成績は良いが、深く掘り下げるほど面白いとは思えないことがわかったので歴史方面に進むことはあきらめた。
しかし化学・生命工学の授業の方は、授業の内容が難しく、理解できないところもあったが、蓄電池に興味がわき、ぜひ大学で蓄電池の研究をしてみたいと思うようになった。
理科は調べれば調べるほど自分が知らないことがあり、新しい発見ができることがわかった。
理系を選択し工学部に進学希望を絞ることに決めた。
受験する大学は、これから各大学のホームページや研究内容をリサーチしてオープンキャンパスなどに参加してから決めようと考えている。

上野さくらさん(26)は、大学で食品化学を学び、現在は宮崎にある食品会社の企画部門で働いている。このほど若手社員らによる新たな商品開発プロジェクトの一員となったが、理系出身の上野さんは、コスト管理や広報戦略などに関する知識をもっと学ぶ必要を感じるようになってきた。上司に相談したところ、自分は2年間休職してMBAを取ったと教えられ、経営学を学ぶのもよいのでは、と助言を受けたが、入職して間もないため経済的余裕はなく、プロジェクトが始まったばかりでもあり、なかなか踏み出せないでいた。
そんな折、インターネットで無料で大学の講義を受けられるJMOOCに、ビジネススクールの教員らによる講座があることを知り、受講を始めた。講義では、ビジネスモデルのデザインやキャッシュフローの評価など経営学のエッセンスのほか、様々な事例についても学べ、自社と比較しながら学習を進めることができた。1回あたり10分程度の講義ビデオは通勤時やちょっとした空き時間に視聴するのにも都合がよく、理解できるまで繰り返し何度も視聴した。
経営学の基礎的な知識を習得した上野さんは、受講後も、講座のオンライン掲示板で教えてもらった参考図書を図書館で借りてきて学習を進めており、関わっているプロジェクトを多角的な視点で捉えられるようになった。

秋伴泰司さん(32歳)は、香川のIT企業でWebプランナーとして働いている。
地元の大学時代、成長著しいWeb業界でアルバイトをはじめ、1日でも早く専門性を高めて稼ぐため、大学を中退しそのままアルバイト先に就職し、現在はプロジェクトリーダーをまかされるまでになっていた。会社が成長するにつれ、大手企業の担当者と打合せをする際、自分自身の一般教養不足を痛感するとともに、社内での立場が変化してきたことにより、現場でのマネージメントスキルの必要性を感じ、仕事を続けながら学べる場がないか探していた。
友人の勧めもあり、大学教授陣による本格的な講義を無料で受けられるウェブサービス「gacco」を試してみたところ、理解度クイズや掲示板でのディスカッションなど継続しやすい仕組みであることがわかったので、さっそく取り組むことにした。
忙しい日々の中、1本あたり10分程度にまとめられた講義は受講しやすく、モバイル機器を使って、チョットした隙間時間を有効に活用することで、歴史、文化、マーケティングからマネージメントスキルにいたる最先端、かつ最高の知識を数多く得ることができ、多様な視点から考察する柔軟性と同時に、知に対して深い洞察を行う習慣を身につけることができた。平素限られた人間関係のなかで、同質な発想をしがちであった彼にとって、掲示板を通じて、仲間と疑問や意見をぶつけあうことや、互いに教えあうことは喜びであり、自分を見つめ直す良いきっかけになったと思われる。会社でも、マネージメント能力が必要な立場にキャリアアップでき、生活に張りと自信が持てるようになった。紹介してくれた友人に感謝しており、同じ悩みを持っている周りの人にぜひアドバイスしていこうと考えている。

