私は、小学校の教師をしているので、そこで感じた問題意識をもとに、Scratchを使ったクリエイティブな学びについて書く。

Scratchを使った学びを通して、小学生はクリエイティブな学びにおけるreflectの意義とその魅力を体験できると私は考えた。

そもそも、小学生はreflectの力が弱いと私は感じている。例えば、子どもは、漢字のテストで×を付けられた漢字の間違いを自分で漢字ドリルを見て、自分で気づくことが苦手だ。漢字ドリルを見れば分かる程度の間違いなのに、自分で調べもせず、教師に「先生、これのどが違うの?」と聞いてくる。教師から指摘すればすぐ気づくのだが、自分で探すことができない。いや、探そうとしない。自分で自分の間違いを探すことを、ただ億劫な作業だと感じているのだろう。これが小学生の主体的な学びの足かせとなっている。

このように、普段の教科学習では、reflectの力を育むのは難しい。reflectの力は、遊びの中の方が身につけやすい。Scratchではdebugの作業が肝であり魅力である。この遊びの中でこそ、教科学習では億劫だと感じてしまうreflectの意義や魅力に気づくことができる。森秀樹さんの講義の最後の方で紹介されていた小学4年生の「・・・失敗は悪くなくて、それをどういかすかが、問題なんだなあと思いました」という振り返りが、そのことを物語っている。