■自分でScratchを使って作品をつくる

まずはScratchで作品を作ってみた。作っている過程で、何をモチーフに、どんな動きをするかを選ぶだけでも、自分が普段何を考えているか、どんなものを好むかがフィードバックされ、興味深い体験だった。他人とシェアするところまで到達できなくとも、箱庭療法的な意義もあるように思える。(普段いかに自分がクリエイティブな学びから遠ざかっているかという証左でもあり、こうした体験の重要性をあらためて感じる) http://scratch.mit.edu/projects/10378518/

特に面白いと感じたのは、他人の作品の「中を見られる」こと。 作品の裏にある思考の過程や工夫を見ることで、スクリプトの学習をしながら、自分でも新しいアイデアが出てくる。Scratchは機能が多く、それほど直感的なインターフェースでもないため、低年齢、もしくはITリテラシの低いユーザーは、まずは優れた作品のコラボレーションから始める方が楽しめるように思う。 比較的年齢層を選ばないツールだが、中学以上の知識レベルがあったほうが、作って共有する面白さ・奥深さを体験できるのではないか。

■Scratchを使ったワークショップや授業を考える

対象:高校生(高校での授業)
人数:クラスの人数(2、30名?)
場所:カフェのような、天井が高くてオープンなスペース(会議室・教室のように机、椅子が画一的に並んでいない場所)
テーマ:ネットで自分の作品を作ろう
内容:
3回に分けて、3日間のワークショップ

1日目) イントロダクション
Scratchの概要説明と簡単な操作方法(30分)
宿題・素材探し
・自分の好きなものの写真を撮ってくる
・作れる人はキャラクター(スプライト)を作ってくる
・好きな音楽を探してくる・データを用意する

2日目) 製作
宿題で持ち寄った素材から、それぞれが作品を作る(2時間)
友達に相談、コラボ・リミックスOK。担任教師も作品を作る。
ゲームで敷居が高い人は、紙芝居を作るのでもいいかも。
時間終了後、作品をWebで公開。
時間終了後の手直しOK。
全員のアカウントと作品リストURLを提示。

3日目) レビューとリミックス(2時間)
全員の作品をみんなでレビュー。
友達の気になる作品をリミックスする。

・期待する体験
身近な人の意外なクリエイティビティに触れて欲しい。
簡易プログラミングによって論理思考の面白さに触れて欲しい。
文系・理系の枠が固まる時期でもあるので、「文系」にはプログラミング、「理系」にはストーリー創造を経験して、枠外の面白さを感じて欲しい。

以上