松田章男(56才)、愛知県の大手自動車メーカーに勤務。自動車技術者だが長年管理職を担当し、技術の第一線からは離れていた。社内の役職定年で管理職を離れ、技術の第一線に戻ったものの技術の進展の激しさ・新しい情報分野についていけず今後の会社生活・定年後の人生に不安を感じていた。
娘も就職し手を離れ、これまでの人生を振り返り、技術者としてもう一度技術を磨き直すとともに、定年後は仲間とともに起業をしたいと考えた。
そこで、苦手だった情報分野への挑戦とビジネススクールへの入学をめざし、gaccoで「インターネット」を学び情報社会を支える基本と、情報化社会の現状と将来の動向について学びこの分野への苦手意識を克服した。
起業に向けてはMBAホルダーによる無料で学べるビジネススクール『1日3分で身につけるMBA講座』で毎日昼休みに基本を学ぶとともに、gaccoの「ビジネススクール」での学習と反転学習にも参加し、年齢・職業の垣根を越えた多くの人から刺激を受け企業に向けた学び・仲間づくりへと意欲を高めた。
gaccoでの学習を機に、これまでのガラケーからスマホ・タブレットに切り替え、会社の休み時間でもタブレットで学ぶ姿は、同僚からも「あのネットオンチが・・・」とその変容ぶりに驚きを与え、SNSを通じて同じ志を持った仲間との情報交換を活発に行うなど将来の新たな目標に向けて活動中である。

近藤さつきさんは都内に住む高校2年生です。自分の進路について考える機会が増えていく中で、漠然と社会科目を勉強している時が一番楽しく感じている事だけは自覚がありましたが、その中でもどのような専攻に興味があるのかはイメージが沸かず、どのような観点で大学や専攻を選ぶべきか悩んでいました。大学のホームページ等を調べているなかで、日本発信のMOOCであるJMOOCに出会いました。
JMOOCは3つのプラットフォームを提供主体としていますが、さつきさんはgaccoで公開している「中世の日本中世の自由と平等」を、OpenLearning, Japanで公開している「Global Social Archaeology(グローバル考古学)」の2科目を受講しました。Global Social Archaeologyの講義は英語で行われていますが、日本語字幕がつくため英語力に不安のあるさつきさんでも問題なく受講することが出来ました。2つの講義を受けた結果、高校では「社会」とひとくくりにされている中でも、専攻によって研究できる内容は全く変わってくるものであり、自分は考古学の分野をより深く学んでみたいと思っていることにきづくことが出来ました。また、大学レベルの授業がどのようなものなのかを自宅にいながら体験することが出来ました。ディスカッションでは、英語で学ぶ人、日本語で学ぶ人が入り混じって活発なディスカッションが行われており、これに感動を覚えたさつきさんは「日本考古学を学び、その素晴らしさを世界に発信したい!」という将来のイメージを描くようになりました。さつきさんはこの夏、考古学科がある大学のオープンキャンパスに複数足を運び、自分にあった大学を選ぼうと考えております。
また、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学のオンライン教育プラットフォームであるedXで考古学系の授業があることも見つけました。こちらには日本語字幕は付きませんが、英語力を培う目的も兼ね、辞書を片手に何度もビデオを止めて内容を確認しながら、修了証獲得に向けてチャレンジする予定です。

松本文乃さん(37歳)は奈良に住む専業主婦。かつては輸入代理店で忙しく働いていたが、妊娠を希望するため会社を辞め体調を整えながら淡々とした日々を過ごしている。親戚や夫からは料理上手として評判で、妊娠・子育てが落ち着いたら料理教室を開きたいという夢を持っている。
今、時間のあるうちに料理について学びたいと考えたが近くの料理教室では物足りなく、WEBサイトを調べていると、
Edmapsというmooc検索サイトでedxが提供するSience and cooking(科学と料理:オートキュイジーヌに潜むソフトマター科学)というハーバード大学の講座を見つけた。
大学教授の講義を辞書片手に聴いたり、プロの料理人の手さばきや調理法を学んだり、自宅のキッチンで動画を見ながら実験課題に取り組むことで、料理の奥深さとその不思議さを改めて感じることができた。また学んだことによって、今までは「自分が過去に食べたことのある料理」を元にアレンジすることが中心だったが、火の通り方による歯ごたえの残し方や、調味料の合わせ方による絶妙な味の出し方など、食材の性質を把握した上で新たな調理方にもチャレンジするようになった。
他にも、友人や近所の料理好きな人たちと料理コミュニティをつくり、料理研究と称して学んだことを披露すると共に、そこで話した内容を、講座の掲示板で発表・議論することで、国を超えた新たな料理の可能性を感じることができるようになった。
夫も料理にチャレンジすることに積極的で、ただ食べるだけでなく、失敗した時のメンタル的アドバイスもしてくれるようになった。
妊娠が発覚し、つわりがあるため今はコミュニティを休んでいるが、子どもや夫の健康や幸せのため、なにより自分自身の生きがいや自立のためにも、自宅で学ぶことができるmoocを利用して料理についての知識をこれからも探求し続けていくつもりである。

安藤さん(27歳)は、ゲーム開発会社にプログラマとして勤務している。高校は普通科で、英語など文系科目が得意であったが、テレビゲームが好きだから、という程度の動機でIT系専門学校に進学し、希望通りゲーム開発の職を得た。その点では自分のキャリアには満足している。一方同僚は工業高校や高校のコンピュータ部などで研鑽を積んだ人ばかりで、皆高いプログラミング技術を有しており、劣等感を感じることが多かった。
ある日、行き詰まった開発のヒントを得ようとネットを検索していると、プログラミング関連コースが充実しているUdacityというMOOCを見つけた。そこでは各コースが難易度ごとに見易く分けられており、興味深いコースを簡単に見つけることができた。修了期限はなく、自分のリズムに応じて好きなときに受講できるようだ。英語はほとんどわからなかったが、プログラミングに関することであれば察しはつくので、ゲーム開発のヒントを得られれば、とあまり期待もせずに適当に視聴を続けてみた。修了認定は有料だったが、修了を目的としているわけではないので、無料の範囲で気の赴くままに受講を続けた。実際最後まで到達できたコースは皆無で、つまみ食いのような受講の仕方であった。
そのうちに元々得意だった英語で学習するとこと自体が楽しくなってきた。そしてソフト開発にはプログラミング技術だけでなく、操作性やデザイン(UX)など、考慮すべき様々な要素があることもわかってきた。学習したことに基づき会議で意見が言えるようになってくると、周りの「凄腕」プログラマからも意見を求められることが増えた。そうした仲間に認められ仕事をする喜びを感じ、彼の劣等感はいつしか消えていった。そして皆の役に立つようにもっと学習しようという意欲が湧いてきた。現在は国内向けゲームの開発をしているが、近い将来自分が中心となって、グローバルに通じるゲームを手がけてみたいと思い始めている。

加藤正雄さん(30歳)は金融機関で営業職として勤務しています。最近の営業では顧客からリスクを回避できるような資産形成の提案を求められることが多く、これからは科学的な手法で提案をしたほうが、より顧客の獲得ができると考え、Courseraで勉強をし直そうと考えた。
加藤さんが選んだ口座は「金融工学」と「計量経済学」で、まさに自分自身の仕事に生かすことができるものだった。
Courseraではコミュニティプログラムへの参加やコミュニティメンバーへの質問によって自分自身では解決できなかった疑問点なども多数の人たちから回答を得ることができ、解決することができたり、逆に自分自身が教えることによって理解を深めることができた。
何よりも良かったことは、コミュニティプログラムへの参加によって金融の専門知識だけでなく、営業のノウハウを得ることができたり、個人的にも仕事のことで相談ができるつながりができたことであった。
加藤さんは学んだことを生かして営業をし、顧客を順調に増やしているが、将来は金融商品を設計する部門に異動し、自分自身のキャリアの形成もしていこうと考えています。

学一(まなびはじめ)氏は、企業向け研修会社に勤務し、化学やエレクトロニクス、機械など技術・研究分野のセミナー企画、開催を担当していた。最先端の研究を行っている大学の授陣を始め、世界有数な企業の究部門責任者等を講師として招き、内容はトップレベルであり、また工場機器など運用ノウハウも、世界屈指のものであると自負していた。
現在、日本を代表とする企業の研究部門担当者が参加しているが、今後に成長が見込まれる東アジア諸国の企業にとっても、必須な情報・ノウハウであると考えられた。
そこで同氏は、新規事業として本セミナーを海外にインターネットにて双方向型LIVE中継で開催する事業を企画し、スタートすることとなった。
本事業を進める上で、東アジアの通信インフラと言語の二つの問題を解決する必要があり、とくに後者の同時翻訳は、日本語から英語だけでなく、東アジア諸国の母国語での提供が飛躍的な成長を支援するものと考えられるため、自動翻訳システムが大きな課題になると予測した。
この解決方法を模索している中で、Udacityの人口知能を活用した自動翻訳の授業があることを知り、受講を始めた。
Udacityは、人工知能の第一人者であるスタンフォード大学のD.コーラー教授とA.ネグ准教授が立上げたため、この分野の専門家が大学の枠を超えて講義を公開しており、世界の最新技術や動向を学ぶことができた。
また、世界各国から受講者が集まっているため、ディスカッション・ボードを活用し、米国の自動翻訳システム会社とのパイプもでき、また同様なビジネスモデルを探求していた東アジア企業との提携も進めることもできた。
現在、タイの人材派遣会社と提携し、まず同国進出の日本企業に、日本国内開催セミナーをオンラインLIVEで提供するとともに、米国企業の翻訳システムの試用を進めながら、現地企業が必要とする技術情報やノウハウのヒアリングを行っている。

香山悠人さんは,将来教育職に携わることを目指している大学2年生.
香山さんは高校生の時,テスト勉強や大学受験対策にいい教材はないかとインターネット上で情報を探している時,たまたまmanaveeというサービスに出会った.そこでは,高校科目の授業が動画として,しかも無料で公開されているということ,さらに全国の受験生同士がリアルタイムでコミュニケーションを行う環境が提供されていることに,こんな斬新な教育スタイルがあるのかという驚きと興味を覚えた.これをきっかけに,単に自らの学習に活用する以上に,香山さんは新しい教育スタイルそのものへの興味を抱くようになった.
大学に入ってしばらくした頃,ニュース番組を見ていると,MOOCという単語が飛び込んできた.そこで,以前活用したmanaveeの教育スタイルは,オープンエデュケーションというここ10年の世界的な流れの一つであることを知った.早速自分でも同様のサービスを調べてみたところ,Khan Academyを発見.そこでは足し算や引き算など,小学校向けの易しい学習教材が多数公開されており,しかも一つ一つの映像は短く区切られていた.これは自主学習だけでなく,対面授業で副教材としても活用しやすい形式だと感じ,将来こういったオープン教材を活用するのが教育現場の日常になっていくのかも,という期待感を覚えた.一方,ほとんどのサービスは英語教材で,そのままでは日本の学校で使うには敷居が高いという印象も覚えた.そこから,例えば教材の翻訳,あるいは日本独自でサービスを展開するなど,日本でオープンエデュケーションを拡大する取り組みに参加してみたい,という思いが強くなっていった.
香山さんの目下の悩みは,自分はオープンエデュケーションを十二分に活用する教師になるか,それともその普及拡大に携わる仕事につくか,将来の選択肢が増えてしまったことである.

 高校生の兼重道明君は,学校図書館でホームズを読んで以来,その魅力に取りつかれてしまった.本屋も同好の士もない田舎なので,インターネット上のホームズ関係サイトに入り浸りである.原作を読めるサイトや朗読を聞けるサイト(“LibriVox”)も発見し,原作を味わいたい一心で英語にも慣れた.また,ホームズの活躍した19世紀イギリス社会への興味も深まり,メイリング・リスト(“VICTORIA")に参加して,その投稿メイルを読むのが日課になった.ここで,イギリスの大学の講義が聞けるサイト(“Future Learn”)の存在を知り,非英語圏の人を対象とした,英語とイギリス文化に関する講義を受講した.quiz や short report には苦労したが,他の受講生が,兼重君から見ても下手な英語でdiscussionに参加しているのを見て勇気づけられ,積極的に参加できるようになった.
 高校卒業後は,家庭の事情で,地元の業に就職する予定である.職場でも英語を使う機会はなさそうで,せっかく英語がここまで上達したのに,と担任からは言われている.しかし,兼重君は,無駄な学習をしたとは思っていない.19世紀のイギリスに,職業上の技能上達より「自由にものを考え,・・・自立し,道徳的に向上すること」を目指して自主的な学習に励んだ労働者が数多くいたことを知り,兼重君はこの人たちを自分の大先輩だと思っている.もちろん,大学に未練がないわけではない.しかし,大学進学を目指している友人より一足早くFuture Learnで認定証をもらえたことは彼の密かな誇りである.
 そんな彼に一つの夢がある.LibriVox は,ボランティアによる朗読を集積したサイトである.同じようにして,日本の名作の朗読を集めたサイトを作り,英語の解説を付けて日本語学習者に公開できないだろうか.大学受験を支援する日本の学習サイトには,個人がボランティアで始めたものがたくさんあることを知り,そんな夢を抱くようになった.

加藤太郎さん(42歳)は、大学を卒業し、A社(流通業)に新卒として入社した。入社してから、現場で販売職として従事してきた。入社10年で店長に昇格し、売上や部下育成に成果をあげてきた。その成果が認められ、今年5月に人事部へ異動となり、社員教育を担当している。
A社は、最近eラーニングを利用した教育に力を入れ始めたため、加藤さんはインターネットを利用した教育ツールを社員教育に活かすことを考えた。調査をしている時に、たまたま見たNHKニュースでインターネットを利用したgaccoが立ち上がるということを目にした。
早速、登録をし実際に何コースか受講してみた。受講してみると、自己啓発ツールとして活用することができると判断し、社員に紹介した。また、オープンエデュケーションコースを受講すると、ネットを利用した学びの機会がこれ程多いことに気づいた。実際に幾つかのコースを体験し、社員教育への活かし方を検討している。
加藤さんにとってオープンエデュケーションは新たな発見とともに、教育担当の職務を遂行する動機づけの要因となった。

 蟻川武志さん(35歳)は社員500名程度の電機メーカーで働く中堅の製品設計者だ。テレビで再生医学研究者の不正のニュースを見ながら,研究倫理という言葉は自分の立場ならば技術倫理となるのだろうなあ,と考えていた。自分としてはもちろん分っているつもりだが,誰かに教わったことはない。正直なところ,個人的にも,自分の会社についても不安である。最近の大学工学部では工業倫理という授業があるらしいが,我々の世代には存在しなかった。まとまった話を聞いてみたいとは思うが,それだけのために大学へ聴講に行くのは,業務都合がつかないし,周囲にも何を今更と思われてしまうだろう。自分の考えが間違っていないか,学び直したい。
 大学の授業としてあるのならばと,ネット検索してみると東京大学 UTokyo OCWに工学倫理の講義があった。MITオープンコースウェアなどが有名みたいではあるが英語では大変だなと思っていたところだ。ノートやビデオが全回分あるわけではないのが残念ではあるが,国内のコンテンツだから日本語で安心だ。
 すべての資料を見終えて驚いたのは,多様な講師の経歴と,実践に則した多様な例,内容の幅広さであった。幅広く近年の工学倫理の話題や考え方などを学ぶことができた。仕事や会社について,今までより深く多面的に考えられるようになったことが,受講での最大の収穫であった。社内の友人にも受講を薦めてみようと思う。すべての社員がこのレベルの考え方を共有できれば,もっといい会社にできるであろうし,そうなってほしい。

 鹿児島に住む主婦の山口さん(57歳)は、事務職を続けながら二人の子供を育てた。
子供が巣立った後、何か新しいことに挑戦してみたいと考えていた。
そんな時に偶然見つけたのが、gaccoの”オープンエデュケーションと未来の学び”であった。未来の学びという言葉に興味が湧き、さっそく受講してみた。
オープンエデュケーションとは、世界中の人が平等に教育を受ける機会を作ることであり、そのためにOCWやMOOCなど、さまざまな勉強の形態があることを知った。
 gacco自体がまさにそのMOOCであり、そこでは講義だけでなく皆が積極的にディスカッションをして理解を深めていた。
山口さんは読むだけで精一杯であったが、多くの受講生に背中を押された気がした。
「あなたも積極的にならなくちゃね」と。
そして山口さんはやりたかった目標が見つかった。
昔からミュージカル好きで数多くの舞台を観ているが、ミュージカルは日本ではまだまだマイナーな存在だと感じていた。
これまでは自分が楽しむばかりだったミュージカル、この楽しさを一人でも多くの人に伝える活動をしてみたい。そのためには今までは国内だけだったが、ぜひ本場イギリスやアメリカの舞台も観て勉強してみたいと思った。
そのために必要なのは英語である。今まで苦手意識が先に立ち、避けていた英語と何とか仲良くなるきっかけを見つけたい。そう思って探し当てたのは放送大学OCWの”発音をめぐる冒険 ’12’ ”(全15回)だった。
客員教授のStuart Varnam-Atkinさん(作家・俳優・翻訳家)の、まるで歌うような抑揚とリズムに、英語という言葉の綺麗さ、面白さを感じた。本場のミュージカルを観たいという具体的な目標を持ったことと相まって、これまでは挫折を繰り返した英語の勉強に、今回は付いていけると確信した。
 ミュージカルの楽しさを伝えるための方策はまだ模索中だが、先ずは本場で観劇した感動をブログに書き込むことから始めたいと思っている。

安倍清明(20歳)は学校教員志望の学生である。家庭教師のアルバイトをしているが、教育実習のことを考えると気が重かった。教科の内容について説明することには不安はないが、初対面の人の前で話すことには慣れていないためである。先輩に相談するとインターネットで無料の進学指導をしているサイトがあると教えてもらった。http://manavee.com/
というサイトで、受験勉強のテクニックをビデオ撮影して、受験生の自習の助けにするという無料サイトであった。
 このサイトの講義をみて、自分が家庭教師として生徒への解説の方法などの話し方、説明の仕方に工夫すべき点が多数あることを発見し、生徒から「先生変わったね」といわれて驚く始末であった。このサイトには自分の専門である理科だけでも物理、化学、生物、地学の4分野がそろっており、これから始まる教育実習対策や教科教育法の授業対策にもなった。なにより、家庭教師の生徒に頼まれて定期テスト対策で自分の専門ではない世界史について説明できたのが驚きであった。たしかに、このサイトでの自習は予備校で複数教科の授業料負担を家族に言い出しにくい受験生には役立つサイトだと改めて感じた。
お礼代わりにこのサイトのサポート役を申し出ようと考えている。まだ講師になってビデオで説明する自信はないが、受験勉強で躓いている生徒に対してモチベーション維持のための心理事業部でのお手伝いから初めてみようかとメールを書き始めたところである。教員免許が取得でき、どこかの学校の教員に採用されたとしても、このサイトのお手伝いは続けようと決意したところだ。

 青島太郎は広告代理店に勤めている30歳である。入社して8年目、帰りはいつも遅く、仕事に追われる日々を送っていた。主に大学の広報を担当しており、近頃話題になっているオープンエディケーションに興味を持ち始めていた。大学にオープンエディケーションという広報戦略を売り込むのはどうだろうか。その中身をもっと知るために青島太郎は早速、JMOOCを受講してみることにした。はじめは、オープンエディケーションに関する講義を受講した。仕事で忙しい中、隙間時間をうまく活用し、締切日にぎりぎりになりながらも課題を提出し、どうにか講義についていった。講義を終えるころには、オープンエディケーションの知識がしっかりと身に付いていた。
 ちょうどこの頃、青島太郎は仕事に関してスキルアップしなければいけないとどこかで感じていたのである。社会人になってからの自分を振り返ると、仕事に追われ、なかなか学びの時間が取れずにいたが、JMOOCではオンライン環境があればどこでも学習ができる。この利便性も彼をますますやる気にさせた。青島太郎はこの講義だけに留まらず、マネジメント関連などの講義も受講し、仕事のスキルアップにJMOOCを大いに活用した。
 大学広報目的ではじめたJMOOCであったが、今は自分をスキルアップさせることに目的が変わっていた。日本ではまだまだ馴染みがない生涯学習という概念。30歳という節目のときに彼は大きなターニングポイントを通過した。

鈴木さんは名古屋在住の高校1年生です。1学期を終え、夏休み中です。高校へ入学し、少しホットしたところですが3年後には大学入試がきます。日本や世界の歴史には興味がありますが、中学や高校で習っている歴史は暗記科目といった傾向が強くまた歴史ドラマなどでは主人公の性格や個性への作者の思いこみが強いように思われなんとなくしっくりしません。学校では歴史クラブに入り日本の近現代史を勉強しています。東大の歴史の先生が高校生に明治以後の特別講義をしたという話を聞き、大学での歴史も授業というのにも興味を持っていました。偶然に“UTOKYO OPENCORSEWA